【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

NTTドコモ、FOMA 903i用ゲームアプリ発表会を開催
カプコン、スクウェア・エニックスなどから計16タイトル

9月15日 開催

NTTドコモの山口善輝氏
 株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ(NTTドコモ)は、FOMA 903iシリーズ用のiアプリゲームの新作発表会を9月15日に実施した。

 発表会ではまず、NTTドコモのコンテンツ&カスタマ部コンテンツ担当部長の山口善輝氏が登壇。最初にモバイルコンテンツの市場動向の調査データを挙げ、ゲームコンテンツの利用率の高さや、iモードのゲーム市場が急激な拡大傾向にあることを示した。また、8月時点での端末の累計販売台数は、90Xシリーズが2,592万台、70Xシリーズが857万台で、「台数は他のゲーム機を上回っている」とした。

 続いて、903iで搭載されるiアプリが、「メガiアプリ」にバージョンアップされることが明らかにされた。「メガiアプリ」は、最大1MBのプログラム領域を使用でき、さらにデータ保存領域として、miniSDカードなどの外部メモリを利用できるようになる。

 900iシリーズでは、プログラム領域が100KB、データ保存領域が400KBに制限されていたため、長編のRPGのようなアプリは分割して配信されていた。「メガiアプリ」では、データ保存領域の制約が事実上なく(外部メモリの容量による)、1本の巨大なアプリとして配信が可能となる。プログラム領域も10倍に拡大されており、映像や音声、ゲーム内容のクオリティは大幅に引き上げられることになる。

 さらに、現時点ではまだ発表されていない端末の性能についても触れられ、2D描画性能では900iシリーズと比べて平均約5倍、3D描画性能は901iシリーズとの比較で平均約3倍とした。処理速度が向上することで、ゲームのフレームレートやレスポンスも向上し、結果的にゲームのクオリティを引き上げる要素となるだろう。

 これらの新たな要素を盛り込んだ「メガゲーム」は、既に各社で開発が進められている。 発表会で明らかにされた「メガゲーム」は全部で16タイトルあり、903iシリーズ発売と同時期、あるいは年内のサービス開始を予定しているものが過半数を占める。山口氏はこれらのタイトルについて、「これが携帯ゲームか、と驚くようなゲームを作っていただいている」と、ゲームのクオリティの高さに自信を覗かせている。

 ちなみに今回の発表は、端末すら発表されていない段階で、先行してゲームアプリのみを公開するという、異例の形態をとっている。これは、10月24日から番号ポータビリティが開始されることが考慮されている。現在のユーザーを囲い込み、新たなユーザーを引き入れるためのプロモーション戦略の材料として、「メガiアプリ」を筆頭にすえてアピールしていく構えのようだ。

 続いて発表会では、株式会社カプコン、株式会社コナミデジタルエンタテインメント、株式会社スクウェア・エニックス、株式会社バンダイナムコゲームス、バンダイネットワークス株式会社の5社からそれぞれ担当者が登壇。各社で開発中の「メガゲーム」が紹介された。各社の発表内容とともに、会場で試遊できたものについては、その感触も合わせて紹介していく。

 なおNTTドコモは、9月22日から24日まで幕張メッセで開催されるイベント「東京ゲームショウ2006」に出展し、「メガゲーム」対応タイトルも多数出展予定としている。今回発表されたタイトルを実際に触ってみたい人は、会場に足を運んでみていただきたい。

iモードのゲーム市場が着実に伸びていることを挙げた上、端末の出荷台数を示し、コンシューマゲーム機にも劣らないプラットフォームであるとアピール
「メガiアプリ」では、扱えるデータ領域が大幅に拡張されるとともに、903i端末の処理能力も向上。相乗効果でゲームのクオリティを引き上げる




■ バンダイナムコゲームス

加藤尚彦氏(上)と石井岳氏(下)
 バンダイナムコゲームスは、3D対戦格闘「鉄拳2」を発表。WMCカンパニー WMC事業推進グループリーダーの加藤尚彦氏と、WMCカンパニー WMC開発・運営グループエクスパンションチームリーダーの石井岳氏が内容を紹介した。

 ゲーム内容は、プレイステーション版からの移植となる。キャラクタのモデルやモーションは同じものを使用。開発には当時の開発者が多数参加し、忠実な移植を行なうとともに、現在の「鉄拳」シリーズのプロジェクトチームからの監修・協力も受けているという。リリースは903iシリーズの発売と同時の予定で、料金は月額315円。

 試遊機では、当時のものと遜色ないグラフィックスのクオリティに驚かされた。フレームレートはPS版には劣るものの、必要十分と思えるだけの描画はできていた。左右の手足に対応した4ボタン操作もそのまま可能で、複雑なコマンドも入力さえすればきちんと技が出る。「携帯電話だから」という妥協は見えず、移植作としての完成度は非常に高い。

【鉄拳2】
(C)1994-2006 NBGI




■ バンダイネットワークス

浅沼誠氏(上)と近藤貴浩氏(下)
 バンダイネットワークスは、3Dアクション「機動戦士ガンダムSEED ~鳴動の宇宙~」を発表。同社取締役 コンテンツ事業担当兼コンテンツ事業部長の浅沼誠氏と、コンテンツ事業部プロデュースチームサブリーダーの近藤貴浩氏が登壇した。

 テレビアニメ「機動戦士ガンダムSEED」の後半部、フリーダムガンダムが登場したところからストーリーが展開される。ゲーム内容はオリジナルのもので、3D空間をフリーダムガンダムで飛び回りながら、敵機と戦う。セリフやサウンドエフェクトもアニメで使用したものが使われており、名シーンをゲーム中で再現する。リリースは903iの発売と同時の予定で、料金は未定。

 戦闘シーンでは、遠距離の敵には射撃、近距離では格闘と、1ボタンで自動的に攻撃を使い分ける。移動は3D空間を自由に移動でき、ブーストによる高速移動など、コンシューマゲームに劣らない多彩なアクションが可能。3D画面の解像度の粗さが若干気になるものの、アクションはかなり滑らかで、敵に連続して切りつけるシーンではズームアップして表示される演出もあいまって、かなり爽快感がある。いわゆる“キャラクタもの”としての荒さはなく、真面目な3Dアクションに仕上がっている。

 またこのタイトルのみ、アプリの容量が10MBになると発表されている。これだけの容量だと、ダウンロードの際のパケット料金もかなりの額になる。容量はアプリによってかなりの幅ができるとは思うが、「メガiアプリ」を利用する際には、定額サービスの「パケ・ホーダイ」を利用することも考慮しておくとよさそうだ。

【機動戦士ガンダムSEED ~鳴動の宇宙~】
(C)創通エージェンシー・サンライズ・毎日放送 (C)BANDAI NETWORKS




■ カプコン

手塚武氏(左)と中谷洋氏(右)
 カプコンは、2D対戦格闘「ストリートファイターZERO」と、ホラーアクション「バイオハザード エピソード」の2本を発表。オンライン事業統括MC開発部長の手塚武氏と、オンライン事業統括MC開発部プロデューサーの中谷洋氏がプレゼンテーションを行なった。

 手塚氏は最初に、6割以上のユーザーが携帯アプリを「寝る前にベッドでじっくり遊ぶ」というアンケート結果を示した。このデータをもとに、「メガiアプリ」でじっくり遊べる大容量のゲームを展開するとし、新作が以前に比べていかにボリュームアップしているかを次々と紹介していった。

 「ストリートファイターZERO」は、現在配信されている「ストリートファイター2」と比べ、アニメーションのデータが倍増していることなどを強調。試遊機のアニメーションも滑らかで、グラフィックスのクオリティは上々。BGMやボイスなどのサウンドもしっかり作られている。操作系は、必殺技が1ボタンで出るようアレンジされたもので、手軽に遊べることを考慮したデザインになっている。リリースは903iの発売と同時の予定。料金は月額315円。

 「バイオハザード エピソード」は、「バイオハザード」シリーズの流れを忠実に受け継いだホラーアクション。こちらは3Dグラフィックスを採用しているが、動きはかなり滑らか。フィールドもかなり広く、どこからどこへ移動したか忘れて迷ってしまうほど。銃を構えて撃つ、というシリーズならではの操作系はそのままだが、かなりアバウトな操作でも敵に当たるよう、ターゲットは甘めに調整してある。リリース日、料金は未定。

 なお会場に試遊機は出されなかったが、「モンスターハンター」と「デビル メイ クライ(仮)」の2タイトルも「メガゲーム」向けに開発している。「モンスターハンター」は、903iのリリースと同時にサービスが開始される予定。

【ストリートファイターZERO】【モンスターハンター】
(C)CAPCOM 2006




■ コナミデジタルエンタテインメント

福武茂氏(上)と中山法夫氏(下)
 コナミデジタルエンタテインメントからは、野球ゲーム「モバイル・パワフルプロ野球MEGA(仮)」と、サッカーゲーム「ウイニングイレブンモバイル」の新作が発表された。オンラインカンパニー モバイル制作グループ 統括マネージャーの福武茂氏と、オンラインカンパニー モバイル制作グループ プロデューサーの中山法夫氏がタイトルの紹介を行なった。

 「モバイル・パワフルプロ野球MEGA(仮)」は、「モバイル・パワフルプロ野球」シリーズの最新作。「メガゲーム」となることで、AIの強化やゲームモードの追加などが行なわれる。リリースは2006年12月の予定で、料金はiモードサイト「パワプロワールド」の利用料として月額315円。

 「ウイニングイレブンモバイル」では、2007年春に「ウイニングイレブンモバイル2」、「ウイニングイレブンモバイル3」を2007年夏に投入するとした。こちらはAIの強化とともに、3Dグラフィックスを採用するという。ただ、画面の美しさを前面に押して語るようなことはなく、「スポーツゲームならばAIを強化したい。携帯ならではの特性を生かしたゲームを展開する」と、他社とは少し違った方向から新作をアピールした。



■ スクウェア・エニックス

原口洋一氏(上)と伊藤幸正氏(下)
 スクウェア・エニックスは、3Dガンアクション「DIRGE of CERBERUS LOST EPISODE -FINAL FANTASY VII-」を発表。モバイル事業部長の原口洋一氏と、プロジェクト推進部第1ユニットプロデューサーの伊藤幸正氏が登壇した。

 プレイステーション 2で発売された「DIRGE of CERBERUS -FINAL FANTASY VII-」をベースにしたもので、同作で語られなかったストーリーが描かれるという。フル3Dのガンアクションで、画面は通常時はキャラクタ後方からの視点だが、武器を構えるとFPSスタイルになる。イベントシーンでは、PS2版と同じ声優陣によるボイスも流れる。

 試遊してみると、操作系もPS2版に近い感触がある。ただターゲッティングは緩めになっているので、かなり連射気味に攻撃してもきちんと敵を狙って撃ってくれる。側転して緊急回避するなど、アクションのバリエーションも広い。そして何より目を引いたのはデモシーン。PS2版のストーリーの穴を埋めるというだけあって、かなり頑張って作られているようだ。

 このほか、「メガゲーム」ではないが、野村哲也氏や田畑端氏が制作に携わっているというRPG「MONOTONE」も発表された。社内では「脱力系RPG」と呼ばれているそうで、バトルシーンではパズルによるアクションを採用する。ゲームは短編を繋ぎ合わせたような内容になるそうで、シナリオやキャラクタデザインをユーザーから募集するという、新しい試みも計画されている。リリース日は未定だが、9月22日から体験版を配信するとしている。

【DIRGE of CERBERUS LOST EPISODE -FINAL FANTASY VII-】
(C)SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CHARACTER DESIGN: TETSUYA NOMURA
【MONOTONE】
(C)2006 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved. CONCEPT DESIGN: TETSUYA NOMURA




 会場でプレゼンテーションが行なわれたのはこの5社のみだが、他のメーカーからも「メガゲーム」が発表されている。合わせて紹介しておこう。

【セガ「サクラ大戦」】
(C)SEGA (C)RED
【セガ「ソニック・ザ・ヘッジホッグ2」】
(C)SEGA
【ドワンゴ/チュンソフト「風来のシレンMEGA」】
(C)2006 CHUNSOFT/すぎやまこういち
【ドワンゴ/チュンソフト「かまいたちの夜×3」】
(C)CHUNSOFT/我孫子武丸/田中啓文/牧野修 (C)2006 CHUNSOFT/我孫子武丸/羽毛田丈史


 このほか、元気モバイル株式会社の「首都高バトルEVOLUTION 2」、株式会社タイトーの「ケータイデEXIT」、株式会社ハドソンの「桃太郎電鉄JAPAN豪華版」と「BOMBERMAN Act: Zero MOBILE TYPE(仮)」が発表されている。

□エヌ・ティ・ティ・ドコモのホームページ
http://www.nttdocomo.co.jp/

(2006年9月15日)

[Reported by 石田賀津男]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.