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会場:Sony Pictures Studio
■ PS3の価格、発売日を発表
HDD20GBモデルと60GBモデルの違いだが、HDD容量のほか、Memory Stick/SD/CompactFlashスロット、IEEE 802.11 b/gワイヤレスLAN、HDMI出力端子が省略され、その分価格が抑えられている格好となっている。本体色はクリアブラックがスタートとなるが、会場には以前から登場していたシルバーも展示されていた。 平井氏によれば、「開発機は最大数の1万以上を出荷し、11の国の208の会社に提供する。最終的な開発機はローンチの6カ月前に出荷する。E3では、いくつかのゲームがこの最終的な開発機で動いている」と、PlayStation Meetingからの情報のアップデートが行なわれた。 また、平井氏はPS2とPSPに関しても様々な発表を行なった。PS2に関しては、新作タイトルを発表した。
「Destroy All Humans 2」 「Dirge of Cerberus」 「Dragon Ball Z Budokai Tenkaichi Z」 「Final Fantasy XII」 「God of War 2」 「Guitar Hero2」 「Justice League」 「Madden NFL'07」 「MLB'06:The Show」 「Mortal Kombat Armageddon」 「NBA'07」 「Okami」 「Rogue Galaxy」 「SingStar」 「SOCOM:U.S.Navy SEALs:Combined Assault」 「Urban Chaos」 「Yakuza」 PSP関連ではネットワークサービス「e-Distribution」の連動コンテンツを紹介した。まず始めに目玉であるプレイステーションのエミュレーターについて平井氏が実演した。このコンテンツはPS3と連動している。PS3を通じてコンテンツサーバーからダウンロードしたデータをメモリースティックに保存。 今回の実演ではプレイステーションのエミュレーターとナムコのPSタイトル「リッジレーサー」のデータが入ったメモリースティックをPSPに差し、PSPメニューのメモリースティックから「プレイステーション」のエミュレーターを起動させていた。
スクリーンにはPSの起動画面から「ギャラクシアン」のロードデモ、実際の走行画面まで問題なくエミュレーションに成功していた。平井氏は「リッジレーサー」をプレイ中にスクリーンサイズの変更(3段階)も行ない、様々なゲームのエミュレーションに対し、最適な画面サイズに調整できるとしていた。
また、今後リリースされるPSPのタイトルも紹介された。これらの詳細は後日のSCEAブースにて詳しくお伝えしたい。
■ SCEの久夛良木健社長がPS3専用コントローラを説明
細かなところでは、アナログジョイスティックの傾斜角度、アナログジョイスティック部分のアナログ情報の検出精度を従来の8bitから10bitに拡大。Bluetoothによる無線操作可能で、USBによる充電を行なうことができる。 強調されて説明が行なわれたのは、PS3専用コントローラの6軸検出システムについてである。6軸検出システムは、新たにROLL(左右傾き)、Pitch(前後傾き)、Yaw(左右振り)の姿勢3軸に加えて、コントローラ自体の3軸(XWZ)加速度の情報をリアルタイムに検出するというものだ。会場のスクリーンには箱の中からPS3専用コントローラが飛び出して空中で停止するという映像が流された。ソニー・コンピュータエンターテインメント・ワールドワイドスタジオの社長Phill Harrison氏による、PS3のコントローラと連動しており、動かしたり傾けると、スクリーンに浮かんだコントローラも同じ動きを取るというデモ。 この他に、PS3のデモンストレーションではもはやレギュラー化しているあのアヒルのデモが用いられた。Phill氏がPS3専用コントローラを斜め横方向に傾けると風呂場の水面に浮かんだアヒルも斜めに傾き、下方向に傾けると風呂場の水面に浮かんだアヒルも頭を下に向けて直立するという具合だ。 さらにPS3用の「War Hawk」にてPS3専用コントローラの性能を実演。コントローラを左右に傾けることで機首の転回、上下に動かすことで高度の調整を行なうことができる。そのレスポンスにも驚いたが、コントローラがワイヤレスというおかげで、大きくコントローラーを動かすことができるという点も特徴的だった。 実際にコントローラーを持ってみると、カンファレンス会場限定での仕様なのかもしれないが、従来の「DUALSHOCK2」コントローラよりはるかに軽く感じる。また、セレクトとスタートの間のプレイステーションのロゴマークも別パーツで構成され、ボタン状の突起となっていた。
この6軸検出システムの導入に伴い、従来のPS、PS2の標準コントローラー「DUALSHOCK」、「DUALSHOCK2」に装備されていた振動機能は、PS3専用コントローラから取り外される予定だ。実際に会場で触れることができたコントローラは、このモーターがないためか、非常に軽量であった。 ■ PS3用のデモ、実機プレイ映像が公開。「グランツーリスモHD」で1080p出力を実現
中でも、実際に開発者が登壇しプレゼンテーションが行なわれたタイトルがいくつかあった。グランツーリスモシリーズのプロデューサーである、ポリフォニーデジタル プレジデントの山内一典氏は、E3に向けて制作されたという「グランツーリスモHD(GTHD)」を公開した。山内氏は「この『GTHD』はPS2『GT4』をベースにしたもので、映像を高解像度化しPS3用に移植したもの」と断りを入れてプレゼンをスタートした。
流れたレースのデモは、1,920×1,080ピクセルの60フレーム/秒のプログレッシブ映像。山内氏も「家庭用のモニターで60フレーム/秒のプログレッシブ映像が動くことは、人類にとって始めての経験だろう」と発言。「GTHD」の映像の情報量はPS2の「GT4」の12倍という数字が、PS3の映像処理能力の高さを証明している。
また、山内氏はローディング時間の短さについても言及。「GT4」はデータのローディングに役15秒程度のロード時間を要していたが、「グランツーリスモHD」はPS3本体のHDDキャッシュを利用することで、わずか2~3秒でロードが完了することを実演して見せた。 この「GTHD」は制作期間わずか3カ月程度のスピード移植で、コード周りやグラフィックエンジンなどはまだ完全に最適化が行なわれていないにも関わらず、このスペックの映像が出力できている。山内氏は、「『GTHD』を作って、さらにPS3に対してワクワクしてきた」とうれしそうに語っていたことが印象に残った。 さらに、次期「GT」に向けて、「GT4」でのネットワークテストが行なわれることが明らかになった「山内氏は「まもなく、日本とアメリカで『GT4』をベースにしたオンラインのβテストが始まります。PS3バージョンで発売する将来の『GT』はオンラインをサポートする。『GT』を拡張するというよりはむしろ、オンラインにおいて『グランツーリスモ』が爆発するというようなところを狙っていきたい」とコメントした。 PS3版「GT」についてのリリーススケジュールだが、発売日は明確にしなかったが、「(PS2の時は『GT3』がハードのローンチから1年かかってしまったので)次はなるべく早い時点でお届けしたい」とした。
Electronic ArtsのCEOであるLarry Probst氏は「NBA LIVE 07」と「Tiger Woods PGA TOUR 07」についての説明を行なった。Larry氏は「NBA LIVE 07」を例に挙げ、PS2とPS3のハードの能力差が、ゲームにどれだけ影響を与えるかを、実際の映像で比較しながら実演した。PS2では選手が向きを変える時、足の位置をまったく動かさず不自然に回転していた。だが、PS3では選手が片足を交互に動かしまったく、違和感の無い回転動作になった。
「Tiger Woods PGA TOUR 07」はメイキングビデオを放映。その中で本物のタイガー・ウッズ選手の顔中にセンサーを取り付け、動作から表情までモーションキャプチャーを行なった過程が放映されていた。壇上では実際にタイガー・ウッズ選手のモデルをリアルタイムでポーズを取らせ、いろんなセリフをしゃべらせることで、表情の違いを実演した。
最後、平井氏はPS3の生産スケジュールを公表した。PS3の発売と同時に200万台、2006年の年末までに400万台、2007年の3月までに600万台という見通しを立てているという。資料によると、この数が日本国内限定なのか、世界を含めてのことなのかは定かではない。もし、国内で200万台が発売日に出荷されるとすると、品薄状態は回避できるとは思うが……。ともかく、11月11日という日を一日千秋の想いで待ちたいものである。 □Sony Computer Entertainment Americaのホームページ(英文) http://www.us.playstation.com/ □ソニー・コンピュータエンタテインメントのホームページ http://www.scei.co.jp/ □プレイステーションのページ http://www.playstation.jp/ □ニュースリリース http://game.watch.impress.co.jp/ □関連情報 【2005年5月】E3 2005 記事リンク集 http://game.watch.impress.co.jp/docs/backno/news/ps3link.htm (2006年5月9日) [Reported by 福田柵太郎]
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