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SElectronic Entertainment Expo 2006 現地レポート

LucasArtsブースレポート
ルーカス原案の「INDIANA JONES 2007」他、多数のタイトルを出展
映像とゲームの技術を融合させるまったく新しいチャレンジも

5月10~12日開催

会場:Los Angeles Convention Center

 今年も一般の来場者が入ることのできないプライベートルームでタイトルの紹介を行なっていたLucasArtsブース。入口の係員に入室を断わられ、残念そうに入り口をのぞき込む人が絶えないブースである。

最も来場者の注目を集めていた「INDIANA JONES 2007」
 入る事ができた招待客はブースに入るとうれしそうに周りを見回し、入口で記念写真を撮ったりしている。LucasArtsは多くの人に「憧れ」を抱かせる会社であるのだなと改めて感じさせられた。

 昨年は映画「スター・ウォーズIII」公開直前ということもあってブースには映画に関連したグッズを多数展示していたが、今年はゲームの試遊台を多く配置し、タイトルのアピールを中心に行なっていた。一番目立っていたのが「INDIANA JONES 2007」である。

 コーナーの上にインディの人形を設置したり、ちょっとセンスが古い感じが作品の世界観にマッチしている。「LEGO STAR WARS II: THE ORIGINAL TRILOGY」はレゴでできたミレニアムファルコンやキャラクタ達を配置し、試遊台のモニタも「スター・ウォーズ」世界にマッチしたものになっていた。

すべての要素をレゴで再現する「LEGO STAR WARS II: THE ORIGINAL TRILOGY」 ブースの入り口には映画のコンセプトアートが展示されている 自分なりの遊園地を作ることができる「THRILLVILLE」


■ これからのLucasArtsの土台となるゲームテクノロジーを「スター・ウォーズ」のデモでアピール

 今回のLucasArtsの目玉は更にここから許可されたものしか入ることができないクローズドシアターにあった。このシアターでは「Digital Molecular Matter (DMM)」というテクノロジーのリアルタイムデモが行なわれていた。このデモに使用されるテクノロジーはPixelux Entertainmentと共同開発されたものでLucasArtsがこれから制作していくゲームの土台となるテクノロジとなるものだという。

Pixelux Entertainmentの公式ページで公開されているDMMのスクリーンショット。ブースのデモは「スター・ウォーズ」を題材にして、より楽しいものになっていた
 このデモは「物理エンジン」が中心となっていた。現実では鉄や木の板など素材によってものをぶつけたときの反応が変わっていく。その様子をCG空間でどれだけリアルに表現できるかを提示していったのだ。

 このデモの面白いところはすべての小道具が「スター・ウォーズ」のものを使用しているという点だ。対象物には常にR2-D2をぶつけてその反応を見ることになる。R2はオペレーターの操作でいくつも対象にぶつかっていき、その数が多いとR2が映画でおなじみの甲高い悲鳴を上げる。「カーボンの板を用意してみましょう」という言葉と共に出てきたのはカーボン冷凍されたジャージャーだ。もちろんポーズはハン・ソロの両手を前に出したあのポーズである。

 オペレーターの操作1つでジャージャーの板は素材を変える。ここに次々とR2がぶつけられていった。素材がカーボンの場合はジャージャーがバラバラと砕け散り、鉄板となるとぶつかった部分が大きくゆがみ、ゼリーの板に変わるとぶるぶると揺れる。このデモはグラフィックスエンジンのデモも兼ねており、ゼリーの板に変わったときの光の透過具合や中に入っているジャージャーの透け具合なども丹念に紹介された。この他、巨大な植物にR2をぶつけ、植物が大きくたわみ、復元するというデモも流された。

 次に行なわれたのがジェダイのフォースを表現するリアルタイムデモである。雨の中ジェダイがストームトルーパーにフォースをぶつけると、トルーパーの前面の雨滴が放射状に飛び散りその力にはじかれたようにトルーパーが吹っ飛ぶ。また、別の場所でジェダイが手のひらを上に向けると、ストームトルーパーと周囲の物体が竜巻に吹き上げられるように舞い上がっていく。映画でおなじみのフォースをこのプログラムを使用することで、より効率的に表現できそうである。

 今回、このデモは撮影が禁止されており、お見せできないのが非常に残念だ。是非公式ページで公開して欲しいところである。


■ 独自のエンジンと映画的演出によって生み出される「INDIANA JONES 2007」

 Xbox 360とプレイステーション 3で2007年夏の発売を予定している「INDIANA JONES 2007」は上記のDMMを使用したアクションアドベンチャーである。コーナーにはこのエンジンをわかりやすく説明するデモとして吊り橋の上にインディを配置したデモを紹介していた。

DMMを使用していることをアピールする釣り橋のデモ。オペレーターが橋を揺らすと、インディがよろけ、足を踏ん張り姿勢を保とうとする
 吊り橋の上のインディはオペレーターが橋を揺らすことでバランスを崩し、落ちないように足を踏ん張る。バランスを大きく崩されると橋の手すりにしがみつく。インディの仕草は用意されたアニメーションではなく、インディの骨格や筋肉から計算された動きから生まれるものだ。「腰できちんとバランスを取るようにしているのがわかるでしょう」とオペレーターは語る。

 このテクノロジーが導入された「INDIANA JONES 2007」は今までにないリアルな格闘シーンを生み出すという。展開するストーリーは映画では語られていない完全オリジナルなもの。インディはサンフランシスコの中国人街から世界で最も神聖な場所へつながる冒険をしていくことになる。

 今回出展されたデモでは中国人街でごろつきと格闘するシーンと、サンフランシスコならではの急勾配の路面電車の上での格闘シーンを体験できた。インディの鞭で足を掴まれた敵は足を投げ出して転倒し、木製のドアに敵をぶち当てると扉は裂け、安物の椅子で相手を殴ると椅子はバラバラに砕け散る。路面電車の上から突き飛ばされた敵は大きくバウンドして転がった後路上で動かなくなる。

 リアルさだけでなく「映画らしさ」もふんだんに盛り込まれるようで、高い場所の踊り場がインディのアクションで倒れ、そこに乗っていた悪役が落ちないように必死に何かにしがみつこうとするが力及ばず落下していく。この落下シーンはインディが格闘を行なっている背後で展開するのだ。

 いかにもスタントマンがやっているような少しわざとらしい落下シーンと格闘シーンの組み合わせは単純にリアルさを求める作品では生まれてこない味である。本作はジョージ・ルーカスが原案を担当するだけでなくIndustrial Light&Magic(ILM)の映画畑のスタッフも制作に関わる。リアルさと映画的テクニックの融合した作品となりそうである。

【INDIANA JONES 2007】
プラットフォーム:PS3、Xbox 360
米国発売時期:2007年夏


■ オリジナルのジェダイも登場する「LEGO STAR WARS II: THE ORIGINAL TRILOGY」

 好評を博した「「LEGO STAR WARS」の続編となるのがこの「LEGO STAR WARS II: THE ORIGINAL TRILOGY」だ。ストーリーはエピソード4~6をベースにしており、レゴでできたキャラクタが、かわいらしく、そしてかっこよく活躍する。映画のストーリーを補うシーンや、オリジナルのキャラクタも登場する。

 このシリーズの特にユニークポイントは全てのキャラクタがレゴブロックでできているということだ。敵を含め、メカや背景も衝撃を受けると部品がバラバラになる。また、原作のキャラクタをどうやってレゴで表現しているかチェックをするのも楽しい。

 今作では自分でパーツを集めて様々な乗り物を作成することが可能になった。機械の修理にレゴブロックを積み上げるなどユニークさを増した演出にも注目したい。

 このレゴブロックの特性を活かし、本作では各キャラクタから部品を取り外しオリジナルのキャラクタを作成できる。ボバフェットのジェットパックを背中に取り付ければレイア姫でも空を飛ぶことも可能となる。ダースベイダーにヨーダの頭をつけた微妙なキャラクタなど様々な組み合わせを楽しむことも。前作のデータを持っていればキャラクタのパーツをコンバートし、より多彩なキャラクタを作成できるのだ。

【LEGO STAR WARS II: THE ORIGINAL TRILOGY】
プラットフォーム:Xbox 360、Xbox、PS2、GC、PSP、DS、GBA、PC
米国発売時期:2006年7月12日


【その他の出展タイトル】
「THRILLVILLE」
プラットフォーム:PS2、Xbox 360、PSP
米国発売時期:2006年秋

テーマパークを作成できるシミュレーションゲーム自分なりのジェットコースターを作成することが可能となる

「STAR WARS EMPIRE AT WAR: FORCES OF CORRUPTION」
プラットフォーム:PC
米国発売時期:2006年秋

SW世界を題材にしたRTS最新作。反乱軍と帝国軍の対立の中、第3勢力として勢力を増すことに挑戦できる

「TRAXION」
プラットフォーム:PSP
米国発売時期:2006年夏

音楽に合わせてボールを叩いていくリズムアクション。MP3のファイルを使うことで様々な曲でプレイできる

□LucasArtsのホームページ(英語)
http://www.station.sony.com/en/
□Electronic Entertainment Expoのホームページ(英語)
http://www.e3expo.com/

(2006年5月15日)

[Reported by 勝田哲也]



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