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価格:未定
「ロスト プラネット」は、Xbox 360向けのアクションシューティングとして、2006年度の冬に発売を予定しているタイトル。エグゼクティブ プロデューサーに同社の稲船敬二氏(『ロックマン エグゼ』シリーズ、『鬼武者』シリーズ)、プロデューサーに竹内 潤氏(『鬼武者3』、『バイオハザード5』プロデューサー)、ディレクターに大黒健二氏(『鬼武者』、『鬼武者3』プランナー)と、ヒット作を手がけてきたスタッフが集結。発表会には、稲船氏が出席した。
上映されたプロモーションムービーでは、巨大な「エイクリッド」に立ち向かう主人公が、「VS」に乗り込んで戦うシーンなどが上映されたが、ほかにも、個体は小さいながらも、画面を覆いつくす「エイクリッド」の大群との戦闘など、見所は多いようだ。グラフィックス的にも、セルフシャドウをはじめとしたテクノロジが存分に見受けられる、リアリティを感じさせながらも、SFテイストにあふれるビジュアルが印象に残った。 稲船氏によれば、本作はFPSで、マルチプレイが堪能できることを目的に制作されているという。「今まで、ゲームにおいてちゃんとしたSFはヒットしていない。『鬼武者』を作った当時も時代劇はヒットしていなかったが、時代劇をヒットさせたいということでサムライ物を作ったら、一時期サムライブームのようになった時期もあった。SFも映画ではヒットするが、ゲームではなかなかヒットしないので、どうしてもヒットさせたいということで、大きなスケールで作っている。挑戦好きなので、新たな挑戦になっている」と意気込みを語った。
さらに、「本作のポイントとしては、Xbox 360では必ずやりたかったオンラインによるマルチプレイをふんだんに取り入れている。ネットワークプレイはまだ広がりきっていない。マイクロソフトさんはXbox Liveで真剣に取り組んでいるので、たくさんの人間と協力したり戦うということをやっていきたい。カプコンとしても『モンスターハンター』などで、オンラインゲームに取り組んできた。今回、その集大成ということで、『ロスト プラネット』で押していきたい要素」と述べた。 ■ 稲船氏も敬服するイ・ビョンホン氏の演技に注目
稲船氏は、イ・ビョンホン氏の起用について、「このゲームは、ロボットとエイリアンが出てくるということで、ロボットが出てくるだとかエイリアンを倒すだけのアクションゲームとして見られがちだけれども、ストーリー的に凝っているし、人間ドラマであったり、人間の感情や葛藤といったあたりを盛り込んでいる。この人間ドラマの部分をちゃんと伝えたい、ということで、人間の演技がきっちり出てくるほうが伝えやすいということは『鬼武者』を制作していたときにも感じたこと。 今回、イ・ビョンホン氏の映画やドラマを見させていただいて、演技力があり、感情をうまく表現できると感じた。彼に参加してもらえば、このゲームがよりいいものになるんじゃないかと思っていた。そのころに彼がゲームに興味があるというウワサを耳にして、会う機会を設けていただいたところ、実際にゲームに興味をもっていただいていたこと、ゲームでこういったチャレンジをしてみたい、ということで、一緒にゲームを作って行けるんじゃないかと。ゲームが好きでないとちゃんと参加できないので、彼の意見も演技も取り入れていきたいということで、やってみようとなった」と語った。 イ・ビョンホン氏も「もともと、『バイオハザード』や『鬼武者』など、数カ月のめりこんでしまったぐらいゲームが好きだった。ゲームをプレイするたびに、ああいったキャラクタに自分がなれたら楽しいだろうな、と実は思っていた。そういった矢先に稲船さんとお会いできて、新しいプロジェクトに使っていただけるということで、偶然の一致ということですばらしいなと思った」とこのプロジェクトへの参加経緯を述べた。 実際の映像を見て、イ・ビョンホン氏は「まだテスト中なので、今回の映像はまだ時間がない中での作業ということで、細かいところはまだ調整が入る。特にディテールの部分を煮詰めていく作業になる。どういったゲームになるか私自身楽しみにしている」と期待を語ってくれた。 稲船氏も「主人公が記憶喪失という設定なので、特に序盤は抑えた演技が必要となった。ストーリーが進行するにしたがって、だんだん記憶がよみがえってきて、演技が激しくなってくるが、そこを彼の演技力で演じていただければなと願っている」と期待を続けた。 初のゲーム参加となった今作は、イ・ビョンホン氏にとって興味深い仕事ができているようだ。途中でメイキング映像が会場で上映されたが、3Dスキャンで自らの顔モデルができあがるさまをモニターを覗き込むなど、真剣かつ楽しんでいる様子が伺えた。常に笑顔で接していたことに関して、氏は「周りにあるものすべてが珍しかった。すごく不思議だったのが正面から撮影しただけで後ろからの映像も作られていたこと」と感想を述べていた。 ただ、今回はゲームに必要な演技をしなければならないということで、「映画ならストーリーが決まっているし、そのシーンの雰囲気や相手役がいることで状況設定がわかった上で感情移入するので比較的やりやすいのだが、今回は、私が座っている隣で、『ここは笑ってください』とか、『相手を信頼しているような表情をしてください』と指示されるのだが、なにせこちらはすわったままなので、戸惑いながら苦労して演技しました」と、参加当初はゲームならではの苦労もあったようだ。 ただ、「俳優というのは、状況の説明をしてもらえると感情表現がしやすい。今回、『こじつけでもいいからなるべく詳しく教えてください』と頼んだところ、すごくディテールを詳しく教えていただいたので、演技しやすかった」と述べていたことから、スタッフとの連携もうまくいっているようだ。 稲船氏も「演技に対する真剣さを感じられる質問がすごく多かった。本当に微妙なところに演技の重要さみたいなものを持っている方なんだなと感じた。僕たちもできるだけ説明させていただいた」と、手ごたえを感じていたようだ。「人間ドラマの部分はこれからのゲームではよりしっかり描いていきたいし、ドラマや映画で活躍している方に参加していただく限りは、映画やドラマに近い形にしていきたい」とイ・ビョンホン氏の演技の重要度をアピールしていた。
「最初にこのタイトルにほれ込んだ理由は、自分の好きなジャンルのゲームであることもあったが、最初にストーリーを聞いたとき、まるで1本の映画を見るような感覚を味わったこと。これは映画にしても遜色のない、完璧なすばらしい内容になるのではないかと思っている」とイ・ビョンホン氏も絶賛するストーリー。稲船氏も彼のほれ込みぶりに、「がんばらないと」と発奮していたようだ。
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□カプコンのホームページ (2005年12月10日) [Reported by 佐伯憲司]
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