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開場:新宿ピカデリー1
「KOF忘年会」は、昨年シリーズ10周年を迎えた「KOF」シリーズの記念イベントとして開催され、今年が2回目となるイベント。昨年はテアトル新宿で約200人のファンが夜通しのイベントを楽しんだが、今年は客席数が約4倍の800席があるテアトル新宿で開催。23日0時30分から朝7時までという深夜のイベントながら、翌日が祝日ということもあり、ほぼ満席状態となった。 ところが今年は、イベント開始前から大ハプニングが発生。この日は関西や中部地方を含めた多くの地域で、12月としては記録的な大雪となった。交通機関は大きく乱れ、本社を大阪に置くSNKプレイモアから向かうスタッフの多くが足止めされ、イベント開始時に到着できないという事態に陥った。
中でも今回、大阪からのスタッフに加え、ファン30人を乗せて東京へ向かう予定だったバス「ファルコン号」は、岐阜と名古屋の間で高速道路が通行止めとなったため、イベント終了時刻にすら間に合わなくなってしまった。やむなく、一部スタッフとファンの希望者は、急遽、新幹線に乗り換え。それでもイベント開始には間に合わず、今回の目玉の1つだった、PS2用の新作「KOF MAXIMUM IMPACT 2(MI2)」もディスクが届かないなど、序盤はスタッフも大慌ての進行となっていた。
■ 新顔の「MI2」とシリーズおなじみ声優陣のトークショー 今回のイベントでは3つのトークショーが実施された。まず最初は「MI2」から、アルバ・メイラ役の佐藤佑暉さん、ソワレ・メイラ役の服巻浩司さん、ナガセ役の谷藤リョーコさんの3人が登場。各キャラクタを演じてみた上での印象などを語った。 佐藤さんはアルバについて、「顔に似合わず心優しい」ところを紹介。ただサングラスに隠された素顔は気になる様子で、「取った顔はどうなるの?」とスタッフに聞いたことがあるそうだが、教えてくれないのだそうだ。 服巻さんはソワレを「熱血漢だけど喋ると青臭い。感情が全部表に出ちゃう」と一直線な性格を解説。また自分と似ているところとして、「女の子好き。私もバイクに乗ってて女の子を見てて3回事故りました」と笑えないジョークも飛び出した。 谷藤さん演じるナガセは、「MI2」で初登場となるキャラクタ。一言でいうと「秋葉系忍者」だそうで、趣味はブログという、格闘キャラクタにしては変わった設定だ。性格は勝気で意地っ張り。谷藤さんは、「とにかく口が悪いです。ツンデレですかね?」とナガセの魅力を語っていた。 また3人とも共通して、10年以上の歴史を持つ「KOF」シリーズに出るという緊張があったという。佐藤さんは「初代から長年出ている人がいる中での役作りが難しかった」と話していた。特に「MI」シリーズは今のところPS2のみ、しかも3Dと特殊な位置づけのタイトルだけに、その主人公となれば演じ方も難しくなるのだろう。
今後、「MI」シリーズがどうなっていくかは、演じているお三方にもわからないところ。「歴史の重みを感じつつ、これからの10年、20年に関わって行きたいです」(服巻さん)、「ヒヨッコの私ですが、ナガセともどもかわいがってあげてください」(谷藤さん)とファンへ挨拶した。
トークショーの第2部は、草薙京役の野中政宏さん、八神庵役の安井邦彦さん、アテナ役の池澤春菜さんが登場。「KOF」ファンにはおなじみの3人だけあって、来場者からも飛び切り大きな拍手が起こった。特に安井さんは、登場するだけで女性ファンから大きな歓声が上がるほど、相変わらずの人気ぶり。ちなみに野中さんも雪で足止めされたらしく、ギリギリで会場に到着。出てくるなり、「山から下りてきました」とジョークを飛ばしていた。 昨年に続いての登場ということで、自己紹介もほどほどにファンからの質問に答えた。「思い出の品は何ですか?」という質問に3人とも揃って答えたのが、'98年から開催された「DJ Station Live」。野中さんは「誰もノウハウがなくて、何がどうなっていくのかさっぱりわからない状態。でも当時が一番盛り上がってました」と当時を懐かしんでいた。 池澤さんは、CD「DJ Station」の思い出話を披露。「色んな世界を旅するという設定で、ガヤ(周囲の音)を撮る時に、『はい皆さんこれからインド人になってください』って言われて、みんなマイクの周りをうろうろしながら『ナマステ、ナマステ』って言ったりして。そうしたら『はい次は中国です』って……。企画の段階で誰か止めないの? と思いましたけど、誰も止めないまま進んだのが『DJ Station』でしたね」と凄い状態での録音の様子を語った。CDを持っている人はぜひ一度、ガヤをしっかり聞きなおしてみていただきたい。 安井さんは思い出の品として、会場に一着の真っ赤なシャツを持ち込んだ。「これ何かわかる?」という問いかけに、会場のファンのひとりが「DJ Stationの衣装!」と答えて大正解。折り目も綺麗で数年前のものとは思えない品だったが、「僕が持ってても10年綺麗にたたんで仕舞っておくだけなので」と、その場で正解者にプレゼントしてしまった。
さらに「久々に歌を聴かせてください」というお願いが飛び出すと、池澤さんが懐かしの曲「PRESENT-HOLIDAY」のサビをアカペラで披露することに。これを聞いて野中さんが「忘年会に歌はつきものでしょう」と舌を滑らせると、すかさず池澤さんから「じゃあ歌ってよ!」とツッコミが。結局、野中さんと安井さんもアカペラ、しかもペアで1曲を歌い上げた。
■ 「MI2」開発陣によるトークショー 最後のトークショーには、イベント当日に初めて公開された「MI2」の開発陣から、今作で初めてプロデューサーを務めるFALCOON氏と、同作のシナリオなどを担当した嬉野秋彦氏が登場。開発中の「MI2」の魅力を語った。 まず開発の現状について、「開発は70%くらい」と答えたFALCOON氏。2004年春発売に向けて、順調に進んでいるようだ。 開発のポリシーについては、主に2つの点が語られた。まず1点は隠し要素の増強。「前作は隠しキャラがいなくて、すごく責められた。今回は隠し何とか、をふんだんに盛り込もうとしている」とFALCOON氏が語った。隠し要素としてはキャラクタだけではなく、演出やステージといった言葉も聞かれた。やはり長く遊べる仕掛けを盛り込みたいという狙いがあるようだ。 そしてもう1点はストーリー性の強化。こちらは嬉野氏から、「今回はフルボイスで演技させる」と語られた。音声だけで数時間にも及ぶそうで、格闘ゲームとしては異例といってもいいボリューム。FALCOON氏も「掛け合いもドラマを見ているような気分。僕は何度も見てるので、飛ばしたくなるんですが(笑)。びっくりするほどの量がある」というほど。 トークの合間には、オープニングのCGアニメーションと、ゲーム画面が収められたムービーが公開された。ムービーは現在公開可能な24人のキャラクタが全て収められたもので、アクションシーンだけでなく、掛け合いのシーンも多数見られた。各キャラクタの関係をきちんと考えて作ってあり、シリアスあり、ギャグありでかなり楽しめる。全てのキャラクタの掛け合いを見るのは大変だろうが、「KOF」ファンならばそれだけで十分な価値が感じられそうだ。
さらにトークは他のタイトルにも展開。「次の3Dゲームは何ですか?」という質問に、「『サムライ』は黒い歴史があるんで……。個人的には『ワーヒー』の3Dがいいですね。版権は他所ですけど」と言いたい放題のFALCOON氏。昨年の「KOF2004は出ません」に続く爆弾発言は聞けなかったが、こういった深夜のイベントでしか言えない無茶なトークで大いに笑わせてくれた。
■ 美形キャラ3人で大いに沸いたクイズ大会
このクイズ大会の司会は、知る人ぞ知る「美形会議」が担当。妙にハスキーボイスのアンディ、あまりにコテコテすぎる関西弁のロバート、ほぼ吐血するだけの右京が会場を大いに沸かせた。しかしアーケード版の最新作「KOF XI」には3人とも登場しておらず、「MI2」にも今のところリストアップされていない。それを受けてロバートが「KOF忘年会っちゅーか、KOFお通夜?」とつぶやくなど、早朝というべき時間にも笑い声が絶えないクイズ大会になった。
クイズの内容は昨年同様、初代からずっと遊んでいるファンでさえも頭を抱える難問が続出。しかも予選のように3択ではなく、直接回答の筆記問題ばかりとあって、つわもの揃いの決勝進出者も相当悩んでいるようだった。
ほかにも、映画館の巨大スクリーンで見る、KOFアニメのプレミア試写会や、「KOF XI」と「MI2」のゲーム大会などが次々と行なわれた。またホールの外では、遅れながらも何とか間に合った「MI2」の試遊台が複数並び、休憩時間には多数のファンが集まって試遊していた。 □SNKプレイモアのホームページ http://www.snkplaymore.co.jp/ □関連情報 【11月25日】SNKプレイモア、プロダクションI.G.制作のショートアニメ 「ザ・キング・オブ・ファイターズ」をオンラインで無料配信 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20051125/kofani.htm 【2004年12月22日】SNKプレイモア、シリーズ10周年記念「KOF忘年会」を開催 「KOF2004」は出ない! 別の「KOF」の開発は順調 http://game.watch.impress.co.jp/docs/20041222/kof.htm (2005年12月26日) [Reported by 石田賀津男]
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