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【連載第58回】ゲームライフに役立つグッズをレポート

研究所、ついに世界征服の第1歩?
Electronic Entertainment Expo 2006 特別レポート
世界中の“実用・おもしろ”ゲームグッズが集結!


当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。



 ゲームグッズ研究所が、ついに世界へ調査の手を伸ばした。今回は特別編としてアメリカ、ロサンゼルスで開催されたElectronic Entertainment Expo 2006(E3)に出展されていた世界のゲームグッズをレポートしていこう。

 E3と言えば、世界的なゲームの祭典。コンシューマー、PCを問わず、複数の広大なフロアに最新タイトルがズラリと並ぶ。このフロアの1つ「Kentia Hall」には、世界中からゲームグッズが集結しているのである。日本では見られない斬新なグッズが立ち並び、来場者がそれを次々に試している風景は圧巻。生粋のゲームファンなら間違いなく心躍る場所だ。

 本稿ではまず、E3独特の雰囲気をお伝えするべく、Kentia Hallの風景と共にピックアップしたグッズを紹介。続いて、実用的でぜひ日本でも発売されて欲しいと感じた製品を、さらに、日本では考えられないインパクトのある製品を紹介していく。本稿から次世代のゲームグッズの姿を、そして世界中でゲームグッズが愛されている空気を感じ取って頂ければ幸いだ。



● ゲームグッズファンのパラダイス! 世界のグッズが集うKentia Hallの“光景”

こちらがE3が開催されているコンベンションセンターの地下に広がる「Kentia Hall」。写真の奥にもブースが続いている
 地上のSouth Hall、West HallがWii、PS3、Xbox 360、PCゲームで盛り上がる中、地下のKentia Hallもまたゲームグッズで来場者の熱を上げていた。Kentia Hallも、他のホール同様に広大。このフロアに出展されているものがゲームグッズ系統のものばかりだと思うと驚きは隠せない。日本のゲームグッズ売り場や、東京ゲームショーでのグッズ出展には見慣れている研究所員ではあるものの、その規模は比べ物にならない。

 出展されているグッズの傾向として、ゲームの体感部分を向上させるものが多い。特に多かったのはFPS関連のタイトルに使用するグッズだ。コンシューマー向けのものでは、コントローラを2つに分割して、体感ゲーム機風に構えることができるもの。そのまま銃型をしているものも多い。Windows PCゲーム方面ではまずマウス関連が多い。普通の見慣れた形状のマウスではなく、こちらもやはりFPSをプレイする時の体感面を向上させるものが多い。

 コンシューマー、PCを問わず目立っていたのは、ゲーミングシート。フライトシミュレーターやレースジャンルのタイトルをプレイするのに適している操縦席ライクなもの、ボディソニック機能を備えたものの2タイプがある。サウンドの出力を座椅子などの椅子につなぎ、背中から体に響き渡るように迫力ある音が伝わるというものだ。

 日本でいう音楽ゲーム用のデバイスも多く出展され、来場者の注目を集めていた。GDC 2006でもその人気の高さが伺える「Guiter Hero」……ギター型コントローラを構えて曲を弾くというタイトルの人気が高い。その人気と共に、ダンスダンスレボリューションのようなダンスタイトルやビートマニア的なジャンルに使うDJデバイスも出展されていた。

 実用的なグッズから巨大でE3でしか実物を見れないようなものまで大集合している中、来場者とブーススタッフが共に語らい楽しむという、ゲームファン、ゲームグッズファンのパラダイスであった。この模様を写真と解説で以下に紹介していこう。

 なお、Kentia Hallの中央にはBarカウンターが設置され、その横には“History of Video Games”というレトロアーケード筐体が並ぶコーナーがあった。“History of Video Games”の模様は別記事としてお伝えするのでそちらもお楽しみ頂きたい。

各種ハードウェアに貼り付けてデコレーションするステッカー。ステッカーは自分でカットするようなものではなく、PS2、GC、Xbox、Xbox 360そしてPSP、NDSと、専用の大きさにカットされているものだ
「ゼルダの伝説」などをはじめとしたゲームロゴをあしらったものなど、非常に多彩。日本だとこうしたステッカー的なものを貼るのは低年齢の子供に限るとして、そうした年齢層にマッチするデザインが多いのだが、どれもアメリカンテイストの濃い配色でアダルティーだ。Xbox 360は前面のプレートを交換できるものの、側面は本体色である白のままになってしまうので、こうしたステッカーの存在は嬉しいところ
携帯機向けのグッズも多数出展。ただし、携帯ゲーム機向けの製品に関しては日本でも需要が高く、数多く輸入されている。そのため、日本でもすでに購入可能な製品が多かった。ipod向けの製品を平行して出展しているブースが多く、PSPとipodは外部スピーカーの製品が多数見られた
日本と最も異なる点が、Xbox、Xbox 360用グッズの多さだ。リモコンからはじまり、カラーバリエーション豊富なXbox 360用コントローラ、そしてプレートが並ぶ。Xbox用の製品も負けずに多く、海外でのXbox人気の高さが伺える
体感デバイスはやはり人目を引く。写真左はWindows用Webカメラの前で動いてビーチバレーを実演中。PS2のEyetoyに近いものだ。写真中央は、Windows用のヘッドマウントディスプレイとガンコントラーラのセット。ゲーム画面を視線コントロール可能で、臨場感は抜群だ。写真右は、本連載でも紹介したBodypad。「鉄拳4」をプレイしている様子は注目を集めていた
「Guiter Hero」のヒットと共に、音楽ゲームも最新トレンドの1つに。ダンス用やDJ用など各種デバイスも登場。写真中央のDJデバイスは、左にコンパクトな1人用があるが、右の2人用は1メートルを超えるほど巨大
ヘッドマウントディスプレイは、視線コントロールと立体表示機能を持つ製品が複数出展。FPSタイトルをこれでプレイすると、実際に兵士として戦場にいるかのような臨場感が味わえる。また、立体表示はレーダーや残弾数、そして自分の持っている武器など、画面の数値類などを立体視させている。これもまた戦況を把握するためのデバイスを眼に装着している兵士のような気分になれる
PC用の冷却キット。飛行機や車の部品ですか? と聞きたくなるような巨大なパーツに驚かされる。写真右はXbox 360用の水冷キットのデモ。すでに日本に先駆けて夏を迎えている国でもXbox 360は稼動しているのだが、こうした需要が少しずつ現われているのだろうか? 静音と熱対策が次世代機が持つこれまでにない課題であることを感じさせる
こちらは上の冷却キット関連を出展しているブース「Cool IT」のひとコマ。スタッフが製品のスピーチの最後に「Cool IT Chiller」というUSB接続で飲み物を冷やすことができるデバイスをその場にいた全員にプレゼントする大盤振舞い。写真右がプレゼントされていた「Cool IT Chiller」。派手さはない変り種の製品ではあるが、日本でも販売されて欲しい妖しい魅力がある
こちらは日本のゲームグッズをはじめとしたエンターテイメントコンテンツの海外展開を手伝っていくという「EPJ」を運営するJETROのブース。HORIのグッズなどを展示していた


● 日本でも使ってみたいかもしれない!? 部門

こちらは銃型コントローラ。銃口で右アナログスティックのコントロールが行なえる
 お家事情の違いからか、使ってみたいとは思うものの、購入となると悩んでしまいそうな製品が多かったのは残念な点。まずはPS2用の変り種コントローラを、製品そのものとしてではなく、方向性として面白いなと感じたものとして挙げていこう。

 Splitefishというメーカーのブースには、FPSジャンルのゲームに特化したPS2用コントローラを展示。「グリッドFXコントローラー」は、PS2のコントローラーを左右2つに分離して、右のアナログスティック部分をトラックボールに変更したもの。ボタンの数などはそのままだが、リモコンのように片手で握るため、腕の位置が制限されない。両手をダラリと下げたままでもゲームをプレイできるのはなかなかに便利だ。

 続いて同ブースの「デュアルFXコントローラー」。こちらもPS2用のコントローラで左右2つに分離した形状。大きな特徴は右アナログスティック側が、銃の形状になっており、赤外線と思われるレーザーでコントロールが可能なことだ。テレビに向けている銃口を上下左右に動かすと、通常右のアナログスティックで操作する照準が動く! まるでFPSではなく、「ザ・ハウス・オブ・ザ・デッド」シリーズなどの体感シューティングのようである。

 同ブースの最後は「ゲームFXコントローラー」。これはコントローラの左半分は「グリッドFXコントローラー」と同じなのだが、右半分がマウスになっているものだ。FPSジャンルのタイトルをPCライクな環境でプレイできるものだ。これは普段PCでFPSを楽しんでいる人にはかなり嬉しい製品のはず。「Halo」シリーズをはじめ、コンシューマータイトルにも魅力的なFPSタイトルがリリースされる昨今、こうしたコンシューマーコントローラとPC用デバイスであるマウスが融合してできた製品はメリットがあると感じる。

写真左と中央は、左右2つに分かれたPS2用コントローラ。右側のアナログスティックはトラックボールになっているため、少々使う人を選びそうだが、2つに分かれているという特長には発展性を感じる。写真右はコントローラの右半分がマウスになっているもの。コンシューマーハードのFPSタイトルを遊んでいるときに「マウスを使いたい! 」と感じていた人も、これなら安心だ

 もう1点、価格が高そうだという難点はあるのだが、ゲーミングシートを紹介しよう。心惹かれたのは、Playseatsというブースで出展されていた「MediaSeat」というソファだ。これはパッと見た感じはオシャレでインテリアとしても普通に欲しくなるようなソファなのだが、各種ゲーム機やホームシアターに広く対応できるボディソニック機能が内蔵されている。

 ボディソニック機能は低音などに合わせて振動するようで、座り心地も良く、ゲームの迫力もアップしてくれるのはなかなか魅力的。両側のレストは開閉式になっていて、中には収納スペースがある。ここに今後の主流であるワイヤレスコントローラを入れておくのは実に具合がよさそうだ。

こちらが「MediaSeat」。ボディソニック機能が内蔵されているとは思えないインテリア性の高いデザインが嬉しい。写真中央、右のようにレストには収納ボックスが隠れている。ワイヤレスコントローラやリモコンの収納場所としてうってつけだ。価格が心配な製品だが、手ごろなものが日本でも登場してほしいと思う
こちらはPyramatLLCというブースで出展されていた座椅子タイプのゲーミングシート。ボディソニック機能が内蔵されているシートの中ではコンパクトなタイプ。シートの右側にはボリュームやトーンを調整できるツマミがあり、機能性が失われているわけではない


● こんなの日本じゃ考えられない!? “インパクト”部門

 日本では決して見られないような奇抜なグッズが見られるのもE3ならでは。やはり世界中のグッズが集うE3だけに、インパクトが強いものも多い。巨大なコックピット系のゲーミングシートが注目を集めていた。

写真左は、前項でも紹介したPlayseatsのRacestarというゲーミングシート。F1カーのコックピット部をそのまま切り出した姿は度肝を抜かれる。写真中央、右もまた不思議な光景だ。映画「スター・ウォーズ」にでも出てきそうな形状のシートだ
操縦席のように手元にコントローラが伸びているのが印象的な写真左のシート。実際に試すと、背もたれにはボディソニック機能があり、プレイ感は思いのほか良い。写真中央、「武者震」シリーズでおなじみのM-S-Yの新作ゲーミングデスク「ROCCAFORTE」。フライトシム用デバイスで名高いCH PRODUCTSのブースで展示されていた。“要塞”の意味を持つ、左右にスライド式の小型テーブルを3段備えた独特の構造が目を引く。右はCH PRODUCTSが出展していたコクピット
これは何だ? と思うのが当たり前なこのグッズ。正体はマウスだ。上下左右に180度グリグリ動かすことでマウスコントロールを行ない、引っ張ったり押したりすることでクリック機能を使う。FPSタイトルが操作可能になっていて、引っ張ることで発砲していた。見た目どおり感覚的にも奇妙で面白い
こちらはXbox 360用のカメラデバイス。見た目のインパクトこそないが、来場者の興味を最も引いていたグッズである。カメラの前に立つと、自分の姿がモニタ映し出されて、顔や手にターゲットマークが表示される。動きを感知しているようだ。ゲーム的にはなっていなかったが、すでに動作しているということが興味深い


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□Electronic Entertainment Expoのホームページ(英語)
http://www.e3expo.com/
□関連情報
Electronic Entertainment Expo 2006 記事リンク集
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060510/e3link.htm

(2006年5月13日)

[Reported by ゲーム環境向上委員会]



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