CESA懇親会において挨拶をした和田洋一氏

　今回、CESAの幹部役員は若返った印象となった。会長にはスクウェア・エニックス代表取締役社長の和田洋一氏、副会長にコーエーの代表取締役社長を務める小松清志氏、コナミデジタルエンタテインメント・執行役員コーポレートオフィサーゲームソフトカンパニープレジデントの石塚通弘氏がそれぞれ就任。また、発表会には専務理事としてCESAの堀口大典氏、ディースリー・パブリッシャーの伊藤裕二代表取締役、カプコンの辻本春弘取締役副社長も出席した。

　このほかにも第6期役員に変動が見られ、理事としてバンダイナムコゲームスの鵜之澤伸氏や元気の栢森秀行氏、そしてIGDA日本代表の新 清士氏も新任として加わっている。

　会長に就任した和田氏は「日本というブランドを象徴する産業のシンボルとしてゲーム産業は重要。その中においてやらなければならないことは、ものを作る環境をきちんと整えること。ものを作る環境というのはクリエイター、エンジニアの能力開発、そして新人の発掘のシステム作り等です。また、健全な事業環境が整っていなければ、ものを作る環境とは言えないと思います。こういった環境の阻害要因にどう対応するかです。もう一つは、“社会”と健全なコミュニケーションを取るということ。ゲームが一部の人のものではなく、多くの人のものとなった現在、あらぬ誤解を受けたり、逆に我々も社会からの声に真摯に耳を傾けるといった方向性が重要」と抱負を語った。

　基本的に今回の発言は通常総会での就任直後と言うことで、“私見”としての発言が多く、今後話し合われていくことも多いだろう。そんな中で、「オンラインゲームについて、CESAの協会としての対応にぶれがあるのではないか?」とする質問に和田氏は「正直な話、何を議論するのかを議論するところからはじまる。オンラインゲーム固有の話なのかそうでないのかというところが混然としていますし、オンラインゲーム固有の問題としてそれは解決しなければならない問題なのか、そもそも関係ないのか、さらにCESAで話し合わなければならない話なのかといった具合に、いくつかの段階で話し合わなければならないと思います」ということで、今後の課題のひとつとして認識しているようだ。

　また、5月31日からスタートする予定のCEROの新しいレーティング制度 (A、B、C、D、Z) については、18歳以上を対象としたソフトの再審査も来週頭で完了予定となっているという。販売店への周知徹底も行なっているとし、「販売店にもご協力いただける」という。和田氏は「対応は順調に進んでいると言っていいと思う」とコメントした。

　同時に発表された家庭用ゲームの総出荷規模は1兆3,598億円となっている。ハードウェアの総出荷額は8,727億円で、ニンテンドーDSやPSPといった携帯型ゲーム機の出荷台数が伸びたことが好調の要因となったという。一方ソフトウェアは4,871億円で、こちらも携帯型ゲーム機用ソフトウェアが好調だったが、昨年並みに落ち着いているという。

　2005年のゲーム機種別のハードウェア出荷金額規模をパーセンテージで表わすと、プレイステーション 2が33.2%、PSoneが0.4%、ニンテンドーゲームキューブが3.1%で、残りの63.2%が携帯型機となっている(海外法人は含まないためXbox、Xbox 360は含まれていない)。さらに台数的にはプレイステーション 2が211万5,000台、ニンテンドーゲームキューブが19万台、PSPが261万8,000台、ニンテンドーDSが425万台、ゲームボーイミクロが57万台、ゲームボーイアドバンスSPが41万5,000台と発表された。ちなみにXbox 360の台数はマイクロソフトは公表していないが、今回のCESAの資料では「参考資料」の“海外法人の日本での出荷 (推計値)”として、12万台となっている。

　今回、CESAは家庭用ゲーム機とPCにおける「有料ネットワークゲーム国内市場規模」を算定している。同協会では「有料ネットワークゲーム市場規模把握を目的としてメーカーに対するアンケート調査を実施したが、回答サンプルが少なく、また総数の算定やカバー率が把握できないことから市場規模推計ができない」としながらも、一般生活者調査結果から独自に推計し、今回312億8,500万円と発表した。

□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□ニュースリリース
http://report.cesa.or.jp/press/p060525.html
□関連情報
【2005年5月26日】CESA、2004年家庭用ゲーム総出荷規模を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050526/cesa.htm

(2006年5月25日)

[Reported by 船津稔]