【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

テクモ、「プレスカンファレンス 2006 SUMMER」を開催
Web 2.0ベースのオンラインゲームポータル「LieVo」を正式発表
SeedCと業務提携し、オンラインゲーム市場に本格参入

8月28日開催

会場:秋葉原コンベンションホール



 テクモ株式会社は、8月28日、秋葉原コンベンションホールにおいて、「プレスカンファレンス 2006 SUMMER」を開催した。

 発表会では1部と2部にわかれ、1部ではSeedC株式会社との業務提携および、両社共同で展開していくオンラインゲームプラットフォーム「LieVo」(リーボ)プロジェクトの発表。2部ではテクモが今秋以降に展開していく複数の新規タイトルの発表が行なわれた。本稿では取り急ぎ、第1部の発表内容を紹介していく。


■ SeedCと共同展開するオンラインゲームプラットフォーム「LieVo」

両社社長による除幕式の様子。テクモとSeedCの共同事業ブランド「LieVo」が正式発表された
挨拶を行なうテクモ代表取締役社長 安田善己氏。「オンラインゲームのプラットフォーム事業を日本から世界に発信していく」と抱負を述べた
安田氏の紹介を受けて挨拶を行なったSeedC代表取締役社長 崔正浩氏。オンラインゲームの運営ノウハウと実績をアピール
 発表会第1部では、テクモ代表取締役社長 安田善己氏から、韓国系のコンテンツを中心に展開するオンラインゲームパブリッシャーのSeedCとの業務提携が発表され、両社との共同事業としてオンラインゲームポータル「LieVo」プロジェクトが発表された。

 安田氏は、冒頭の挨拶で、2年前の「バスタードオンライン」プロデューサー時代を振り返り、この2年間で、「オンラインゲーム市場がワールドワイド規模で育ってきただけでなく、同時にクリエイターも育ってきた。クリエイター集団であるテクモを牽引する身として、新しいコンテンツを提供していくフィールドとしてオンラインゲーム市場を積極活用していくことを決断した」と、市場参入までの経緯と強い熱意を報告した。

 「LieVo」は、現在、ゲームメーカー各社がシェア争いに鎬を削っているオンラインゲームポータル。「Mix Master」、「Cardinal Saga」等のオンラインゲームのパブリッシャーとして知られるSeedCが育ててきたゲームポータル「ブロードゲーム」のコンテンツやユーザー、ビジネスモデル、そしてノウハウなどをそっくり受け継ぎ、さらにテクモのゲーム開発力やコンテンツ資産、そしてマルチプラットフォーム展開ノウハウなどを上乗せして、ワールドワイド規模でオープンなプラットフォームとして展開していく。

 「LieVo」のユニークな特徴はいくつか挙げられるが、まず大前提として国境やプラットフォームに依存しないグローバル&オープンプラットフォームなポータルを目指しており、かつゲームユーザーのみならず、日本を中心とした全世界のクリエイターに対しても、あらゆるボーダーをクロスするためのソリューションを提供していくという構想が新しい。テクモでは「LieVo」を、「日本発の国境を越えたグローバル&オープンのオンラインゲームプラットフォーム」と位置づけており、最終的には「LieVo」を全ゲームプラットフォーム、全世界、全ユーザーを対象にしたポータルにしていく考えだ。

 コミュニティサービスは、Web2.0ベースで構築され、キャラクタを使ったビジュアルRSS機能や攻略情報wiki、パーソナルSNS、アイテムモール、Eコマースなどが提供される見込み。掲示板の設置にすら二の足を踏むメーカーが多い中、ユーザーニーズに即した、ユーザーが欲しいコミュニティ機能が全部詰まっている。まだ構想レベルとはいえ、Webベースのゲームポータルとしてはもっとも洗練されたコミュニティサービスといえる。

 また、機能的にも充実している。例えば、アイテムモールは、ゲーム内データベースと連携して、ゲーム内通貨を利用してオークションやゲーム内アイテムの取引ができるだけでなく、違うゲームのユーザーと違うゲームのアイテムの取引も可能。テクモが指向するアイテム課金、従量課金にマッチしたトレーディングサービスとなっている。ギルドマップサービスは、具体的な仕組みは不明だが、ゲームプレイ中のフレンドの位置を、ポータルからマップで確認できるというサービスだ。

 「LieVo」のサービス開始時期は10月10日を予定。グローバル展開第1次フェーズとして2007年12月までにアジア、オセアニア、英語圏地域(北米、英国等)12カ国へ展開。第2フェーズにヨーロッパや南米など17カ国まで展開地域を広げる構想としている。累計会員数については、現在の110万人を、2007年12月までに12カ国で500万人まで引き上げる。その原動力となるのが、次に紹介する2本の新規タイトルということになる。

【「LieVo」(リーボ)構想】
「LieVo」はテクモとSeedCの長所を生かし、オンラインゲームをベースに、ワールドワイド展開していくためのプラットフォームとなる。メインターゲットは、やはりアジア地域ということになるのだろう

【「LieVo」コミュニティ機能】
Web 2.0世代のサービスを全面プッシュ。wiki、SNS、RSS、アイテムモールなど、日本のコンシューマーメーカーとしては非常に大胆な決断だ

【キャラクターRSS】
「キャラクターRSS」とは何かと思ったら、キャラクターがメールや新しい情報の着信をアニメーションと音声で教えてくれる機能。このデモシーンでは「メールだよっ!!」とメールの着信を教えてくれた


■ 今冬に2本の大型タイトルを投入。「Gallop Racer ONLINE」、「War Rock」

今冬リリースされる「LieVo」の新規タイトル。いずれも基本プレイ無料、アイテム課金制
「Gallop Racer ONLINE」の説明を行なうテクモ執行役員の原尾氏。マウスを片手にマウスインターフェイスの採用をアピール
「War Rock」を紹介するマルチコンテンツ事業部プロデューサーの河野順太郎氏
新規タイトル2本を軸に、2007年12月までに会員500万人を目指す。両タイトルのヒットが絶対条件になりそうだ
 さて、肝心のゲームコンテンツについては、10月10日時点では、SeedCが現在正式サービスを展開している4タイトル(「Mix Master」、「ミックスマスター カードバトル」、「Cardinal Saga」、「破天一剣」)のみとなる。なお、これらの4タイトルについては、ポータルが変わっても、既存ユーザーへのサービスはそのまま引き継ぐ方針。

 そして今冬を目処に、2本の大型オンラインタイトルを提供していく。1本目は、テクモの人気シリーズのオンライン版となる「Gallop Racer ONLINE」。そして韓国Dream Executionのオンラインアクションシューティング「War Rock」。両タイトルとも、基本プレイ無料のアイテム課金制を採用する方針としている。

 「Gallop Racer ONLINE」は、「Gallop Racer」10周年を記念して開発されているオンラインジョッキーレースゲーム。「Gallop Racer」シリーズが培ってきたジョッキーレースゲームとしての楽しさをオンライン上で再現し、アバターやビジュアルロビー、自分の馬の血統が仮想世界で広がっていく楽しさなど、オンラインならではの機能も多数盛り込んでいる。

 発表会では、テクモ「Gallop Racer ONLINE」エグゼクティブプロデューサーの原尾宏次氏が登壇し、ゲームの概要を紹介。基本的なゲームデザインは、好みの登録馬から好みの馬を選んでレースに挑んだり、レースの観戦が楽しめるフリーモードと、子馬を購入し、育成と騎乗してレースに参加するところまでが味わえるシーズンモードの2つが用意されている。フリーモードは無料でオンライン上でレースが味わえ、シーズンモードは、子馬の購入部分が有料となるが、ブリーディングも含めたより深い楽しみを提供する。最大18人で同時にレースを楽しめるようだ。

 「Gallop Racer ONLINE」は、シリーズ初のPC版となるだけに、インターフェイスが気になるところ。原尾氏は、「マウス1本でプレイできるように頑張った」と報告。マウスでレースしながら、キーボードでチャットすることもできるようだ。

 また、同作では、対戦相手を探したり、友人とコミュニケーションを取るためのロビースペース「ギャロップレーシングスクエア」が用意される。「ギャロップレーシングスクエア」は、さまざまなコスチュームに身を包んだアバターが闊歩するビジュアルロビーとなっており、アバター課金も同時並行して行なわれるようだ。具体的な機能などは不明だが、オンライン版オリジナルの機能であり、今後の開発が期待されるところだ。

 「War Rock」の説明は、マルチコンテンツ事業部プロデューサーの河野順太郎氏が担当。「War Rock」は、韓国ではすでに正式サービスがスタートしており、日本でも「LieVo」のオープンと同日より、クローズドβ募集を開始する。

 「War Rock」は、現在、韓国オンラインゲームのトレンドとなっている「Battle Field」ライクなオンラインFPS。韓国ではNEXONがパブリッシングを担当しており、累計会員数380万人を誇る。「Sudden Attack」、「Special Force」等のライバルタイトルと比べると、グラフィックスの水準が高い分、要求スペックも高い。日頃、リッチなグラフィックスを採用した欧米のFPSをプレイしているアクションゲームファン向けのコンテンツだ。

 現在韓国では、Episode IIを配信しており、仮想世界「DERBARAN」を舞台に19ものマップが実装されている。市街戦、砂漠戦、水上戦、航空戦など、マップごとにカラーの異なる戦いが用意されている。

 発表会では現在開発が進められているEpisode IIIおよびEpisode IVの情報も公開された。Episode IIIでは、衛星を使った偵察や情報伝達が可能になる。Episode IVでは、世界に領土の概念が導入され、クランごとの領土争奪戦をサポートする。河野氏によれば、日本展開に際し、日本市場に即したローカライズを行なっていくとしている。

 テクモでは、この2タイトルを皮切りに、2007年12月までに6タイトル+αの新規タイトルをLieVoに投入していく方針。ゲームジャンルは、MMORPG、カードゲーム、スポーツ、アクションなどを挙げている。

 なお、発表会の最後には「BASTARD!! ONLINE」の最新映像も公開されたが、短いプリレンダーのCGムービーのみで、残念ながら開発の進捗を伝えるインゲームムービーは公開されなかった。サービススケジュールは2006年のままとなっているが、βテストや、再開発等の時間を加味すると、実現はかなり難しいと思える。東京ゲームショウでは、最新ゲーム映像を配信すると共に、ステージ観覧者に特製ポスターを数量限定でプレゼントするということなので、ファンは足を運んでみてはいかがだろうか。

【Gallop Racer ONLINE】
テクモの「LieVo」向けオンラインコンテンツとなる「Gallop Racer ONLINE」。今回は実機映像は公開されず、プロモーション映像のみだった。ビジュアルロビーは、アバターは3D、背景は2Dのように見える。ゲーム画面はメニュー部分がすでにマウス操作に対応していることがわかる

【War Rock】
韓国Dream Executionのオンラインアクションシューティング「War Rock」。パッと見では、欧米のFPSとほとんど変わらない。基本プレイは無料で、銃器やアイテムなど装備品をリアルマネーで一定期間レンタルするというビジネスモデルを採用

(C) TECMO,LTD.2006
(C) Dream Execution Technology Co.,Ltd.All right reserved.

□テクモのホームページ
http://www.tecmo.co.jp/
□SeedCのホームページ
http://www.seedc.co.jp/
□「LieVo」のページ
http://www.lievo.jp/
□関連情報
【2006年2月15日】テクモ、新規事業提携発表会を開催
「モンスターファームオンライン(仮称)」、「スカッとゴルフ パンヤ レボリューション(仮称)」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060215/tecmo.htm
【2005年7月20日】テクモ、PS2「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」発表
Win「BASTARD!! ONLINE」でオンラインゲーム本格参入も
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050720/tecmo.htm

(2006年8月28日)

[Reported by 中村聖司]



Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.