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会場:トッププレーヤー秋葉原店
「パンヤ」は、2004年11月11日より正式サービスが開始されているオンラインゴルフゲーム。カジュアルなゲーム性と、かわいいキャラクタ、幻想的な雰囲気も取りいれられたユニークなコース……見た目の部分はもちろん、根本的なゴルフゲームの部分でも高い評価を得ている作品である。 本作では経験値とアイテムによる成長要素があるが、初期のキャラクタでもちょっと練習すればバーディーが狙える。あくまでゲームの入り口はライトにできており、初心者が非常に取っつきやすい。それでいながら、優秀な成績を残そうとすればやりこみは必須になっている。このバランスこそが人気の秘密だろう。 最初に開催された予選で21名のプレーヤーが11名と10名の組に分かれ、それぞれの上位5名が決勝大会に進出する。使用コースは「Wind Hill」ゲームモードは「大会モード」である。「大会モード」は他プレーヤーと同時にコースを回るのだが、他のプレーヤーは玉の軌跡だけが画面に表示される。自分のペースで18Hをめぐり、そのスコアを競うモードである。 「Wind Hill」は夕焼け雲をバックに風車が各地に配置されたコース。池の多いコースになっており、さらに時々風向きがわからなくなる。場所によっては風車が行く手を阻むというコースである。 この予選で、筆者は「パンヤ」のハイレベルのプレーヤーとはどういった存在かを目の前で知ることができた。とにかく正確なのである。どこに向かってどのくらいの強さで玉を打てば、どこに着地するか。参加するプレーヤー達は攻略をして、そのコースのすべてのポイントを把握している。それをこなすことで規定打数より2打少ない「イーグル」を目指してコースを進めていくのだ。 驚かされたのは、コマンドショットの正確さである。「パンヤ」では、タイミング良くボールを打つと“パンヤショット”になるのだが、このときにコマンドを入れると様々な特殊なショットが打てる。その成功率がものすごく高いのだ。しかもその使い方が絶妙で、特に着地地点で爆発を起こし、そこにぴたりと止まる「トマホークショット」は様々な場所で使われていた。このショットを使うことでカップのすぐそばでボールを止めたり、小さな島にも確実にボールを止めることができるのだ。このショットを活用するために競技者達はわざとカップまでの距離よりも良く飛ぶクラブを選ぶ。どこまで飛ぶか、正確な着地点を把握しているのである。 競技者達はバーディーは当然としている。そこからさらに、遠い距離からカップを直接狙うことでイーグルに積極的に挑戦するのだ。ショートコースではイーグルにするにはホールインワンするしかない。大会ではそこかしこでホールインワン、長距離からのカップイン実現させていた。もちろん、運も絡むが、今大会では運よりも腕である。その正確な距離の把握とパワーの設定が好成績を生むのだ。 高レベルの対決では一打の失敗が命取りになる、しかし、会場自体は非常に和やかな雰囲気だった。司会を務めるGMゆきここあ氏と、GMクラモト隊長氏が、ユニークな会話と、ちょっとうまくいかないプレイで会場に笑いをもたらしているのである。会場には多数の見学者も参加していたが、モニターに出るGM達のプレイに歓声を上げたりしている。出場者達の緊張感と、会場のまったりとした雰囲気の対比が面白かった。 出場者にこの雰囲気の対比を聞いたところ、「ゲーム中は自分との戦いなので気になりません」とのこと。出場者のタフさを垣間見たような気がした。実際、例え1打ミスっても、粘り強く次につなぎ、はい上がってくるプレーヤーも多かった。 決勝戦のコースは「Silvia Cannon」。空母の上に設置されたコースなど非常に難易度の高いコースだ。戦艦の砲塔がつきだしていたり、戦闘機がホバリングしていたりとさまざまな障害物が行く手を阻む。複数の艦船を経由しなくてはグリーンにたどり着けないコースでは船の間にボールが落ちれば当然OBである。 このコースには一見たどり着けそうにないところに突破点がある。そこにボールを落とすことで、大幅なショートカットが可能なのだ。ただし、パワーの設定を1メモリミスをすれば、コマンドショットを失敗すればそのコースの攻略はとたんに崩れてしまう。参加者達はその針の穴を通すようなショットを次々と決めていくのである。 「パンヤ」では、キャラクタは8つのアイテムを持つことができる。そのアイテムの中に「忘却の花」というものがある。これは一打分を取り消ししてくれる便利なアイテムだが、競技者達は1個か、多くて2個ほどしか持っていなかった。それよりも出したいときにパワーショットを出すアイテムや、パンヤショットの確率を増してくれる「ラッキーパンヤ」といったアイテムを重宝しているようだった。
会場のプレーヤー達は「クー」や「エリカ」を使っている人達が多かった。どちらも基本能力として正確度が高いためだという。キャディーは「カディエ」が一番人気で、「タンプー」を使っている人も多かった。 接戦を制したのは中部ブロックのがんた氏。-24というスコアだった。2位は-21の中国・四国ブロックのLilis.氏、3位は-19の東北ブロックChlorella.氏。がんた氏に勝因を聞いたところ、「多少スケジュールの無理をしてでもコースを練習することに時間をとりました。本番ではショートコースを重視し、ほとんどのコースでイメージ通りにゲームを運べました。」とのこと。パーはわずかに1コースのみで残り17ホールをバーディー以下で進めたのである。 司会を務めたゆきここあ氏は今回の選手達について、「ミスの少なさに驚かされました。王道とも言える攻略コースはあるのですが、それから、キャラクタの性能、着ている服や装備、持っているアイテムで要素は微妙に変わってくる。プレーヤー達はそれをすべて把握していますね。ゲームではキャラクタの能力によって飛距離やパワーゲージのタイミングが変わってきます。彼らはそれも全て頭に入れて、今回出場するためのタイミングを会得していることを感じました」と語った。 イベントの最後にゲームポット代表取締役社長の植田修平氏が挨拶、今後とも「パンヤ」では様々なイベントを行なっていくことを語った。毎週色々なことを仕掛けていく計画もあり、さらにまだ詳細は明らかにできないが、プレーヤー達が結成している「クラブ」に関連したイベントを考えているそうだ。また、スタッフによると、近い時期に登録会員数100万人突破が見込まれており、それに関連したイベントも計画していきたいとのこと。今後の発表にも期待したい。
□ゲームポットのホームページ (2005年10月8日) [Reported by 勝田哲也]
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