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ネクソンジャパン、「マビノギ」チャプター2発表会を開催
“探検と発見”をテーマにした広大な「新大陸イリア」を実装

4月18日開催

会場:ネクソンジャパン本社



 株式会社ネクソンジャパンは、4月18日、都内本社にて、MMORPG「マビノギ」の大規模アップデート「チャプター2」の発表会を行なった。このアップデートは4月27日に実装が予定されており、“新大陸イリア”を舞台に探検と発見をテーマにした冒険が楽しめるようになる。

チャプター2のコンセプト、今後の計画などを発表したdevCATスタジオ「マビノギ」のディレクター、イ ヒヨン氏
今回実装されるラノ地域。いままでの世界に匹敵する大きさを持っているという
イリアへはケアン港から船で出発する。船は6分おきに出発し、到着までの2~3分船に揺られることとなる。1回に舟が運ぶことができるのは30人ほどで、韓国では実装直後は舟を待つ長い列ができたという。
 「マビノギ」は、2005年の4月26日に正式サービスを開始したファンタジーMMORPG。牧羊や裁縫、畑での収穫など冒険の他に生活要素も充実した韓国産MMORPGである。暖かみのあるグラフィックス、アルバイトなどで関わるNPCは個性豊かで、独特の世界観を作り出している。ゲームの中で作曲ができるのも大きな特徴のひとつで、ユーザーイベントで音楽会なども開かれている。

 ストーリー要素も充実しており、メインストーリーではパラディンとダークナイトによる「光と闇の戦い」が描かれた。また本作を象徴するキャラクタ“ナオ”のフィギュアが発売されるという展開も見られた。2005年12月15日からは基本料金無料のアイテム課金制に移行している。

 チャプター2のメインコンテンツが「新大陸イリア」の実装である。今回実装されるのは大陸の「ラノ地域」と呼ばれるエリアのみだが、ラノ地域だけでも今までの冒険していた「ウルラ大陸」とほぼ同じ大きさがある。最終的にはウルラ大陸の実に5倍の面積を持つ広大な世界が実装されるという。

 チャプター2のテーマは「冒険と開拓」である。イリアは未開の世界であり、プレーヤーを初めとしたウルラの人々は「ベースキャンプ」を築いて開拓の拠点としている。大陸のほとんどは人跡未踏の世界であり、棲息している生物やモンスターもまた未知の存在である。

 イリアの地図にはプレーヤーの足跡が残されるようになっている。調査した場所は地図で確認できるようになっており、まだ見ぬ世界を求めてプレーヤー達は旅立っていくことになる。ウルラには“ムーンゲート”という瞬時にテレポートできるゲートがあったが、イリアにも“マナトンネル”と名付けられたワープゲートが存在する。冒険者はそれぞれ「探査年表」というメモを持っており、自分の冒険の道筋がこれに記録されていく。

 広大な大陸を冒険する際にプレーヤーを助けてくれるのが、今回新たに実装される騎乗動物である。馬の他、野生のダチョウやユニコーン等も登場する。騎乗動物に乗ることができれば速いスピードで移動することができる。グラフィックスエンジンも改良され、より広大な地域が見渡せるようになっており、広い地域を駆け抜けていく爽快感を味わうことができる。

 イリアには「遺跡」と呼ばれるダンジョンが存在する。しかしこの遺跡は入り口が隠されており、「Lロッド」という特殊な道具を使わなくては発見することができない。Lロッドは、水脈や鉱脈などを発見する事ができると言われる“ダウジングロッド”のことで、L字型の1対の棒の形をしたアイテム。入り口を探知すると光りだし、同時に共鳴音のようなものを放つ。

 チャプター2では、Lロッドによる遺跡発掘が大きな楽しみのひとつになっており、最初に遺跡を発見した冒険者には、その遺跡に名前が記されるという特典がある。しかし遺跡は、1週間ほど経つと入口の場所が変わってしまう。プレーヤー達は遺跡の入口を再び探索しなくてはならない。冒険者達の情報交換が必要不可欠となるだろう。ちなみにLロッドは遺跡の入口以外にも、フィールドに隠された宝箱なども探知することができる。

 4月27日のアップデートでは、ラノ地域とそこに住む様々なモンスター、野生動物、遺跡などが実装される。Lロッドの使い方を覚えるクエストの他、指定された原料を採集するクエスト、探検クエストといった新しい世界を体験するものも追加される。

 中でも「スケッチクエスト」は注目である。ベースキャンプの掲示板に張り出されるクエストで、「この動物をスケッチしてくれ」というような依頼の元、紙を渡される。プレーヤーはその動物の生息場所を探してイリア大陸を旅することになる。生物の棲息地域、名所の発見、遺跡の入口など、調査と情報の共有そのものが、冒険の醍醐味となっているのである。

 「マビノギ」は、断続的なアップデートにより、次々と新要素を導入していくところに特徴がある。今回の発表会でも今後実装される要素が明らかになった。最大の要素として「エルフ」と「ジャイアント」というイリアに住む2つの種族の存在が発表された。この2つの種族は独自の文明を持っており、人間とは友好的だが、お互いは激しく争っているという。プレーヤーは彼らが生活しているところを訪れ、友好を深めることで同盟関係を築き、その種族のキャラクタを作成可能になるという。

 エルフかジャイアントのキャラクタは常に敵対種族に襲われる可能性がある。2つの種族のどちらに肩入れすることもなく、中立を守るプレイも可能とのこと。その場合は、エルフとジャイアントの村を行き来して、貿易で儲けることも可能になるという。将来的には「マビノギ」の世界に種族対種族の大規模PvP要素を導入するための布石のひとつのようだ。

 この他にも今後の要素として、「漁船」という複数のプレーヤーが乗ることができる船が登場するという。この船に乗ることで釣りをすることができるようになり、釣った魚を料理したり、骨や皮を使って剣やローブといったアイテムを作ることが可能になる。さらに、「サンドワーム」、「平原ドラゴン」、「砂漠ドラゴン」という3つの“フィールドボス”が登場する。これらのボスは多くのプレーヤーが協力しなければ太刀打ちできない存在になるという。

 また、集めてプレゼントすることでプレーヤーの前にそれを着て現われるようになるというナオの新コスチュームや、新武器である日本刀の存在も明らかになった。これらの要素は今後、順次導入されていく予定だ。

 ゲームを開発するdevCATスタジオ「マビノギ」のディレクター、イ・ヒヨン氏は「ウルラではストーリーを楽しむことができ、イリアでは探検と発見を楽しむことができる。大陸によって異なるゲームをプレイしているような1回のログインで2つのゲームを楽しめるような感覚を提供したい」と語った。

 今回の発表会で筆者は改めて「マビノギ」のスタッフの独自性を感じた。韓国のMMORPGは、戦闘、特にPvP要素という同じレイヤーの中で勝負をする作品が多いが、多くのトレンドの取り込みを狙うあまり、最終的には似たようなゲームに収束してしまっている。そんな中で「マビノギ」はプレーヤーの「生活」に注目し、明確な独自性を提示した。そして今回、探検と発見という要素をテーマとして打ち出した。

 個人的には冒険に役立つ新大陸ならではの生産要素に期待したいが、プレーヤーをワクワクさせるランダム要素も取り入れた「探検」ゲーム、未知なる世界を隅々まで探索したくなる要素は、まさに冒険の本質であり、その情報をゲーム内で共有できる感覚は、MMORPGの醍醐味といえるだろう。実装されてからのユーザーの反応が楽しみである。独自性を追求し、ユーザーに新しい冒険と生活を提供し続けるスタッフの開発姿勢に今後も期待したい。

デモプレイを行なったネクソンジャパン運用部運用1チーム長の神田淳氏 devCAT開発チーム。左からヒヨン氏、デザインパートパート長のキム・チョンヒョ氏、プログラムパート1パート長のハン・ジョンホ氏、ローカライズユニットユニット長のメン・ジソン氏 「チャプター2」のイメージイラスト。コンパスや地図、望遠鏡など、「探検と発見」という今回のテーマが伝わってくるアイテムが描かれている
プロモーションムービーでは冒険者が集団で馬に乗る姿も ウルラ大陸からの移住者はまだ少なく、ベースキャンプが冒険の拠点となる 左に見えるのがマナトンネルである。一度発見をすればそれを使って他のマナトンネルにテレポートできる
ベースキャンプにはウルラから移ってきたNPCがいて、冒険者を手助けしてくれる 野生のダチョウに乗ることも可能に。他にユニコーンなども登場するという キャラクタが手に持っているのがLロッドである。遺跡の入り口や宝箱を探知すると音を発し、光る
巨大な地上絵。エルフやジャイアントなどこの大陸の文明と関係があるのだろうか Lロッドで探し当てた遺跡の入り口は1週間ほどで場所を変えてしまう 遺跡の床はガラスのように透き通っている。神秘的な雰囲気だ

【今後実装される要素】
左が従来のウルラ大陸、右が新しい冒険の地であるイリア大陸だ。いままでの5倍以上の広さを持つ場所になるという 敵対する2つの種族。最初にエルフが実装されるとのこと。どんな外見をして、どんな文化を持っているのだろうか 大陸を移動する舟より大型の、釣りをすることが可能になる漁船
釣ることができる魚は非常に多いようだ。骨や魚の頭を使ったアイテムもユニーク ナオの新コスチューム。カラーが決定稿で、他はアイデアスケッチとのこと 日本刀。同じ物を2本持っているのはテストのため。鞘や柄の部分などを細かく作り込んでいくという
多くの冒険者が協力して戦うことになるというフィールドボス。スタッフからの挑戦状という感じになりそうだ

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□ネクソンジャパンのホームページ
http://www.nexon.co.jp/
□「マビノギ」のページ
http://www.mabinogi.jp/
□関連情報
【2月23日】ネクソンジャパン、MMORPG「マビノギ」
ダークナイト実装など「G3」アップデート完了
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060223/mabi.htm
【2005年12月15日】ネクソンジャパン、MMORPG「マビノギ」基本料金を無料化
4種類のペットを追加するアップデートを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051215/mabi.htm
【2005年8月25日】ネクソンジャパン、MMORPG「マビノギ」
ペットシステム実装を含む大規模アップデートを実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050825/mabi.htm
【2005年7月1日】devcat開発室長キム・ドンゴン氏インタビュー
「マビノギ」次期アップデート“G2”の魅力と、今後の展開について
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050701/mabinogi.htm

(2006年4月18日)

[Reported by 勝田哲也]



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