|
会場:幕張メッセ
入場料:当日1,200円、前売1,000円
ステージにはまず、代表取締役社長の外山公一氏が登壇。「プレイステーション 2への一極集中から、ニンテンドーDSやPSPといったモバイルゲーム機、PCなど、プラットフォームは拡散の方向に進んでいる」と、昨今のゲーム業界の流れを鑑みた上で、「弊社もアーケードだけではなく、今後は5つの基軸で展開していく」と新たな方針を明かした。 5つの方針とは、タイトーのTypeXを採用してのACへの再参入、プレイステーション 3やXbox 360、Wiiなどの次世代機への参入、DSやPSPなどのモバイルゲーム機への参入、携帯電話向けモバイルアプリの強化、PC向けオンラインゲームの参入、といったもの。それぞれの詳細はこの後のステージで説明されることになったが、PCゲームについては、「NC softとの協業で進めているが、2007年に7本の移植タイトルを展開し、その後コラボレーションタイトルも出していく」とした。 外山氏に続いては、コンテンツ事業本部長を務める細谷壮一郎氏が壇上にあがった。細谷氏はカンファレンスの進行と、新作タイトルの説明を行なった。ここでは同社のさまざまな展開について順に説明されたが、特に注目されるのが、DSへの展開である。このカンファレンスにおいて、一気に3つのDS向けオリジナルタイトルが発表されている。 SNKプレイモアといえば、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」などの格闘ゲームのメーカーというイメージが強いが、発表された3つの作品は、いずれも路線が異なる。一言でいえば、萌え要素に走っているところが強い。旧来のファン層には受け入れられにくいかもしれないが、同社が新たなジャンルを開拓しようという意識の現われであるのは確かだ。
順に紹介していくが、発売日はいずれも2007年予定、価格は各5,040円とされている。
■ DS「どきどき魔女裁判(仮)」
魔女は外見は人間と変わらず、見分けがつかない。しかし魔女には、体のどこかに紋章が隠されており、ドキドキさせれば紋章が浮かび上がってくるという。つまりアクジのやることは、魔女と思しき女の子を見つけだし、ドキドキさせて紋章を見つける、ということになる。 目星をつけたら、ドキドキさせるためのアプローチ「魔女裁判モード」に移行する。ここでは画面に表示された魔女らしき女の子の体にタッチしてドキドキさせ、隠された紋章を見つけ出す。あまり詳しいプレイ方法は語られなかったが、果たしてどうやって魔女をドキドキさせ、どこに紋章が浮かび上がるのだろうか? もはや潔さを感じるほど、ある意味直球ど真ん中のタッチスクリーン用途である。
本作のプロデューサーを務める松下佳靖氏は、「見た目によらず、“SNKイズム”は入っています。ゲームとしてもきちんとやりこめるものになります」と、ゲームへの自信を覗かせた。
■ DS「電子メイド手帖 恋のいろは(仮)」
「自分色のメイドを育てる」というテーマになっており、1日5分のしつけタイムでいろはに物事を教え込んでいく。その内容によって、いろはの言葉遣いや性格が決定されていく。またゲーム中にはイベントも用意されており、衣装が手に入ることがある。部位ごとにパーツに分かれており、合計で100種類以上はあるという。着せ替え的な要素も楽しめるだろう。 ちなみに本作は「電子メイド手帖」という名のとおり、電子手帳としての機能も持つ。最終的には、育てたいろはがメイド兼秘書としてプレーヤーをサポートする、というわけだ。
本作のメインイラストレーターを務めている「たっくん」氏は、「自宅や会社の机の横に置いて欲しいですね。一家に1台でお願いします」と挨拶。育成したメイドが電子手帳をサポートする、という道筋から編み出された、アイデアの光る作品といえるだろう。
■ DS「キミの勇者(仮)」
短時間でもプレイできることを最重視したデザインで、30分で1つのシナリオが終了するような仕組みをとるという。「RPGは好きだが、クリアまでに何十時間もかかるのでは遊べない」という忙しい人でも、気軽に遊べることを目指して制作されている。 またビジュアル面では、空を感じさせるものというコンセプトがあるという。イラストを見ると、空を広く描いたものが多く、清々しさが感じられる。少しの空き時間に遊んでも、晴れやかな気持ちでゲームが終われるようにと意識してのことかもしれない。
本作のプロデューサーは「どきどき魔女裁判(仮)」と同じく、松下佳靖氏が務めている。開発に関しては、やはりまだこれからといった様子だが、「企画段階から手ごたえを感じています。軽い気持ちで遊べるRPGを作っていきます」と意気込みを語った。
■ DS「SNK VS. CAPCOM カードファイターズDS」
こちらはカンファレンスのほかに、一般公開日にはステージイベントも実施。いずれもステージには、プロデューサーのFALCOON氏が登場し、ゲームの紹介と内容説明を行なった。 ゲーム内容は、カプコンとSNKのキャラクタが計400体以上描かれたカードを使い、50枚1組のデッキを作成。そのデッキで、1対1の対戦を行なう。ゲームが開始されると、デッキから7枚のカードがドローされる。キャラクタカードを場に出し、攻撃させて、相手のプレーヤーキャラクタを倒せば勝利となる。基本的なゲームの流れは一般的なトレーディングカードとあまり変わらず、どちらかといえばシンプルなほうだ。 ゲームのポイントとなるのは、「フォース」と呼ばれるものを使って場にカードを出す点。フォースはターンが回ってくるときに自動的にたまる分もあるが、そのほかにカードを捨てることでもたまる。ゲームスタート時には、7枚のうち数枚を捨ててフォースをためて、残ったカードを場に出すという流れが基本。どれを捨ててどれを出すかが、ゲームの駆け引きの1つとなる。 同社がDSでゲームを出す方針を決め、何を出せばいいかという話になった時、「カードファイターズ」をもう1度やりたいというFALCOON氏の提案で、第1弾タイトルに決まったのだという。 登場キャラクタは、カプコンの「デビル メイ クライ」や、「逆転裁判」などから新たに登場。SNKプレイモアのキャラクタも、「KOF MAXIMUM IMPACT」などが追加されている。これらのキャラクタの選定は、「手広いタイトルから選びたかった」というFALCOON氏。先に能力が作られて、そのイメージに合うキャラクタを探す、といった決め方もあったのだそうだ。ちなみにFALCOON氏が真っ先に入れたいとカプコンに申し出たのが「キャプテンサワダ」だったそうだが、これは版権の都合などで採用できなかったという笑い話(?)も。 またカードゲームではイラストも注目される要素だが、「レアリティの高いカードについては、SNKプレイモアのタイトルを手がけたイラストレーター陣による、描き下ろしイラストも使われている」という。 通信機能については、プレーヤー同士での対戦はもちろん、カードの交換、デッキの交換も可能。デッキはレシピのみ受け渡す形になり、カードとは別扱い。ちなみにプレーヤー間のトレードをしなくても、全てのカードが揃えられる仕様になっているそうだ。
イベントの最後にFALCOON氏から、「年内には必ず出します」という宣言が出された。また「好評なら大会もやりたい。僕も出ますよ」というコメントも。早期に実現してもらえることを期待したい。
まずはタッチスクリーンを試してみたところ、手札が近くてやや選択しづらく、行動を決めると確認なく進んでしまうため、取り返しのつかない操作ミスをしてしまうことがあった。慣れれば問題なくなるかもしれないが、タッチスクリーンでの操作を推していただけに、ちょっと気になる部分ではある。今後の改善に期待したい。 そのほかの部分については、比較的シンプルなルールのおかげで、TCGにしてはとっつきよく遊べるのが好印象。カードごとに設定された特殊能力や、同じ属性の2枚のカードで協力して攻撃する合体技など応用的な要素もあり、割と一発逆転的な仕掛けも多いように見えた。対戦もなかなか盛り上がりそうだ。
12月発売予定で、価格は5,040円。
(C)SNK PLAYMORE 2006 (C)MOTO KIKAKU. (C)CAPCOM CO.,LTD.2006 (C)CAPCOM U.S.A.,INC.2006 ALL RIGHTS RESERVED.
このほかカンファレンスでは、KDDIのネットワークサービス「マルチマッチングBB(MMBB)」に対応したPS2用対戦格闘シリーズ「NEOGEOオンラインコレクション」の新作として、「サムライスピリッツ」シリーズの最新作を含む6本を収録した「サムライスピリッツ 六番勝負」と、「ワールドヒーローズ」シリーズ4タイトルを収録した「ワールドヒーローズ ゴージャス」が2007年に発売されることが発表されている。 (C)SNK PLAYMORE
□SNKプレイモアのホームページ (2006年9月24日) [Reported by 石田賀津男]
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved. |
|