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Electronic Entertainment Expo 2006現地レポート

Activision 、E3に先がけてプライベートショウを開催
「Enemy Territory: QUAKE Wars」、「Tony Hawk's Project 8」など多数の新タイトルを発表

5月8日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Marriott Downtown

 米ActivisionはLos Angeles Marriott Downtownにおいて5月8日(現地時間)、E3に先がけてプライベートショウを開催した。イベントでは「Marvel:Ultimate Alliance」、「Tony Hawk's Downhill Jam」、「Tony Hawk's Project 8」、「The Movies:Stunts & Effects Expansion Pack」「Enemy Territory: QUAKE Wars」「World Series of Poker:Tournament of Champions」といった新作タイトルがデモプレイやムービーと共に紹介された。

最初に壇上に上ったActivision社長兼CEOのMike Griffith氏。今後のラインナップ、そして007の映画を原作とするゲームを制作することを発表した
 この他にもムービーなどは紹介されなかったが、Xbox Liveを通じて無料で配布される「Call of Duty2:Bonus Map Pack」と、4つのマルチプレイマップを収録した「Call of Duty2:Skirmish Map Pack」、ノルマンディーの戦いやパリの解放を描く「Call of Duty3」の存在が明らかになった。これらのタイトルをE3のブースで触れることができるのか、期待したいところだ。さらに007の映画をテーマにしたゲームの発売も予定していて、2007年には「SPIDERMAN3」を発売することも明らかにした。

 今回の発表会で特に印象に残ったのは、「次世代機向け」を強くアピールした2つのスケードボードのゲーム「Tony Hawk's Downhill Jam」、「Tony Hawk's Project 8」だ。「Tony Hawk's Downhill Jam」は任天堂の新ハード「Wii」ならではの機能を活かし、コントローラを傾けたり、振ることで直感的にキャラクタを操作することを可能にしている。

 一方、プレイステーション 3用ソフトとして発売される「Tony Hawk's Project 8」は物理エンジンやキャラクタモデル、グラフィックスなど全てを一新し、キャラクタの細かいモデリングや、体重移動の仕草、ジャンプの角度によって変化する姿勢など、全てを細かくリアルに再現する。発表会ではPS3によるデモ映像が紹介されたが、グラフィックス、そしてコースを走るキャラクタの動きなどから次世代ハードのパワーが伝わってきた。

 ハードの性能と特性を各メーカーがどうゲームに活かしていくかは、今回のE3の見所である。この2つのタイトルは非常にわかりやすい形で次の世代のゲームの方向性を示しているように感じた。

Wiiを使ったデモプレイを行なった「Tony Hawk's Downhill Jam」 スパイダーマンがなめらかに動くデモの後、「SPIDERMAN3」が2007年に発売されることが発表された 「Tony Hawk's Project 8」はキャラクタモデル、物理エンジンなど全てが新しいものになる


■ 20人以上のスーパーヒーローがチームを組んで戦う「Marvel:Ultimate Alliance」

 「Marvel:Ultimate Alliance」はウルヴァリンをはじめとしたXーMENメンバーやスパイダーマン、キャプテンアメリカなどマーヴルコミックスで活躍するヒーローが集結するアクションRPGである。ヒーローの中から4人を選択、チームを結成させて戦っていく。プレーヤーは4人の内1人を操作し、他のキャラクタはAIで行動する。いつでも瞬時に操作するキャラクタを切り替えることができ、各キャラクタの能力を活かしながらステージを突破していく。

 デモプレイではスパイダーマンが敵を蜘蛛の糸でつり上げ身動きできなくし、他のヒーローが一斉に殴るなどヒーロー達が連係攻撃を行なうシーンも見られた。また、数10メートルの大きさの巨大な敵が登場し、ヒーロー達はその敵から逃げながら反撃していった。敵は口からエネルギーをはき出し爆発を起こしたり、手を伸ばしてヒーローを握りつぶそうとする。敵に掴まれた場合はボタンを連打すると掴まれたヒーローが指をこじ開け脱出したりと、コミックスの一場面のようなシーンが展開した。

 「Marvel:Ultimate Alliance」ではゲームを進めることで使用するキャラクタは増えていき、最終的には20人以上のヒーローを操作可能になるという。デモプレイの後に流されたムービーでは堅物なキャプテンアメリカや、強引に突き進み敵を引き裂くウルヴァリン、ずっと愚痴っているスパイダーマンなど各キャラクタの特徴をうまく表現していた。敵味方合わせると140ものヒーローと悪役が登場するとのことで、彼らの特徴がゲーム内でどう再現されるかが注目である。

【Marvel:Ultimate Alliance】
プラットフォーム:PS3、XBOX 360、Wii、PS2、XBOX、PSP、GBA、PC
米国発売時期:2006秋
上の段の画像がXbox360版、下がPS3版である。ヒーロー達の再現に注目したい


■ Wiiならではの機能を活かしキャラクタと一体化できる「Tony Hawk's Downhill Jam」

 「Tony Hawk's Downhill Jam」はシミュレーション要素の強い従来の「Tony Hawk's 」シリーズとは違い、スケートボードに乗って様々な仕掛けのあるコースを高速で滑り降りていくレースゲームとなっている。

イメージ画像。ゲームのキャラクタと一体感が味わえるシステムだ
 本作の最も大きな特徴はWiiのコントローラならではの操作を実現しているところだ。コントローラを傾けることでキャラクタは体重移動を行ない右や左に曲がり、前に傾けることでキャラクタが姿勢を低くし、加速する。プレーヤーは従来のゲーム以上に体を動かし、それがゲーム内のキャラクタと連動していることで、強い一体感を味わえる。プレーヤーの姿を見ているだけでも楽しいゲームになっている。

 ゲームの展開は、コースによっては壁をぶち破ったり、林を飛び越えたりと派手で、リアルさよりもエンターテイメント性を強調した作品になるようだ。デモプレイの後流されたムービーでは子供のプレーヤーがソファーの上でコントローラを傾け、ついには対戦プレーヤーを実際に肩で突き飛ばしてしまったりと、体全体でプレイをしている様子が紹介された。

 「Tony Hawk's Downhill Jam」はDS、GBAでの発売も予定されている。GBAは「まわるメイドインワリオ」などゲーム機を傾けてプレイするタイトルも発売されているが、本作も同様の機能によって本作ならではの操作感を実現するのだろうか? 今後の情報に期待したい。

【Tony Hawk's Downhill Jam】
プラットフォーム:Wii、DS、GBA
米国発売時期:2006秋
上がWii、下がDSの画像。DSでの操作はどのようになるか興味のあるところだ


■ 全てを一新しよりリアルな表現を目指す「Tony Hawk's Project 8」

 「Tony Hawk's Project 8」はActivisionの人気シリーズであるスケードボードシミュレーションシリーズの最新作である。グラフィックス、物理エンジンを一新し、最新のハードの性能を実感できる作品を目指して制作されている。

 ゲームに登場するキャラクタは実際のプロ選手からスキャンした輪郭データ、写真を元にしたものを使用し、トリックなどは専用のモーションキャプチャー設備を用意し、実際のプレイを取り込んでいる。ボードの傾きに選手達がどのように対応しているか、バランスの取り方なども細かく再現している。

 物理エンジンによってジャンプ台の角度と進入スピードによってジャンプの高さ、プレーヤーの姿勢を再現し、よりリアルな接地感、生じる衝撃などを表現している。デモプレイやムービーからはアスファルトや木の屋根、トタンやガラスのはめ込まれた窓など、滑る場所でのボードに伝わる感触の違いまできちんと再現しているのが伝わってきた。

【Tony Hawk's Project 8】
プラットフォーム: PS3、XBOX 360、PS2、XBOX、PSP
米国発売時期:2006秋
全てを一新したシリーズ最新作。デモプレイではテクニック次第で様々な場所で滑ることができる“自由度”も強調されていた


■ スタント、特撮シーンが可能に「The Movies:Stunts & Effects Expansion Pack」

 先日、日本語版が発売された「The Movies」の追加パックが「The Movies:Stunts & Effects Expansion Pack」である。「The Movies」は映画産業の成立と進化の過程を描くシミュレーションゲームで、プレーヤーは映画会社のオーナーとなり、役者や監督を育て上げ、様々な作品を作り上げていく。

 今回の追加パックによって、「ミニチュアセット」といった施設の建造が可能になった。また、映画スタッフとして新しくスタントマンを育成することもできるようになった。ミニチュアセットでは、UFOが都市を襲撃するシーンなど役者がいないシーンも撮影が可能。背景がスクロールする舞台によって落下シーンを再現したり、CGを合成したりと時代に合わせた特殊効果を可能にする施設も紹介された。

 スタントマンは役者と同じように成長するスタッフで、経験が浅いと大けがをしたりする。スタントマンの起用は配役の時点でスターにスタントマンを設定することで行なう。火事のビルの窓から飛び出したり、衝突した車から投げ出されるようなスタントシーンも可能になった。更に天候を変化させたり、カメラの移動を設定したりと、シーンのカスタマイズもより細かくできるようになった。

 様々な機能の追加により、「ゴジラ」を思わせる怪獣映画の撮影も可能になり、より自由度が増した。プレーヤー達がこれらの機能を使ってどんな作品を作るのか、楽しみである。

【The Movies:Stunts & Effects Expansion Pack】
プラットフォーム:PC
米国発売時期:2006春
より凝った撮影を可能にする追加パック。これらのセットを使ったユーザー達の作品が楽しみだ


■ 近未来の世界を舞台にしたオンラインアクション「Enemy Territory: QUAKE Wars」

 「Enemy Territory: QUAKE Wars」は近未来の世界を舞台に他のプレーヤーと協力して敵部隊と戦っていくオンラインアクションゲームだ。今作の開発元であるid Softwareが開発したフリーソフト「Wolfenstein: Enemy Territory」をベースに、「QUAKE」シリーズの“2065年”の世界を舞台に設定した作品だ。プレーヤーキャラクタはロケットランチャーやマシンガンなど数々の武器を携行し、バイクやヘリコプター、戦車などフィールドにある乗り物に乗って敵と戦う。デモプレイからはEAの「Battlefield 2」に似ている印象を受けた。

 キャラクタにはいくつかのタイプがあるのだが、特に本作では「工兵」の役割が重要になっており、彼らが協力をすることで崩れた橋を直したり、対空砲を設置できるようになる。工兵をいかに支援するかも重要な駆け引きとなりそうである。

 世界観も非常に魅力的だ。「Enemy Territory: QUAKE Wars」の戦場は近未来である。ホバーで進む戦車や歩行戦車、ローターを機体内に内蔵したヘリコプターなど登場するメカのデザインは凝っている。ジェットパックの様な物を装備して飛び回る敵もいたりと、戦場には独特の空気がある。ヘリからロケットランチャーで敵を破壊したり、パラシュートで飛び降りたりすることもでき、歩兵の装備も充実している印象を受けた。

 デモプレイのグラフィックスは美しく、来場者から「どのくらいのスペックで動くのか」という質問があったが、「Geforce 7900は買っておいた方が良いかもしれない」というコメントのみで、詳細は明らかにされなかった。「Wolfenstein: Enemy Territory」は制作に時間がかかりすぎ、結局製品化されずフリーソフトとして公開したという経緯がある。世界観、システム、グラフィックスを進化させた今作はファンの待ち望んだ作品といえるだろう。

【Enemy Territory: QUAKE Wars】
プラットフォーム:PC
米国発売時期:未定
多人数での戦いが楽しめるオンラインアクションゲーム。ヘリコプターのコクピットやバイクのパネルなどにも近未来兵器の雰囲気が良く出ている


■ プロ達の仕草まで再現した「World Series of Poker:Tournament of Champions」

 「World Series of Poker:Tournament of Champions」はラスベガスのプロのギャンブラー達とポーカーを楽しむことができる作品。細かいキャラクタモデルによって細部までギャンブラー達を再現、いい手が来た時の表情や、感情を押し殺す姿などを再現し、本当にプロ達とテーブルを囲んでいるかのような臨場感を味わう事ができる。

 プレイ中に実際のテーブルにいるかのように視点を動かし、細かいところまで他プレーヤーを観察できる。プロのギャンブラー達の思考ルーチンを再現したAIは手強く、そして表情はなかなか手札を読ませない。ポーカーフェイスを保っていたギャンブラーが、勝った瞬間大きくガッツポーズをとる所など、ギャンブラーの性格が出ていてニヤリとさせられる。

 PS発売の初期には3Dのキャラクタが麻雀を行なう「麻神」など、次世代機での向上したグラフィックス技術を演出に使い、ゲーム自体はシンプルな作品が登場するが、本作もその系譜に連なる作品であるかのような印象を持った。しかし、過剰な演出ではなくギャンブラー達の表情の再現に注力するというのは、スタッフのこだわりを感じさせる。ユーザーの間でどんな評価を受ける作品になるか、興味のあるところだ。

【World Series of Poker:Tournament of Champions】
プラットフォーム:XBOX 360、PS2、PSP、PC
米国発売時期:2006秋
キャラクタの表情を豊かにすることでテーブルの雰囲気を再現する

□Activisionのホームページ
http://www.activision.com/en_US/home/home.jsp

(2006年5月11日)

[Reported by 勝田哲也]



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