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【Electronic Entertainment Expo 2006 現地レポート】

D3パブリッシャーブースレポート
D3PA初のオリジナルタイトル「Dead Head Fred」を出展
日本ではWii向け「SIMPLE」シリーズを早期投入

5月10日~12日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center

PSP「Dead Heaf Fred」。2007年発売にもかかわらず、北米ではかなりの注目を集めているという
 日本では低価格ゲームソフト「SIMPLE」シリーズで知られているディースリー・パブリッシャー。実は北米地域でも、2年前にD3 PUBLISHER OF AMERICA(D3PA)を設立し、独自にゲームのパブリッシングを行なっている。E3への出展はD3PAとしてのもので、今回が初出展となる。

 今回の目玉タイトルは、PSP用3Dアクション「Dead Head Fred」。D3PA初のオリジナルタイトルとして、北米地域で2007年の早期に発売予定となっている。首を切られた主人公が手術で奇跡的に一命を取り留め、さらに頭をすげ替えることで新たな能力を得るという特異体質まで持ってしまう……すなわち頭のない主人公が、いろいろな頭をすげ替えて戦うという、豪快な設定になっている。

 頭をすげ替えるとき、片手でポケットの辺りから別の頭を取り出し、反対の手で今の頭をはずして付け替える。「そんなに大きな頭がどこにあったの!」と突っ込みたい気持ちと、ホイホイと実にテンポよく進むすげ替えの動きが、妙に笑いのツボを刺激してくれる。

 能力の違いは、攻撃方法が異なるというだけではない。石の頭をつけると、重くて歩くのが遅くなる代わりに、水に沈むようになる、といった仕掛けも。「頭を使い分けて」謎を解いていくという、アクションアドベンチャーになっている。

 世界観としては、荒廃した街でゾンビが闊歩する中、戦いを繰り広げる。頭をテーマにしているだけあって、敵を後ろから締め上げ、首を掴んで引きちぎる、という一撃必殺技も持っている。このとき、ちぎれた首からは血肉が飛び散る演出がしっかりと描かれており、いかにも米国的な雰囲気を漂わせる。

 ワールドワイドに展開したいとはしているが、今のところ日本での発売は未定。日本ではこういった表現は受け入れられにくいかもしれないが、そもそも「主人公の首がない」という設定からぶっ飛んでいるので、全部まとめてジョークとして許容してもらいたいものだ。

【Dead Head Fred】
ゾンビの首を引きちぎるという残虐な表現もあるかと思うと、首のすげ替えが妙にコミカルな動きだったりする。そのあたりのギャップが、無茶な設定と相まっていい味を出している


 このほかブースには、北米で2006年秋に公開の映画「Flushed Away」を題材にしたPS2/GC/DS/GBA用アクションゲームと、北米で依然高い人気を誇るPUFFYを題材にしたDS用「Hi Hi PUFFY AMIYUMI The GENIE & the AMP」を出展。いずれも日本国内での発売は未定としている。

 また日本では既に発売されているが、対戦アクションのGC用「Naruto2」、PSP「バイトヘル2000」のローカライズ版となる「WTF: WORK TIME FUN」、「SIMPLE DS」シリーズのブロック崩しをローカライズした「Break'Em All」がプレイアブルで出展されていた。

映画をゲーム化した「Flushed Away」はマルチプラットフォームで展開 「Hi Hi PUFFY AMIYUMI The GENIE & the AMP」は、依然人気の高いPUFFYをフィーチャーした、同社2作目のソフト

【Flushed Away】

【Hi Hi PUFFY AMIYUMI The GENIE & the AMP】



■ プロデューサー齋藤大成氏に今後の展開を聞く

ソフトウェア事業部プロデューサーの齋藤大成氏
 同社のブースにて、ソフトウェア事業部プロデューサーの齋藤大成氏から、同社の北米地域を含むワールドワイドでの展開と、日本国内での展開について話を聞くことができた。

 まずD3PAという組織について、「開発部隊は持っていません。優秀なデベロッパーに120%の力で制作してもらうことを目的にしています」と説明。プロデュースとパブリッシングの専門会社として動いているそうで、そこで初めてできたオリジナルタイトルが「Dead Head Fred」となる。デベロッパーは米Vicious Cycle。開発力を見込んでのプロジェクトだが、「日本での知名度が低いので、そこを今後どうするかが課題」とも語っていた。

「DarkSector」のイメージビジュアル。これまで発表されていたものとは別路線のイメージになっている
 そしてもうひとつのプロジェクトが、プレイステーション 3とPC向けに開発されている「Dark Sector」。デベロッパーは「Unreal」シリーズの開発で知られる英Digital Extremes。

 「Unreal」といえば、PS3のミドルウェアとして「Unrealエンジン」が搭載されたことでも注目されているが、「Dark Sector」はこの「Unrealエンジン」でのノウハウを活かした新設計の「Sectorエンジン」を採用する。齋藤氏は「Sectorエンジン」について、「『Unrealエンジン』の問題点をもとに、新たなコンセプトで作られた、完全新作の別物」と話している。

 しかし今回はゲームの映像が一切公開されておらず、新たなイメージビジュアルが公開されるに留まっている。公開できるのはもう少し先になるそうだが、「現時点でも十分驚いていただけるものになっているので、期待してください」と自信を覗かせていた。

 公式サイトでは、2007年秋という文字も見えるが、日本での発売は未定。「Unreal」をもとにと言われるとFPSを想像してしまうが、ゲームのジャンルについてもまだ発表できないとしており、内容は今のところ謎に包まれている。



 北米でのD3PAとしての展開はこのくらいにして、今度は日本での今後の展開について伺ってみた。次世代機では、とりわけWiiに興味があるようで、「『SIMPLE』シリーズをWiiで展開します。ローンチとはいかないが、それほど間を空けずに」と、既に計画があることを明らかにした。

 Wiiというハードには強い興味があるようだが、逆に「バーチャルコンソール」という不安要素もあるという。低価格で名作が遊べるので、低価格を売りにする「SIMPLE」シリーズとかぶってしまうのだ。これについては、「Wiiならではのゲームを作ることで、『バーチャルコンソール』にはない魅力的なソフトを提供していきたい」と話していた。

 こちらは、まだハードの発売日も決定していないこともあり、具体的なタイトルについては明言されなかった。

□ディースリー・パブリッシャーのホームページ
http://www.d3p.co.jp/
□「Dark Sector」のページ
http://www.darksector.com/
□関連情報
Electronic Entertainment Expo 2006 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm

(2006年5月14日)

[Reported by 石田賀津男]



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