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東京ゲームショウ2006レポート

NHN Japanブースレポート
「メテオスオンライン」提供を発表、
日本制作のタイトル展開をより積極的に

9月22日~24日 開催(22日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:当日1,200円、前売1,000円
    小学生以下無料



 NHN Japanは「クールにバスケ フリースタイル」、「ファミスタオンライン」、「アラド戦記」、「SPECIAL FORCE」そして「ハンゲーム」のカジュアルゲームを出展した。どのタイトルも複数の試遊台を用意し、コンパニオンやスタッフがプレイの方法を教えてくれる。全てのタイトルが直感的にプレイでき、かつ、ルールもシンプルで、NHN Japanが提示するオンラインゲームがどういったものか、伝わりやすいアピールをしていた。


■ オンラインならでは要素、より対戦を楽しくする「メテオスオンライン」

キューエンタテイメント代表取締役 内海州人氏。ハンゲームとの協力により海外へもコンテンツを展開したいと語る
 9月22日の午後には、NHN Japanとキューエンタテイメントのマーケティング提携による「メテオスオンライン」、「Angel Love Online」の提供が発表された。これらのタイトルは半ゲームを通じてユーザーに提供されるが、運営はキューエンタテイメントが行なう。

 キューエンタテイメントは主要ゲームクリエイターである水口哲也氏を中心とした開発チームが生み出すゲームを主軸にワールドワイドでプロデュースを行なっていくメーカー。「メテオス」の他にも、「ルミナス」、「NINETY-NINE NIGHTS」といったゲームを手がけている。今回の発表会ではキューエンタテイメント代表取締役 内海州人氏が登壇、本作のディレクターである平井武史氏と共にゲームの紹介を行なった。

 「メテオス」はDSで今年の3月に発売された、悪の惑星から送られてくる隕石を並んで消していくアクション性の高いパズルゲーム。DS板ではタッチペンを使うことで隕石を回転させ隕石を並べて消去していく。「メテオスオンライン」では対戦要素を持ち、1vs1、2vs2、3vs3といった戦いを可能にする。画面の横には常に相手の陣地が写っていて、緊張感をもたらす。また、ライトが当たったところだけしか隕石が見えなくなるようなおじゃまアイテムも登場するという。

 この他にも自分のキャラクタを飾ることができるアバター要素が盛り込まれる。このキャラクタはプレイ中さまざまな仕草を見せてくれる。ストリート系にと足り、ぬいぐるみを着せたりと、服装によってアクションが変わるのがユニークだ。本作はオンラインならではの要素を多数盛り込み、年末までにサービスを開始したいとのこと。

 発表会ではもうひとつ、「Angel Love Online」というタイトルが明らかになった。台湾 UserJoyが開発したMMORPGでかわいらしいキャラクタと壮大な冒険世界が魅力だという。こちらのサービス時期は未定。このタイトルの詳細は今後明らかになる。

 ステージでは内海氏とNHN Japanゲームアライアンス事業部事業部長の瓜生貴士氏のトークが印象的だった。内海氏と瓜生氏は以前ある会社の上司と部下の関係で、「何か一緒にやりたい」という想いが、「メテオスオンライン」でついに実現したという。しかし、話を持って行った最初の時、「メテオスオンライン」は瓜生氏によって“ダメだし”が出されたという。内海氏はそのことに多少ショックを受けたとのことだ。

 現在はその条件をクリアするクオリティの高いゲームとなったという。現在も更にオンラインならではの要素を詰め込むべく開発は進んでいるという。

NHN Japan取締役副社長 森川亮氏。日本のコンソールゲームのオンライン化は、ハンゲームとしての発展と、ユーザーへのサービス向上につながると語った 内海氏の部下であったというNHN Japanゲームアライアンス事業部事業部長の瓜生貴士氏。内海氏とうち解けた雰囲気でコンテンツを紹介した 「メテオスオンライン」の実際のゲームの説明を行なったディレクターの平井武史氏。現在紹介した以上にオンラインゲームならではの楽しさを盛り込んでいくという

【メテオスオンライン】
悪の惑星から送られてくる隕石を並べ、宇宙に送り返すアクション性の高いパズルゲーム。ステージの背景は宇宙が広がり、派手で壮大である。複数の対戦プレイや、相手が一定時間暗闇に包まれ、ライトに当たった場所しか見えなくなるようなおじゃまアイテムなども登場するという

【Angel Love Online】
現在まだ仕様は明らかになっていないが、非常に壮大な物語が展開するという「Angel Love Online」。2Dグラフィックスのキャラクタは非常に細かく書き込まれていて、世界観の厚みを感じさせられる


■ カジュアルゲームを積極的にアピール、日本市場に向けた取り組みも

会場でも人気を集めていた「ファミスタオンライン」。今後、選手のトレードや、カードによるカスタマイズ要素で更にゲーム性を深めていく
銃を構えるコンパニオン。「フリースタイル」ではボールをドリブルしながら現われたりと、コスプレでゲームタイトルをアピール
 初日はビジネスデートいうこともあってか、それほど長いプレイ待ちの行列はできなかったが、「ファミスタオンライン」と「アラド戦記」の人気が高かった。どちらのタイトルもプレイしている人が楽しそうで、道を歩いている人たちが立ち止まり行列に加わっていっていた。また、ステージでは各タイトルの衣装をまとった女の子が現われアピールをするというショウも行なわれていた。

 最近のNHN Japanは特に動きが活発である。現在は、「アラド戦記」のオープンβテスト中であり、9月21日からは「スペシャルフォース」のクローズドβテスター募集が行なわれている。「ファミスタオンライン」はオープンβテストに向けて準備中である。さらに後述するがキューエンタテイメントとマーケティングパートナーを提携、「メテオスオンライン」、「Angel Love Online」をハンゲームで提供することを発表した。非常に積極的にビジネスを展開している印象がある。ゲームショウ出展もその動きの1つだろう。

 そんな活動の中で特に「ファミスタオンライン」は多くのタイトルの中でもまったく違う衝撃をNHN Japan自身にもたらした。8月15 日~9月11日まで行なわれたプレオープンβテストでは登録会員数が29万人を突破した。これは国内のオンラインゲームの記録としてはかなりの好成績だ。また、登録ユーザーの年齢層も興味深かった。最初に登録したユーザーは圧倒的に30代の人が多かった。若年層のユーザーが多い半ゲームとはまったく違うスタートだった。この成績は、「日本の昔のメジャータイトルをオンラインゲーム化する意味」というものを考えさせられたという。

 会場で気がついたのは、「ファミスタオンライン」の試遊台にはジョイパッドが設置されていて、プレーヤーの多くはそれでプレイしていた。本作はその名前の通り、ファミコン時代の定番野球ゲームをオンライン化したものだが、操作性もまたファミコン準拠でほとんどの操作が方向キーとボタン1つでプレイできる。「ファミスタオンライン」は対戦相手がいないとプレイできない仕様のため、他プレーヤーがいない場合コンパニオンが相手になってくれる。このシンプルな操作性はコンパニオン達にも人気だった。

 「ファミスタオンライン」は10月中旬から、オープンβテストが開始される予定だ。このテストからは選手のトレードが可能になり、チームのカスタマイズを行なうことができる。今まで以上のやりこみ要素が生まれてくるのだ。更に正式サービス時の課金アイテムが加わることで、本作の真の姿が見えてくるといえる。日本発のオンラインゲームタイトルとしての世界への展開も期待したいところだ。

 この他にも面白い取り組みとしては「アラド戦記」のジョイパッドへの対応が上げられる。会場ではキーボードでのプレイだけだったが、オープンβテストから操作キーのカスタマイズが可能になり、割り振ることでパッドでのプレイが可能になった。本作は日本のアーケードゲーム、カプコンの「天地を喰らう」や「ダンジョンズ アンド ドラゴンズ」といった横スクロールアクションゲームに影響を受けた、アクション性の高いオンラインゲームで、パッドによる操作もしっくりきそうである。対応することで、どういったユーザーに受け入れられるのか、それともキーボードでプレイするユーザーの方が多いままなのかも気になる。

懐かしいファミコンテイストでオンライン対戦を楽しむことができる「ファミスタオンライン」。ジョイパッドで、ボタン1つと十字キーでプレイできる親しみやすい操作性は、カジュアルゲームの本質を改めて考えさせられる。会場ではタイトルにちなんだゲームも楽しむことができる
簡単な操作で激しいアクションが繰り出せる「アラド戦記」。2Dのグラフィックスや、コマンドで繰り出す必殺技など懐かしい感触がある
ハンゲームのカジュアルゲームタイトルも遊ぶことができた オンラインアクションシューティング「SPECIAL FORCE」。クローズドβテスト前に先行体験できる 韓国では大きな人気を誇る「フリースタイル」。その高いゲーム性は、韓国のカジュアルゲームブームを牽引する存在である

□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ2006」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/
□NHN Japanのホームページ
http://www.nhncorp.jp/
□ハンゲームのホームページ
http://www.hangame.co.jp/

(2006年9月22日)

[Reported by 勝田哲也]



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