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会場:センチュリーハイアット東京
「DDO」は米国で生まれたテーブルトークRPGを始祖として、いくつものコンピュータRPG、小説、映画などに展開した「ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下、「D&D」)」の最新ルールを使用したファンタジーMMORPG。ゲームでは魔法と機械の融合した文明を持つ「エベロン」という世界が舞台となる。このエベロンは新しい世界として現在テーブルトークRPGでも展開中であり、今夏にはホビージャパンから設定資料集が発売される予定だという。 キャラクタが使う呪文、武器のダメージの換算方法、忍び歩きなどのゲームの行動など、ゲーム内で行なうことのできる行動、キャラクタに関する情報など全てが正確に「D&D」を再現しており、ファンにはたまらない作品となっている。 「DDO」はゲーム本編もテーブルトークRPGの雰囲気を大事にしており、パーティーでクエストに挑戦するというプレイスタイルが中心となる。アクション性も高く、ボイスチャットで瞬時に意思の疎通を図り、協力して難関を突破しなくてはならないことも……。 戦士や魔法使いといった力押しで進むキャラクタだけではなく、感知能力に優れたレンジャーや、罠の解除が得意なローグ(盗賊)など様々な職業のキャラクタが協力しなくてはクエストを解き明かすことはできない。今までのMMORPGとはひと味違ったゲーム体験をすることができる作品だ。 今回の発表会では、さくらインターネットCEO笹田亮氏が壇上に立ち、ゲームの概要から今後のプロモーションプランなどを説明。中でも強くアピールされたのが、“さくらインターネット”というデータセンターの会社が、「DDO」を展開する意義についてである。 さくらインターネットは数万台のサーバーシステムを所有し、自社サーバーの運営だけでなく、アウトソーシングによって様々な会社の通信事業をバックアップする会社である。24時間体制の保守・点検、より効率的な独自システムの開発など、独立系のデータセンター事業社ならではの様々なアドバンテージがある。 「DDO」運営に関しては、10Gbpsの回線を2つ用意し、オリジナルのゲームサーバーを使用。仮に他社がこのシステムをアウトソーシングで使用する場合、年間8億円のコストがかかるという。さくらインターネットと協力してオンラインゲームの運営を行なう場合、このコストを開発会社とさくらインターネットで分担できるだけでなく、さくらインターネットによるサーバーの保守と管理によるシステム運営を行なうことができる。 開発会社とデータセンターの連携によるオンラインゲーム運営は、実は韓国やアメリカではすでに行なわれている。笹田氏は、自身もオンラインゲームをプレイする中で、データセンターがオンラインゲームで果たす役割を考えていった。そして、安定した運営、優秀なシステムをアピールするためにも、自社による「DDO」の運営に踏み切ったという。 発表会の最後で行なわれた質疑応答で、笹田氏は「PS2などのコンシューマのオンラインゲームでも同様の運営は可能か」という質問に対して、「Windows、UNIXの両方のサーバー技術を持っているため、充分対応できる」と答えた。「DDO」はコンテンツ自身の面白さだけでなく、サーバーや回線といった運営側の対応も注目したいところだ。日本では類を見ないユニークなアプローチである。 今回の発表会では、笹田氏の「DDO」というコンテンツ自身への意気込み、自社システムへの自信を強く感じることができた。笹田氏の言葉の端々からは、オンラインゲームプレーヤーならではの強い思い入れも感じられた。コンテンツの面白さを理解し、その楽しさ伝えようという開催者のエネルギーを確かに感じた。この“思い入れ”と“コンテンツの理解の深さ”は、昨今のオンラインゲームの発表会では正直、あまり感じることができなかった部分である。
「DDO」は、代表者自身が強い思い入れを持ち、さらに自社のアドバルーンとして大きな期待を込めて立ち上げるコンテンツだと感じた。最近少し勢いを失っている欧米産MMORPGの“希望”として、期待をよせているファンも多い。「DDO」、そしてさくらインターネットの今後に期待したい。
1.ダウンロード販売 公式サイトからクライアントをダウンロード。2週間の無料期間終了後に3,000円のクライアント料金(1カ月の利用料金含む)が発生。その後は毎月1,500円となる。 2.クライアントパッケージ フロンティアグルーヴより発売。発売日は7月28日、価格は5,060円。2カ月のプレイ料金、地図やキーボード操作表などを封入。さらにゲーム内特典アイテムとして防御力を上昇させるアミュレット(護符)「アミュレット・オブ・ナチュラル・アーマー」が入手できる。 3.クライアント DDO推奨ゲームパッド「P990 DUAL ANALOG」 昌屋より「DDO」推奨ゲームパッド「P990 DUAL ANALOG」に同梱。発売日は7月28日、価格は3,480円。1カ月分の利用料金と、ゲーム内特典アイテムとして移動速度を上昇させる「ブーツ・オブマイナー・ストライディング」を同梱。 4.クライアント プレーヤーズハンドブック ホビージャパンから発売されるテーブルトークRPGで使用するプレーヤー用ルールブック。発売日は7月28日、価格は6,090円。1カ月分の利用料金と、ゲーム内特典アイテムとして店祖との取り引きが有利になる「リング・オブ・ハグリング」を同梱。
■ 「D&D」のルールが生み出す、独特のプレイ感覚をアピールするデモプレイ
各要素はとても細かく、初心者はなかなかゲームの全容を把握できない。しかし、この細かさこそが「D&D」の魅力なのだ。「最初はシステムが提示するオススメの構成でゲームを始めて、底で様々なことを学ぶことで、こだわりのキャラクタを作れるようになります」と館野氏は語る。 キャラクタ作成の後は、初心者向けのクエストをプレイ。「DDO」は数百という数のクエストがプレイできるようになっており、D&Dファンをうならせる凝ったつくりになっている。たとえば、部屋に入ると芝居っ気たっぷりなゲームマスターが、状況を紹介するセリフが入ったりと、テーブルトークRPGをプレイしているような演出を楽しむことができる。 デモプレイでは、剣でスライムを攻撃させて分裂してしまう「D&D」のルールを再現していることがわかる場面や、罠の仕掛けをローグが発見し解除させる場面、パズルを解き明かす場面などが紹介された。きちんと「D&D」のルールを再現し、高いアクション性を持ったゲームであることが伝わる構成となっていた。 筆者が感心させられたのは、スタッフのキャラクタの操作である。ジャンプではしごにしがみついたり、敵の攻撃を的確に盾でガードしたり……。筆者は「DDO」を始めたばかりで、現在はとてもスタッフのような流れるようにはキャラクタを操作できない。逆に、ゲームをやり込めば、他のプレーヤーを感心させられるようなプレイができるのだな、と思った。 筆者は古くからの「D&D」のファンであり、個人的にも本作に関する期待が高い。しかし、「D&D」を知らない人でも、リアルタイムで事態が進行し、仲間と共に困難に立ち向かう本作は魅力的な作品であると思う。
高いアクション性や細かいルールなど、敷居は多少高いかもしれないが、今までのMMORPGにはない強い没入感と興奮がある。オープンβテストでは多くの人にこの作品を体験してもらいたい。
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□さくらインターネットのホームページ
【6月14日】さくらインターネット、「D&D オンライン」のβテストを6月19日より開始 (2006年7月4日) [Reported by 勝田哲也]
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