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Taipei Game Show 2006現地レポート

「曙光Online」、「快閃賽貝」など新作タイトルを展開する台湾メーカー
X-LEGEND、IGS、XtraVisionほか

2月16日~20日開催

会場:台北世界貿易中心



 オリジナルタイトル制作の情報や、セクシーな演出にウェイトが置かれるイベントの傾向……。様々なブースを見ることで、2006年のTaipei Game Showのイメージがよりはっきりしてくる。これまで大手メーカーにポイントを絞ってお伝えしたが、今回はオリジナルタイトル、そしてユニークな出展を行なっていたブースをレポートしたい。


■ 獣から人間へ成長する種族を描く、新台湾オリジナルMMORPG「曙光Online」

 X-LEGENDのブースでは新作であるオリジナルMMORPG「曙光Online」のみを展示。羽が生えていたり、角の生えたかわいらしいキャラクタが、元気にフィールドを駆け回り敵を倒す、ライトな雰囲気のMMORPGである。

昨年の東京ゲームショウでも出展されていたX-LEGENDの「曙光Online」。台湾オリジナルタイトルとして会場の注目度も高い
ゲーム内で見ることができる全体マップ。世界はこの100倍まで広がっていくという
 本作の大きな特徴は、スキルアイコンの肉球をクリックすることで“動物”に変身できること。頭身の低いキャラクタがさらにかわいらしい子供の獣に変身する。獣の姿になってフィールドを走っているだけでも楽しくなってしまう作品である。ブースには10台以上の試遊台を設置されていたが、どの台も人気だった。

   「曙光Online」は台湾と香港で1月18日よりオープンβテストが開始され、1週間で登録会員数が30万人を突破、現在は50万人以上のユーザーを獲得している。最大同時接続者数は5万人だ。女性プレーヤーの人気も高く、全プレーヤー中30%が女性とのこと。本作の、デザインがかわいらしく、動物に変身できるというポイントがウケているようだ。正式サービスの移行は3月を予定している。

 このゲームはまだ人間がいない神話時代の中国が舞台となっている。プレーヤーは最初に動物としてこの地を訪れ、クエストをこなし、成長することで人間となる。クエストは膨大な数が用意されていて、世界を楽しみながらキャラクタを育成させることができる。

 本作は対人戦も大きなセールスポイントである。特にギルドによる攻城戦に力を入れていて、世界にある5つの街をギルド同士で奪い合っていく。また、ギルドはそれぞれ小さな「村」を作ることができ、ゲーム内のお金をつぎ込むことで村をより大きくできる。

 本作の将来像はとても壮大なものだ。現在実装されている地域は実はこの世界の小さな地方にしかすぎず、最終的には現在の100倍ほどの広さを持った広大なマップになるという。また、獣から人へと進化していったキャラクタ達は次の段階で“中型”の動物に変身できるようになる。この中型動物に変身できればプレーヤーはさらに強力な存在になる。さらに上の段階も企画中ということで、どんなビジョンが提示されるか楽しみである。

 課金モデルとしては月額制とアイテム課金の併用を計画していて、月額は499台湾ドル(約1,500円)。この他に鎧や服などの装備を販売していく。実は本作は日本での展開も決定していて、近日パブリッシャーの発表があるとのことだ。

【曙光Online】
古代中国を舞台に、動物から人間の姿になった冒険者が活躍するMMORPG。プレーヤーは隼、猿、犬、龍、虎、バッファローの6つの種族からキャラクタを選択。レベルが上昇すると、動物から人間の姿に変わることができるようになる。現在のところ、動物に姿を戻してもあまりメリットはないようだが、姿が変わるだけでも楽しい。今後はより強力な動物にも変身できるということで、この変身部分をもっと煮詰めてもらいたいところだ

「曙光Online」のコスプレをしたコンパニオンと記念写真も撮れる。ブースの真ん中ではカラメルポップコーンを作っていて、ブースには甘いにおいが広がっている


■ 「パックマン」+「ボンバーマン」? 「快閃賽貝」が子供に大人気のIGSブース

 IGSはゲームポータル「Game Tower」で展開する多数のタイトルを試遊台で展示、麻雀やカードゲームの他、「封神演義」をテーマにしたMMORPG「封神2」など様々なタイトルをプレイすることが可能だった。「Game Tower」の会員数は40万人、アイテム課金による運営を行なっており、プレーヤーはアバターだけでなく、自分のキャラクタが住む「部屋」を購入することができ、様々なアイテムで飾りたてることができる。

スター達のイラストも楽しい「明星3欠1 Online」
「快閃賽貝」。暗闇の中ライトを頼りに戦うステージも
 IGSが大きくプッシュしていたのが「明星3欠1 Online」。オンラインの麻雀ゲームで、台湾で有名な14名の俳優や女優、歌手といったスターの“声”を収録しているのがセールスポイント。「リーチ」や「ポン」を、選択したスターの声で行なうことができる。つまり、見た目と声はスターのものになり、プレーヤーはまるで3人のスターと一緒に卓を囲んでいるような体験ができる。タイトルは、「3人のスターと対決!」といった感じだろうか。

 会場で発表され、子供達が夢中になっていたのが「快閃賽貝」。柵によって迷路となっているフィールドに配置されているドットを消していく「パックマン」タイプのゲームを基本ルールとして、3つのルールでのオンライン対戦が楽しめる。

 1つめのルールでは、4人でフィールドのドットをどれだけ多く消すかを競う。2つめは3人のプレーヤーが「パックマン」でいうところの“オバケ”となって、1人のプレーヤーを追いかけ回す。3つめの対戦ルールはなんと爆弾を置いて敵を爆風に巻き込むという「ボンバーマン」のルールなのだ。フィールドはそのままで今までの“ドット消し”とは全く違うゲームとなってしまうのである。

 この「パックマン」と「ボンバーマン」という2つの全く異なったゲームルールを再現させるため、フィールドのデザインは「パックマン」にしては迷路が単純で、「ボンバーマン」にしては曲がり角が多すぎて爆風が広がりにくく、どっちつかずな印象もある。しかし、かわいらしいキャラクタデザインと、わかりやすいルールのため、会場では子供に大人気で、母親が見守る前で兄弟でプレイをしたり、前の子のプレイをワクワクした表情で見ながら順番待ちをしていたりしていた。

 IGSはゲームのラインナップに今後こういったカジュアルなアクションゲームを加え、10歳~15歳のユーザーにも積極的にアピールしていく予定だという。

バラエティ豊かな出展タイトルで来場者を迎えるIGSブース。家族連れの姿も目立った


■ PvPタイトルとして台湾ユーザーが注目するXtraVisionの「乱 Online」

  XtraVisionが運営する「乱 Online」は、“学園もの”の要素を取り入れた韓国MIN COMMUNICATIONSが開発したMMORPG。日本ではエキサイトが「アルティメット学園 乱」というタイトルで展開している。

「乱 Online」の対戦イベントでは多数のギャラリーが集まった
 本作の台湾での人気は高く、2005年の4月に正式サービスに移行してから、会員数は130万人、同時接続者数で6万人を突破したという。アイテム課金制を採用していて、経験値2倍のアイテムや強力な武器が人気が高い。本作が人気を得た理由としては、台湾で初めて“学園もの”の要素を取り入れたことと、PvPが楽しい作品としてユーザーに認知されたためだという。

 ブースでは8vs8の対戦ゲームイベントが開催され、会場には多くのギャラリーがつめかけた。本作のギルドの拠点となる「電算室」を舞台とした攻城戦が行なわれたのだが、観客達はプレーヤー達の作戦に友達同士で評価を話し合いながら熱心に戦いを見守っていた。ステージの大きなモニタの前にも人だかりができていて、ユーザーの興味の高さが伺えた。

 “学園もの”ということで、XtraVisionはコンパニオン達に“コギャル”を意識したセーラー服のコスプレをしていた。わざとメイクを強めにしてスカートの短い制服を着ていたのだが、日本人の筆者から見ると、コンパニオン達はセーラー服を着るにはちょっと年上で、違和感も感じてしまった。

「乱 Online」のセンスを活かしたセーラー服を着たコンパニオンが、プレイのアドバイスもしてくれる


【wayiブース】
wayiは韓国KRGSOFTが開発する「熱血江湖Online」を大きくプッシュし、この他に「A3」や「石器時代(STONE AGE)」といったタイトルを出展していた。今回のTaipei Game Showではステージイベントなどで女性のセクシーさをアピールするものが多かったのだが、wayiは特にここに力を入れていて、コンパニオンがお立ち台でポーズをとり、流し目を送り、カメラを構えたユーザーがそれを取り囲むというゲームのイベントとは思えないコーナーもあって、多少暴走気味だった。

 ステージイベントも回を重ねるごとに過激となり、ステージに集まったユーザーに向かって「どこにグッズを投げて欲しいかな?」、「ここ! ここ!」、「声が小さい、もう一度!」といったやりとりや、「『wayi』と叫んで!」といった形でシュプレヒコールのようなことをさせたりと、他のブースに迷惑になる演出をしていて、イベントを行なう意義に少し疑問を持ってしまう。


【FUN TOWNブース】
FUN TOWNは麻雀やカードゲームなどカジュアルゲームを中心に出展。実際の麻雀卓やテーブルを囲むようにモニタが配置された試遊台の人気が高かった。全体的に年配のユーザーの姿が目立ったが、韓国RHAON Entertainmentが開発した「Tales Runner」の試遊台は子供達やカップルに人気で他とは違う雰囲気があった。

□Taipei Game Showのホームページ
http://tgs.tca.org.tw/

(2006年2月19日)

[Reported by 勝田哲也 / 三浦尋一]



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