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会場:Los Angeles Convention Center
今回は更に床にボディソニックの仕掛けが設置されていて、音に合わせて床全体が振動する。流されるムービーはEAの多数の新作タイトルを次々と紹介するというものだが、構成が凝っており、カメラアングルにこだわった戦闘シーンや、ヒーローの勇姿、ユニークなキャラクタ達の活躍、スポーツ選手達の名プレイが矢継ぎ早に展開する。テーマもキャラクタもバラバラだが、流れるように一気にラストまで見させてしまい、かつ各タイトルの特徴をムービーを見るだけで把握できるのである。
今回、多くの試遊台を設置し、来場者にアピールしていたタイトルは「CRYSIS」、「Battlefield 2142」の2本のFPSと、映画を原作とした「Superman Returns: The Videogame」である。「CRYSIS」はそのグラフィックの美しさで、「Battlefield 2142」は通信プレイの楽しさ、「Superman Returns: The Videogame」は“スーパーマン”という題材に強く魅力を感じる人の注目を集め、試遊台の前にはプレーヤー、観客の姿が絶えなかった。
■ 2人のエージェントの見事な連携が魅力の「ARMY OF TWO」 「ARMY OF TWO」はホッケーマスクのような仮面をかぶった屈強な二人の兵士が協力して敵を倒していくFPSだ。「連携」に非常にこだわった作品で、様々な場面で2人の兵士は協力しながら敵を殲滅していく。
2人のキャラクタはオンラインでそれぞれのキャラクタをプレイすることも可能だが、シングルプレイにももちろん対応している。その場合、相棒にはボイスコマンドで指示を出すことでゲームを進めていく。デモプレイでは「背中をカバーしろ」、「敵を狙え」といったコマンドに即座に反応し、見事な連携をみせていた。 門の両側にいる敵兵士を左右同時に狙撃するというシチュエーションではAIの相棒が「こちらのタイミングで撃つぞ、1、2、3!」とイニシアチブを取り、プレーヤーはそれに合わせることもあった。片方がフォークリフトの荷台に載り、もう片方が運転をする場合などもあり、「どう連携をすればうまく戦えるか」を考えさせられそうな作品になりそうだ。
「協力プレイ」をここまで前面に出した作品は珍しい。特にAIを相棒にしてのシングルプレイの感触に期待したい。ボイスチャットで声をかけながらのマルチプレイの両方で独特の体験をできるだろう。
■ Wiiのコントローラで実際に体を動かしてプレイする「Madden NFL 07」 クローズドブースで任天堂の次世代機Wii版のデモプレイを行なった「Madden NFL 07」は、EAの看板タイトルであるアメリカンフットボールゲームの最新作である。Wiiのコントローラによって実際に体を動かしてプレイするユニークな作品となっている。
ゴールキックでは右手のコントローラを振り上げる。この時は手首も注意しなくてはならない。コントローラが地面と水平でなくては蹴る方向にカーブがかかってしまうのだ。いかにまっすぐコントローラを振り上げるかが重要になるため、思わず力が入ってしまい、コントローラのケーブルも激しく動いてしまった。 試合では選手の移動は左手で行なう。基本的な移動は左手の親指で操作するアナログキーだけで行なえるが敵のタックルをかわすには左手のコントローラを左右に素早く振る「ステップ」を使う必要がある。右手を振り上げて左手を激しく振っている姿はユニークだが、プレーヤーの表情は真剣そのものだ。敵を抜いた時の喜びと、阻まれた時のいらだちで表情も入れ替わり、プレイしている人を見ているだけでもとても面白い。
デモプレイで強く感じたのはWiiとスポーツゲームの相性の良さだ。特に本作はアメリカンフットボールという題材にきちんと対応した操作法が考えられているとも思った。最小限の動きでゲームをうまく進め、得点した時の爽快感は体を動かしている分よりリアルで、大きいのではないだろうか。
■ 進化からファーストコンタクトまで際限なく広がっていく「Spore」の世界
プライベートシアターではゲームの特徴を紹介するデモプレイが行なわれた。最初に画面に登場したのは丸い肉のかたまりで、マウスのポインタを持って行くと脊椎が現われる。マウスをドラッグすることでポインタに引っ張られ肉のかたまりが伸縮し、静物の胴体になった。ここに目や足、口の部品をくっつけ、更に皮膚のテクスチャを設定することで奇妙な形のクリーチャーが完成した。 この奇妙なクリーチャーが惑星上で仲間と共に生活を行なう。他のクリーチャーもテリトリーを広げようとしており、プレーヤーは同種族の異性体と子供を作り、他の種族から子供を守っていく。 ここから一気に時代は進み、種族は文明を持ち、更に宇宙船を建造するほどに発展する。宇宙船が完成するとプレーヤーはそれに乗り込み惑星を移動し、更に宇宙へ飛び出す。陸が惑星になり、更に太陽系へと変化する壮大なシーンがシームレスに展開する。 宇宙では他種族との交流が待っている。SFに出てくる宇宙人そのままに他の惑星の生物をアブダクション(誘拐)して研究したり、怪光線であたりを破壊し戦争を仕掛けることも、可能だ。また、他惑星の要請に応え助けることも可能である。デモプレイでは宇宙から更に視点を拡大させ、太陽系すら小さくなり、ラストは銀河全体を俯瞰する視点で終わった。
弱肉強食の世界からいかに文明を発展させるのか、他惑星の種族との交流で将来的にはどんな世界に生まれるかなど、まだまだ今回のデモプレイでは明らかになっていない部分も多い。しかし、惑星上の生物から銀河系まで広がるというのは、今までのゲームクリエーターが挑戦したことのないスケールではないだろうか。とにかくプレイしてみたい、そんな気にさせる作品である。
■ 美しい映像表現と独自の世界観がプレーヤーを魅了する「CRYSIS」 「Far Cry」を手がけたCRYTEKが制作する「CRYSIS」は敵対する2つの国家が地球を脅かす異星人に対して、力を合わせて立ち向かうというストーリーラインをもつFPSである。独自の“Cry Engine”により、美しい世界と、独特の思考ルーチンを持つ手強い敵を作り出す。 本作のグラフィックの美しさは非常にインパクトが強く、多くの来場者が足を止め画面に見入っていた。試遊台では密林のステージと炎に包まれる空母の2つのステージがプレイできた。 密林のステージでは、生い茂る木の葉が一枚一枚美しく描画され、更に風や行き交う銃弾で激しく動く。また、マウスを激しく動かすと激しい視点移動のため風景がぶれ、視点が定まるとくっきり写るという効果が世界のリアルさを増している。光のかすみ具合は密林の湿気の多さを効果的に表現している。 空母では炎に包まれた船内からの脱出シーンから始まる。壁を這い登る炎の表現や、炎に照らされた人の表情などはその熱い温度が伝わってきそうだ。地獄のような船内にタコのように自由に動く触手をもつ異星人が潜入してくる。サーチライトのような目を持ち、触手は金属に覆われている異星人は、機械のようにも見える。空母の甲板までのぼってきた主人公に異星人が迫る。銃を撃たれると異星人は水をおよくタコのように空中を滑って斜線から逃れようとする……。
演出部分なども凝っており、どんなストーリーが展開するかも非常に興味が惹かれる作品である。
■ スーパーマンの超能力を満喫できる「Superman Returns: The Videogame」 「Superman Returns: The Videogame」は今年の6月にアメリカで公開される映画「Superman Returns」を題材にしたアクションゲームである。広大な都市を3Dモデルで再現し、プレーヤーはスーパーマンとなって街を飛び回り事件を解決していく。 街を3Dで再現し、事件を解決していくという「GTA3」タイプの手法を使ったヒーロー作品は「Ultimate Spider-Man」、「Hulk : Ultimate Destruction 」といった作品があるが、出展されたXbox 360版の「Superman Returns: The Videogame」に登場する街は非常に広大で、ビルの高さも今までの作品にはない高低差を持っていた。
本作のスーパーマンはこの街を自由自在に飛べる。更に目から光線を放ったり、息吹で車や人を吹き飛ばしたり、凍り付かせたりとまさに「スーパーマン」ならではの数々の特殊能力が再現されているのだ。来場者達がとてもうれしそうにスーパーマンを操作していたのは、このスーパーマンならではの力を見事に表現しているからだろう。街の看板などをもぎ取り敵にぶつけたり、自分の体の何倍もの大きさのコンクリート塊を持ち上げたりとパワーの表現も凄まじい。是非日本でも発売してもらいたいタイトルだ。
□Electronic Artsのホームページ (2006年5月11日) [Reported by 勝田哲也]
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