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価格:25,000円
すでに弊誌でもお伝えしたとおり、発売日は12月2日の土曜日で価格は25,000円。同時発売タイトルは任天堂から4タイトル、サードパーティから12タイトルの合計16タイトルが発売され、年内に予定されているタイトルは累計14社から27タイトルが発売される予定となっている。 本体同梱物は、Wii本体、Wiiリモコン (ストラップつき)、ヌンチャク、Wii専用ACアダプタ、Wii専用AVケーブル、Wii専用スタンド、Wii本体専用補助プレート、Wii専用センサーバー、センサーバースタンド、単三電池2本となっている。かなり多くの同梱物が含まれるため、本体はかなりコンパクトだが、パッケージは少し大きめとなっている。
ハードだけでなく、ソフトについても明らかになった。任天堂によれば、ソフトの性格によって価格帯を幅広く取ることで、ユーザーにもアピールしたい考えだ。会場で発表された任天堂のタイトルをとっても、「Wii Sports」や「はじめてのWii」が4,800円、「おどるメイド イン ワリオ」は5,800円、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」は6,800円となっている。ソフトのパッケージはDVD-Videoと同じトールサイズのケースで、他のメディアとの整合性が考えられた結果だと思われる。 ■ 「Wiiをテレビに見立て、毎日起動して欲しい」岩田氏
任天堂のここ数年の方向性は明確で、「ゲーム離れ」という現象に対してどのように対応するかという点にある。その答えがタッチパネル、2画面を採用したニンテンドーDSであり、20カ月で1,000万台を突破したことによりその方向性の正当性が証明された形となっている。 岩田氏はニンテンドーDSのハード、ソフトの販売実績のデータを示しながら、日本のゲーム市場が携帯ゲーム機に傾きつつあると説明し、「わずか1年で日本のゲーム市場は劇的に変化した」と語った。ここで取り出されたデータは1世帯あたりのユーザー数で、これまでの据置型ゲーム機で2.2~2.8人、携帯ゲーム機では2.0前後だったものがニンテンドーDSでは3.0を記録。このことがニンテンドーDSのヒットした理由だとして、Wiiでもこの世帯あたりのユーザー数を増やすことが目標とした。 しかし岩田氏はここで「とはいえ、ニンテンドーDSと同じ方法をとっても据置型ゲーム機のWiiがヒットするとは言えない」と語った。その理由としてあげたのは「ニンテンドーDSは携帯機であるがために持ち歩き、友人にその楽しさを伝えられた。我々がどんなに言っても耳を傾けてくれないかもしれないが、友人の話であれば耳を傾けるだろう。そうやってヒットしたが、Wiiは持ち歩くわけにはいかない」と、ニンテンドーDSと同じ方法は通用しないと説明した。
据置型ゲーム機が苦戦している現状には誰もが気付いており、それゆえゲームの新しい面白さを開拓してくれそうなまったく新しいコントローラを提示してもまだ懐疑的にならざるを得ない現状ではあるが、そこで出された任天堂の回答は、ゲーム機が家庭内に敵を作らない……逆に言えば誰もがゲーム機と関わることができる状況を作り出すことである。
今回の発表会で岩田氏はさらに推し進め、「ゲーム機に毎日電源を入れてもらう」という根源的なところにまで踏み込んだアイディアをWiiに搭載しているとし、新機能を説明し始めた。 そこで発表されたのが「Wii Channel」だ。Wiiは512MBのフラッシュメモリを内蔵しているが、このメモリに各種ソフトウェアを搭載し、Wiiを起動するとすぐに「Wii Channel」を利用することができるようになっている。岩田氏はこの“すぐ”に楽しめることを重要視しているのようで、何度となく「起動してすぐに楽しめる」という言葉を口にしていた。 岩田氏によればWiiの基本コンセプトのひとつとして「テレビにチャンネルを一つ増やす」という事を挙げている。「Wii Channel」を起動すると内蔵ソフトがズラリと表示される。そこにはゲームソフトのディスクをセットしていれば、そのゲームもメニューのひとつとして表示される。ニンテンドーDSの起動画面でDS用ソフトやGBA用ソフト、そしてピクトチャットが表示されているのと同じと考えてもらえればわかりやすいだろう。「Wii Channel」ではよりグラフィカルに表示される。ユーザーはコントローラのポインタでそれを選択しスイッチを押すことですぐに楽しむことができるというわけだ。 用意されているソフトは「写真チャンネル」、「似顔絵チャンネル」、「お天気チャンネル」、「ニュースチャンネル」、「インターネットチャンネル」、「Wiiショッピングチャンネル」である。 順番に説明していくと、「写真チャンネル」ではタイトル通り写真を楽しめる機能。Wiiの前面に用意されているSDメモリカードのスロットにデジタルカメラで撮影したデータをセットし、「写真チャンネル」を起動すると写真データが読み込まれ表示される。岩田氏は「ゲーム機の持つ強力なグラフィック機能を使い様々なことができる」とアピール。サムネール表示を小さくし、ものすごく多くの写真を一挙に表示することも可能で、表示方法もユニーク。もちろん1枚だけ表示したりスライドショーも作成可能。写真を表示するだけではなく、加工も可能。Wiiのコントローラを使った直感的な操作が可能で、貼り付けた写真をコントローラをひねることで回転させたり、ディスプレイにコントローラを近づけると拡大、引くと縮小という具合に操作できる。 「似顔絵チャンネル」は似顔絵を作成できる。かなりのパーツが用意されており、拡大縮小も可能なので、かなり遊べるようだ。しかしただパーツをくっつけて似顔絵を作るだけなら1度遊べば終了だろう。しかしこの似顔絵で作成したデータはゲームの中でも使用することができるのである。プレゼンテーションでは岩田氏の似顔絵を使用し、それをゲーム内に登場させてみせた。これはインターネットのポータルサイトで言うところの自分の分身、アバターと言うこともできる。もちろんメモリーとして記録し、持ち歩いて友達の所に持って行くこともできる。発表会の後半に登場した宮本茂専務取締役は「ずっとやりたかったことのひとつがかなった」とコメントしていたのが印象的。カメラで写真を撮って表示させるのではなく、似顔絵を作らせるあたりが任天堂らしい。 「お天気チャンネル」と「ニュースチャンネル」はインターネットに接続されていることが前提となっているサービス。「お天気チャンネル」では自分の住んでいるところを登録すれば、常にお天気情報のデータをダウンロードし、起動時にその地域の天気を表示してくれる。「ニュース」も同様に最新のデータが取得され表示してくれる。このチャンネルで面白いのは地球儀と連動していること。たとえばお天気であれば地球儀が表示され、それをくるくると回転させ、世界各地のお天気を見ることができる。ニュースであれば、そのニュースの情報発信地を記事上からダイレクトに地球儀に飛び調べることができるという。こういった遊び心は「ゲームを作ってきたことが活かされていると思う(岩田氏)」といえるかもしれない。
「インターネットチャンネル」はOpera Softwareを使いインターネットを楽しめる機能。フラッシュにも対応しており、様々なコンテンツを楽しめるという。岩田氏は「これまでインターネットを使用できるセットトップボックス(STB)はヒットしなかったが、テレビ上で旅行先などをインターネットで検索してワイワイ相談するのに向いていると思う」とコメント。基本的にオペラブラウザを購入することになるが、Wiiの発売後2007年6月末までは無料でダウンロードして普及に努めたいとしている。 Wii Channelには、すでに発表されているむかしのゲームが楽しめるVirtual Consoleでダウンロードしたソフトも表示される。Virtual Consoleについては、ゲームを提供するメーカー数は当初24社。これまで明らかにされたとおり、ファミコン、スーパーファミコン、ニンテンドウ64、そしてメガドライブ、PCエンジンのソフトが順次提供される。これ以外にも今回の発表会では「MSX」のゲームが遊べるようになったことが発表され、「これ以外のプラットフォームもよければ遊べるようにしたい」と岩田氏は発言。他社さえよければ裾野は広げていきたい意向のようだ。 ダウンロード価格については、ファミコン用ソフトが500円程度、スーパーファミコン用ソフトが800円程度、ニンテンドウ64用ソフトが1,000円程度とそれぞれの価格を設定。メガドライブ、PCエンジンのソフトもこれに準じた価格になるだろうとしている。決算方法は「Wiiポイント」によって行なわれる。プリペイドカードやクレジットカードで購入したWiiポイントを本体にチャージし、ここから購入という手順となる。 Wiiポイントのプリペイドカードは1,000円分、3,000円分、5,000円分の3種類を用意。Virtual Consoleで提供されるむかしのゲームはクラシックコントローラ (1,800円で単品販売) で遊ぶしかないが、これらプリペイドカードの発売当初、5,000円分には数量限定でクラシックコントローラが同梱したものが販売されるという。
このVirtual Consoleについても、任天堂プラットフォームのものが年内に30タイトルをリリース予定。メガドライブ、PCエンジンのソフトも含めると年内60タイトル以上が予定されており、これだけでも相当な数だ。その後月平均10タイトル程度をリリースする予定だという。しかし、任天堂はむかしのゲームだけにはこだわらない。このVirtual Consoleの機能を利用して、Wiiようのコンパクトなゲームをダウンロード販売していく予定だという。 任天堂から発売される同時発売タイトルは前述の通り4タイトルで、「Wii Sports」、「おどるメイドインワリオ」、「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」、「はじめてのWii」となっている。 このほかにはアトラスの「超執刀カドゥケウスNEO(仮称)」、KONAMIの「Elebits」、サクセスの「街クルドミノ(仮称)」、スパイクの「Necro-Nesia(ネクロネシア)」、セガ「スーパーモンキーボール ウキウキパーティー大集合」、テクモの「スイングゴルフ パンヤ」、ハドソンの「Wing Island」、「コロリンパ」、バンダイナムコゲームスの「SDガンダムREVOLUTION(仮称)」、「縁日の達人」、「たまごっちのピカピカだいとーりょー!」、ユービーアイソフトの「レッドスティール」といったラインナップ。年内には14社から累計27タイトルが発売されるということで、かなりのラインナップとなっている。 今年中に発売されるソフトの中でも注目のひとつが「ポケモンバトルレボリューション」だ。ここではコントローラにニンテンドーDSが使われ、Wiiコネクトで離れた地域の人とも対戦が楽しめる初めてのソフトとなる予定だ。 「Wii Channel」はゲームではないという声が聞こえてきそうだが、岩田氏はその疑問にこう答えている。「毎日起動してもらい、様々な機能を使っていく内にコントローラになれてもらい、そうすることで、同じメニューにあるゲームも楽しんでもらう。テレビがそうであったように、ゲームでもその壁を越えてもらえると思う」。他社とは違ったアプローチで1家に1台を目指す「Wii」。その発売はもうまもなくに迫ってきた。
■ みんなで楽しく遊べる「Wii」をアピール
楽しさを伝えるためにチョイスされたソフトは、5月のE3と同じく「Wii Sports」のテニス。ここでゲストとして登場したのではプロテニスプレーヤーの杉山愛さん。前述の「似顔絵チャンネル」で作られた宮本氏と杉山さんのキャラクタを登場させて対戦となった。 宮本氏はまるで本当にテニスをプレイしているかのように大きなフォームでコート……壇上で舞ってみせた。試合は宮本氏に一日の長があるはずなのに、さすがプロの杉山氏が肉薄。デュースでアドバンテージがシーソーのように行ったり来たり。このシーソーゲームを制したのは宮本氏。司会の中井さんに「大人げない……」と言われながらも、世界の壁を越えたことに喜びを爆発させてガッツポーズ。逆に杉山さんは最後まで悔しそうな表情が印象的だった。 この後さらにゲストとして第11回全日本国民的美少女コンテストのグランプリに輝いた林丹丹さんが登場。宮本・中井ペアと杉山・林ペアでダブルスの試合となった。試合は今度も宮本さん側が勝利。終わったときには宮本さんは汗びっしょり。これはこれまでのゲーム機には見られなかった光景である。 林丹丹さんは手元のコントローラから音が出ることに驚き、「臨場感が凄いですね」とコメント。一方、杉山さんはコントローラが振動するので「テニスをしている感触がある」と感想を述べた。 ステージ上ではさらにデモとして「Wii やわらかあたま塾(仮称)」を4人でプレイ。用意された3種類の問題がランダムに出題される中、どちらのペアが速く12問答えることができるかという内容。今度は宮本さんと林さんがペアを組み、中井さんと杉山さんがコンビを組んだ。ニンテンドーDSで体験していたという中井さんがバリバリと問題を解いていき、あっという間に勝利を勝ち取った。最後に表示されたやわらか度は375kgで「どこに行っても恥ずかしくない」レベルとなった。
最後に宮本氏は「Wiiのソフトは開発していて楽しい」とコメント。さらに「ニンテンドーDSで脳を鍛えるソフトを出し大ヒットしたので、Wiiでも作っているんでしょと言われる。もちろん作ってます。でも同じ事をやってもつまらない。DSで脳を鍛えたのだからWiiでは体を鍛えたい。毎日少しづつ体重を計ったり運動したり。そういった『ヘルスパック』を考えている」とコメント。後に行なわれた試遊会にできた行列を見ていると、また違ったアプローチのソフトウェアがリリースされ、市場を席巻しそうな予感がする。 □任天堂のホームページ http://www.nintendo.co.jp/ □「Wii」のページ http://www.nintendo.co.jp/wii/ □関連情報 Wii (Revolution)記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/revolink.htm (2006年9月14日) [Reported by 船津稔]
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