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ガンホー、「A3」リニューアルプレスカンファレンスを開催
「プロゲーマー制度」を導入、今後のアップデートも明らかに

6月1日開催

会場:クラブ エイジア

 ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社は、6月1日、都内にてPvPをメインとしたMMORPG「A3」の“アイテム課金制”導入に関するリニューアルプレスカンファレンスを開催した。このカンファレンスでは、6月8日に実施されるアイテム課金制の情報だけでなく、総額200万円の賞金トーナメントに参加できる「プロゲーマー制度」の導入、そして今後の「A3」のアップデート計画が発表された。

挨拶を行なったガンホー代表取締役社長、森下一喜氏
アーティストのClairさん。アニメ「ロックマンエグゼ BEAST」のテーマソングなどを歌っている
 「A3」は韓国のACTOZ SOFTが開発したMMORPG。日本ではガンホーが2004年10月から正式サービスを展開している。サービス当初は“大人向け”をアピールし、18歳以下はプレイできない「R-18」の年齢制限を設定し、月額課金制でスタートした。その後2005年9月にこの規制を撤廃し、2006年の6月8日より基本プレイ無料のアイテム課金制に移行することとなった。

 カンファレンスの冒頭では代表取締役社長の森下一喜氏が登壇した。他の登壇者と違い私服姿で登場した森下氏は、「ベストジーニスト賞を狙ってます」とジョークを飛ばし、「オンラインのMMORPGというジャンルは、コンシューマのオフラインのゲームとは違い長期的なビジネスです。昨今では更なるパラダイムシフトを迎えている。新しいエンターテイメントの形を提示していきたい」と語った。

 「A3」のプレーヤーは2つの国家の内のどちらかに所属し、騎士団(ギルド)を結成して他プレーヤーとの終わりなき戦いを繰り広げる。隔週で最強の騎士団を決定するトーナメントが開催され、更に隔月で専用フィールドによる国家戦「ネビア谷血戦」が開催されている。PvPイベントが活発に行なわれている「対人戦」に重きを置いた作品だ。

 騎士団は最大13人で構成される。「A3」では多くのプレーヤーがぶつかる大規模PvPだけではなく、各騎士団の個性が見える「トーナメント」が頻繁に開催されるからこそ、他の作品以上に「騎士団(チーム)」への注目が高い。上位に名を連ねる“常連”は多くのプレーヤーから名前を覚えられ、目標となっているという。

 発表会の最後にはスペシャルゲストとしてアーティストのClairさんが登場、「A3」でのアンセム(聖歌)を歌うことが発表された。アンセムとはワールドカップなど競技性の高いスポーツでのテーマ曲となるイメージソング。今後、「A3」のトーナメント開催の前にClairさんの歌うアンセムが流れることで、参加するプレーヤー達が気持ちを高揚させる。そんな曲を制作していく。更にClairさんは「A3」のイメージパーソナリティーとして活躍していく予定だ。


■ アイテム課金制に伴いゲームのバランスを調整、PvPの駆け引きをより高度に

 今回の発表会では6月8日より販売されるアイテムの一部と、同時に行なわれるアップデート情報が明らかになった。ちなみに、韓国では「A3」は現在でも月額課金制で運営されている。アイテム課金制は日本でのオリジナル展開となる。これまでも初心者向け要素など日本オリジナルの要素を取り入れていた「A3」は今後、更にその動きを加速させそうだ。

これまでの「A3」の展開などを説明する第2マーケティング部小島幸博氏
赤い線が新しいレベルアップバランス。中盤まで誰でも到達しやすくなる
 アイテム課金制によって販売される「プレミアムアイテム」を購入するには、「TANTRA」や「ヨーグルティング」と同様、ガンホーの公式ページでチャージできる「ショップポイント」が必要となる。下表に今回明らかになったアイテムのリストを紹介したい。価格に関しては10ポイント1円という換算になる。

 注目したいのは「4分間」という極めて限定的な効果を持つアイテムの存在だ。これは30日の効果を持つアイテムに比べて大きな効果をもたらす、瞬間的な増強アイテムだ。「A3」はキャラクタのレベル差によって力の差がはっきり出る作品だが、このアイテムを使えば5レベルくらいのハンデを覆すことができるという。なお、増幅アイテムはトーナメントでは使用できない。PKを行なう時や、経験値を大きく稼ぎたい時などでの使用が考えられている。

 移行に合わせて、様々なバランス調整が行なわれる。現在、多くのプレーヤーが使わなくなっているスキルの見直しや、属性攻撃に関するバランス調整が行なわれる。また、「クールダウンタイム」が追加され、スキルが連続使用できなくなるといった変更もなされる。

 モンスターの属性も大きな意味を持つようになった。氷のモンスターは火に弱いといった、モンスターの外見や設定に合わせた属性への整合性が加えられるようになった。クエストやモンスターからの獲得経験値、レベルアップの調整も行なわれる。また、今まで以上に中盤のレベルが上げやすくなり、騎士団トーナメント参加のための間口を広げていく。

 この他にも販売アイテムの価格の調整や、PKペナルティの調整が行なわれる。デスペナルティーが大きくなるような襲われる側のリスクも増すこととなる。より一層緊張したPK戦が楽しめるようになるという。

アイテム名 効果 価格(SP)
トールの亡骸 トールのように、同じ国家所属のプレーヤーに見える「叫び」を使うことができる(10個で1セット) 2,800
高級な生命の巻物 戦闘不能時のデスペナルティが、2%から0%に減少するアイテム(9,800) 9,800
マハローナの巻物 フィールドで使用すると、ランダムでモンスターを召還できる。1回限り 14,800
神馬の血液 キャラクタの移動速度を1.5倍に増加させることができるようになる。1回4分間効果が持続。(5個で1セット) 3,800
剛力の魔札 キャラクタの攻撃力を1回、4分間100増加させる(5個で1セット) 4,800
防御力向上薬 キャラクタの防御力を1回、4分間100増加させる(5個で1セット) 4,800
能力値初期化 キャラクタの能力値ポイントを初期化 15,800
賢者の宝玉 1回で4分間、入手経験値が2倍増加。(10個で1セット) 9,800
盗賊の極意 キャラクタの「アイテムドロップ率」が 30日間 1.5倍になる。 12,800


■ 「全面戦争」、「アウド戦場」など今後のアップデート計画も明らかに

今後のアップデート計画も明らかになった。7月下旬には「シルペル」、「パラトピス」といった4つの新エリアが追加される。前回のアップデートで追加された美しい楽園である「ヘイゼント」の真の姿が明らかになっていくという。

アップデート計画を発表するコンテンツ制作部新野洋右氏
アップデートスケジュール。詳細は今後明らかにされる
 8月下旬には、「全面戦争」が導入される予定だ。現在、国家間の争いは、「ネビア谷」という限定されたフィールドで、敵対プレーヤーを倒すポイントでの戦いが行なわれている。全面戦争は更に広大なフィールドで、更に多くのプレーヤーが参加できる戦いを体験できるようになる。

 この戦いで、それぞれの国家に所属するプレーヤーは、トーナメントの覇者であるトール(君主)を守って戦うことになる。いくつかの砦が設定された広大なフィールドが用意され、「攻城戦」に近い感覚での戦いが展開する。戦列に加わってもあっという間に蹴散らされてしまうような低レベルのプレーヤー達も、戦いに参加しておけば、国家が勝利した時に恩恵を得られる。戦場の空気を感じてみたいプレーヤーは目の前で高レベルプレーヤーの戦いぶりを見ることができるかもしれない。

 2006年の秋にはこの世界で「全ての悪の元凶」と呼ばれる神ラベルゥが人間達と戦いを繰り広げたという「アウド戦場」の姿が明らかになる。この戦場はあまりの犠牲の多さに他の神々によって封印された場所である。プレーヤー達は魔物が落とす「石版」を集めることでこの封印を解くことができる。

 封印が解かれた戦場は石版を集めたパーティーメンバーだけが入ることが許される。ここではラベルゥが率いていた軍隊と戦うことができる。その敵は強大だが、得られる恩恵もまた大きいものになる。2006年末には、「A3」のストーリーに新展開をもたらす要素が導入されるという。これらの要素は、今後更に詳しく発表される予定だ。


■ 賞金200万円は誰の手に?! 2006年内に賞金トーナメントを開催

 最大13名で構成される騎士団が、君主の座を巡り、隔週で激しくぶつかり合う騎士団トーナメント。「A3」プレーヤーの目的であり、目標でもあるこの戦いに「賞金制度」を取り入れた「賞金トーナメント」の開催が決定した。

アイテム課金や、賞金トーナメントを説明した第二マーケティング部第一企画課上村健太郎氏
プロゲーマー制度はゲーム内の社会にどんな変化をもたらすだろうか
 開催時期は現在の所「年内」としか明らかにされていない。ガンホーはこのトーナメント開催によって「A3」の魅力である「競技性」を最大限に引き出したいと考えている。

 この賞金トーナメントに先がけて、「プロゲーマー制度」がスタートする。具体的にはプロゲーマー選抜のための「選抜トーナメント」を先がけて実施し、上位4チーム、計52人とプロゲーマーとして“契約”を結ぶ。彼らプロゲーマーが賞金トーナメントを勝ち残り、見事優勝を果たした際には賞金200万円をゲットできる。

 トーナメントそのものは、プロゲーマーとしての契約を結んでいない騎士団も参加できる。契約を結んでいない騎士団が優勝した場合は賞金を得ることはできないが、ガンホーと契約し、プロゲーマーになる資格を得ることができる。ガンホーは来年以降も賞金トーナメントを開催していく予定だ。

 プロゲーマーとしての契約の際にはガンホーが提示する条件を満たさなくてはならない。更に、“常に賞金トーナメントで上位入賞を果たす”などの条件をクリアできなければ契約は継続できなくなる。ガンホーは18歳以下のプレーヤーでも親の同意があれば契約できるようにするなど、今後各条件を明確にしていくという。

 賞金トーナメントは通常のトーナメントと異なり、専用のトーナメントサーバーで開催される。この際、現在使用しているキャラクタをそのままコピーするか、それともトーナメント様キャラクタをカスタマイズするかなど、細かい仕様も今後発表される。

 賞金トーナメントは、ゲーム内でキャラクタを鍛え、頂点を目指すという戦いに、更に「賞金」という明確な目的を提示することとなる。プロゲーマー制度も、非常にユニークな考え方だ。ガンホーのこの新しいチャレンジが今後どういった形で行なわれていき、プレーヤー達はどう応えるか、「A3」というゲームにどんな変化をもたらすかは、興味を持って注目したいところである。

□ガンホー・オンライン・エンターテイメントのホームページ
http://www.gungho.jp/
□「A3」のページ
http://www.a3online.jp/
□関連情報
【4月18日】ガンホー、MMORPG「A3」
基本プレイ料金無料のアイテム課金制へ移行
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060418/a3.htm
【2005年2月16日】ガンホー、「A3」最大7人パーティーも可能に
コミュニケーションアップデートを2月28日に実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050216/a3.htm
【2月2日】ガンホー、イベント「1/1ドイツ村クエスト」に協賛
「A3」の鎧コスプレコンテストなどを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050202/a3.htm
【1月13日】ガンホー、ドラマティックオンラインRPG「A3」
A3騎士団育成プログラム推奨ネットカフェが170店舗に拡大
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050113/a3.htm

(2006年6月1日)

[Reported by 勝田哲也]



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