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12月8日 発売予定
価格:5,229円
ゲームはミッションクリア形式で進展していく。ミッションの前にはブリーフィングがあり、そこでデッキ(複数のカードを自由に組み合わせて作ったもの)を編集することができる。そのデッキから排出されたカードを攻撃や移動に使いミッションクリアを目指す、というのがゲームの流れだ。
また、総数500枚を超えるカードの収集もゲームの醍醐味。コナミの作品「メタルギア」シリーズや「ポリスノーツ」に登場するキャラクタのカードもあり、その種類は実に多彩でコンプリート欲をそそる。カードは獲得ポイントを使用し、ゲーム内のカードショップで購入することができる。シングルカードだけでなく、実際のトレーディングカードのブースターパックのようにカードが数枚入ったパックを買うことができる。レアカードの封入率は低く、何度も何度もパックを買いたくなる……トレカファンのツボを突いた方式といえる。
移動、攻撃についてはゲームスタート時にチュートリアルステージ(スキップ不可)がある。実に簡潔かつ親切なチュートリアルで(しかもカード獲得のポイントがもらえる)、説明書を読まされることなくゲームを遊ぶことができるだろう。 手札のカードを消費して移動するのが「MGA」の伝統。ほぼ全てのカードはそれ自身のカードの効果だけでなく、「MOVE」を選択することによって移動できる。前作とは異なり、ホフク状態になる、またはホフクからの立ち上がり、ハシゴなどが1カードで移動できるようになったのもありがたい変更だ。
無論、攻撃にもカードを使う。武器による攻撃はWEAPONカードから「USE」または「EQUIP」を使用する。武器カードを使うと派手な攻撃の演出が入る。銃器だけでなく、「首しめ」カードのような格闘戦用も存在する。
それでは、コストについて紹介しよう。敵も味方もすべてのユニットはカードを使用すると、その行動の重さとしてコストがプレーヤーの現コストに加算される。コストはターン経過と共に減少し、0になると自分のターンとなる。つまり、コスト値が少ない=自分の行動ターンが早く回ってくる、ということだ。
コスト減少のカードを使うなどしてコストを減らせば、敵のターンを飛ばして連続してプレーヤーのターンが回ってくる。スニーキングでミッションをクリアしたい場合は、コストの少ないカードをデッキに多く入れるなどして対応したい。
MGA2開発者インタビューPart1 |
株式会社コナミ「メタルギア アシッド2」ディレクター
■ 「MGA2」のゲーム性を受け止めるアメコミ調グラフィック
――最初に野尻さんの経歴と「MGS2」での役割を教えてください。
野尻: 私は小島組(現小島プロダクション)に企画として入りました。初めての仕事はPS「ポリスノーツ」のスクリプトスタッフ、それからゲームボーイ版の「メタルギア ゴーストバベル」のディレクターをやらせていただきました。それからPS「メタルギア ソリッド2」のスタッフ、GBA「ボクらの太陽」の企画を経まして、PSP「MGA」のプロジェクトを立ち上げたのが去年の話ですね。「MGA2」ではプランナーとして基本的なゲーム企画と、シナリオのテキスト全般、進行管理を担当しました。
――前作「MGA」からわずか1年での続編リリースですが、「MGA2」の制作期間はどのくらいだったのでしょうか?
野尻: 実は、今年3月までは「MGA」の欧州版を制作してたんですよね。その前から準備はしていたのですが、実際のスタートは4月くらいで、ついこの間までやっていましたから、制作期間は実質6カ月ですね。うちのチームのスタッフは優秀で、ゲームの開発風景によくある「まだできてません!」というトラブルがなかったのが助かりました。8月の終わりまでにすべてのデータは納品できてましたから。スタッフには本当に感謝しています、これは大きく書いておいてください(笑)。
――特記させていただきます(笑)。今回様々な点で「MGA」から変更が加えられましたが、その中でもなぜグラフィックのタッチを変更したかについて教えてください。
野尻: 「MGA」はまだ「メタルギアソリッド」シリーズの伝統に従っていて、携帯機のために新しさを目指したわりには絵が同じ、というある意味バットが振り切れてなかった。そこで「MGA2」は絵的なものから路線を大きく変えてしまうことを目指しました。
言ってみればバットをフルスイングした「MGA2」。その突き抜けたグラフィックには迷いが見られない |
――「MGA」シリーズのゲーム性に合わせた、というのもありますよね。
野尻: そうです。「メタルギアソリッド」シリーズはステルスゲームなので、兵隊は背景に溶け込まなければいけない。つまり、絵的にリアルでなければならないという制約があると思うんです。そういう意味で考えると、「MGA2」はそんなに闇に溶けるゲームではなくて、カードを使ってなんぼ。このタッチの絵は、たくさんのカードを使いたい気分にさせることに適した絵になったと思います。
――サウンドに関しても、前作のアレンジ曲などがあって聴き応えがあります。
野尻: 今回の「MGA2」のサウンドには来年発売される「DDR北米版」に採用が予定されてるアッパーな曲や、トランスをメタルギア風にアレンジしている曲、先ほど言われたような「じつはこの曲は前作に使っている曲をそのまま編集して入れてるんだけどわかる?」みたいな仕掛けのある曲を用意しました。もちろん前作や「メタルギアソリッド」シリーズのエッセンスを踏襲した曲もあるので、幅広い層の方に楽しんでいただけるのではないかと思っています。
■ アイドルを立体映像で見せたかった、「とびだシッド」誕生秘話
野尻: キャラクタを新しくする、カード枚数を増やす、ということは誰でも新作として予想できるエリア。ただ、それだと企画の私としては面白くない(笑)。何か予想外の事をやってやろうとして、立体映像の企画を出したのです。私はPSPを見たときにこれならば立体映像の機構が安く作れる、いつかは商品にしてやろう、と思っていたのです。
夏休みの宿題を思わせるプロトタイプ。素敵すぎる |
野尻: まだプロジェクト的にも何も正式ではないときに、私が東急ハンズに行ってレンズとボール紙で作った「野尻スーパー3D☆1号機」です。この頃は立体とか言ってもあまり相手にされなくって……。プログラマーの小林(将)君と宮内君とで同好会のように作っていたんですよ。やっとこさ、日の目をみたというわけです。
――立体に見える原理はどういうものなのですか?
野尻: とびだシッドの原理自体はそれほど難しくはないです。ステレオ平行法です。左右の眼に、それぞれ左右用の映像を見せると、人間はそれを立体と認識します。立体映像機構は安い物になるともう赤青メガネレベルになってしまいますが、「とびだシッド」は低コストでフルカラーで提供できて、社内的にも商品として価値がある。ある意味、ハイテクとローテクの融合ですよね。
――なるほど、では一体何を立体にしてユーザーに伝えたかったのでしょうか?
野尻: 前作開発中に初めてPSPのモニターに「MGA」の画面が映ったとき大変感動したんですけど、その中で一番嬉しかったのがアイドルのムービー(※グラビア雑誌「sabra」とのコラボレーションで、アイドルカードを使用するとアイドルの実写ムービーが流れた)を見たときだったんですよ。ただ、その時に悔しかったのが、私たちはムービー作成のためにアイドルに会う気が満々だったのに、sabraさんからはminiDVを渡されて終了。「あれっ? 何のためにこの企画をやったのか? それなら、「MGA2」では撮影をしなければ行けない状況に持ち込んでしまおう」とリベンジに燃えまして(笑)。
――そこでとびだシッドの立体の企画を持ち込んだのですね(笑)。
とびだシッドアイドルについて力説する野尻氏。同席されていた女性の方々は軽くヒイていた |
――たしかに、アイドルムービーの立体感は「え、この機構でここまで!?」という飛び出し感があります(笑)。ところで、前作では雑誌「sabra」を買うか、「MGS3」をプレイしてパスワードを入手しないと出ないアイドルカードでしたが、今回はどうなりますか?
野尻: 今回は40以上のアイドルカードを収録していますので、普通にやっていてもセクシーなムービーに辿りつけると思います。ただ、コンプリートしようとなると、他とのリンクが必要になってくるかと思います。あと、PS2「メタルギア ソリッド3 サブシスタンス」の中でアイテムとして「カメラ」が手に入るんですよ。そのカメラで撮影した画像をUSBケーブルでPSとPSPを接続して転送すれば、サブシスタンス中の好きな場面を立体で見ることができるようになります。ぜひリンクして遊んでいただければと思います。それと、スペシャルムービーとして「メタルギアソリッド4」と「ランブルローズ」の映像も収録しています。見てみますか?
――(ソリッドオン)「PLAYSTATION 3」のロゴが出て……TGSで放映していたトレーラーが流れてますね。老いたスネークや背景が立体的に浮き出て見えます。
――なるほど。ところで、携帯機として屋外でソリッドオン(装着)するとちょっとだけアブノーマルなルックスになりますよね(笑)。
野尻: ちょっぴり怪しいですし、事故に遭われたら困りますので外ではソリッドオンしないようお願いします(笑)。電車の中でも止めてください(笑)。「とびだシッド」が無くても本編は遊べますので、「とびだシッド」は家族には内緒でこっそり自分の部屋で堪能していくのが正解です。
――インタビューPart1はここまで。Part2もお楽しみに。
(C)1987 2005 KONAMI
□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□小島プロダクションのホームページ
http://www.konami.jp/gs/kojima_pro/
□「メタルギア ソリッド」の総合サイト
http://www.konami.jp/gs/game/mgs/
□「メタルギア アシッド2」のページ
http://www.konami.jp/gs/game/mga2/
□関連情報
【2005年8月26日】コナミ、PS2版「メタルギアソリッド3 サブシスタンス」と
PSP版「メタルギア アシッド2」の情報を公開
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050826/mgsa.htm
【2005年5月18日】小島プロダクション発足、PS3「メタルギアソリッド 4(仮)」
PS2「メタルギア ソリッド3 サブシスタンス」、PSP「メタルギア アシッド 2」を発表
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050518/mgs1.htm
(2005年12月8日)
[Reported by 福田柵太郎]
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