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★PCゲームレビュー★

ハイデフ時代の「無双」をリッチなPC環境で体験
人気モードをもれなく収録した意欲作

「真・三國無双4 Special」

  • ジャンル: アクションゲーム
  • 開発/発売元: コーエー
  • 価格: 6,090円
  • 対応OS: Windows XP
  • 発売日: 6月22日



 「真・三国無双 4 Special」は、2005年末にXbox 360向けにリリースされた同名タイトルからの移植作品。収録モードは360版と変わらないものの、字幕や音声の日/英切り替えや高解像度ディスプレイに対応。また、Windows版オリジナル要素として、過去の「猛将伝」等で各条件をクリアすることで登場した、プレーヤーモデルやキャラクタが最初からすべて登場する。

 さらに各モードの難易度で「易しい」の下に「入門」が追加されている。過去のシリーズではロックされた武将を登場させたり、特殊な条件下で取得できる隠しアイテムを取得したりと、そうした条件をクリアしていくところにやりこみ要素として大きなウェイトを占めていたが、多少薄まった設計となっている。

 PCならではの詳細なグラフィック設定も可能。1画面に表示されるキャラクタの数や、アンチエイリアスやブルームの切り替え、ダイナミックシャドウやシェーダーの高低といった項目を自由に設定できる。一定の環境が提供されるコンシューマと違い、ユーザーは自分自身のPC環境にあった設定が可能となっており、最新のビデオカードやCPUを搭載したマシンの性能を遺憾なく発揮できるコンテンツとなっている。本レビューでは、Windows版ならではの機能と、「真・三国無双 4 Special」で収録されている各モードをご紹介する。


■ 無双モードで48人の主人公の48通りのストーリーを楽しもう

PS2版にはない高解像度の映像と細かい描画設定が可能になった
 「真・三国無双 4 Special」のメインとなるのが4勢力(魏・呉・蜀・他勢力)、全48人の武将1人1人にストーリーが用意された無双モードだ。まず、全武将の中から主人公としてプレイする武将を選択する。例えば呉の周泰を選択すると、呉の建国戦の呉郡の戦いのステージから始まり、赤壁の戦い、南中侵攻戦、夷陵の戦い、白帝城の戦いと5ステージをクリアしてエンディングとなる。本作では全武将が最初からすべて登場しているため、スタート直後から左慈や呂布を使用可能だ。

 蜀軍との決戦である白帝城の戦いでは、孫権や陸遜の号令とともに各拠点を落としていく。各拠点を落とすとその場所から敵が沸かなくなり、NPCの味方の前線が有利になる。ステージ中でもストーリーが展開され、武将同士の絆を再確認するシーンや、名乗りを上げて敵に挑むシーン、策略を仕掛けるシーンなど様々なムービーシーンがカットインする。このステージでは蜀の総大将劉禅を撃破してクリアとなるのだが、その間に展開中の敵将達と戦闘することになる。

 無双モードでも、最初からプレイすると武将が育っておらず、なかなか先のステージに進めないということがある。その場合は、一旦フリーモードで他のステージをクリアさせ、主人公の武将の能力を鍛えてから再びプレイする。すると、取得した武器や、アップしたステータスはそのまま無双モードでプレイ中の武将データに引き継がれるので、攻略が容易になる。

 また、ステージクリアの際に貰える体力の書や攻撃の書などを、幕舎で武将に使用することにより、個別の能力を上げることが可能だ。強化アイテムには、武器攻撃の書や、武器効果の書というものもあり、こちらは武将が持っている武器の強さや、運や無双増加といった武器に付与されている能力を高めることができる。

 過去のシリーズと「真・三国無双 4 Special」が決定的に違うのは、ストーリーに関しては隠し要素がなくなったため、好きな武将のストーリーをいきなり遊ぶことができるところだ。思い入れのあるキャラクタを選んだら早速プレイして欲しいモードだ。武将の持っている武器はそれぞれ特徴があり、使い勝手などを考えながらキャラクタを選んでいくのも楽しい。

 通常攻撃やチャージ攻撃、無双乱舞の性質も、キャラクタによりバリエーションがある。周泰では居合い刀のような長剣を使い、敵を刻むような攻撃方法が特徴だ。無双乱舞は間合いにいる敵をその場で連続で切り刻む。他に騎乗の通常攻撃が特徴的で右側の敵しか刻まないといったクセがあり、こうした各武将独特のスタイルがキャラに対する思い入れを深めてくれる。

 全モード共通ではあるが、操作についても触れておこう。インターフェイスはキーボードもゲームパッドもどちらも使用できる。メーカーではゲームパッドの使用を勧めてはいるが、日頃からPCゲームに慣れ親しんでいる筆者としては、キーボードでのプレイに慣れているユーザーには敵将とのつばぜり合いなど、連打速度や正確性でキーボードでのプレイのほうがしっくりくる場面が多かった。

ムービーも多数収録。モード中のムービーも凝った作りに 爽快感や操作性は失わず、見事なグラフィックスで移植されている


■ 自動生成ミッションのクリア数を競う修羅モード。アイテムも成長システムも本モードオリジナルのユニークなモード

貴重品アイテムの取得や武器の強化によるやりこみ要素は十分
馬の他、象や虎といった動物も登場。中でも象での戦いはやみつきになる楽しさだ
 本作のボリュームある各要素の中で、一番やりこみ要素があるといっていいのがこの修羅モードだ。修羅モードでは他のモードとのステータスの絡みは一切なく、成長要素はこのモードだけで完結している。自動生成される小ミッションをいくつ越せたかによって、最後に他のモードでキャラクタを育てる書を貰える。登場アイテムもすべてこのモードオリジナルのもので、ユニークな特徴を持っている。

 プレーヤーは好きな武将を選択するといきなりMission1がスタートする。自動生成されたミッションはマップも小さく、それほど難易度は高くない。しかし、ミッション終了ごとに体力は一切回復せず、クリアするたびに徐々に難易度が上がっていく。回復剤は主によろず屋から購入する。ミッションを進むたびに、3つの戦場を選択することができ、選択した戦場ごとに、戦場に入る前によろず屋と鍛冶屋に行けたり、武勲ポイントの換金率に違いがある。

 よろず屋では回復剤や武将雇用などお金を使ってアイテムを買うことができる。注意しなければならないのは、一度購入したアイテムは次回10%づつ値上がりするということだ。ステージを進むごとに買っていると価格がつりあがってしまうため、買い物も注意して行なわなければなけない。鍛冶屋では戦場で拾った鉄を使って武器を強化することができる。戦場で武器を拾うことが無い代わりに、強化系はすべてここで行なえる。体力回復が追いつかないと、いつまでたっても鍛冶屋で武器を強化できないのでこうしたバランスも重要なモードだ。非常に頭を使うので、ストラテジックなプレイを楽しみたいならこのモードをお勧めする。

 通常はアイテムスロットにさし何度でも使える装備アイテムも、このモードでは1回使ってしまうと次のミッションでは消えてしまう。防御を高める竜玉や50体撃破ごとに覚醒印が落ちる覚醒丹など修羅モードのアイテムは独特だ。色々な意味でサバイバルなモードなのは間違いない。取得した鉄は、プレーヤーが生存している状態で次のミッションへ進むことを辞退すると10%、死んでしまった場合は5%の鉄を次回以降のプレイに繰り越すことができる。何度かプレイしているうちに強化する鉄に余裕が出てくるので、初期段階で武器を強化した上で、何十ミッションとこなせるようにトライしてみて欲しい。



修羅モードでは独特のルールに基づいてサバイバルバトルが繰り広げられる。毎回体力を全快にしていると、すぐに回復剤が買えなくなってしまう。むしろ体力の上限をあげて、ゆとりのある瀕死状態を作り、無双乱舞を繰り出していくのが定石である


■ 史実とは無関係の戦いにも気軽に参戦できるフリーモードなど、多彩なモードを収録

左慈でチャレンジモードを楽しむ。あまり深く考えずに気軽に遊べるモードだ
 フリーモードでは、全武将がすべての無双ステージに参戦できる。たとえば、蜀の武将で蜀を攻めたり、無双モードを攻略する際の「下見」といった自由なプレイができる。ゲーム中の武将は無双モードと同じくステータスアップ系のアイテムや、武器、通常アイテムを落とすし、ここで得た武勲ポイントはそのまま無双モードの武将にも加算されるので、行き詰まった際には大いに利用すべきだ。特定マップで諸条件を満たして得られる貴重品アイテムも、主にこのモードから得意武将を使って参戦させると取得しやすいだろう。

 外伝モードでは、選択可能武将を絞ることで、架空のストーリーをプレイする。ライバル関係にある武将同士や、女性キャラしばりといったコンセプトで、ステージ中の各種のミッションをこなすようになっている。「郎君自慢作戦」では、シンキ、大喬、小喬、月英のキャラから1人を選択し、夫を立てるために立ち上がるストーリーだ。それぞれ夫の武将を従えつつ、女性キャラ同士お互いに嫌みを垂れあいながら玉璽の獲得を目指していく。

 チャレンジモードは、制限時間内にどれだけ敵を倒せるかや、一度も攻撃されずに何体敵を倒せるかを競うミニゲーム的なゲームモードだ。ひとりで根を詰めてプレイしてもいいし、友人を集めてパーティーゲームとして楽しむのもいいだろう。

 最後に紹介するマルチプレイモードは、1台のPCで2人対戦を行なえるモードだ。ただ、上記の各ゲームモードに比べると、仕様的、機能的に明らかに中途半端で、爽快感も快適さも半減してしまっている。

 具体的にはオブジェクトを表示できるレンジが一気に半分ほどに下がる。このため、大量の敵兵をひとまとめに倒す爽快感も味わえないし、目の前に敵武将が突然現われ不利な戦闘を強いられたりして、2人プレイはなかなかストレスが溜まる。しかも、片方でも倒されてしまうとゲームオーバーとなるため、気軽にプレイというわけにもいかない。

 見えない弓兵からの遠隔攻撃でダメージを受けつつ、近くまで寄らないと見えない敵を探して右往左往しがちなプレイになる。グラフィックス設定を最高にしてもこういった具合だったので、「真・三國無双BB」が登場した現在となっては、抜本的な改良が望まれるゲームモードといえる。

 本作は「無双」シリーズで最も描画が美しく、好きな武将もはじめから遊べたり、各種モードが収録されているなどPS2版の無双シリーズと比べると非常にリッチな作品といえる。特に自慢のPC環境で「無双」を遊んでみたいユーザーにはお勧めの一作だ。

外伝モードも収録。外伝は独特の世界観がある。こちらもぜひプレイしておきたい マルチプレイモード。グラフィックスが一気に地味になり、かつ離れたところにいる敵が表示されなくなる

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【真・三國無双 4 Special】
  • CPU:Pentium 4 1.6GHz以上(Pentium 4 2.6以上推奨)
  • HDD:4GB以上の空き容量
  • メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
  • ビデオメモリ:64MB以上のVRAM (128MB以上を推奨)


□「真・三國無双 4 Special」のページ
http://www.gamecity.ne.jp/smusou4sp/

(2006年6月15日)

[Reported by 三浦尋一]



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