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【PS2「.hack//G.U.」】
価格:未定
「.hack//G.U.」は、オンラインゲームをテーマにした作品として、2002年4月よりゲーム、アニメ、コミック、ラジオなど、メディアミックスとして展開された「.hack」シリーズの「Project .hack」に続く新プロジェクト。今回のプロジェクトも、各種メディアにわたって、ほぼ同時期に展開される。
ゲームタイトルはプロジェクト名と同じ「.hack//G.U.」で、プレイステーション 2用RPGとして、全3タイトルを発売。「Vol.1 再誕」は5月、「Vol.2 君想フ声」は9月、「Vol.3 歩くような速さで」は12月の発売が予定されている。
プロジェクトは前回と同様にマルチメディア展開を行なうこともあって、前作のプロジェクトの結果報告から発表会はスタート。ゲームは、日本国内では78万本、全世界累計では170万本以上を売り上げ、DVDも日本国内シリーズ累計で20万本以上、全世界累計で37万本以上。そのほか、出版および音楽CDやグッズを合計すると、全世界で約120億円のビジネススケールになったという。 そして、今回のプロジェクトのポイントの1つとして、「『.hack方式』の前作は手探り状態で進めていたが、今回は前作でヒットした要因を分析・抽出することで、確信を持って展開する」という。また、「『The Worldと1人の主人公』を中心としたメディアミックス」を行なうことで、メディアごとに主人公が異なった前作と比べて、各メディア間での“リンク”が強くなっているとしている。
メディアミックス展開としては、PS2用ゲームが5月より順次発売されるのをはじめ、テレビアニメーション「.hack//Roots」がテレビ東京より4月から、ラジオ「GU.Radio(仮)」は文化放送より4月から、それぞれスタートする。さらに専門誌「.hack//G.U. The World」が角川書店から発売中で、携帯電話向けコンテンツもバンダイネットワークスから展開されている。
続いて、バンダイの内山氏とゲームプロデューサーの原田真史氏、ゲームの開発を担当しているサイバーコネクトツーの代表取締役社長の松山洋氏、テレビ東京の番組担当プロデューサーの東不可止氏、角川書店の専門誌「.hack//G.U. The World」編集担当デスクの田村淳一郎氏により、ゲームの紹介が行なわれた。 ゲームの物語は前作の7年後、2017年と近い未来で、今とほとんど変わらないごく普通の日常がある世界。その中で全世界で1,200万人という最大の会員数を誇るネットワークゲーム「The World:R2」をテーマにしている。自由度の高さゆえにさまざまな問題を抱えている「The World」。このゲームを始めたばかりの主人公「ハセヲ」は、キャラクタ「志乃」へ想いを寄せるも、「志乃」が正体不明の双剣士にPKされてしまうと同時に現実世界の「志乃」も意識不明の重態になってしまう。「ハセヲ」は復讐のため、そして「志乃」を救うために立ち上がるところからストーリーが始まる。 ゲームのパッケージデザインは、「新世紀エヴァンゲリオン」などで知られる貞本義行氏、脚本の監修は前作と同じく伊藤和典氏と川崎美羽氏で、脚本は浜崎達也氏がそれぞれ担当している。 テレビアニメはタイトルが「.hack//Roots」となっているが、「Roots」の意味の1つは「道」。そしてもう1つは「根」という意味で、これはアニメでは「.hack//G.U.」に続く根幹にあたる部分を描いていることから来ているという。シリーズ脚本は川崎美羽氏、キャラクタ監修には貞本義行氏、キャラクタデザインは「.hack//SIGN」と同じく大澤聡氏、監督も同じく真下耕一氏。オープニングテーマは、FictionJunction YUUKAさんの「Silly-Go-Round」、エンディングテーマは、ALI PROJECTの「亡国覚醒カタルシス」となっている。 連続性のあるアニメと、単体で短い時間に凝縮されているゲームという異なるメディアでのリンクについて、東氏は「クロスメディアの最新形を常に現実にしていくのが『.hack』プロジェクトだと思っています。現実の人とネットワークゲームのキャラクタが織り成す、2重構造の人間関係からくる深い物語や、中学生や高校生の心をぎゅっと掴むような感覚の詰まったものを、ゲームやアニメ、コミックなどで楽しんでもらえると、すばらしい1年間を過ごせるのではないでしょうか」とコメントした。 コミックでは、ゲームに先駆けて始まっていることもあり、ネタバレにならないようにアナザーストーリーがメインとなっている。中には前作の新解釈をもとにしたストーリーなどもあり、前作のファンにはぜひ読んでいただきたいとしている。 このほかのメディア展開として、ラジオ「.hack//G.U.」は、文化放送にて4月から毎週日曜夜に放送。パーソナリティは主人公の声を担当している櫻井孝宏氏と榎本温子さん。さらにゲームの中で登場するカードゲームも、そのままカードゲームとして発売されることも明らかにされた。
また、販売店では「.hack」応援店として、全国のゲームショップを「.hack//AccessPoint」として展開。そこでは本作の情報や最新映像のほか、フリーペーパー「.hackey」の配布なども行なわれる。
そして松山氏と原田氏がゲームシステムについて解説した。原田氏はメディアミックスを楽しむために2つの要素を挙げた。1つは「プロジェクトの核となるべきゲームのクオリティとボリューム」、もう1つは「主人公“ハセヲ”を軸に緻密に組み上げられたユーザー視点のクロスメディア」で、これら2つを実現したという。 ゲームが全3巻でリリースされることについては、「単に分けているわけではなく、アニメやコミックなどが継続的に展開される中で、明かされていく『.hack//G.U.』の世界の情報とタイミングを合わせてストーリーを楽しんでもらうため」としている。 さらに「.hack」ならではの挑戦として、「ターミナルDisc構想」を挙げた。松山氏によると、「ターミナルDisc」とは、「Vol.1」に同梱されるディスク。前作から今作の7年の間に「The World」がどのように1度終焉を迎え、そして再誕したのかを、「The World」を制作してきた1人のプログラマーの視点から、彼が生前残した手記をもとに紐解いていく内容になっている。このディスクにはプロテクトがかけられ、全3巻のゲームディスクがそれぞれキーとなっており、ゲームをプレイしていくうちに順次開放されていき、「G.U.」のゲームやアニメ、コミックなどの全ての謎が解き明かされていくという。 ゲームは、前作と同様にゲーム内ゲームとリアルを行き来していく中でストーリーが進行。現実世界では「ALTIMIT MINE OS」という独自OSのデスクトップを操作し、メーラーやブラウザを使って現実世界の情報を得ていく。「The World」の中では、1人のキャラクタとしてMMORPGのように、他のプレーヤーキャラクタたちと会話したり、協力して冒険などをする。 「The World」内では、3Dグラフィックスで描かれた世界の中を自由に動きまわることができる。そこでの戦闘はフィールド画面からシームレスに展開し、アクション性の高い戦いが楽しめる。“誰でも簡単に楽しめるアクション”をコンセプトにしており、複雑なコマンドなく、さまざまなアクションが繰り出せる。また、コマンドを登録する機能も搭載しており、1ボタンでさらに複雑なアクションも可能という。
松山氏の説明は技術的な話題にも及び、「キャラクタの表情を表現するために、アニメとコミックの手法を取り入れた『スーパーフェイシャル』と呼ぶシステムを開発しました」という。会場ではサンプルを放映していたが、最近の3D CGアニメーションとも違い、やや平面に近いアニメのような表情が描かれ、アクションの最中にも表情が変化していたのが印象的だった。
(C) 2006 BANDAI
□バンダイのホームページ (2006年2月6日) [Reported by 滝沢修]
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