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マイクロソフト、AOGC2006「Xbox 360、Xbox Liveの最新動向」
Xbox Liveへの加入率は46%~47%

2月10日 発表

会場:日本教育会館

Xbox事業本部でオンラインビジネスを担当している鶴淵忠成氏が、スピーカーを担当した
 有限責任中間法人ブロードバンド推進協議会(BBA)は、アジア圏のオンラインゲームを対象としたゲーム開発者向けカンファレンス「アジアオンラインゲームカンファレンス2006(AOGC2006)」を昨日に引き続いて開催した。2日目の1時間目にはスポンサーズセッションと題し「Xbox 360、Xbox Liveの最新動向」が行なわれた。スピーカーを担当したのはマイクロソフト株式会社でオンラインビジネスを担当している鶴淵忠成氏。

 マイクロソフトはXbox発売当初から販売台数に関してもワールドワイドの数値しか発表せず、各種数値をあまり公開していないが、今回のセッションではXbox Liveに関する一部データを示しながら説明が行なわれた。講演内容にまったく新しい内容というのは見られなかったが、Xbox Liveの仕組みを系統立てて説明する機会が少なかったため、そういった意味では聴講生に対してアピールする機会になったといえるだろう。

 Xbox LiveはXbox 360で初めて実装されたわけではなく、Xbox発売当時からあるシステムだが、Xbox 360に移行するにあたって鶴淵氏は「ゲームで対戦するだけのコミュニケーションではなく、もう少し広範囲にわたるコミュニティ作り」のためのツールへと進化しているという。そのために、シルバーメンバーシップとゴールドメンバーシップの2段階性にしたことや、クレジットカードが無くても楽しめ少額決済も可能とするシステム作りなど、様々な作り込みがなされている。

 Xbox 360発売以降のXbox Liveへの加入率は46%~47%で、ほぼ半数。これは日本だけでなく、ワールドワイドでもほぼ同等の数字だという。

 シルバーとゴールドの違いについては「どのゲームでも対戦するためにはゴールドメンバーにならなければならないが、90%……ほとんどはシルバーメンバーで楽しめることができる」と説明。ちなみにゴールドの期限が切れてもシルバーに自動的に変更されるだけで、Xbox Liveを楽しめなくなるわけではない。つまり、対戦が楽しみたいと思えばゴールドメンバーとして課金すればよく、対戦をしたくなければその間はシルバーメンバーでいても十分楽しめると言うこととなる。

 鶴淵氏によるXbox Liveのアピールポイントのひとつは、コミュニケーションを取るために公開される情報の豊富さと、参照する時の手軽さがあげられる。Xbox Liveではゲーマープロフィールというものを登録することになる。そこには“評判”や“ゲームスコア”、そしてユーザーのゲームに対する趣向が登録されている。

 この趣向というのは、気軽に楽しみたければ「レクリエーション」を選択。このほかにも「勝負にこだわる」のか? 「ファミリータイプ」なのか? などなどユーザーの考え方を登録するわけだ。この趣向はゲームにおけるマッチング時にもこのデータを読み込んで判別される。気軽に楽しみたい人がガチンコユーザーといきなり当たり、コテンパンにやられて嫌になることもあり得るが、そう言ったことを起こりにくくする目的もある。

 この登録されたゲーマープロフィールはだれでも見ることができる。これまでのXboxでは相手がどういった趣味趣向かは知ることができず、鶴淵氏によればそもそもゲーマータグを交換するきっかけも少なかったという。そしてゲームで対戦を重ねるうちに何となく相手の趣向がわかり、コミュニティを形成するにいたる。この長い道のりの部分を、新しいXbox Liveではゲーマープロフィールに集約し、ここを見るだけで相手の趣向を知り、コミュニティの形成を促進させようという狙いがある。

 さらに、相手がどのようなゲームをどのくらいプレイしているかも見ることができる。たとえばコミュニティが形成されれば、相手が遊んでいるゲームリストを見たとき、自分が買おうかどうか迷っているゲームを相手がプレイしていれば、「このゲームどう?」と聞くこともできる。

 このゲーマープロフィールの参照は、たとえばプレイしているゲームからも可能だ。自分のプレイしているゲームで、スコアに表示されたゲーマーからダイレクトにプロフィールにアクセスできる。そこからそのゲーマーのプロフィールやゲームリストを参照にして自分と合うかを判断することもできるわけだ。これまでゲームの横の繋がりは希薄だったわけで、そういった意味ではゲームに関したコミュニティ作りを促進するために、インターフェイスの土台から、きめ細かい配慮がなされているといえる。

Xboxで展開していたLiveのサービスからどう変わったのか。Xbox 360でのLiveサービスについてまとめられたスライド。対戦だけのものから周辺のコミュニティ作りに重きが置かれているという 全世界的な傾向として、Xbox 360購入者の50%弱がXbox Liveに加入しているという。この傾向は日本でもほぼ同じだとか
今回のXbox Liveは「オンライン対戦」中心のコアなユーザーのみの集まりより、多くのユーザーが集いコミュニティ作りが行なわれるような仕組みを大切にしている。そのための楽しみ方として、プロフィールをどこからでも見ることができ参照が可能なことや、自分のゲームに対するスタイルを登録することになっている点など、細かく考えられている 画面は「Gauntlet」のスコア。ここからもゲーマープロフィールを参照することができる。自分と同じようなスコアの人のプロフィールを見て、ゲームの趣向などがあっていればそこからメッセージを送り、認められれば新しくフレンド登録して、友人が増えることとなる
フレンドリスト。各人のアクセス状況もわかるようになっている さらにゲーマープロフィールを見ると何をどれくらい遊んでいるのかがわかる。「状態」にあるのは最後に遊んだソフト名。相手がオンラインで遊んでいれば、何を楽しんでいるかがここでわかる Xbox 360のゲームには全て“実績”と呼ばれるものが設定されている。たとえば10時間遊べばアンロックされゲーマースコアが加算されるなど、ゲームの進捗に合わせてこのスコアが上がることとなる。この数値化がゲーマーにとって楽しめる要素の一つだと説明


 鶴淵氏によるXbox Liveのアピールポイントのふたつめは「マーケットプレイス」だ。鶴淵氏によればこれは「パッケージのオンライン販売化ではなく、パッケージを販売したら終わりではなく、関連コンテンツの売り上げを継続的に期待できることになる」システムといえる。車のデータやコース、ダンジョンやキャラクタなどを追加で配信することで、より長くゲームを楽しめるきっかけをユーザーに提供するだけでなく、メーカー側としても売り上げを期待できるわけだ。

 現在、追加データのほかにもデモ版などの関連コンテンツの配信が行なわれている。さらにはXboxのブレードと呼ばれる共通インターフェイス部分のスキンも変更することができるが、このスキンの販売なども行なわれている。ゲームや映画の予告編をダウンロードして楽しむことも可能。しかし、現状ではストリーミング配信には対応しておらずダウンロードして楽しむしかない。

 すでに言われていることだが、Xbox 360の大きな武器であるXbox Liveは問題点を抱えていながらも、任天堂がネットワークゲームに対するひとつの回答として「Wi-Fiコネクション」を打ち出し成功しているように、マイクロソフトからのネットワークに対する回答としてユーザーにとっては魅力的なシステムだ。最も問題なのはこの魅力がユーザーに伝わっていないことで、多くのメーカーが垣根を越えてこのシステムを採用してもユーザーの母数が増えなければ、残念な結果となる可能性がある。Xbox Liveを広げるためにユーザーにアピールしていく努力も、これまで以上にマイクロソフトには求められているのではないだろうか。

新しい「Xbox Live」の中でも重要な位置を占めるのが「マーケットプレイス」。ダウンロード数などのデータが公表されるのは初めて。順調に伸びてきているこのデータを示し「本体の販売数もこうであれば……」とコメント 有料コンテンツと無料コンテンツそれぞれのダウンロード数のトップテン。有料、無料を問わず「リッジレーサー6」の追加データが圧倒的な強さを誇っている。また無料コンテンツでは「デモ版」が2タイトル入っている。有料版では「Xbox Live Arcade」の名作「Gauntlet」が強い。同様に「Arcade」から、独特なグラフィックス表現が美しいシューティング「Geometry Wars: Retro Evolved」も上位に食い込んでいる
重要な要素のひとつがこの「マーケットプレイス」。オンラインでのゲームのダウンロード販売が主目的ではなく、パッケージソフトの追加コンテンツをここで販売することで、販売、イコール商品の終了ではなく継続して収益を得るビジネスモデルとなればと解説 マイクロソフトポイントによるコンテンツの販売形式を解説。マイクロソフトポイントは1ポイント=1円ではなく、さらには各国によって金額との比率は違っている。これはポイントの価値を各国で調節するために、ある意味為替のように変動制を用いているという。ただし、登録した国以外でポイントを使用することはできない 一度ダウンロードすればその履歴は記録され、有料コンテンツであれば、一度誤って消しても履歴から辿り再度ダウンロードすることが可能となっている。もちろん再度課金されるわけではない


□ブロードバンド推進協議会のホームページ
http://www.bba.or.jp/
□「AOGC 2005」のページ
http://www.bba.or.jp/AOGC2006/
□Xboxのホームページ
http://www.xbox.com/ja-jp/

(2006年2月10日)

[Reported by 船津稔]



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