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G★2005現地レポート

NCSoftブースは、ポータルサイトPlayNCを大きくアピール
「Smash Star」他、カジュアルゲームを中心に出展

11月10日~13日開催(現地時間)

会場:韓国国際展示場

 G★2005のNCSoftブースはオンラインポータルサイトPlayNCの存在を大きくアピール、ロボット対戦アクションゲーム「Exteel」、テニスゲーム「Smash Star」、スノーボードレースゲーム「SP JAM」、対戦シューティング「Toy Strikers」とポータルのコンテンツ5タイトルを出展、MMORPは「CITY OF HERO」の1タイトルのみを出展した。

 今回のNCSoftのブースでまず気になったことは、「Lineage II」のコーナーがなかったこと、そしてカジュアルゲームを前面に出していることだった。E3や東京ゲームショウなどで出展していた「MMORPGメーカーとしてのNC」ではなく、全く新しい1面を見せて来場者を迎えていた。


■ カジュアルゲームポータルを立ち上げ、大きな転換点を迎えるNCSoftの戦略

 NCSoftはゲームポータルPlayNCを立ち上げ、カジュアルゲーム路線を積極的に打ち出している。このゲームポータルは、韓国のユーザー達が「Lineage」や「Lineage II」といったMMORPGの合間にカジュアルゲームをプレイしているという現状に、“すべてのゲームをNCSoftの作品で楽しんでもらいたい”という思いからスタートしたという。今回出展したカジュアルゲームのタイトルはすべて自社開発である。

ブースは大人気
「CITY OF HERO」はブース内で大がかりに出展
 韓国ではカジュアルゲームは大作MMORPGより低い技術で制作されているといった認識がある。NCSoftはそのユーザーの認識を打ち破るために、自社のカジュアルゲームを「ミドルコアゲーム」と呼び、スタッフを集結させ、質の高いカジュアルゲームの制作を目指している。今回出展されたタイトルは「CITY OF HERO」以外は、すべてPlay NCのコンテンツである。今回の出展はNCSoftが「MMORPGメーカー」だけではなく、新しい側面を持っていることを大きく主張したといえるだろう。

 ちなみに、このゲームポータル戦略は2006年からは日本や中国、米国など世界的な規模で展開されることが発表されている。現在のPlay NCのタイトルはすべて自社開発タイトルであるが、今後はパブリッシャーとして様々な会社の制作タイトルをラインナップに加えていく。その戦略の1つが11月10日に発表されたSNKプレイモアとの提携であり、「ザ・キング・オブ・ファイターズ」をはじめとしたタイトルのオンライン対応PCゲームとしての展開である。NCSoftは現在、この他にも日本のメーカー数社に働きかけを行なっているという。

 カジュアルゲームへの取り組みの姿勢は今回のG★2005で多くメーカーに見られた方向性だが、筆者には制作タイトルの数と、さらに日本のメーカーへの働きかけといったところでNCSoftが他社とは少し違ったスケールでの戦略を進めていると感じられた。今後の韓国のゲームの流れを見る上で、Play NCは見逃せない存在になりそうである。

 少し気になったところは、Play NCのゲームは現在オープンβサービス中であるが、課金方式を発表していないことだ。ゲームのコンテンツとしてキャラクタのアバター要素や追加アイテムなどアイテム課金制を視野に入れた制作をしているが、今のところ課金方式は検討中であるという。今回取材をした多くのメーカーもまた最新タイトルに関しては課金方式を検討中という答えが返ってきた。韓国ゲーム業界全体がどういった戦略をとっていくか、その中でNCSoftがどういった役割を果たすかは興味深いところだ。

 ブースでは各タイトルごとにゲームをプレイするユーザー層の違いがはっきり出ているのも面白かった。「Exteel」や「CITY OF HERO」は男性ばかりで、「Smash Star」、「SP JAM」は女性の姿も目立ち、「Toy Strikers」は子供がプレイしたいと母親にねだる場面も見られた。筆者はE3や東京ゲームショウでNCSoft(エヌ・シー ジャパン)のブースを見ているが、Play NCは今まで以上に広い年齢層のユーザーへアピールしていると感じられた。

ロボットの動きを熱心に見守り、席が空くのを心待ちにしているファンの姿が目立った「Exteel」コーナー。 「Smash Star」は女性ギャラリーの姿も多かった 友達と隣り合わせて座り対戦を楽しむ人たちも多かった
「Toy Strikers」は子供達に人気が高い 韓国展開に合わせて追加された「CITY OF HERO」のヒーローの姿で来場者を迎える 「SP JAM」も友達同士でコースを滑るユーザーが多かった。


■ 簡単にラリーが楽しめる間口の広さが気持ちいい「Smash Star」

 オンラインテニスゲーム「Smash Star」は筆者が今回イチオシしたいタイトルである。瞳の大きなかわいらしいデザインのキャラクタがテニスをプレイする姿は、テニス版「スカっとゴルフ パンヤ」を思わせる。使用するキーは方向キーとZとXキーだけである。Zで弱くボールを打ち、Xで強く打ち返す、この2つのキーと方向キーを組み合わせれば多彩な攻撃を繰り出せる。

間口の広いバランスで熱いラリーが楽しめる「Smash Star」。コスチュームなどのキャラクタ性を追求した展開も期待したい
 プレイをしてみて驚かされたのはラリーのしやすさである。プレイをする前に早いボールに追いつききちんと打ち返せるかが不安だったのだが、軽くボタンを連打しているだけで、きちんと打ち返せた。キャラクタのボールに追いつく範囲と、打ち返すタイミングはかなり甘めに設定しているのである。ボールはそこそこ早く動くのだが、落ちるポイントにはきちんと影が表示されるので、影を目安にキャラクタを動かし、ボタンを押しているとラリーが成立するのである。

 そうなるとゲームに欲が出てくる。XとZを使いわけて手前にボールを落としてみたり、方向キーと組み合わせて左右に打ちわけてみたり。判定の広いバランスが、初めてプレイで駆け引きの楽しさまで体験できたのだ。相手の逆をつけたときなど思わず笑みが浮かんでしまう爽快感があった。スマッシュのチャンスの時には影にマークが重なって出たりと、気持ちをあおる。またボタンを長押しすることで光を放つショットが打てたりと、システムをもっと詳しく知る事でより楽しめるんだろうなあと、強く感じた。

 この簡単ながら魅力的なゲームは、一度負けても続けてプレイしたくなる。一回プレイしてからちょっとだけブースを歩き、再び試遊台の前に並ぶユーザーも多かった。女性の姿も多く見られた。

 ゲームとしてはかなりの楽しさを持った本作だが、今のところ選べるキャラクタが男の子の「Dany Ahn」と女の子の「Dorothy」のふたりだけで、まださびしい。アバター要素もまだまだのようで、「見た目」の部分での充実にも期待したい。また、キーボードでも快適にプレイできるが、やはりパッドを使ってプレイしたいと思った部分もある。いつ日本でプレイできるようになるか、楽しみなタイトルである。

【Smash Star】
誰でも簡単に楽しめ、戦略性の深さも感じさせるオンラインテニスゲーム。MMORPGメーカーとして認識されていたNCSoftのイメージを一新させる作品だ


■ 多彩な武器を使う巨大ロボットを操って5vs5の闘いを楽しむ「Exteel」

 「Exteel」は日本のアニメーションに登場するようなロボットを操縦し、戦いを繰り広げる対戦アクションだ。ロボットのデザインは様々なカスタマイズが可能だが、全体的に細身のフレームが多い。E3でもすでに出展されていたタイトルで、登場する武器やロボットの種類も多く、出展されていたカジュアルゲームの中では完成度の高さは一番だった。

ロボット対戦アクション「Exteel」。アニメを思わせる戦いが展開する
 ロボットが操る武器はブースターで加速して飛び出すランスや、刀、レーザーソード、マシンガン、キャノン砲、ロボットと同じくらい大きな巨大なレールガンといったものがあり、レールガンは威力が高い変わりに立ち止まらなければ撃てないなど、それぞれの特徴がある。射撃してくる敵に対してシールドを掲げて接近し、ランスをたたきつけるといった戦略も可能だ。

 ゲームのインターフェイスはWASDのキーで移動し、マウスで照準を動かすFPS方式。触ってみた感触としては少しゆっくりした印象がある。「Counter-Strike」といったFPSに比べて移動スピードが遅く、ブースターを付加しての操作がしやすいかわりに敵からも狙われやすい。敵のHPに比べて武器の威力は比較的低いため、1対1での戦いが長引く傾向がある。

 このため、目の前の敵に集中していると他の敵からの攻撃されるという場面が多かった。とはいえ、待ち伏せをされても反撃ができたり、他のプレーヤーと戦っている相手を遠距離攻撃で狙撃したり、近接武器で斬り込むといった戦い方もできた。自分を守るよりも、多少の攻撃を食らいながらも敵への攻撃に集中できるバランスは、少し大味ながらもロボットアニメの主人公になったかのような感触を持つこともできた。

【Exteel】
オンラインロボット対戦アクション。カスタマイズをした自分の機体で、戦いを楽しめる

【SP JAM】
カートゥーンレンダリングで描かれたキャラクタが活躍するオンラインスノーボードゲーム「SP JAM」。美しい3Dグラフィックスで描かれたコースを高速で滑るそのスピード感は非常に爽快だった。コースには様々な仕掛けも用意されているのだが、演出が少し地味な点が気になった

【CITY OF HERO】
「CITY OF HEROS」は韓国では、「CITY OF HERO」というタイトルで展開するようだ。夏からオープンβテストを行なっており、好評を博している。正式サービス時に最新アップデート「CITY OF Villans」の内容も入るという

【Toy Strikers】
両陣営に分かれ戦う「Toy Strikers」。簡単な操作性と、かわいいデザインで子供にも人気のあったタイトルだが、フィールドを把握したり、平行移動、ため撃ちなどを駆使したテクニカルな戦いも楽しめる

□ 「G★2005」のホームページ
http://www.gstar.or.kr/
□ NCSoftのホームページ
http://www.ncsoft.com/kor/index.asp

(2005年11月12日)

[Reported by 勝田哲也]



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