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Microsoft E306 Media Briefing
~Xbox 360 HD DVDプレーヤーを年末に発売~

会期:5月9日(現地時間)

会場:Grauman's Chinese Theater

 米Microsoftは、業界関係者を対象としたカンファレンス「Microsoft E306 Media Briefing」を現地時間の5月9日に開催した。前日にSony Computer Entertainment Americaが、当日午前中にNintendo of Americaが新プラットフォームに関する発表を行なったこともあり、来場者に与えたインパクトの面ではかなり差をつけられた印象が強い。

 だが、Microsoftには“次世代エンターテインメントマシンを他社に先駆けて市場投入している”という明確なアドバンテージがある。海外では北米を中心に初代Xboxが築き上げた大きな牙城があり、その旗印のもと、Xbox 360も順調にシェアを伸ばし続けている。Microsoftにしてみれば、無理に奇をてらった発表を行なうよりは、地に足をつけたマーケティングでライバル機の市場投入前に差を広げておきたいという意向があるのだろう。

 本カンファレンスには、同社のCEO兼CSAのビル・ゲイツ氏がE3に初登場するという嬉しいハプニングもあったが、それについては別記事にてご紹介する。こちらでは、コンシューマゲーム機の話題にしぼってお届けしよう。なお、断わり書きのない日付や数値に関しては米国発表の内容であることに注意していただきたい。


■ Xbox 360 HD DVDプレーヤー、ワイヤレス機器を年末に投入

 カンファレンスでは「このような新しいデバイスもあります」といったニュアンスでサラリと紹介されたが、国内外のユーザーにとって「Xbox 360 HD DVD プレーヤー」の存在は気になるところ。コアなファンほど驚かされた一件だけに、正直「もう少し時間を割いてくれても……」と思ったが、それは今後に期待するとしよう。

 ドライブは既報のとおり外付タイプで、本体の大きさはXbox 360の約半分といったところ。縦置き、横置きのどちらにも対応しており、統一感のある外観が目をひく。背面にXbox 360と接続するためのUSBらしきコネクタ類が見えるが、仕様についてはほとんど明らかにされていない。

 マイクロソフトによれば、優れたデジタルオーディオとビジュアル機能を持ち、Xbox 360でHD DVDビデオがハイビジョンで堪能できるという。専用リモコンつきで、2006年末に発売される予定。価格は未定。

スッキリとした統一感のあるデザインが好印象 正面。トレイにHD DVDのロゴが燦然と輝いている 背面。バス駆動はさすがに厳しいか?
縦横どちらでも置ける。右写真は背面でケーブル接続されているのがわかる


 このほかにも、ゲーマーのプレイ環境を豊かにしてくれるワイヤレスアクセサリー類がいくつか初公開された。「Xbox 360 ワイヤレス レーシング ホイール」は、ハンドリングなどの感触をリアルに再現するフォース フィードバック機構を内蔵。「プロジェクト ゴッサム レーシング3」、「Forza Motorsports 2」などのレースゲームをプレイするときは欠かせないアイテムになりそう。

 「Xbox 360 ワイヤレス ヘッドセット」は、コントローラにケーブルをつなげることなくボイスチャットが可能になるアイテム。人間工学的設計に基づきデザインもリファインされている。「Xbox 360 メモリーユニット(256MB)」は、すでに発売されているメモリーユニット(64MB)から容量が4倍に増えている。以上3点は、いずれも2006年末に発売予定で、価格は未定。

 「Xbox Live Vision」は、Xbox Liveを介したビデオチャット、写真付きメッセージの送信、ゲーマーアイコンのカスタマイズなどが可能になるアクセサリー。初代Xboxで発売された「Xboxビデオチャット」のXbox 360版ともいうべきもので、ゲームタイトルでは「Pinball FX(ZEN)」、「Tom Clancy's Rainbow Six Vegas(Ubisoft)」、「Totemballl(Freeverse)」、「World Series of Poker:Tournament of Champions(Activision)」の対応が決定している。発売日は、北米と欧州が9月19日、それ以外の地域が2007年2月10日。日本での発売は未定。

ケーブルの取り回しが意外に厄介だったりする。だが、これを使えばそんな杞憂ともオサラバ! レースゲームファン垂涎のアイテムになるかも
ワイヤレスヘッドセット。ケーブルに束縛されないゲームライフを送りたいなら要チェック 今回発表されたワイヤレス機器をWindowsで使用するためのアダプタ「ワイヤレス ゲーム レシーバー」も発売される



■ Xbox 360は同社エンターテインメントの将来を象徴 ~年内に160タイトル以上のゲームをリリース~

ピーター・ムーア氏
 「Gears of War」開発者のクリフ・ブレジンスキー氏に続いてステージに登場したのは、Microsoft コーポレート バイス プレジデントのピーター・ムーア氏。次世代ゲーム機の第二世代となるXbox 360とゲームコンテンツは、同社デジタルエンターテインメントの将来を象徴する存在であり、重要な原則だと言い切る。

 「(UFOの目撃談で名高い)ネバダ州にあるアメリカ空軍基地『エリア51』に隠されているゲーム機と噂された」といったジョークをまじえつつ、ムーア氏は北米および欧州におけるXbox 360の人気を裏付けるデータを披露。Xbox 360は大変素晴らしいスタートを切っており、6月までに500~550万台を販売できそうだとコメント。発売から約半年間の数字としては、初代プレイステーションなど他社のゲームプラットフォームを上回るという。NPDによる北米2006年3月のゲームソフトTOP3をXbox 360タイトルが独占したという一例からも、その人気の高さがうかがえる。

 各タイトルについては後日ブースレポートにて紹介させていただく予定だが、ここではカンファレンスのスクリーンに投影されたゲーム画面の一部をご紹介しよう。年内に160タイトル以上をリリースするという同社の“本気の欠片(かけら)”を、とくとご覧いただきたい。

Alan WAKE FABLE2 FORZA MOTORSPORT 2
CRACKDOWN GEARS OF WAR Halo3


 オンラインサービス「Xbox Live」の利用者数は、現時点で約300万人。同社はこれを、2007年のE3開催までに600万人まで増やしたいとの意向を示した。

 「1年で倍増?」といぶかしがる人もいそうだが、もちろん同社はなんの根拠もなしに600万人などと言っているのではない。サービス開始以来、Xbox 360全購入者の約60パーセントが接続し、そのうち90パーセント以上が、デジタルコンテンツを販売する「マーケットプレース」を利用。過去6カ月間の総ダウンロード数は、1,800万件を突破。エレクトロニック・アーツのスポーツゲーム「ファイトナイト3」は、発売後にデモ版を公開したところ、直後の売り上げが5倍に増えたというデータも明らかにされた。

 カジュアルゲームが手軽にダウンロードできる「Xbox Live Arcade」では、バンダイナムコ、コナミ、MIDWAYなど複数社が新旧名作を年末までに配信予定であることが明らかにされた。Xbox Liveでは、ゲーム以外にもミュージックビデオ、トレーラームービーなどがダウンロードできる。新作、旧作、音楽など、幅広い年齢層にアピールするコンテンツが取り揃えられているからこそ、1年で倍増といった目標も決して絵空事ではないというわけだ。

 筆者個人としては「もう少し価格の面でこなれてくれば、より身近な存在になるんだけど」と思うのだが、手軽さという点では現時点でも十分魅力的。興味がある人は、チェックしておいたほうがいいだろう。

2006年末までに配信予定のXbox Live アーケード新作

    【Namco Bandai Games America Inc.】
  • パックマン、ギャラガ、ディグダグ、ラリーXなど
    【コナミデジタルエンタテインメント】
  • フロッガー、コントラ、スーパーコントラ、トラック&フィールズ、タイムパイロット、スクランブルなど
    【Midway】
  • ディフェンダー、ペーパーボーイ、タッパー、モータルコンバット3など
    【セガ】
  • ソニック・ザ・ヘッジホッグ
    【キューエンタテインメント】
  • ルミネス Live
    【独立系ゲーム会社】
  • Cloning Clyde(Wahoo Studios / NinjaBee)、Roboblitz(Naked Sky Entertainment, Inc)、Heavy Weapon(Popcap Games)、Mutant Storm 2(PomPom)

□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/
□「Xbox 360」のページ
http://www.xbox360.com/
□ニュースリリース
http://game.watch.impress.co.jp/
□関連情報
【5月10日】米Microsoft、Xbox 360「Halo 3」など新作多数を発表
「Xbox 360 Wireless Headset」など周辺機器も発表
http://watch.impress.co.jp/docs/20060510/xbox1.htm

(2006年5月10日)

[Reported by 豊臣和孝]



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