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★PSPゲームレビュー★

豊富なダンジョンと華麗なアクションが光る海外産アクションRPG
「アントールドレジェンド
~ウナタカの勇剣~」



 海外でPSPと同時に発売され、人気を博した3D見下ろし型のアクションRPG「Untold Legends: Brotherhood of the Blade」。その日本語ローカライズ版である「アントールドレジェンド ~ウナタカの勇剣~」がコナミデジタルエンタテインメントから発売された。皆様の中には、海外での人気を知り、日本語版のリリースを待ち望んでいた方も多いのではないだろうか。

 本作は海外ファンタジーゲームの王道とも呼べる、中世ヨーロッパをモチーフにした剣と魔法のファンタジー。海外ゲーム特有の世界観やセリフ回し、そして重厚なシナリオを日本語で味わえるのが魅力である。開発が「エバークエスト」で有名なSony Online Entertainmentであるため、重厚なストーリーは折り紙付きと言ったところだろう。また、本作はシングルプレイが基本となるが、アドホックモードでの同時プレイも可能。残念ながら、筆者にはマルチプレイを試す環境がなかったため、本稿はシングルプレイのレビューであることを了承いただきたい。

 物語の舞台は、太古の惑星「ウナタカ」にある永遠都市「アヴェン」。アヴェンでは、年に一度「守護者」と呼ばれる強者を選出するトーナメントが催される。そのトーナメントで優勝した人物こそ、プレーヤーキャラクタなのだ。アヴェンは平和な都市であったが、モンスターが浸入し、一夜にして平和が打ち破られてしまった。人々はモンスターの脅威に怯え、「守護者」の助けを求めている。プレーヤーはモンスター達を倒すため、ダンジョンに潜っていく。


■ 4つの個性的なクラスから自分だけの“守護者”を作ろう!

キャラクタ作成は、クラス選択、外観の変更、能力ポイントの振り分け、キャラクタ名入力の4手順で完了
 プレーヤーはキャラクタ作成時に「アルケミスト」、「ドルイド」、「ナイト」、「バーサーカー」4つのクラスから1つを選択する。

 「アルケミスト」は独自の科学知識と不思議な力を駆使し、ポーションの生成やゴーレムの召還などが可能なクラス。「ドルイド」は目には見えない自然の力を使いこなし、モンスターに対しては気流や落石を用いて攻撃、また仲間を防衛することも可能。「ナイト」は古代から幾世紀もの時を積み重ねて完成させた戦闘方式で戦う、剣術と弓術に長けたクラスで多彩な剣さばきが魅力。「バーサーカー」は超人的な力ととぎ澄まされた感覚を持ち、遠吠えや威嚇と言った野性味溢れるアビリティが特徴のクラスだ。

 さらにキャラクタ作成時には、作成するキャラクタの外観を細かくカスタマイズできる。肌の色は白色、黒色、黄色の3タイプから選択可能。また、髪型は4タイプ、髪の色は3タイプ用意されている。

 キャラクタには、近接武器のダメージがアップする「筋力」、精神力が増す「知力」、遠距離武器と特殊能力が向上する「敏捷性」、キャラクタに体力を付ける「スタミナ」という4つのステータスが存在する。ステータスを強化するためには、キャラクタ作成時とレベルアップ時に獲得できる「能力ポイント」が必要となる。能力ポイントの配分は、振り分け時に表示されるメッセージを参考にすると効果的だろう。筋力の場合、“筋力へのポイント配分は、ナイトとバーサーカーに効果的です。”と指南される。

 筆者が今回メインでチョイスしたのはバーサーカー。選んだ理由は、ゲームでは肉弾戦が好きな筆者にとって、野性的なバーサーカーがあっていると考えたからだ。選んでみると気付くことが1点。このバーサーカーは女性。よく見れば、ドルイドとナイトは男性、アルケミストとバーサーカーが女性という具合に、性別がすでに決まっているのだ。

光り輝く手をかざすアルケミスト。魔法の詠唱や得意の錬金術を施している最中なのだろう 剣ではなく杖を持ち、荒ぶる様子も見せないドルイド。自然の力を使うための悟りを開いた状態だ
重厚な鎧に身をまとうナイト。その巧みな剣術は、アヴェン全域から尊敬されるほどである 野性的な戦闘スタイルのバーサーカー。紅く光る目はモンスターを狙っているのだろうか



■ 自動生成式のダンジョンを華麗なアクションと強力なアビリティで突き進め!

 世界は3Dで表示され、広大なウナタカの大地を余すことなく表現している。アヴェンは緑が多く、花壇には花が咲いている、ストーリーの通り平和な都市であったことを感じさせる。ライトフォールという森は、紅葉のようなオレンジ色の葉をつけた木が多く小川が流れている場所で、現実世界にもあり得そうな環境だ。リヴン平原という荒野は自生する植物が無く、そこら中に岩が転がっている寂しい場所である。同じ惑星ながら、気候と環境が異なっているようだ。

 また、ゲーム内にさりげなく配置されている小物も、よく見るとディテールが細かく描かれていることがわかる。例えば、宿屋のテーブル上には、散らばったトランプとチップがあり、近くに“ディーラー・プライス”という男が立っている。それらの情報から、ブラックジャックでも行なわれていたのだろうと想像させる。ストーリー以外の部分でもゲームの世界を楽しませてくれる演出が良い。

 キャラクタを操作していて、まず感じたのは“視点が高め”と言うことだ。画面で言うと1cm四方に収まる大きさのキャラクタを、ほとんど真上から見ている状態である。キャラクタの周囲を広く確認できるため便利だが、若干迫力に欠けていると感じる。そこで、視点切り替えを行なってみると、キャラクタに近づいて斜め45度から見下ろす視点に変わった。迫力がある画面になったが、同時に周囲が先ほどの半分しか見えない。この視点では、画面の外からモンスターが急に飛び込んでくるため、こちらは心の準備ができない。そのため、プレイ中は前者の視点をメインに使用することになるだろう。筆者としては、選べる視点の中間にも視点が欲しかったところである。

連続攻撃を繰り出せば、続けざまにモンスターを打ちのめすことが可能。ピンチになったら攻撃ボタンを連打!
 ゲーム中の攻撃は接近攻撃、遠距離攻撃、アビリティの3種類。どれも自らがキャラクタを操作して攻撃するアクションタイプとなっている。

 剣や斧などの武器を装備して攻撃ボタンを押すと、キャラクタが素早く剣を振るため、レスポンスは良好。反応がクイックなため、キャラクタとの一体感が味わえて良い。これはキャラクタが片手に装備する武器の場合で、両手に装備する武器の場合は、武器を振りかざすモーションが若干長くなる。ただし、攻撃ボタンを押せば、すぐに武器を振るモーションに移るため、レスポンス自体は悪くない。片手武器の場合は攻撃する間隔は速いが、モンスターに与える一撃あたりのダメージは少ない。両手武器の場合はモンスターに与えるダメージは大きいものの、攻撃の間隔は遅い。どちらも一長一短のため、モンスターにあわせて使い分けると良いだろう。

 また、攻撃ボタンをテンポ良く押すと連続攻撃が可能。バーサーカーで連続攻撃を試してみると、キャラクタが“ウァッ!”と声を上げながら、剣を使った舞いのような激しいアクションを見ることができた。単純な操作で連続攻撃できるので、複数のモンスターを相手にした際に間髪入れずターゲットの切り替えが可能となっている。ちなみに、連続攻撃モーションはクラスと武器の違いで異なってくる。

 入手できる武器には、手裏剣や弓矢と言った遠距離攻撃用のものもある。手裏剣を装備し、遠距離にいるモンスターにめがけてシュッと投げてみたものの、見事に外れてしまった。3発目でようやくヒットしたが、慣れないうちはモンスターに照準を合わせるのが難しい。遠距離攻撃は特に、接近戦を主とするナイトやバーサーカーにとって、数少ない大切な攻撃方法である。練習して使いこなしたいところだ。

アルケミスト用アビリティーのツリー。キャラクタは上から順を追ってアビリティを修得していくことになる
 派手なエフェクトとアクションでモンスターを攻撃するのがアビリティ。アビリティには「発動型」と「自動型」の2種類があり、そのうち、精神力を消費してモンスター攻撃するのが「発動型」となる。クラスごとにアビリティの傾向が異なり、魔法で攻撃する場合が多いのはアルケミストとドルイド、近距離で攻撃する場合が多いのはナイトとバーサーカーとなる。

 例えば、アルケミストの“毒雲”は画面内に大きな毒の雲を発生させるアビリティで、ナイトの“強打”は体を回転させて武器を振り回す攻撃を行なう。筆者はバーサーカーの他に、別クラスのアビリティを試すためにアルケミストでプレイしてみた。さすがにアビリティが画面内に大きく表示されるため、バーサーカーとは異なった面白さがある。おそらく、レベルを上げていけば、さらに凄いアビリティが修得できるのだろう。このように新たな発見があるかも知れないため、いろいろなクラスを試していただきたい。

 一方、「自動型」のアビリティはキャラクタの能力を向上させるタイプ。そのため、アビリティを“使う”と言うより、キャラクタを“成長させる”ものと説明した方がわかりやすいだろう。オススメする「自動型」のアビリティは、2本の武器を同時に扱える「二刀流」だ。攻撃力が大幅アップするだけでなく、攻撃モーションも派手なものに変わる。「二刀流」はナイトとバーサーカーが修得可能なため、該当するクラスでプレイする方は試していただきたい。

 新しいアビリティを修得するためには、レベルアップ時に貯まる“アビリティポイント”を消費することで修得できる。アビリティポイントは新たな技を覚えるだけでなく、修得済みのアビリティを強化することも可能で、“近接攻撃”というアビリティであれば、近接攻撃で与えられるダメージ106%を107%にバージョンアップできるというものだ。アビリティポイントの使い道は、プレーヤーに委ねられており、強化したいアビリティを自分で選べるため、キャラクタを成長させる楽しさが感じられる。ゲーム画面には経験値ゲージが表示されるため、レベルアップまでの道のりを目にしながらモンスターと戦うことができる。

 ちなみに、修得できるアビリティの一覧は、キャラクタ情報画面にあるツリー状の図で確認可能。この図は修得できるアビリティ名と必要レベル、さらに使用した際の効果が表示される便利なもので、アビリティを把握しやすい。

左の画像はアルケミストのアビリティ、右の画像はドルイドのアビリティ。魔法が使えるクラスのため、画面に格好いいエフェクトが表示されている。派手に戦いたい方にオススメ
左の画像はナイトのアビリティ、右の画像はバーサーカーのアビリティ。魔法が使えない分、地味なアビリティだが、両クラスとも接近戦が得意であるため、打撃系のアビリティに期待して欲しい


 モンスター達との戦闘は、近接攻撃と遠距離攻撃だけでは勝つことができない。もちろん、アビリティだけで挑んだ場合も、連戦となると状況は厳しくなってしまう。そのため、モンスターとの戦闘は単純作業ではなく、プレーヤーが臨機応変に攻撃方法を変えていく必要がある。

 ゲームの大まかな流れは、モンスターを討伐するクエストを次々にクリアしてストーリーを進めていくという、クエストクリア型の形式を採用している。単純にクエストをクリアするのことを繰り返すだけでは、プレーヤーが飽きてしまうと思われるのだが、ゲーム中にはプレーヤーを飽きさせない仕組みが随所に盛り込まれている。

 “秘密の地下墓地”というダンジョンに入ってみると、朽ち果てた石造りでほとんど明かりがないため薄暗い。さらに、クモの巣が至る所に張っており不気味なイメージだ。こんなにクモの巣があるということは、それだけ生息しているクモが居るのでは? と思うと、すぐにカサカサという音が聞こえてきた。そう、侵入者を感知したクモ達が一斉に襲いかかってきたのだ。ゲーム内のグラフィックから、クモが登場することを連想させてくれる。実は、本作はダンジョンが100カ所以上、モンスターが100種類以上も用意されているのだ。そのため、ダンジョンもモンスターもワンパターンにならず、プレーヤーを飽きさせない。

 筆者はいくつかのキャラクタを作成してプレイしていたのだが、キャラクタを変えてダンジョンに向かうたびに、内部の構造が変わっていることに気付いた。本作ではダンジョンの構造が自動生成されるのである。そのため、同じことの繰り返しになってしまうダンジョンを、新鮮な気持ちでプレイできる。ちなみに、ダンジョンの自動生成は、攻略中のダンジョンから他の異なるダンジョンに入ったタイミングで行なわれる。

ゲーム中では様々なモンスター達が登場する。モンスターは見た目だけでなく鳴き声も異なっており、倒した際に上げる鳴き声が不気味さを増す。プレイする際には、音量を上げて声を聞いてみると良いだろう
なんとも恐ろしい巨大クモ“アスクロシア”。これでもまだ全身が見えていない状態なのだ!


 襲いかかるモンスターをなぎ倒し、ダンジョンの奥深くまで突き進んでいくと、そこにはボスが待ちかまえている。ボスとの戦闘中には、画面下にボスの名前が付いた体力ゲージが表示され、クエストのクライマックスを盛り上げる。“秘密の地下墓地”のボス“レヴナント”は人型だが、深い緑色の皮膚で、顔が骸骨に近く手足が長い不気味な要素たっぷりの相手だ。“フゴォフゴォ”と人間らしくない声で襲ってくるため、こちらは驚きながらも連続攻撃とアビリティを連発。ようやくボスの体力ゲージを0にすると、ボスはうめき声を上げながら倒れ、最後まで手を伸ばしたまま消えていったのであった。こういった細かい演出は、視点を近くにして見るとおもしろい。

 また、“アスロクシア”というボスは、全身が画面内に収まらないほど巨大なクモだ。前述したような人型などであれば倒せる気がするのだが、迫力あるグラフィックに押されて、一度引き返してしまったほどである。このようにダンジョンと同様、ボスにも様々なタイプがあることが、ゲームを面白くさせている。これで、ボスとの戦闘を盛り上げるBGMが用意されていれば、ゲームがより一層熱中できただろう。

 ダンジョンでプレーヤーを熱くさせるのは、多数のモンスターに囲まれた場合の混戦。モンスターはプレーヤーを感知すると、もの凄い勢いで襲いかかってくる。モンスター2匹程度が同時に攻撃してくるだけであれば、プレーヤーは問題なく倒すことができるだが、時には8匹以上のモンスターがキャラクタを取り囲むことがある。そのような“1対大勢のモンスター”という、数で不利な状況に陥った場合にプレーヤースキルが試される。そのようなピンチを、プレーヤーの操作テクニックで乗り越えた際に得られる達成感は非常に高い。

巨人と人間の敵が一気に襲ってきた状況だ。このようなピンチの時こそプレーヤー魂は熱く燃えたぎる!! 激しい混戦では、モンスターも命がけで向かってくるため、こちらもアビリティ全開で立ち向かうべきだ


 ちなみに、ロード時間は20秒程度、ダンジョンやフィールドを切り替える際に発生する。切り替える以外にはロード時間が無いため、ダンジョン内をノンストップで駆け回ることが可能だ。ロード中にはイラストと画面を横にスクロールするバーが表示されるのだが、読み込み完了までの時間がわかるゲージが表示されると親切だっただろう。

 ちなみに、表示されるイラストはキャラクタやモンスターがしっかりとしたタッチで描かれている。画面全体に表示されるため、クモの頭が人間の顔になっているイラストが表示されたときには、そのインパクトに度肝を抜かれた。


■ モンスターから強力な装備をゲット! アイテムを結合し装備品をさらに強化しよう

 ゲーム内でモンスターは戦利品を簡単にドロップするのだが、その戦利品が豪華すぎて驚いてしまう。よくあるRPGなら雑魚モンスターがドロップするアイテムは、薬草か攻撃力の弱い棒きれといったところ。そう思いながら雑魚モンスターを倒したのだが、ドロップしたアイテムはなんと剣である! しかも、現在キャラクタが装備しているものよりも強力なものだ。アイテムを次々に入手する感覚は筆者にとって新鮮で楽しく、思わずダンジョン内のモンスターを一掃するまで走り回ったほどである。

 武器や防具、アイテムの入手はモンスターからの戦利品の他、アヴェンの商人から購入、さらにクエストをクリアした報酬として貰えるパターンがある。それらを入手できる総数はなんと1,000種類以上だという。ダンジョン数とモンスターの種類に続いて、第3のサプライズだ。

 新たに入手した装備をキャラクタ情報画面でよく見ると、それぞれグラフィックが異なっていることがわかる。装備するとキャラクタの外観も変化するため、装備したという実感が得られて嬉しい。どのような見栄えになるのかは、キャラクタ情報画面で装備時に確認できる。格好いい装備を集め、装備したのは良いが、前述した通り、遠い視点ではキャラクタが小さく表示されてしまうのが若干悲しい。

キャラクタ情報画面の左側はキャラクタのプレビューが表示される。装備品の違いで、かなり外観が異なっていることがわかるだろう。プレビュー画面でしかじっくり外観を見ることができないのが残念なところだ 画像の右側に並んでいるものは、クエストアイテム、装備品、結合アイテム。これでも入手できる一部なのだ


 アイテムを整理していると、ステータスが回復するわけでも、装備できるわけでもない物があることに気が付く。「影のどくろ」、「ファイア・ルピー」、「薄明の水晶」、「美徳の石」等と言ったアイテムは、一体何に使うのだと思い、アイテムの説明を確認してみる。すると、“アーマーに追加した場合”、“武器に追加した場合”と表示されているではないか。そう、これらのアイテムは装備品と“結合”し、パワーアップさせるアイテムなのだ

 試しに、「精巧なる短剣」を「薄明の水晶」で強化してみる。キャラクタ情報画面で2つを組み合わせると、派手なエフェクトも表示されないまま、すんなりと結合したようだ。合体時に特別なサウンドが用意されていると思っていたため、若干拍子抜けしてしまった。気を取り直して強化した剣を装備してみると、帯電しているようなエフェクトが加わり非常に格好いい武器になっているではないか! 変化はそれだけにとどまらず、雷撃ダメージが追加され、さらにクリティカルヒットの確立も向上する。武器や防具はただ装備するだけでなく、カスタマイズできるという要素が入ってくるだけで、ゲームプレイをさらに楽しませてくれる。

 前述した帯電エフェクトが一目で気に入ったため、手持ちの武器を全て強化しようと考えた。しかし、結合したアイテムを取り外すことができない。残念だが、結合はひとつのアイテムに対して一度のみ可能なのだ。強化した装備を長く使用するか、それとも新しい装備に変えてしまうかは難しいところだろう。


■ 短時間プレイをカバーする便利システムがてんこ盛り……! ちょっと盛りすぎ!?

 本作には、携帯機でのプレイスタイルを考慮した、手軽に短時間でゲームを楽しめる仕組みが盛り込まれている。ここからはその仕組みについてお伝えしていきたい。

 ストーリーを進めていくと、同時にいくつかのクエストを請け負うことも出てくる。街の「守護者」という肩書きがある分、2つ返事で請け負ってしまう。その場合、全てのクエスト内容を覚えておくことは難しいだろう。たまに時間のあるときにちょっとだけプレイするようなスタイルではなおさらだ。そのような場合には、キャラクタ情報画面の項目にある冒険日記を確認すると良い。冒険日記には、クエスト内容とダンジョンの名前が書かれているため、迷うこともなくスムーズにプレイできる。

 クエスト内容を確認して、いざ行かんと意気込んだのは良いのだが、ダンジョンが見つからないこともたびたびある。そのような場合には、画面右上に表示される追従型のミニマップをチェックしよう。ミニマップには、初めて訪れるフィールドやダンジョンの構造が表示されるため、長時間ダンジョン内で迷子になってしまうようなことはない。さらに、広域のマップに拡大表示するとダンジョンの名前まで表示される親切な仕組み。また、クエストに関係のある人物、クエストで討伐するボスがマーキングされるのも嬉しい。ミニマップは表示させたままゲームをプレイできるため、攻略本を見ながらプレイしている感覚で楽しめるのだ。もちろん、ミニマップは非表示にもできるので、ヒント無しで攻略するストロングスタイルでのプレイの楽しみを奪うことも無い。

ミニマップはプレーヤーが進める場所とダンジョン名が詳しく表示されるため、ゲーム中では相当重宝する クエストに関係する人物はミニマップに青でマーキングされ、目印に向かって移動するとストーリーが進む


 ゲーム中でダンジョンのボスを倒した際に、キャラクタは自動でアヴェンに戻るわけではない。そのため、手軽に帰る手段はないのかと調べたところ、便利な帰還方法が用意されていたことに気が付いた。ゲームをプレイ開始してまもなく入手できる「リゼッタの石」は、アヴェンとプレーヤーが直前までいた場所を往来できるアイテム。これは、ボス直前まで進めておいて、体力を回復するポーションを購入するために、アヴェンの街へ買出しに行くという、ちょっとズルイこともできる。どうやら、徒歩で歩いて帰るという無駄な時間を過ごしてしまったようだ。

 さらに短時間でゲームを楽しめる仕掛けの極めつけは、場所を問わずセーブ可能であることだ。PSPを持ち歩いて少しずつダンジョンを攻略するプレイスタイルも可能なのは嬉しいところ。もちろん、ボスの直前でセーブをして、万が一ゲームオーバーになってしまった場合の保険をかけておくこともできる。

 ここまでプレーヤーを助けるシステムがあることは、少し親切すぎではないかと感じられるが、手軽にダンジョンを攻略でき、冒険を円滑に進めるシステムともいえ、好感が持てる部分だ。


■ ダンジョン探索の魅力が連鎖反応! やめられない止まらない“守護者”ライフ

 本作の面白さはダンジョンを次々に攻略していくところにある。もちろん、ダンジョンをクリアするだけでは、プレイはマンネリ化してしまうのだが、ダンジョンに飽きてきたかな? というタイミングを見計らったように、強力な武器や防具が入手できる。さらに、その武器や防具にすら飽きがき始めたタイミングで、今度は新しいアビリティの修得可能レベルに達しているのだ。プレーヤーは修得したアビリティを試すため、再度ダンジョンへ……。筆者は、この連鎖的な繋がりに見事はまり、ゲームの世界にどっぷりと浸かることができた。

 また、ゲームのボリュームが充実している点を高く評価したい。登場するダンジョンは100カ所以上、モンスターは100種類以上、アイテムは1,000種類以上。ダンジョンをクリアすると、次々に新たなダンジョンやモンスターが登場してくるため、遊びごたえがあるのだ。このボリュームであれば、少しずつダンジョンをクリアしていくプレーヤーにも、一気にゲームをクリアするプレーヤーにもオススメできる。

 ゲーム全体で気になった点を1つ挙げるとすれば、日本語にローカライズされた文章についてだ。日本語にローカライズされたとはいえ、直訳したような文章が若干見受けられる。そのため、筆者はゲーム中の文章が頭に入らずに、読み返してしまうことが多くなってしまった。ストーリーを伝えるメインの言葉であるため、残念なところだ。

 「アントールドレジェンド ~ウナタカの勇剣~」は、通勤や通学時間に1ダンジョン、洗濯機を回している間に1ダンジョン、くつろぎながら1ダンジョンと、短時間のプレイで手軽に攻略できるのが良い。筆者は、今日も暇を見つけては、アヴェンの街を救うため、新たなダンジョンへ潜るのであった。

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□コナミデジタルエンタテインメントのホームページ
http://www.konami.jp/
□「アントールドレジェンド ~ウナタカの勇剣~」のページ
http://www.konami.jp/gs/game/untold_legends/
□関連情報
【1月27日】2人協力プレイが可能な正統派ファンタジーアクションRPG
コナミ、PSP「アントールドレジェンド ~ウナタカの勇剣~」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060127/ul.htm

(2006年4月25日)

[Reported by 菅原吏利]



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