★オンラインゲームファーストインプレッション★
コンボが生むスピード感が心地よい
アクション性重視のMMORPG
「デコオンライン」 |
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ジャンル:MMORPG
開発元:Rocksoft
運営:GMOインターテインメント
利用料金:未定
対応OS:Windows 2000/XP
発売日:オープンβテスト中
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「デコオンライン」は韓国Rocksoftが開発し、GMOインターテインメントが日本で運営しているMMORPGである。戦闘に「コンボ」の概念を取りいれ、アクション性の高さをウリにした本作は、格闘ゲームの感覚にも似た爽快なバトルを体験できる。今回は、1月12日より開始されているオープンβテストから本作の特徴を説明したい。
■ 「コンボ」が楽しいアクション要素を取りいれたMMORPG
「デコオンライン」では、武力によって発展してきた「ミレナ」と、魔法によって文明を築いてきた「レイン」という2つの国家が、クライス大陸を舞台にそれぞれの領土を広げていく。プレーヤーはミレナとレインどちらかの国家に所属し、モンスターと戦いながら己の力を高めていく。キャラクタ達はやがて国家を代表して激しい戦いを繰り広げることとなる。
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足下に出る文字に対応するキーを押すことでつながっていくコンボ攻撃。この戦闘の爽快感は、今までの韓国産MMORPGにはなかったものだ |
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パーティープレイでは、ソロでの休憩時間が短縮されて、次々と敵を倒すことができる。そのスピード感はとても爽快である |
こうした背景を持つ本作だが、最大の特徴はなんといってもバトルにおけるコンボシステムだろう。キャラクタがモンスターに攻撃を行なうと、足下に「X」といったように文字が表示される。このキーを押していくことでキャラクタの技がつながり、敵にコンボ攻撃を与えることができる。コンボを成功させると、さらに強力なスキルを使用できる。連続技を相手にたたきつけて強力なスキルでフィニッシュ、敵は大ダメージを受けて倒れる。この爽快感は、戦闘に新しい楽しさをもたらしてくれる。
コンボに使用するキーはZ、X、C、の3つ。各職業で使用できるコンボは違うが、一度押すキーの順番を覚えてしまえば、後はリズムさえ把握すれば誰でもできる。コンボがつながっていくと、足下からオーラがわき上がり、エフェクトも派手になる。また、適性レベルの敵はコンボの一巡で倒せるバランスになっていて、戦闘はとてもスピーディーだ。ぽんぽんとキーを押し、次々と敵を倒せるその感触とリズムは心地良い。
ソードマンは剣を振り下ろし、さらになぎはらい、突く。素手で戦うシャーマンは素早いパンチや回し蹴りを使い、マジシャンはエネルギー波を多彩なポーズで敵にぶつける。キーと連動してキャラクタは様々なモーションで攻撃を繰り出す。そのアニメーションはスピード感と相まってとてもカッコよく、キャラクタとの一体感を味わえる。
ただ、敵からのダメージが全体的に大きく、適性レベルの敵とギリギリの戦闘が楽しめるバランスになっているのだが、コンボによって戦闘のスピードが短縮されているために、ヒーリング時間ばかりかかる印象がある。
しかし、パーティーを組んだ場合にはこの待ち時間が激減する。特に攻撃を専門に行なう前衛と、回復する後衛の息が合えば、非常に速いペースで大量の敵を倒すことができる。戦場を走り回って次々と敵を倒していくそのスピードは、コンボによるリズム感も加わって、本作ならではの爽快感を生む。この感覚は多くの人に体験してみてもらいたいところだ。本作のコンボシステムからは、韓国産MMORPGに新しい流れをもたらそうというスタッフの気合いを確かに感じる事ができた。
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連続攻撃を当てた後にスキルでフィニッシュ。適性レベルの敵はこの攻撃で倒れるようなバランスに設定されていて、コンボを最後まで成功させたという小さな達成感も得られる。1回の戦闘はとてもスピーディーだ |
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レベル10までは訓練場で基本操作を学ぶチュートリアルとなっている |
1回の戦闘が早いので、なおさら体力回復時間が長く感じてしまう。敵のダメージを小さくしたり、回復時間を上げたりといったバランス調整の必要を強く感じた |
年末に行なわれたクローズドβテストでは、街にクリスマスの飾り付けが行なわれていた |
■ 2つの国家を象徴するユニークなキャラクタクラス
「デコオンライン」のキャラクタは訓練場での修練を経て、様々な職業に就く。ミレナならソードマンかアーチャー、レインならばマジシャンかシャーマンである。これらの職業が1次職となっていて、さらにキャラクタのレベルが30になると2次職に転職できる。
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アーチャーは、コンボではなくゲージによる攻撃を行なう。他の職業とは一味違ったシステムを採用している |
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プロイマを自らに憑依させるシャーマン。キャラクタのアクションやグラフィックス、そして街のデザインなどにも本作ならではのセンスが感じられる |
ソードマンはその名の通り剣を扱う職業であり、パーティーの盾として、モンスターを華麗な連続攻撃で切り刻む。素早い片手剣か、大きなダメージを与えることができる大刀を扱うことができ、スキルを育てていくことで両者の違いははっきりしてくる。レベル30になると攻撃力の強い「スレイヤー」か、防御力の高い「ナイト」、トリッキーな戦いを得意とする「マーシナリー」に転職できる。
アーチャーは、ミレナでは後衛に当たる役割を持っており、魔法の矢で対象を射ることで相手の体力を回復できる職業である。攻撃に関しても大きな特徴があり、他の職業の攻撃がキーをリズミカルに押していく方式であるのに対し、画面下のゲージを設定されたポイントで止める、というものになっている。アーチャーだけ、まったく別な攻撃システムを採用しているのだ。個人的にはベストポイントにゲージを止めるのがなかなか難しく、他の職業よりテクニカルだと感じた。レベル30で仲間の力を増したり、敵の魔法を妨害する対魔法のエキスパートである「スナイパー」に転職できる。
マジシャン魔法の力である「プロイマ」を使う魔法の専門家だ。本作の魔法使いは、連続攻撃を使いこなす活動的なイメージがある。マジシャンはコンボで光の弾をぶつける基本攻撃の他に、火、雷、氷や巨石をふらせる魔法など多彩なスキルがある。初期から多彩なスキルが与えられるので、どういった戦いをするかいろいろ模索する楽しさがある。回復のスキルも持っていて、シャーマンの心強いパートナーとなってくれるだろう。マジシャンの転職は攻撃魔法に特化した「プロミナス」、強化魔法を得意とする「ホーリーアベンジャー」、回復魔法に強い「プリースト」の3つから選択できる。
魔法の研究が盛んなレインで、格闘を得意とするシャーマン。彼らはプロイマを自らの身体に憑依させることで身体能力を強化し、五体を武器と変える。宙に浮いた水晶玉を持ち、華奢な身体で強力な攻撃を繰り出すシャーマンは、本作ならではのユニークな職業であり、レイン側の前衛として活躍する職業である。転職後は「サイキー」となり、よりスピードを上げた攻撃や、広範囲への攻撃能力を獲得する。
現在調整のため実装されていないが、キャラクタはレベル25になるとサブ職業に就くことができる。サブ職業には武器を作る「ウェポンクラフト」、防具を作る「アーマークラフト」、そして装備を強化する「エルダクラフト」の3種類がある。原料はモンスターからドロップされるアイテム、制作を成功させるためには、ミニゲームをクリアする必要がある。このミニゲームは図形に対応するピースを選ぶという単純なものだが、焦るとなかなかうまくいかない。生産系のスキルは使うほどに上昇していくので、育てるためには膨大な材料が必要となるだろう。
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敵の頭上に巨石を落とすマジシャン。他にも敵を炎で包んだりと、多彩なスキルを持っている |
両手剣でパワフルな攻撃を行なうソードマン。スピード重視の片手剣と、どちらのタイプにするか悩むところだ |
アーチャーは回復の矢を仲間に打ち込むことができる |
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ミレナ側の上級職。レベル30で転職できる。ソードマンは3タイプあるのに比べ、アーチャーは1タイプである。スキルの育て方でもキャラクタ性は変化してくる |
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レイン側はマジシャンに選択肢が多い。1アカウントで3キヤラクタまで作成できるので、様々な職業のキャラクタを楽しむことができそうである |
■ 数々の未実装の要素、今後どのような特徴を出していくかが課題か
ゲームをスタートするとプレーヤーはそれぞれの街に降り立つ。ここを拠点にキャラクタを育成していく。街の外にはクエストを売っている「任務伝達員」がいて、彼からスクロールを購入し、それに対応するモンスターを倒すことでより効率的にキャラクタを育てることができる。
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クエストは何度でも挑戦でき、対象モンスターが重なることも多いので積極的にこなすことでたくさんのボーナスを得ることができる |
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キャラクタはいつでも対戦場に入場することができる。レベルに合った相手と対戦できるが、まだほとんど活用されていないようだ |
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クローズドβテストで体験できたサブ職業。ミニゲームをクリアすることで生産が成功する |
モンスターにもレベルが決められていて、プレーヤーはこれを目安に敵と戦っていけばいいだろう。モンスターは同じ種類でもレベルが少し高かったり、アイテムを多く持つ色の違うモンスターなどもいる。また、その地域独特のボスモンスターもいて、単調になりがちの狩りにアクセントを加えてくれる。
ソロプレイでは、やはり休憩時間が長くなってしまうのが気になるところだ。パーティーを組むと、ソロとは全く違う速いペースで狩りができる。20レベルを超えたあたりから、パーティープレイが中心になりそうだ。複数のクエストを受けてボーナスもきちんともらうことも心がけたい。
コンボシステムによる狩りの爽快感は今までの韓国産MMORPGにはないものがあり、新鮮だ。しかし、しばらく本作をプレイすると、もの足りなくなってくるのも確かである。現状では、本作はやれることが極端に少ない。生産すら再調整のため見直され、実装が見送られている。対戦要素は入れられているが、キャラクタの職業バランスが取れていないためか、戦っている人はほとんどいない。
モンスターやNPCが実装されていないと思える地域も多く、安全な観光は楽しめるが、本作がまだまだ未完成であるというイメージが強い。「デコオンライン」では今後、ミレナとレインの国家間の争いや、ギルドシステム、経済システム、さらにプレーヤー達の手でオリジナルの街を作ることも可能になるという。
韓国産MMORPGはここ数年で急速に発展を遂げ、多くのタイトルが生まれた。世界観と展開するストーリーに魅力のある「マビノギ」、異種族間のRvRにゲームの目的が集約している「RF Online」、実在の地名と交易システムを持つ「シルクロードオンライン」……ファンを魅了する作品には、明確なテーマがある。
対人戦の深化や、経済システム、街を作るシステムなど、「デコオンライン」に実装が予定されている要素にも魅力的なものはあるが、筆者は本作ならではの「コンボシステム」の更なるこだわりを期待したい。現在のコンボシステムは、残念ながら通常攻撃をボタンを押していることで行なっているにすぎない。コンボで攻撃することが必須になってしまっていて、プレーヤーに他の選択肢がないのである。
コンボを途中で分岐させることでより効率的に戦ったり、パーティーでしかできないコンボがあったり、他のプレーヤーと連携したりと、コンボにはまだまだ発展する余地があり、様々なアイデアが考えられるだろう。日本では格闘ゲームに限らず、アクションゲームやパズルゲームにすらコンボが存在する。また、コマンド技などはRPGにも取りいれられている。本作のコンボはどうすればもっと楽しくなるか? 多くのアクションゲーム、格闘ゲームをプレイしてきた、日本のユーザーならばより魅力的な、洗練されたアイデアを提示できると思うのだ。
韓国からのコンテンツを一方的に受け取るだけではなく、日本の多くのゲームをプレイしてきたユーザーがアイデアを提案し、GMOが開発との橋渡しをすることで、更なる発展を遂げることこそが、韓国産MMORPGが日本で展開している意味だと筆者は思っている。コンボに限らず、ユーザー間でのよりよいゲームの方向性への議論が活発になることに期待したい。
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オープンβテストで追加されたNPC。現在公式ページで日本オリジナルストーリーが展開しているが、クエストなどにも反映してもらいたいところだ |
「デコオンライン」では、宝箱もコンボ攻撃で開く。箱には不気味な顔が書いてあったり、本作は小さな所に特にセンスを感じる |
一般的なモンスターを強化したボスモンスターも存在する。沢山のアイテムを持っているのでレベルを上げて挑みたい |
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ミレナ側のフィールドはどこか荒涼としたイメージが強い。火山地帯ではドロドロした溶岩も流れており、観光で仲間と来たいところである |
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レイン側は雪原と南国を思わせる海のフィールドがあるという奇妙な構成になっている |
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【デコオンライン】
- CPU:PentiumIII 733MHz以上(Pentium4 1.8Gz以上推奨)
- メモリ:256MB以上(512MB以上推奨)
- HDD:1GB以上
- ビデオカード:VRAM 32MB以上(64MB以上推奨)
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□GMOインターテインメントのホームページ
http://www.gmo.jp/
□「デコオンライン」のページ
http://www.deco-online.jp/
□関連情報
【1月11日】GMOインターテインメント、MMORPG「デコオンライン」
オープンβテストを1月12日より開始
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20060111/deco.htm
【2005年12月16日】GMOi、MMORPG「デコオンライン」のクローズドβテストの募集を開始
ギルドで都市が建設できる「フロンティアシステム」が魅力
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051216/decoon.htm
(2006年1月26日)
[Reported by 勝田哲也]
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