★オンラインゲームファーストインプレッション★
動物から人へ自由に姿を変える新感覚の
台湾産MMORPG、ついにスタート!
「ホーリービースト」 |
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「ホーリービースト」は台湾EASYFUNが開発し、ガマニアが日本で運営するMMORPGである。プレーヤーは最初「動物」としてスタートし、鳥族なら翼を、虎族ならネコ耳(トラ耳?)としっぽ、といったように動物としての特徴を残した「獣人」に変身できるようになる。スタート時点の町には動物ばかりがいるという、非常にユニークなMMORPGである。
今回、ガマニアは9月15日から「プレオープンβテスト」を開始した。このテストはサーバーの負荷や、基礎的なシステムの最終テストを行なわれるものだ。今後更にコンテンツを充実させ、日本独自の要素を盛り込んだ形で本格的なオープンβテストに移行するという。本稿ではプレオープンβテストの模様と、現在体験することができる「ホーリービースト」の基本的なシステムを紹介したい。
■ 動物から人間に変身できる不思議なキャラクタ達の大冒険
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サーバーオープン直後。動物のキャラクタが町中を走り回っている。とてもかわいらしく、和んでしまう風景だ
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キャラクタはレベル3まで変身できない。動物体専用のスキルも用意されていて、動物の姿のままプレイしているユーザーもいる |
「ホーリービースト」は、冒頭でも触れたように動物から獣人へ変身できる特別な種族達が活躍するMMORPGである。プレーヤーは猿族、犬族、龍族、虎族、鳥族、牛族の6種族からキャラクタを作成する。キャラクタはスタート時点では動物の姿をしているが、レベル3になることで角や翼を持つ「獣人」へ変身できるようになる。
本作の一番の特徴は、この獣と人の変身だろう。「ホーリービースト」のキャラクタは動物、獣人の形態とも子供の姿をしていて、実にかわいらしい。特に獣の姿は思わずほほえみが浮かんでしまうほどにかわいい。モンスターに攻撃する姿、地上を走る姿、ちょこんと座って休む姿……大きな頭と、小さな手足を持った動物キャラクタを操作するのは、他の作品とは少し違った感触がある。
キャラクタはレベル5になると「職業」を選択することとなる。職業には戦士、盗賊、狩人、幻術師、仙法師、治療師の6つがある。龍族は魔法が得意、猿族は手先が器用、など各種族はそれぞれの特性を持っているため、種族によって選択できる職業はある程度決められている。動物としての特徴と、職業の組み合わせにこだわって、自分なりのキャラクタ像を追求しよう。
さらに、装備やスキルで自分なりの特徴を出せる。重い鎧をつけるか、軽装にするか、多数の敵を攻撃する長い武器を使うか、一撃にかける両手武器にするか、回復重視か、攻撃重視か……。キャラクタのレベルが上がることで得意分野がより明確になってくる。また、レアアイテムや、装備強化などもキャラクタの個性を強めてくれる。
ペットシステムを採用している作品では、動物とプレーヤーが協力している風景が見られるが、本作の狩り場では、常に動物と人間体のキャラクタが入り乱れている。「ホーリービースト」では動物も人間もすべてプレーヤーというのが面白い。人間体のほうが使用可能なスキルが多いため、人間体ばかりかというとそうでもなく、“元の姿”にこだわってプレイしている人も多い。このプレイ感、フィールドの雰囲気は本作ならではのものだ。
キャラクタの「名前」もユニークなものが多い。キャラクタの名前はプレーヤーのセンスを如実に表すが、本作の場合、動物であることが、より一層プレーヤーの想像力を刺激しているように感じた。料理の名前を付けた牛のキャラクタとか、龍のキャラクタは特に中国風の名前が似合う、などなど、その名前のセンスの見事さは、思わず声をかけたくなってしまう。様々なプレーヤーに出会えることはMMORPGの楽しさである。「動物」という本作のエッセンスは、独特の空気を生みだしている。コミュニティーもまた、ユニークなものになってくれそうだ。
ちなみに、今回のテスト開始時は、認証システムの不具合で多くのプレーヤーがスムースにゲームを始めることができなかった。さらに断続的なサーバーダウンや、クライアント落ちも続き、決して順調とはいえないスタートだった。加えて、ゲームバランスの面でもまだこれからという印象だった。正式なオープンβテストに向けて、越えるべきハードルはまだまだ多い、というのがここ数日本作をプレイして感じた正直なところだ。
「動物としてプレイできるMMORPG」という本作の特徴は第一印象でプレーヤーを惹きつける魅力がある。だからこそ多くのプレーヤーをこの世界に迎え入れられるように、オープンβテスト開始時には万全の体制を期待したい。
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狩人や術者に向いている鳥族 |
手先が器用でスピードの速い攻撃が繰り出せる猿族 |
龍族は特に魔法に対する能力が高い |
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機敏な犬族。狩人に向いている |
パワーのある牛族。支援職の治療師の道も |
どう猛な虎族。戦士や盗賊に向いている |
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キャラクタはレベル3になると人間体に変身することができ、様々なアイテムを装備できる |
赤字のモンスターは近づくだけで攻撃してくるアクティブモンスターだ |
魔法攻撃を行なう龍族のキャラクタ。レベルが上がるとパーティープレイが必須となってくる |
■ スキル、パーティー、アイテム強化……基本を満たしたシステム
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服や武具など、人間体のキャラクタは装備を選ぶことで外見が大きく変わる |
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装備の強化システム。レア装備の空きスロットに特性を持った宝石をはめ込むことができる |
本作のインターフェイスは、クリックで移動と攻撃、ショートカットキーでスキルを使用していくオーソドックスなものだ。フィールドに配置されたモンスターは、街から距離が離れるごとに強い敵が配置されていて、プレーヤーはレベルアップのため、どんどんマップの奥へと進んでいく。各レベルごとに与えられるクエストも含め、プレイの感触は韓国産MMORPGに極めて近い。MMORPGユーザーならばすんなりとプレイできるシステムだ。
筆者は今回虎族の戦士でプレイしてみたが、序盤はソロプレイで進めることができた。一方で支援色の強い治療師のプレーヤーは序盤からパーティープレイの方が向いているようだ。ゲーム開始直後、少し気になったのが、「狩り場の狭さ」であった。モンスターによっては再POPする時間が長めなのと、同じレベル帯にプレーヤーが集中したため、モンスターの取り合いが起きてしまっていた。
この問題はサーバーのチャンネルが増え、プレーヤーのレベルに差が付いてくることですぐに解消されたのだが、レベルごとの狩り場が固定されすぎているマップデザインが気になった。全体的に狩り場が狭いことに加え、配置がはっきりしすぎていて、少し面白味に欠ける。せめてもう少しフィールドと配置するモンスターの関係をもっと明確にし、余裕を持って配置してもらいたいと感じた。
狩りでは、モンスターを倒すとドロップされるレアアイテムの種類豊富さが、プレイ意欲を大きく刺激してくれた。「ホーリービースト」では序盤から特別な武器や効果が付与された防具、さらに強化アイテムがモンスターからドロップされる。NPCの店には売っていないちょっと強い装備が手にはいると、キャラクタの育成方向も思わず考えてしまう。ある程度装備にも自由度があるため、自分なりの装備のカスタマイズや、思い入れのある武具を持つことも可能だ。
単調になりがちな狩りのアクセントになっているのが「凶暴」というスキルだ。狩りを続けていると「RP」というゲージがたまっていく。このゲージが満タンになると、「凶暴」のスキルが使用できる。スキルを発動させるとキャラクタは獣の姿になり、光り輝くオーラをまとう。この時、キャラクタの移動速度、攻撃力は倍加し、速いペースで狩りを行なうことができる。RPのゲージは比較的たまりやすく、速いスピードで敵を倒していくのは気分爽快だ。
筆者はまだレベルが低いため街の周辺がやっとだが、フィールドはかなり広大なものが用意されているようだ。マップには龍族や虎族の本拠地と思われる場所もあって、冒険への期待を高めてくれる。今後はパーティープレイでなくては切り抜けられないダンジョンなども登場するという。今回のプレオープンβテストからは群団(ギルド)機能が使用できるようになり、すでに多くの群団が生まれている。これから本作にはどのようなコミュニティーが形成されていくのだろうか、興味のあるところである。
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宝石をはめ込んだ装備は光を放つ。他にも特別なレアアイテムが多数序盤から登場する |
クエストをクリアすることでキャラクタは人間体になり、更に職業に就くことができる |
特定レベルになるとクエストが発生する。クエストをくれるNPCは頭の上にマークが出る。 |
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凶暴状態のキャラクタは強力な攻撃力とスピードを得る |
種族によって職業はある程度決まっている。キャラクタ制作時に方向性は決めておきたい |
日本版では取得できるスキルが増えた。選択によりキャラクタの個性がより際立ってくる |
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レアモンスターであるガマレジェンド。必須クエストなのに敵が出にくい。バランスを調整してもらいたいところだ |
アタックエッグマンは、一匹攻撃すると周りの敵が一斉に襲いかかってくる。戦うには注意が必要だ |
モンスターがドロップする宝箱から突然別のモンスターが現われることも |
■ 台湾版とは全く違った作品となる日本版。方向性が提示されるのはこれから
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フィールドマップ。ゲーム序盤はかなり狭い印象を受けるマップだが、実際は広大な世界がすでに実装されている。現時点でレベル60近くまでキャラクタ育成が可能だ
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「蟲」との戦いは本作のストーリーの根幹をなす要素だ。どういった展開になるのだろうか?
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今回プレイした限りでは、「ホーリービースト」は、各職業のスキルや、高レベル向けキャラクタ向けのマップなども実装されており、MMORPGとしての基本要素はそろっていると感じた。プレーヤー達はより強力になっていく敵に対し、職業、種族の特性を活かし、力を合わせて立ち向かっていくことだろう。
しかし、やはり現時点で本作は「何をしていくゲームなのか」というところがはっきり見えてこない。キャラクタを育成できる、フィールドは広がっている、しかしプレーヤーを牽引する大きな「ゲームの目的」が提示されていない。
今回、この原稿を書くにあたり、ガマニアのスタッフにこの点を質問したところ、「現在詳しいことは言えないが、様々な方向性を検討している」という返事が返ってきた。本作「ホーリービースト」は1から再構成するくらいの気合いを入れて、台湾版とは全く違った作品を生み出すつもりで、開発元のEASYFUNと共にコンテンツを見直しているという。
公式ページではディレクターの「田中ノケモノブログ」を見ることができる。その情報によれば、「ストーリー要素」と「ダンジョン」、「日本オリジナルアイテム」といった要素が新たに盛り込まれるという情報が提示されている。ゲームバランスも大きく異なり、日本版「ホーリービースト」では、キャラクタはレベルアップした時上昇するステータスを、台湾版と違いカスタマイズできないが、その分スキルの数を増やし、プレーヤーが選択することでよりキャラクタの方向性を明確にしている。他にも動物としての利点を更に強化するなど様々なアイデアが検討されている。
台湾版ではマップ上に多くの拠点があり、これを限られたギルドが手に入れるという「攻城戦」の要素が実装されているが、日本版はさらに凝った形でのPvP、GvGシステムを目指しているという。生産要素も盛り込まれる予定である。作品の具体的なシステムはこれからどんどん明らかになっていくとのことだ。
加えて、ストーリー要素も見直されている。「ホーリービースト」ではプレーヤー達は動物から人間へと姿を変える種族に属している。彼らは、昆虫から進化した「蟲族」と対立関係にある。序盤のクエストではプレーヤーは蟲族の侵略を探知するべく働くのだが、対立のストーリーは台湾版より更に練り込まれ、濃密なものが体験できるようになるようだ。
現在、テスト中の本作は、多くの意見がユーザーから寄せられている。システムを積極的に刷新するため、現在はまだバグも多く、ユーザーからの不具合の報告も多いという。しかし、それと同じくらい、「こんな要素を盛り込んで欲しい」という意見も多いようだ。これらの意見は今後の「ホーリービースト」の方向性にも大きな影響を与える。ユーザーのアイデア、意見がこの作品の新しい方向性を生み出す可能性も充分にある。
筆者の希望としては「動物」である楽しさをもっと強めて欲しいと思う。現在、本作には動物でのエモーションコマンドはまだない。コミュニケーションにおいて、動物の姿で様々なアクションができれば、もっとゲームは楽しくなる。加えて、自分が虎である意味や、牛である意味を問うシナリオ。厳つい虎族の上司が、毛糸玉を出された瞬間夢中になってじゃれついてしまうような、コミカルなシーンなども希望したい。本作のキャッチフレーズである「ケモカワイイ」要素をもっともっと詰め込んでもらいたいと思う。
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レベルが上がると、他地域のNPCがクエストをくれることも |
フィールドは昼夜の概念があり、景色が変化する |
これはボスキャラクタだろうか? 謎が深まる |
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スタート地点の聖獣城。多くのNPCがクエストをくれたり、装備を売ってくれる |
古代中国風の聖獣城の町並み |
暁の谷には多くのモンスターがひしめいているが、最も弱いモンスターは限られているため、いきなり取り合いになってしまった |
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序盤を抜けると今度はモンスターの数が多い。少しバランスを見直してもらいたいと感じた |
レベル8くらいから挑戦できる“星くず浜”。早くもパーティーを募集している人も |
レベル12くらいからは頭装備を身につけられるようになり、戦士は装備が充実してくる |
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フィールドは輝くゲートによってつながっている。ここはレベル20くらいのキャラクタの冒険の中継地点になる火鳥城だ |
火鳥城には冒険をサポートしてくれる多くのNPCがいる |
謎の建物を発見。住人はいないようだが…… |
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【ホーリービースト】
- CPU:Pentium 4 1.5GHz以上(Pentium 4 2.0GHz以上推奨)
- HDD:2GB以上
- メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
- ビデオカード:GeForce2MX以上のビデオカード(GeForceFX以上推奨)
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□ガマニアデジタルエンターテインメントのホームページ
http://www.gamania.co.jp/
□「ホーリービースト」のページ
http://www.gamania.co.jp/hb/
□関連情報
【9月6日】ガマニア、MMORPG「ホーリービースト」
WWFジャパンに寄付できるアイテムを販売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060906/hb.htm
【9月6日】ガマニア、MMORPG「ホーリービースト」
WWFジャパンに寄付できるアイテムを販売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060906/hb.htm
【8月25日】ガマニア、MMORPG「ホーリービースト」
クローズドβテスト2実施。弊誌でテスター1,000名募集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060825/hb.htm
【8月4日】ガマニア、獣人を操る“ケモカワイイ”MMORPG
「ホーリービースト」1次クローズドβテストを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060804/hb.htm
(2006年9月19日)
[Reported by 勝田哲也]
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