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【連載第57回】ゲームライフに役立つグッズをレポート
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携帯ゲーム機の音をイヤフォン、ヘッドフォンで堪能しよう!
GBM用スピーカー内蔵グリップもレポート
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当連載は、ゲームライフに役立つグッズを発掘し、実際に使用してみようという試みをレポートするものである。ネタに困ったときはお休みしてしまうかもしれないので不定期連載である。ちょっとした投資や工夫で、よりよいゲームライフを送っていただけるよう、鋭意努力していく所存である。
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今年もゴールデンウィークに突入し、旅行や帰省のため遠方に出かけるという方も多いだろう。移動中の車や電車などで、簡単にスリープ状態にできる携帯ゲーム機は、移動時間を楽しくしてくれる心強い相棒であり、是非ともカバンの中に入れておきたいところだ。また、普段バスや電車を利用していると、携帯ゲーム機で遊んでいる姿を良く見かける。しかし、イヤフォンやヘッドフォンを使わずに、ゲームの音を消してプレイしている人が多い事に気が付いた。
もちろん、多くのゲームは無音の状態でもプレイできるが、音にはプレイに役立つ情報、そしてゲームの雰囲気を盛り上げる要素が多く含まれている。例えば、巨大ロボットを操作するゲームでは、そのロボットが地響きを立てながら移動する効果音を聴くことができる。しかし、音もなく移動するロボットの姿を想像すると、迫力に欠けるのはもちろんのこと、ロボットを操作しているという感覚も薄くなることだろう。担当所員にとって“音”はゲームの印象を大きく変える、重要な要素だと考えられる。
そこで、今回のゲームグッズ研究所は、ゲームの音の大切さを改めて考え、携帯ゲーム機でイヤフォンとヘッドフォンを使ってプレイするメリットをお伝えし、携帯ゲーム機に合う特徴を持ち合わせた2種類のイヤフォンと3種類のヘッドフォンを紹介していこう。また、後半ではゲームボーイミクロ(以下、GBM)専用のスピーカー付きグリップ、グリーンハウスの「スピーカーグリップmicro」もレポートしているので併せてチェックして頂きたい。
● イヤフォンやヘッドフォンを使って、本体内蔵スピーカーでは味わえない音の大切さを知ろう
先日、ほぼ日刊イトイ新聞にて、任天堂から発売されている「MOTHER 3」のストーリーとシナリオを担当した糸井重里氏と、タレントの伊集院光氏による“MOTHER 3対談”の模様が配信されていた。その中で、糸井重里氏が、「イヤフォンでプレイすると、雨音が聴こえるシーンでも臨場感が増す。是非イヤフォンを使ってプレイして欲しい」と話していた。担当所員はゲームボーイミクロで「MOTHER 3」をプレイしているのだが、この話を聞き、手近にあったイヤフォンを使ってみると、先ほどと同じゲームとは思えないほどゲームの世界に入り込む没入感を得られたという体験をした。例えば、イヤフォンを通して聴く深夜の森では、左右からステレオ感あふれるフクロウの鳴き声がホーホーと聴こえ、真夜中の奇妙な森の雰囲気を感じられる。GBMのスピーカーでは再現できなかった、作り込まれた音を聴けるようになったのだ。
音を聴き取ること自体がゲームになっている、ニンテンドーDS(以下、DS)用ソフト「もっと脳を鍛える大人のDSトレーニング」に登場する、複数の声を聴き分けるトレーング“聖徳太子”や、「えいご漬け」のリスニングは、確実に聴き分けることが、ゲーム内で好成績をのこす秘訣だ。このように、GBMだけに限った話ではなくゲーム内の音は、ゲーム体験を変える要素となっている。
PSP用ソフトとなるナムコの「僕の私の塊魂」は塊を転がしてオブジェクトを一気に巻き込むことに魅力を感じるタイトルだ。フィールドに散らばる様々なオブジェクトには、個性的な効果音が用意されており、例えば牛を巻き込むとモーと鳴き、人を巻き込むと悲痛な叫び声が聴こえてくる。これらの効果音が加わることで、一気に巻き込むときの爽快感が増しているのだ。
このように、ゲームの音は、没入感や爽快感を高め、さらにゲームのスコアを伸ばしてくれるといった大切な役割を果たしている。よって、屋外で携帯ゲームを利用する時には、イヤフォンやヘッドフォンを用意し、音を聴ける環境を整えておくと良いだろう。
と言っても、数あるイヤフォンやヘッドフォンの中からどれを選べばいいのか悩んでしまう。また、音質だけを追求していくと、どうしても価格が高くなる。そこで今回は、遮音性やケーブルの取り回しやすさなど付加価値がある、手頃な価格の製品をピックアップしてみた。
● 携帯ゲーム機にマッチしたイヤフォン・ヘッドフォン5製品を紹介!
まずはじめに紹介するのは、耳の穴にイヤーピースを挿し込むカナル型(耳栓型)のイヤフォンだ。装着すると耳の穴にイヤーピースがフィットするため遮音性が高く、外からの騒音を低減する効果がある。また、低音がはっきりと聴こえてくるというのもポイント。ゲームプレイに集中したいときにオススメのイヤフォンだ。
・「PlayGear Stealth」
メーカー:ロジクール
価格:1,980円
大きさ:1.3cm×1.3cm×2.2cm(イヤフォン片側)
重量:13g
ケーブル長:1m20cm
付属品:イヤーピース大/中/小セット(中サイズはイヤフォンに装着済み)
「PlayGear Stealth」は、イヤーピースに軟らかいゴムのような素材が使われているカナル型イヤフォンだ。イヤーピースは大/中/小の3タイプが付属しており、自分の耳に合わせて取り替え可能。また、ゲーム用として販売されていることもあり、ケーブルの長さが工夫されている。耳にイヤフォンを挿しこみ、携帯ゲーム機を持って腕を伸ばすとケーブルの長さがピッタリになるため、ゲーブルの取り回しが楽になっている。ブラックとシルバーカラーがPSP本体のカラーと合うイヤフォンだ。
「PlayGear Stealth」を耳に装着してみると、インナーイヤータイプのため遮音性が高い。周りの音がこもったように聴こえ、耳の穴を指で軽く塞いだときの状態に近いように感じる。実際にゲームの音を聴いてみると、高音から中音は若干ソフトになるが低音が強調されるため迫力が増す。「瞬間パズループ」で使用してみたところ、BGMのズンズンという低音が強調され、DSの本体スピーカーよりもリズミカルにプレイできた。また、イヤフォンを電車内で使用してみると、高い遮音性のお陰で電車が移動する音を低減する結果となった。ただしゲームに没頭するあまり、降りる駅を見逃してしまうことには気をつけたいところだ。
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シルバーとブラックのカラーがPSPにマッチする色合いになっている |
サイズが異なる3種類のイヤーピース。自分の耳に合ったサイズをチョイスしよう |
イヤーピースは指でつまんで引っ張るだけで簡単に抜き取れる |
・「SPARKPLUG2」(リンク先は「SPARKPLUG」)
メーカー:KOSS
価格:2,680円
大きさ:1.6cm×1.6cm×2.8cm(イヤフォン片側)
重量:16g(ケーブル含む)
ケーブル長:110cm
インピーダンス:16Ω
周波数帯域:10Hz~20,000Hz
付属品:イヤークッション1セット
「SPARKPLUG2」は、前述した「PlayGear Stealth」と同じくカナル型イヤフォンだ。もちろん、同じカナル型イヤフォンを2つ紹介する事には理由がある。このイヤフォンは、低音の出音が独特のパワーを持った低音重視の製品なのだ。低音のリズムを大事に考える方にとっては嬉しい一品である。
イヤフォンのイヤークッションは柔らかく、指で押すと緩やかに形状が戻っていく。装着方法は、イヤークッションを耳に入る大きさまで潰して耳に入れる。そして、イヤフォンの後部を耳の盛り上がっている部分で押さえて固定するのだ。潰したスポンジは時間が経つと大きさが戻り、耳の大きさピッタリになるため、遮音性はかなり高い。また、ケーブルにはミュートボタンが設けられている点にも注目だ。「SPARKPLUG2」は高い遮音性のために、音楽を聴いている状態では周りの音が聴こえにくい。外の音を確認するために、逐一イヤフォンを取り外していたのでは、手間が掛かってしまう。そこでこのミュートボタンを使えば、取り外さなくても外の音を確認できる。
使用してみると、遮音性が高いため、ベースやドラムのリズムといった低音がよく聴こえる。低音は「PlayGear Stealth」よりも強力だ。そのため、普段聴く音楽もこのイヤフォンを使えば、ひと味違ったイメージで楽しめる点が面白い。また、音量を上げなくても、このイヤフォンを使うだけで聴こえてくる音が大きくなるため、ゲームを迫力あるものに変えてくれるだろう。電車内で使ってみると、周りの音があまり聴こえてこないため、音楽を楽しめる。面白いほど低音が変化するため、ついつい長く装着してしまいがちな製品だ。だが、長時間装着したままでいると耳が熱くなる事もあるため、適度に取り外して頂きたい。
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「SPARKPLUG2」のイヤークッションは先端よりも根元が大きく、耳の奥まで挿入するのは難しい |
イヤークッションを潰すと写真右のように小さくなる。この状態で耳に入れ、イヤークッションが元の形に戻るとフィットする |
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イヤークッションはイヤフォン中央の突起と、スポンジ内にあるプラスチックチューブによって支えられている |
ミュートボタンはプッシュボタン式。押したときだけミュート状態になる |
・「MDR-Q67LW」
メーカー:ソニー
価格:2,980円
大きさ:4.2cm×4.6cm×2.3cm(ハンガー部分除く)
重量:53g(ケーブル含む)
形式:オープンエアダイナミック型
ドライバーユニット:30mm
最大入力:1,000mW
インピーダンス:24Ω
周波数帯域:16Hz~24,000Hz
ケーブル長:ハウジングからステレオミニプラグ間は1m、左右のハウジング間は45cm
プラグ:金メッキステレオミニプラグ
カラー:シルバー、ブラック、ホワイト、バイオレット、ネイビーブルー、アイスピンク、ブルーピンク
イヤフォンやヘッドフォンはサッと取り出して使う事ができればベストなのだが、持ち歩くとなるとケーブルが絡まり、煩わしい思いをする時が多々ある。そこでオススメなのがケーブル巻き取り式のイヤフォンだ。ここで紹介する耳掛け型ヘッドフォンは、ケーブル巻き取り式で、しかも巻き取り部分が外に見えない様に設計されている。ケーブルの収納性を持ちながら、スマートな外観を保つ工夫が施された製品なのだ。
この製品が大型のヘッドフォンと大きく異なっている点は、左右のハウジングがケーブル1本で繋がっている事である。そのため、自由に持ち運べるだけでなくゆったりと装着できる。ケーブルは左右のハウジングを繋ぐケーブルと、ステレオミニプラグのケーブルをそれぞれ巻き取れるようになっているのだが、ケーブルを巻き取る際には複雑な手順は必要なく、ヘッドフォンの側面に付いているボタンを押すだけ。取り回しが簡単になっている。
イヤークッションは柔らかいスポンジで、耳と接触しても痛くないように配慮されている。装着方法は、ヘッドフォンにある耳掛け用のハンガーを持ち上げ、耳の後ろに入れる。その後、ヘッドフォンを軽く回して耳からずれない位置まで調整すれば完了だ。正しい位置で装着しない場合、頭を傾けると、耳とヘッドフォンの間がかなり空いてしまい、落下しやすくなるので注意して欲しい。
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ケーブルを巻き取った状態のヘッドフォン。かなりコンパクトで、カバンの中に入れても邪魔にならない |
ヘッドフォンの背面は、ほぼイヤークッションで覆われており、装着時に耳を痛める事はない |
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ケーブルはハウジングから軽く引っ張ると伸ばせる。ハウジングにある楕円の突起を押すと巻き取ることが可能 |
耳掛け用のフック使うことでヘッドフォンが耳に密着し、よりクリアな音を聴くことができる |
使用してみると、耳を圧迫される感覚はなく、自然に装着することができる。これなら長時間装着していても疲労感が溜まる心配も少なそうだ。ヘッドフォンから聴こえてくる音は、耳を抜けていくような高音が印象的。
また、電車内で耳に付けたままでも、車内アナウンスが聴こえるため、安心して装着したまま電車に乗ることができる。今回、紹介する全種類を袋に入れて持ち歩いたのだが、その際、唯一ケーブルが絡まずに使用できたのはこの製品のみ。イヤフォンやヘッドフォンの類を持ち歩くと、ケーブルが絡まってもどかしい思いをしている方にオススメの一品だ。
・「MDR-710SL」
メーカー:ソニー
価格:4,980円
大きさ:8.3cm×9cm×5cm(折りたたみ時)
重量:70g(ケーブル含む)
形式:密閉ダイナミック型
ドライバーユニット:30mm
最大入力:1,000mW
インピーダンス:24Ω
周波数帯域:12Hz~24,000Hz
ケーブル長:50cm
プラグ:金メッキステレオミニプラグ
付属品:延長ケーブル(1m)、キャリングポーチ
耳掛け型ヘッドフォンよりも高い遮音性を求める人にオススメなのが、折りたたみ型ポータブルヘッドフォンである。このヘッドフォンは小型で軽量のため、気軽に持ち運ぶことができる。何より、イヤフォンでは味わえない広がりのある音を場所を選ばずに楽しめる点が大きな特徴だ。
装着方法は、2段階に折り畳んだヘッドフォンを戻し、耳にフィットする場所までハウジング部分をスライドさせて調整する。装着してみると、ハウジング部分が耳に密着するだけで、締め付けられる感覚はあまり無い。だが、頭を振ってみてもヘッドフォンがずれる心配はなく、安心して使うことができる。
携帯ゲーム機と接続する際にはヘッドフォン自体のケーブルが短いため、付属の延長ケーブルを使うことになる。音を聴いてみると、カナル型イヤフォンよりは遮音性が低いが、周りの騒音が低減され、全体的に音が聴きやすくなった印象を受ける。もちろん電車内使用した場合も、低音高音共によく聴こえるため、場所を問わずオールラウンドに使えるヘッドフォンだと言えるだろう。このヘッドホンは持ち運び用途だけでなく、室内用の軽量ヘッドフォンとして十分使用できるため、室内用のヘッドフォンを買い求める人は、購入時の選択肢に入れてみると良いと思われる。
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折り畳んだ状態のヘッドフォン。アーチ部分が細いため持ち運び時には付属のポーチを使いたい |
写真はパッケージの付属品だ。キャリングポーチはヘッドフォンと延長ケーブルを同時に収納可能 |
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ヘッドフォンを使用する際には、2回折り畳んだ状態を戻していく必要がある。戻す際の方向は決まっているため、誤った方向に折り曲げることは無いだろう |
・「PlayGear Mod」
メーカー:ロジクール
価格:2,980円
大きさ:15.5cm×14.2cm×4.2cm
重量:60g
ケーブル長:140cm
付属品:予備スポンジ、コンフォートリング(耳掛け無しタイプ)
ヘッドフォンでは見た目が大きいため、付けて歩くにはファッション的に抵抗があるという方も多いだろう。また、耳掛け型よりも遮音性が高いものが欲しいと言う人には、ネックバンド型ヘッドフォンという選択肢がある。装着すると、ヘッドフォンのアーチが後頭部側に来るため、前方からは目立ちにくく、さらに髪型が崩れる心配も少ない。
先に紹介した「PlayGear Stealth」と同じく、PSPのブラックカラー合わせて黒とシルバーの配色が採用されている。ケーブルが長めになっており、携帯ゲーム機で使用する際に延長ケーブルを購入する必要が無く、ゲームプレイに適した状態をすぐに構築することが可能だ。さらに「PlayGear Mod」は日常生活防水構造を採用しており、携帯時や落下時に受ける衝撃にも強いという特徴もある。気兼ねなく外に持ち出せるだろう。ちなみに、コンフォートリングは付属の耳掛けがないリングと付け替え可能だ。
ヘッドフォンを装着してみると、両耳が強めに固定されるため、頭を振った程度で外れることは無いのだが、イヤークッションが柔らかく、締め付けられる感覚は軽減されている。音を聴いてみると、高音よりも低音が強く、多少音量が低いように感じた。実際に、騒音のある電車内で使用してみると、ボリュームが低い事が確実にわかる。少し音量を上げて使用する必要があるだろう。
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装着した際に髪が乱れないよう、アーチ部分が大きなカーブになっている |
画像はパッケージの付属品だ。コンフォートリングの耳掛けが要らない場合は、簡単に耳掛け無しと交換できる |
リングを取り替えても、装着時には耳が強めに押さえられるため、何もせずにずれてくる事は無いだろう |
本レポートの冒頭で、イヤフォンを使って「MOTHER 3」をプレイした担当所員の話をしたが、その後もイヤフォンを付けてゲームを進めていき、イベントシーンでは思わず涙をこぼすこともあった。ストーリーに音楽による臨場感が加わった結果と言えるだろう。イヤフォンを付けることで楽しめたかと聞かれたならば、使って良かった、楽しかったと断言できる。
本稿で伝えたいのは、イヤフォンを“買ってみては”どうだろう? という事では無い。ぜひ、携帯ゲーム機をプレイする際に、イヤフォンを“使ってみて”頂きたいということ。何も高価なイヤフォンが必要なわけでは無く、まずは手近にあるもので結構。実際にイヤフォンを使用してみると“遮音性が高い方が好みだ”、“ケーブルが絡まることが煩わしい”等、自分の意見が出てくることがあるだろう。その意見をカバーするため、特徴がある製品をお伝えしてきた次第だ。
屋外で携帯ゲーム機をプレイする際に、イヤフォンを使用して音楽も楽しんでいる方は、自分が使い易いイヤフォンでプレイするのがベスト。また、無音で携帯ゲーム機を使っている方には、イヤフォンを使う事で音を更に味わい、より一層ゲームを楽しんで頂きたい。
● 大音量プレイを実現! GBM用ステレオスピーカー搭載グリップ「スピーカーグリップmicro」
・「スピーカーグリップmicro」
メーカー:グリーンハウス
価格:オープン
大きさ:10.7cm×3.6cm×6.5cm
重量:75g(本体のみ)/108g(電池込み)
実効最大出力:1.6W(0.8W×2)
周波数帯域 200Hz~15KHz
電源:DC4.5V(単4形乾電池3本使用)
連続再生時間:約12時間
カラー:ブラック、シルバー、レッド
「スピーカーグリップmicro」(以下、スピーカーグリップ)はGBM専用のスピーカー付きハンドグリップだ。本体にはグリップ部分とスピーカーが設けられており、GBMに装着することで操作性の向上と、迫力のあるサウンドを実現するゲームグッズである。
◆ 外観をチェック
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今回チョイスしたレッドは、GBMのファミコンカラーに馴染む色合いだ |
今回選んだカラーはレッド。これは、ファミコンカラーのGBMのボディに近い色合いになっている。グリップ部の右側面には2つの突起があり、GBMを装着したまま音量/バックライト調整スイッチを押せる。グリップ部分の背面には、30mm径のスピーカーが配置されている。また、背面の中央には電池ボックスがあり、単4形乾電池を3本使用する。ちなみに、電力供給は電池のみで、ACアダプタ等を使うことはできない。
GBMは「スピーカーグリップ」本体の上部からスライドさせて装着。装着時には、GBMのヘッドホン接続端子へスピーカーグリップのステレオミニプラグがしっかりと収まるように、最後まで押し込もう。装着することで、GBMはヘッドホン接続端子を使用している状態になり、スピーカーグリップから音が出力される。スピーカーグリップを装着したままでも、GBAカートリッジの出し入れ、電源のオン/オフ、音量調整とバックライト調整、外部拡張コネクタの使用など、未装着時と変わりなく使用できることが嬉しい。
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GBMを装着する際には、スピーカーグリップの上部からスライドさせて入れ込む。スピーカーグリップにあるステレオミニプラグがGBMに完全に挿入されれば装着完了 |
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背面の左右にはスピーカーが設けられている。中央にあるのが電池ボックス |
スピーカーグリップ装着中も、GBMの外部拡張コネクタは露出しているため、充電しながらのプレイが可能 |
◆ 実際に使ってみた
「スピーカーグリップ」を装着したGBMは、人差し指がGBMのL/Rボタンに、中指がスピーカーグリップの上側面にくる持ち方が安定する。丁度、プレイステーション 2のコントローラでL1/R1、L2/R2ボタンの上に指を置く感じだ。スピーカーグリップの背面にあるグリップ部分のお陰で、しっかりとホールドでき、操作感もなかなかのもの。若干気になる点は、中指が少しだけスピーカーに被ってしまうところだ。だが、指が少しスピーカーに被った程度であれば、音がこもることは無いので安心して頂きたい。
それでは、実際に「MOTHER 3」を使用してスピーカーの効果をチェックしていこう。ゲームを始めると、まず音量が十分なほど聴こえる事に驚く。GBMの本体スピーカーでは音量不足を感じていたのだが、音量を最大まで上げると、うるさいと感じるほど大きい音量が鳴り響いた。しかし、左右のスピーカーの距離が近いため、本稿で紹介しているイヤフォンやヘッドフォンほどはステレオ感を感じられなかった。
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操作感は良いが、スピーカーグリップの厚さはGBMの2倍以上。長時間プレイは手に疲労感が残るかもしれない |
写真のような持ち方でプレイすると、薬指がスピーカーに接触してしまう。若干気になるところだ |
「MOTHER 3」では、戦闘中にリズムに乗ってボタンを押すと、最大16回までの連続攻撃ができる。しかし、GBMのスピーカーでは、音量が小さく、担当所員はリズムを掴みにくかったのだ。そこで、スピーカーグリップの音量があれば、連続攻撃を16回できるのではないか? と思い、試してみることにした。敵との戦闘で、スピーカーグリップの音量を上げていると、やはりリズムが取りやすい。1回目の戦闘では、10回連続攻撃、2回目の戦闘では12回の連続攻撃とスコアを伸ばし、なんと3回目にして16回連続攻撃を達成できたのだ。音をはっきりと捉えられた成果が出ていると言えるだろう。
スピーカーグリップの最大のウリは、何と言っても大音量でゲームが楽しめる点だ。担当所員のように、音量を求める方にとっては嬉しい製品であることは間違いない。
【新コーナー!】
自腹で買ってみました! |
~ノイズキャンセリングヘッドフォン「Creative Headphones HN-700」~
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新コーナーとなる“自腹で買ってみました!”は、当研究所員の好奇心で購入したゲームライフに役立つグッズをお伝えするコーナーである。当コーナー第1弾の製品は、クリエイティブから発売されているノイズキャンセリングヘッドフォン「Creative Headphones HN-700」(以下、HN-700)。
先述したカナル型イヤフォンは、ゴムやクッションといったイヤーピースを耳の穴に挿し込むことで、外部の騒音を軽減する効果があった。一方、ノイズキャンセリングヘッドフォンは、ハウジングに内蔵されたマイクで集音した外部の音と逆位相の音をスピーカーから出力し、外部の音を打ち消して騒音を低減するというもの。これを使えば、騒音が大きい場所でも集中してゲームをプレイできるのではと思い、衝動的に購入した次第である。果たしてその効果のほどは?
・「Creative Headphones HN-700」
メーカー:クリエイティブ
価格:オープン(直販価格6,980円)
ドライバーユニット:40mmネオジウム
再生周波数帯域:20Hz~20,000Hz
感度レベル:121dB
インピーダンス:18Ω
雑音抑圧度:300Hz帯で15dB
連続動作時間:約29時間(アルカリ電池使用時)
重量:約200g(電池含まず)
「HN-700」は密閉型のノイズキャンセリングヘッドフォンだ。本製品を利用することで、外部の騒音を約82%カットできるという。イヤーパッドの厚さは約1.4cmで、表面は合成皮革で覆われている。イヤーパッド内のスペースは、縦幅7cm、横幅4.2cmの楕円形になっており、耳の大きさにもよるのだが、担当所員の耳はイヤーパッド内にスッポリと収めることができた。しかしながら遮音性はそれほど高くは無く、ノイズキャンセルをオフにした状態では耳を手で覆った程度である。
左ハウジングには、ノイズキャンセル機能のオン/オフスイッチ、ダイアル式のボリューム、電池ボックス、そして3.5mm径のステレオミニプラグが設けられている。ハウジングから接続コードが伸びていないのが特徴的なのだが、これはヘッドフォンのみを装着し、ノイズキャンセル効果だけを活用できるようにするためだ。ゲーム機とは付属のステレオミニピンケーブルで接続することになる。
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左右のイヤーパッドがピッタリと合わさっていることからも想像できる通り、装着した際耳に掛かる圧力は若干高め。イヤーパッド内に耳が収まらない場合、長時間装着すると耳の裏側に疲労を感じるかもしれない。ヘッドバンドは約3cmの範囲で6段階の調整が可能
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ノイズキャンセル機能は単4アルカリ電池2本で約29時間動作。電池がなくても音声は出力される |
ヘッドバンドを折りたたみ、ハウジングを内側に回転させることでコンパクトに持ち運べる |
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「HN-700」とニンテンドーDS Liteを付属の接続ケーブルで接続した写真 |
まずはじめに、騒がしいファミリーレストランで「HN-700」を使用してみた。ノイズキャンセルをオンにすると、ザワザワとした騒々しさが消え、空気がピンと張り詰めたような不思議な感覚を覚える。とはいうものの、外部の音が全てキャンセルされるわけではない。人の声ははっきりと聴こえ、特に女性の声が際立つ。そのため、「もっと脳トレ」や「えいご漬け」のように音声を聴き取るタイプのゲームでは、ゲームの音声と外部の声が混ざってしまい、聴き取りやすさの向上はほとんど感じられなかった。
一方、外部の低音がカットされることから、ゲーム機から出力される低音をはっきりと聴き分けられる。例えば、ナムコのPSP用レースゲーム「リッジレーサーズ」の場合、騒音の中ではあまり目立たなかったロードノイズも明瞭に聴こえてきた。騒音にかき消されていた効果音がノイズキャンセリング効果により引き立った。
次に、電車内で試してみたのだが、電車のスピードが増してくると、その騒音も次第に高い音へと変化し、大きさも増してくる。「HN-700」では、このような高音域のノイズをキャンセルすることができないため、ゲーム機の音量を上げて対処するしかない。電車内での効果はイマイチであった。
最もノイズキャンセルの効果を感じたのは、車の中で使用したときだ。当研究所員が所有している10年落ちの中型車は、エンジンノイズやタイヤと道路の接触により発生するロードノイズが派手に車内へ入ってくる。そんな環境ではあるが、時速50km/h程度で走行しているときにはエンジンノイズやロードノイズはほとんど聴こえなくなる。まるで遮音性の高い高級車に乗っているような静けさ。高速走行中は、エンジンの回転数が上がり高音域のエンジンノイズが発生するようになるため若干うるさく感じるものの、ノイズキャンセルをオフにしたときとの差は明らか。ゲームの機種、ジャンルに限らずプレイに集中できる環境を「HN-700」によって作り出すことができた。
最後にもうひとつ。これまでは屋外で携帯ゲーム機を使うときの効果をレポートしてきたが、据え置き型ゲームをプレイするときに「HN-700」が役立つことがあった。それは、Xbox 360でゲームをプレイするときである。Xbox 360はロード時間を短くするためか、ゲーム起動中はディスクが常に高速回転しており、その回転音が若干気になっていた。「HN-700」を使ってプレイすると、回転音の“ブーン”という低音域がカットされ、“サー”という目立たない音だけが残る。若干「HN-700」から出力されるホワイトノイズも混ざるのだが、ゲーム中の静寂したシーンで回転音が目立たなくなるのは嬉しいところ。
様々なシーンで「HN-700」を使いゲームをプレイしてみると、騒音の質によってノイズキャンセルの効果が大きく異なることがわかる。車で利用したときの効果は絶大だったのだが、ネックになるのは、やはり高音域の騒音には弱いということだろう。遮音性を重視し、屋外でゲームの世界にどっぷりと浸かりたいというのであれば、低音域に限らず全音域の騒音を低減してくれる、カナル型イヤフォンのほうが向いていると感じた次第である。
イヤフォンやヘッドフォン、そしてGBM用のスピーカー付きハンドグリップをレポートしてみたが、いかがだっただろうか? 今回、イヤフォンやヘッドフォンを携帯ゲーム機に接続して、検証をしていたところ、最も驚いたのは、ゲーム機内蔵のスピーカーからの音では聴き取れていなかった音が多かったことだ。
逆に、イヤフォンやヘッドフォンを使用しての携帯ゲーム機プレイでは、想像以上の没入感を屋外でも得ることができた。今回最も多く検証に使用した「MOTHER 3」では、体験や臨場感の変化に留まらず、感動にも大きな影響があることを感じ取れた。
改めて、ゲームの要素に“音”の演出が重要であることを感じた研究所員一同。これまで、屋外で携帯ゲーム機をプレイするとき、無音でプレイしていた人は、是非とも今回紹介したイヤフォンやヘッドフォンを使ってみて欲しい。
また、新コーナーの“自腹で買ってみました!”では、タイトル通り、“自腹”でグッズを検証、価格面や1ゲームファンとしての意見を重視したレビューをお届けする予定だ。
当研究所では、みなさんに取り上げてほしいネタなどを随時募集する。ドシドシと編集部までメールを送って下さい (編集部) → game-watch@impress.co.jp ←
■■ 注意 ■■
- この記事の情報は編集部が検証した個体のものであり、すべての製品に共通するものではありません。
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□ロジクールのホームページ
http://www.logicool.co.jp/
□KOSSのホームページ
http://www.koss.com/
□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□グリーンハウスのホームページ
http://www.green-house.co.jp/
(2006年5月1日)
[Reported by ゲーム環境向上委員会]
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