Electronic Entertainment Expo 2006現地レポート
Vivendi Games/Blizzard Entertainment/Sierra Entertainmentブースレポート
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Vivendi Vivendi Gaes/Blizzard Entertainmentブース |
Vivendi Games/SIERRA Entertainmentブース |
5月10日~12日開催(現地時間)
会場:Los Angeles Convention Center
■ 「WORLD in CONFLICT」(PC)~米ソが互いに核を撃ち合う"もし"の未来世界を描くリアル系RTS
'89年以降、米ソ冷戦がより過激な方向に発展していっていたとしたら……? という歴史的“if”をRTSで描いた作品。
プレーヤーは米ソどちらかの軍勢に扮し、マップ上の戦略的重要拠点を制圧していき、その都市を完全に自軍のものにすることを目指す。登場する兵器は両軍勢ともに実在する兵器をモチーフにしており、徹底したリアリズムを追求している。歩兵はもちろん、戦闘機、戦車、ヘリコプター、核兵器に至るまでが、各軍勢の特徴を反映させたリアリズムでゲーム上に再現される。
ゲームそのものはRTSタイプになるが、プレーヤーが行なうべきは軍事行動がメインであり、内政システムの運営は最低限でよい。与えられた軍事予算を使って、どの兵器をどこに展開し、どの拠点から抑えていくか……という軍事戦略部分に集中できる作りになっている。
マップはロサンゼルスやシアトル、ニューヨークといった実在する都市をかなりリアルな形で再現しており、都市内の全ての木々や建物は兵器同士の軍事活動によって破壊されていく。
開発は「GROUND CONTROL」シリーズを手がけてきたMassive Entertainmentで、ゲームエンジンは同社の最新リアルタイムライティング・グラフィックスと物理シミュレーション技術を惜しげもなく利用した「Masstech Engine」の最新版。こうしたRTSとしては珍しく、空の描写に凝っており、流れる雲や注ぎ込む陽光などの表現がリアルで、現実世界を箱庭として表現したグラフィックスとしては最高峰といってもいいくらいのビジュアルだ。マルチプレーヤー最大16人まで対応。発売は2007年春を予定。プラットフォームはPC版のみ。日本での発売は未定。
【「WORLD in CONFLICT」】 |
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このクオリティのビジュアルがRTSゲーム上で展開する。ここまで雲や空が美しく見えるRTSはめずらしいような…… |
□「WORLD in CONFLICT」の公式ページ
■ 「Eragon」(PC,PS2,Xbox,GC,GBA,NDS)
世界的なベストセラーとして大ヒットを記録した著名ファンタジー小説「eragon」。ついに待望の映像化が実現され、2006年末には長編映画として公開が決定され話題を呼んでいる。そんなEragonブームをうけて、そのオフィシャルゲームシリーズが映画公開に先駆け、2006年秋よりリリースされる。開発は映画版「ロード・オブ・ザ・リング・二つの塔」のゲーム化を担当したStormfront Studios。
ゲームは、映画と小説の双方の内容をほどよく取り込んだアクションアドベンチャータイプのゲームになる。登場するキャラクタは全て小説版に準拠したものになるが、グラフィックスは映画俳優を再現したものではなく、ゲームオリジナルのビジュアルになっている。
基本は三人称視点の後方視点でゲームが進行し、剣を振ったり、パンチやキックをはじめとした肉弾戦による格闘によって敵を撃退していく。魔法や弓矢といった飛び道具攻撃や、この物語の要である相棒であるドラゴンを呼び寄せ、ドラゴンとの連携攻撃を仕掛けることもできる。戦闘アクションは、欧米で大ヒット中のアクションゲーム「God of War」をかなり意識したものになっており、接近戦の際のカメラアングルやド派手で過激なアクションシーケンスはかなりこれに近い。
Eragonは龍騎士を意味し、地上の戦闘だけでなく龍にまたがっての空中戦も用意されている。この空中戦モードでは、フライト3Dシューティングゲームの様相になり、地上シーンとは全く別の雰囲気のゲームになる。
【「Eragon」】 |
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プラットフォームはPC、PS2、Xbox、GC、GBA、NDSとなる。日本での発売は未定 |
■ 「スカーフェイス」(Scarface:The World is Yours)~EAがゴッドファーザーならばVivendiは「スカーフェイス」だ!
'83年に公開されたアル・パチーノ主演、麻薬ディーラーが活躍する裏社会を描いたクライム映画「スカーフェイス」をゲーム化した作品。
プレーヤーは、劇中の主人公であった、アル・パチーノ演じるトニー・モンタナに扮し、コンピュータ内にオープンフィールドとして再現された'80年代のマイアミを舞台に麻薬王にのし上がることを目指す。映画に登場したキャストのほぼ全員の肖像権使用をクリアしており、登場キャラクタは俳優によく似た外見で登場する。
ゲーム世界にいる住人とインタラクトしていく中で与えられるクエストをクリアしていき、ゲームストーリーを進めていく。あのアイテムを回収せよ、ある人物を殺せ……などなど、そのクエストは映画で描かれたシチュエーションそのものであったり、ゲーム向けに用意された外伝的なアドベンチャーだったりする。回りくどい言い方を避けて直接的に言うとすれば、ゲーム内容的には、世界的な大ヒットを記録したクライムゲーム「グランド・セフト・オート」シリーズにかなり近い。
映画ではトニー・モンタナのキャラクタが強烈で、そのシニカルなマシンガントークが印象的であったが、あの要素を本作ではゲームシステムに取り込んでいるのが特徴だ。
ゲームに登場する様々なキャラクタと会話することで規定された「会話コンボ」とも言うべき一定の会話の流れを作り出すと、知名度ポイント(Intimidate Balls)が向上する。ミッションを進めてエンディング目指すだけでなく、こうした映画のキャラクタを効果的に活用したミニゲーム的な遊びの提供は“版権もの”ならではの強みといえる。この他、トニー・モンタナは劇中の銃撃戦の際に、あえて無防備なアクションを決めて相手を挑発するそぶりが見られたが、これもゲームに取り込まれており、挑発コンボを決めても知名度ポイントが向上する。
成り上がるとマイアミの一等地に大豪邸に住めるようになり、貯めたお金でスーパーカーを購入したり、豪華な装飾品を豪邸内に飾ったりすることができるようになり、自宅のデコレーションを楽しむこともできるようになる。
【「スカーフェイス」(Scarface:The World is Yours)】 |
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プラットフォームはPS2、Xbox、そしてPC。発売は2006年秋を予定 |
□「スカーフェイス」(Scarface:The World is Yours)の公式ページ
■ 「CEASAR IV」(PC)~行政官になってシーザー好みの町を作れ!
ローマ帝国時代を舞台にした「Sim City」タイプの都市建設シミュレーション。前作「3」から8年ぶりの登場となる。メインの制作スタッフは「3」から引き続きの参加となっているとのこと。
各キャンペーンで与えられるのはシーザーから命令された、特定条件を満たした町を作ること。その“条件”とは一定数以上の人口だったり、市政の安定化だったり、特定のランドマークの建設だったりと様々だ。
道行く一般人NPCから町や木に至るまでにセルフシャドウ付きの影が落ちる影生成や建物のディテール表現に法線マップが適用されているほど3Dグラフィックスには特に力が入れられている。グラフィックスエンジンはゼロから開発されたオリジナルエンジンだとのこと。建物の種類は100種類以上が用意されるという。開発はTilted Mill。
【「CEASAR IV」】 |
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プラットフォームはPCのみ。発売は2006年秋を予定 |
□「CEASAR IV」の公式ページ
■ 「F.E.A.R.-EXTRACTION POINTS」(PC)~2005年度ナンバーワンのあのFPSゲームの続編が早くも登場
2005年度、最も話題性が高く、そして3Dベンチマークテストとしての利用度もナンバーワンだった一人称視点タイプの3Dシューティングゲーム「F.E.A.R.」の拡張パック。
シングルプレーヤーモードには新シナリオが追加され、前作のラストの直後を綴った内容になる。
ストーリーについては、現段階ではあまり多くを明かせないとのこと。ホラーとミリタリーを融合させた独特の世界観は前作からそのまま継承されているという。グラフィックスエンジンは前作とほぼ同等のものがそのまま利用されている。
【「F.E.A.R.-EXTRACTION POINTS」】 |
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発売は2006年秋を予定。プラットフォームはPCのみ |
■ 「F.E.A.R. for Xbox 360」~F.E.A.R.がXbox360に登場
PC版の「F.E.A.R.」をグレードアップする形でXbox 360へ移植した作品。
マルチプレーヤーモードをXbox Liveに対応させただけでなく、シングルプレイモードにも拡張されたサイドストーリーが追加されているという。
グラフィックスは、PC版の時の最上位クオリティの再現を達成。
【「F.E.A.R. for Xbox 360」】 |
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移植はDAY 1 Studiosが担当。発売は2006年秋を予定 |
■ 「FREE STYLE」~オンライン専用のストリート系カジュアル型バスケットボールゲーム
オンラインコミュニティ上でバスケットボールをプレイしながらプレーヤーキャラクタを成長させていくことを楽しむRPGスタイルのスポーツゲーム。
ゲーム内容がシンプルな変わりにコミュニティ形成のための機能や、キャラクタメイキングの機能が充実している。自分自身によく似たキャラクタを作成し、ゲームコミュニティ内での友達作りや、チームを結成することができる。バスケゲームを楽しむ……ということよりも、バスケを媒介にしてゲームコミュニティそのものを楽しむ……といった切り口の作品。
自分のゲーム内キャラクタを着飾るためのアイテムはゲーム内の経験値か、あるいは現実世界の通貨で購入させる独特のゲーム内経済モデルを採用しているのも特徴。
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グラフィックスはトゥーンシェイダーライクで統一。PC専用タイトル |
■ 「MIAMI VICE THE GAME」(PSP)~あのマイアミバイスが待望のゲーム化!
'80年代に人気を博したテレビドラマ「マイアミバイス」が、コリン・ファレル主演で現代を舞台にリメイク映画化され、北米では7月より公開される。これと連動する形でPSP向けに発売が予定されているのが「MIAMI VICE TH E GAME」だ。
ゲームは三人称視点の3Dシューティングスタイルで進行する。プレーヤーは劇中の主役キャラであるクロケット、タッブスのいずれにもなることができ、PSPオーナーの友人がいれば、一方のプレーヤーがクロケット、もう片方のプレーヤーがタッブスとなってひとつのミッションを二人で協力プレイすることもできる。ガンシューティングモード以外にもデータハッキングを模したミニゲームや海上を爆走するモーターボート上での銃撃チェイスといった多様なゲームシーンが提供される予定。
現時点ではPSP専用タイトルとして開発が英Rebellionによって進められている。発売は映画公開時期と同時を予定。日本での発売は未定。
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PSPのグラフィックスとしてはかなりクオリティが高い。残念ながら映画キャストの肖像権使用許可は得られず、ゲーム内キャラクタはオリジナルデザインのものになっている |
■ 「TIMESHIFT」~期待のタイムパラドックス3Dシューティングがついにリリース
昨年はATARIブースに出展されていた時間を操るフィーチャーを盛り込んだ一人称シューティング(FPS)ゲーム「TIMESHIFT」が、配給会社を変更、ATRAIではなくVivendi Gamesから発売されることが決定した。
アメリカ政府が開発した時間制御機能を持つ特殊戦闘服「Quantum Suit」のテストに参加した主人公マイケル・スイフト大佐は、テストの経過の中で別の時空世界に転移してしまっていることに気が付く。その世界では、ファシストが独裁政治を施行しており、さらに悪いことにスイフト大佐は反逆者として扱われていたのであった。プレーヤーはスイフト大佐を操り、Quantum Suitの能力を最大限に活用し、元の時空世界戻ることを目指す。
時間制御はスロー、巻き戻し、早送りが可能。スローで敵の攻撃をひらりひらりとかわしたり、時間の巻き戻しや早送りで時間帯を操作して扉を開けたり地形を制御したりして「時間パズル」を解いていく。
発売は2006年内を予定。プラットフォームはXbox 360とPCを予定。
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画面はXbox 360版。グラフィックスエンジンは、このゲームの開発元Saber Interactiveの新エンジン「Saber3D」を採用 |
■ 「World of Warcraft: The Burning Crusade」
ついに650万人ユーザーの獲得のめどが立ったというMMORPGの金字塔、「World of Warcrafts」の拡張パックがリリースされる。
拡張パックでは新しい種族が追加され、ゲーム管理上、最大キャラクタレベルは70にまで引き上げられる。新たな冒険の地も追加。ブラッドエルフの王国や新種族Draenei族の王国といった場所へ行けるようになり、これまで行けなかった地でのダンジョン探検も可能となっている。
新しい職業(クラス)、たとえばJewelcrafting(宝石工)といったものも追加され、新たなキャラクタの可能性を垣間見ることが可能になる。宝石工によって作られた宝石類は実際に身につけることができ、冒険を優位に進めるために活躍してくれる(はず)。拡張された職業システムは、キャラクタレベルの上限が引き上げられたことがよい方に作用するように練られているという。
2004年にオリジナル版「World of Warcraft」が発売されて以来、初のメジャーアップデートということもあり期待度は高い。
【「World of Warcraft: The Burning Crusade」】 |
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発売は未定。ただし2006年年内を予定している。プラットフォームはPC版のみ |
□Electronic Entertainment Expoのホームページ
http://www.e3expo.com/index.asp
□Vivendi Universal Gamesのホームページ
http://www.vugames.com/
□Blizzard Entertainmentのホームページ
http://www.blizzard.com/
□Sierra Entertainmentのホームページ
http://www.sierra.com/
(2006年5月12日)
[Reported by トライゼット西川善司]
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