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これまで同社は長い間「Train Simulator」シリーズをリリースし続けてきた。運転台からの実際の映像を収録し、本当の運転を再現するために動きを徹底的にシミュレートしてきた。その一方で、より一般層にアピールするために株式会社タイトーの「電車でGO!」シリーズとコラボを行ない「Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」もリリースしている。
しかし今回はまったく新しくタイトルを「Railfan」に改め、新プラットフォームであるプレイステーション 3専用ソフトとして開発が進められている。「実写映像を使用する」という点、「リアルなシミュレートを行なうマシンパワーが必要」などを考えるとより高いスペックを求めるのは当然で、そういった意味ではプレイステーション 3は当然の選択肢であるといえる。タイトルを「Railfan」にした理由について、「Train Simulator」シリーズを手がけてきた向谷実氏は「プラットフォームがプレイステーションとなってより多くの人にアピールしたいと考えて『Railfan』を企画した。そういった理由からタイトルも変更しました」とコメントしている。
「Railfan」ではより多くの人に楽しんでもらえる工夫として「観光ガイド」が用意されている。駅に停車すると、その駅の周辺に観光地がありなおかつデータ収録されていれば○ボタンを押すと観光データを見ることができる。「シカゴ交通局 ブラウンライン」の路線では「地球の歩き方」から情報を受けており、各種観光データを楽しむことができる。「JR東日本中央線」と「京阪電鉄京阪本線・鴨東線」は同社の取材による観光データを楽しめる。「Train Simulator」のシリーズ初期において駅の階段や売店の位置などのデータを収録していたときがあったが、こういった関連データを収録するのは久しぶりだ。プラットフォームを一新したことで、より幅広い層に楽しんでもらいたいという意気込みが伺える。
ゲームの1つのモード「トレインツアーモード」は、これまで通り電車を運転して目的地まで向かうというもの。画面インターフェイスは、「Train Simulator」と同じく運転台が描かれ、より本物に近い雰囲気で運転が楽しめるモードの他に、「電車でGO!」の画面のように各種ゲージなどが見えやすい画面モードも用意されている。リアル指向なユーザーは「Train Simulator」ライクな画面モードを選択すればいいし、よりライトに楽しみたければ「電車でGO!」ライクな画面モードを選ぶことも可能だ。また、それらの画面構成を好みにカスタマイズもでき、運転前なら、例えば京阪特急の通過駅の周辺の観光ガイドも見ることができる。もう一方のモードはミッションモード。このモードではチュートリアル、定刻運転、タイムトライアルのほか、ミニゲーム感覚でゲームを楽しめことができる。 さらに画面上にはサブウィンドウを表示することができる。たとえば運転台からの画面を全面に表示しゲームをプレイし、アウタービューをサブウィンドウに表示することができる。もちろん逆も可能で、これは前述の画面の表示モードにかかわらず可能となっている。この機能はある意味プレイステーション 3のパワーを見せつけるもので、メインの映像とサブウィンドウの画像を瞬時に切り替えることが可能となっている。つまり、平行していくつかのハイビジョン映像を同時に再生していることと同様の作業がマシン内で行なわれていることとなる。 これが単純に映像が再生されているだけなら既存機種でも可能かもしれないが、「Railfan」では電車の操車に合わせて細かくスピードの調整が行なわれ、シミュレーションによって映像の流れが調整されている。メイン画面の映像はそれに合わせて再生することは可能でも、アウタービューの列車の動きもこれに連動させなければならない(空撮中のヘリコプターの動くスピードと列車の運転スピードは違うので単純にシンクロさせるわけにはいかない)。このプログラムの開発、調整は目処が立ったというが、かなりの難題だったという。
これだけ豊富な映像素材を収録していることもあり、最新メディアであるはずのBlu-ray Discを使用しているにもかかわらず、1層約24GBとほぼフルに使用しているという点が凄い。プレイステーション 3の持つパワーのある側面をフルに引き出したソフトといえるので、その完成が期待される1本といえるだろう
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□音楽館のホームページ (2006年9月22日) [Reported by 船津稔]
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