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会場:Necca秋葉原店
イベントには事前に登録した100名と、さらに100名以上の当日参加のファンが訪れた。開場前、店の前にはたくさんのプレーヤーの列ができ、人数制限のため入場できないファンも出たほど。「リネージュII」の人気を改めて見せつけられた。
■ 来場者が2つの軍に分かれ戦う盛りだくさんのアトラクション
「リネージュII フェスタ in Tokyo 2006」は、「リアルセブンサイン」という副題が付いている。セブンサインとは、「リネージュII」でプレーヤーが2つの軍にわかれて戦うゲーム内の対戦システム。今回のイベントでもオンラインのゲーム同様、来場者は「黎明の君主達」と「黄昏の革命軍」に分かれて各アトラクションで対戦することになった。 イベントの司会を務めるのは、井万里きよあさんと、小川瀬里奈さん。井万里さんが黎明の君主達、小川さんが黄昏の革命軍を応援した。2人は、エヌ・シー・ジャパンネットカフェチームの笠原淳氏を解説役にイベントを進行していった。いざアトラクションが始まると、井万里さんも小川さんも応援に夢中。時には飛び跳ねて「黎明がんばれ!」、「黄昏負けるな!」と黄色い声を上げた。彼女たちの白熱の応援もあって、イベントは大いに盛り上がった。
アトラクションと共に来場者が注目したのがリネージュガールである。今回は南斗愛美さんと神崎藍さんが会場に訪れた。彼女たちは4月に行なわれた「リネージュガールWEBオーディション」でユーザー投票によって選ばれた2006年度のリネージュガール。今回がユーザーの前に始めて姿を現す“初お披露目”となる。彼女たちはアトラクションでそれぞれのチームリーダーとしても活躍した。
事前登録が必要だったり、アトラクション中心のイベント内容だったことで、筆者は今回のイベントには「リネージュII」のヘビープレーヤーが集まるものと思っていた。しかし、実際には進行にとまどうような初心者も多く参加していた。今回のアトラクションに出てくるモンスターは派手で、「リネージュII」の大きな魅力であるグラフィックの美しさを前面に出すことができ、初心者にもゲームの魅力をうまくアピールできたように思えた。 個人的には、参加者が限られてしまっていたのは残念だった。ギャラリーの反応は、今回のイベントを通じて、「リネージュII」に興味を持ち、新しいプレーヤーを増やしてくれる感触があった。また、今回は、闘技場やストライダーのコースなどイベント専用のステージやルールが使用されていたのだが、驚いたのは、こういった企画は韓国ですでに行なわれているものではなく、すべてエヌ・シー・ジャパンが主導し、要望を出して韓国側のスタッフが作成したということだ。 これまで「リネージュII」では、ゲーム内では「モンスターのドロップするアイテムを集める」といったプログラム的なイベントばかりで、GMが主導するようなイベントは少なかったが、今回のイベントの実施で今後のイベントに期待を持った。もちろん、オンラインとオフラインでは規模や進行管理などで大きな違いが出てくるとは思うが、エヌ・シー・ジャパンならではの今後のゲーム内イベント、オフラインイベントともに期待したいと思う。 ●「グルーディオ城村ゲートキーパーの復讐」 来場者が参加できるアトラクションは4つ。最初に行なわれたのが「グルーディオ城村ゲートキーパーの復讐」である。ゲートキーパーが呼び出す闘技場に現われる3種類の巨大なモンスターを倒すタイムを競う。参加者達が使用するキャラクタはレベル78のイベント専用のキャラクタだ。登場するモンスターは「デスブレーダー」や「カリック」、「キャサロック」といった強力なモンスターばかり。派手なエフェクトのスキルと巨大なモンスターがぶつかり合う迫力のある展開となった。
強力なモンスターが大量に現われる戦場にギャラリーから驚きの声が上がったが、プレイをするのは公式ページで事前登録をしたプレーヤー達である。高レベルキャラクタを使っていることもあって、さくさくとモンスターを倒していった。最初のイベントだけに少し手間取る部分もあったが、黎明チームの後にプレイをした黄昏チームは、炎の回廊に現れる強力モンスター「ブレイジングイフリート」が出現したにもかかわらず、あわてず騒がず戦い、黎明チームの半分の時間でクリアする好成績を残した。
●「司祭を守れ! チームバトル」
第1戦を取ったのは、黎明チーム。最初はかなり追い込まれていたものの、ヒーラーがリネージュガールを回復させ、その間に黄昏チームのリネージュガールを倒した。第2戦は回復重視の長期戦になってしまった。緊急で制限時間を設け、僅差で黄昏チームが勝利した。 共に1ポイントを取り、両チームが気合いが入った第3戦、試合開始前、前の試合を見ていた参加者達は自分なりのキャラクタセッティングに余念がなかった。チームで攻撃のターゲットを話し合ったり、ギャラリーも「俺ならこうする」といった意見の交換を行なっていた。しかし、結果はとても意外なものになった、開始してまもなく、突然黄昏チームのリーダーが倒れてしまったのだ。
スタッフがログを確認すると「魔法のクリティカルヒットが3連発で重なったため」だという。通常のプレイでも滅多に起こらないことが勝負を決してしまったのである。参加者の多くも最初何が起きたかわからなかったようで、顔を見合わせるプレーヤーもいた。
● アデン~古城伝説「エルザの秘宝」 攻城戦の舞台となる「アデン城」に隠された秘宝を探すというイベント。攻城戦に参加するか、所有している血盟に入るかという、一般プレーヤーの多くは見たこともない城に入ることができるイベントだ。多くのプレーヤーが城のどこかに隠されているアイテムを探して歩き回る姿は見ていても壮観だった。
プレーヤーによっては外壁の路を延々進んだり、「ここに宝があるに違いない!」と脇目もふらずに走っていく姿が印象的だった。ギャラリーからは城の作りの細かさに感心している声も聞かれた。3つある特別な宝箱を探し当てたのはすべて黎明チームだった。
● プレス対抗ストライダーリレー 各プレスと参加者が3人でチームを組み、騎乗生物ストライダーに乗ってリレーレースを繰り広げるイベント。コースは専用のものが用意され、トラップやクランクなどもありなかなか凝っている。実際のゲームでも実装してもらいたいアトラクションである。 プレスに色々とルールを教えてくれるプレーヤーもいて、交流の場にはなったが、騎乗動物を呼び出すコマンドや、バトンの代わりに他プレーヤーにヒールをかける、というルールなどの事前説明が足りなかったようで、進行でとまどうという場面が多かった。次回のイベントでは改善してもらいたいところだ。
最終走者のコースには「リネージュII」に登場するドラゴン「アンタラス」と「ヴァラカス」がプレーヤー達の前に立ちはだかった。彼らの巨大な姿に、ギャラリーからも歓声が上がった。優勝したのは黎明チーム側のNTT出版egチームだった。試合後、プレス参加者が他の参加者と握手を交わしているシーンが印象的だった。
■ 「リネージュII」頂上決戦! チームワークで勝利をもぎ取った「Survivors」
試合は9vs9のチーム戦で行われる。参加選手の職業は、例えば、防御力の高いタンカーは1名、魔法の攻撃力の高いキャスターは2名など、カテゴリ別に決められている。その枠の中でどういった組み合わせを作り、戦うかが鍵となる。試合時間は6分、それまでに決着がつかなかった場合は残ったメンバーの数で判定される。 「リネージュII」には大規模PvPによる“攻城戦”、サーバー内の最強の地位である“英雄”を決める個人戦はあっても、こうした団体戦の概念はなかった。個人戦は回復に特化した職業や、接近戦専門、遠距離専門など、それぞれ特徴を持たせて成長させてしまっているので各職業の強さが公平とは言い難く、プレーヤースキルでカバーするのも限界がある。9人という「リネージュII」におけるフルパーティーでの戦いは、ユーザーからも望まれていた試合形式だった。 「リネージュII」はレベル78の最高レベルからさらに、サブクラスを育ててカスタマイズすることが可能である。こういったレベルまでキャラクタを育てるプレーヤーは各サーバーでも限られた人数しかいない。本作においてはレベルの違いはそのまま圧倒的な力の差になる。このため、各サーバーの高レベルユーザーがチームを組んでしまった場合、「彼らには勝てない」という空気が広がってしまい、出場を辞退したプレーヤーも多かったという。このため、予選第1回戦がそのままサーバー代表選出戦となってしまったサーバーもあったようだ。 9対9による団体戦は初めての試みだったため、プレーヤーの戦術もまだ固まっていなかったようだ。とはいえ、「チーム戦を行なうことができる」、「他サーバーのプレーヤーと腕を競える」という要素は、高レベルユーザーにとってとても魅力的だ。 今回、11のサーバーと、ネットカフェチームとの戦いに勝ち残り、決勝まで駒を進めたのはエリカサーバー代表の「パラダイス銀河」とドビアンヌサーバー代表の「Survivors」だ。会場にはフルメンバーは訪れることができなかったが、ネットを通じてすべてのメンバーが試合に参加することができた。出場者の中には自分専用のマウスパッドを持参している人もいた。 筆者はSurvivors側で試合を観戦していたのだが、試合開始前、チームメンバーがチャットで綿密に作戦を話し合い、マクロを開いて味方プレーヤーのアシスト、敵プレーヤーのターゲットなどを細かく設定していた姿が印象的だった。今回のバトルトーナメントで話題を集めたのはスペクトラルダンサーのスキル「ダンスオブメドゥーサ」である。これは相手プレーヤーを石化し、動けなくしてしまうスキルだ。決勝戦を戦う「パラダイス銀河」と「Survivors」は職業の半分近くが同じもので、キャラクタの戦力から言えばほぼ同じ、といえるものだった。 1試合目は、まず、Survivorsのヒーラーがいきなり倒されてしまう。しかし、Survivorsはそれに動ずることなくパラダイス銀河のメンバーを攻撃、押され気味だったものの、結果としてヒーラー1人が倒れただけでパラダイス銀河のメンバー全員を倒してしまった。2試合目はさらにSurvivorsが優勢になり、1人のメンバーも倒されることなく、圧勝と言っていい内容で勝利した。 試合を見ていて感心させられたのは、Survivorsのターゲット集中のうまさだ。特にアシストコマンドを使い、自分からはそのターゲットが見えていないにもかかわらず、仲間のターゲットにより敵を攻撃する戦法、そしてそれを発動するタイミングにはうならされた。パラダイス銀河は、Survivorsほどにはターゲットの集中ができていないように感じた。Survivorsのドレッドノートの範囲スタンスキルの使い方の絶妙さが特に印象に残った。 Survivorsのメンバーの動きからは、この試合形式に慣れており、戦法が練られているということを強く感じることができた。彼らはサーバー内で仲間を募り、独自に練習を積んできたという。練習量の差が勝敗を決したように筆者には思えた。この試合を皮切りに、この対戦ルールによる試合がより活発に行なわれるようになることを望みたい。そのためには、運営側からの働きかけが必要である。定期的なトーナメント開催や、練習場の実装なども望みたいところだ。
見事日本一になったSurvivorsメンバーは、この後8月26日に韓国ソウルで開催される「日韓親善試合」に参加することとなる。サーバーの稼働時間、実装内容で先行している韓国チームは、キャラクタの性能、プレーヤースキルにおいて、日本のプレーヤーよりも絶対的に有利なため、真剣勝負ではなく、“親善試合”という形を取らざるを得ないのが現状である。今回、Survivorsはすぐれたチームワークを見せてくれた。大きなハンデを乗り越えた戦いを期待したい。
■ 「冬にもイベントを開催を」前田幸祐氏ショートインタビュー
前田氏: バトルトーナメント以外はそうです。今回使用したコースや専用ステージなどはこちらが要望して韓国の方で作ってもらいました。企画に関しては細かいところまで全部こちらでやりました。 編: 今回のイベントの感触はどうだったでしょうか。 前田氏: 予想以上の大盛況で良かったです。景品やレアアイテムではなく、私たちが企画したアトラクションを目的として、ユーザーさんが集まってくれたことは本当に嬉しいですね。実際に来ていただくという、オフラインの集まりができて本当に良かったなと思います。今後もこういったお客さんのニーズに合わせた形の企画をやっていきたいと思います。 私たちは早い段階で日本のオンラインゲームの市場を開拓したと自負しています。イベントの部分でも業界を引っ張っていけるように頑張っていきたいと思っています。今後も、可能ならば冬くらいにはイベントを開催したいと思っています。 編: 今までにない短期間のスパンでのイベント開催ですね。 前田氏: 本音を言えばもっとやりたいんです。私の夢はこういった大きなネットカフェだけではなく、47の都道府県で「イベント行脚」ができるようにしたいです。例えばイベントサーバーには全国から接続できますが、これを日本中持ち歩いて行脚するような(笑)。そういったパフォーマンスも必要かなと。 編: 今回、人数制限のために入れなかったユーザーも出てしまいましたが。 前田氏: 現在私たちは、ユーザーと、メーカー、そしてメディアで三位一体の関係を作っていきたいと考えています。+αでネットカフェという事で今回のイベントを行ない、今回は会場の規模のために制限をさせていただきましたが、今後は幕張メッセを会場にするなど、大きな規模でのイベントも考えています。 今回は立ち見でぎゅうぎゅう詰めになってしまいましたが、あくまでテストケースとして、メディアへのアピールも兼ねた形でやってみました。今回ご参加いただけなかったユーザーさんが出てしまったのは残念ですが、入っているユーザーさんのことも考えてやむなく制限させていただきました。 編: 予定しているバトルトーナメントの日韓親善試合ですが、韓国側が圧倒的に有利になってしまいますよね。これに関してはどう思われていますか。 前田氏: 日本と韓国の差をなくすというのは、私たちが一番気にかけていて、なかなかはたせない課題です。今回の場合、韓国側に「クロニクル4」までのルールということであわせてもらっています。もちろん、キャラクタはそのままなので有利なのはかわりありませんが、できるだけ平等なルールを心がけました。 この時間差のため、日韓で最強を決める戦いではなく、親善試合という形にするしかありませんでした。バトルトーナメントそのものは今日の試合で完結しています。イーブンな試合ができないための、親善試合なのです。 編: 「リネージュII」ファンに向けてのメッセージを。 前田氏: 今回実装される「クロニクル5」では、ついに大陸の全貌が明らかになり、プレーヤー達の前には新たな旅立ちが提示されます。引き続き応援をよろしくお願いします。今回の実装で、大陸が冒険の舞台として完成します。更なる旅立ちに向けて準備を整えてください。 編: ありがとうございました。 Lineage II and Lineage II the Chaotic Chronicle are registered trademarks of NCsoft Corporation. 2002-2006 (C) Copyright NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right to publish, distribute, and transmit Lineage II the Chaotic Chronicle in Japan. All Rights Reserved.
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2006年8月7日) [Reported by 勝田哲也/横山譲]
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