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東京ゲームショウ2005レポート

コナミ、MGSステージイベント特集
小島監督「僕はMGS4で最後です」宣言

9月16日~18日 開催(16日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,200円(前売1,000円)
    小学生以下無料


 ここではコナミブース・メタルギアコーナーで催された「MGS3 SUBSISTENCE ONPS2」、「MGA2 ON PSP」をまとめて紹介しよう。これから年末にかけて発売されるPS2「METAL GEAR SOLID 3 SUBSISTENCE(以下、「SUBSISTENCE」)」、PSP「METAL GEAR AC!D 2(以下、「MGA2」)」について、クリエイターが映像を交えながら語るというトークショウ形式のイベントであった。


【MGS3 SUBSISTENCE ONPS2】

 このステージでは、PS2「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」にゲームモードやオンライン対戦を追加した新作PS2「METAL GEAR SOLID 3 : SUBSISTENCE」について紹介された。ゲストとして、メタルギアシリーズの生みの親であるクリエーター小島秀夫氏がステージに登場。三枚組となるディスクの内容について小島氏自ら解説があった。

 「SUBSISTENCE」の製品ディスクにはそれぞれ名称が付いている。始めに紹介されたディスク「SUBSISTENCE(生存)」には「METAL GEAR SOLID 3 SNAKE EATER」本編、追加フェイスペイント、デモシアターを収録。「MGS3」本編は「海外では不評だった(小島氏談)」という俯瞰カメラから、スネークの背後からカメラが追走する「3rd Person View Camera」モードを追加。小島監督は「僕もカメラ酔いする方なので……(笑)。カメラ酔いしないカメラワークを作りました」とこのモードの完成度に太鼓番を押す。実際に会場の実機をプレイしてみると「MGS3」より画面が広く見通せるようになったと感じる。このモードにより、ゲームの敷居が広がったといえるだろう。

カメラをプレイヤーが任意に動かせるようになった本編
 二枚目のディスク「PERSISTENCE(永続、持続)」はオンラインモード、「METAL GEAR」と「METAL GEAR2 SOLID SNAKE」の復刻版、DUEL、猿蛇合戦、シークレットシアターが収録されている。小島氏は「(「SUBSISTENCE」を)中古屋に売られないようにしたい(笑)」と話し、長く遊べるやり込み要素を詰め込んだという。

 このやり込みディスクの核となるのがプレーヤー同士がオンライン対戦可能な「メタルギアオンライン(通称MGO)」というモード。基本的な戦闘システムは「MGS3」の本編と同様で「張り付き」、「ホフク」、などの基本アクションから、「カムフラージュ率」、「CQC(近接戦闘術)」などおなじみのアクションが再現されている。

 「MGO」はゲームモードも多彩。生き残りを競う「デスマッチ」。1人のプレーヤーが操るスネークの任務を複数の敵兵プレーヤーが阻止する「スニーキングミッション」。チームに分かれて敵軍の全滅を競う「チームデスマッチ」。「ケロタン」を奪取し自軍に持ち込む「キャプチャーミッション」。攻守2チームに別れ、制限時間内で「ガーコ」警備と救出を争う「レスキューミッション」の5種類がある。

 会場の試遊台で確認できた「MGO」のモードは「キャプチャーミッション」。「ケロタン」を自陣に持ち帰り、一定時間奪還されなければ勝利という内容だった。TGS会場では隣のチームプレーヤーに直接声をかけることができたが、オンラインではヘッドセットマイクを通じてのボイスチャットで意思疎通を図らないとクリアが困難のようだ。

 「MGO」ではスネークの他に「MGS3」に登場したライコフ、オセロット、ソコロフ、PS2「ランブルローズ」の主人公日ノ本零子がプレーヤーキャラクタとして使用可能になった。会場のトレイラーでは、ソコロフがCQCを決めたり、「サンセットスープレックス」でソコロフを投げ飛ばす日ノ本零子の姿が放映されていた。

【「メタルギアオンライン」スクリーンショット】


ブースの1人用の試遊台では、「MGS3本編」、「METAL GEAR」、「METAL GEAR2 SOLID SNAKE」、「猿蛇合戦」を選択することができた
 またこのディスクにはMSX版の「METAL GEAR」、「METAL GEAR2 SOLID SNAKE」も収録される。画面のファーストインプレッションはフォントが読みやすいものになっているなどが見て取れる。この復刻版はベタ移植ではなく、MSX版に手を施した物になるのだそうだ。

 三枚目のディスク「EXISTENCE(現存)」の内容は、「MGS3」のドラマを3時間半に編集した映像作品が収録されている「観るMGS」。小島監督によると「MGSはアクションゲームなのでどうしても投げ出してしまう人もいる。でもお話が知りたいという人や、「MGS3」を知人にちょっと勧めたいときなどに三枚目のディスクをかけてみてほしい」そうだ。

 新録追加カット、リマスターサウンドで編集されたというムービーは、会場で15分ほど(スネークのHALO降下から、オセロットの山猫部隊との戦闘まで)が流された。初見では、ゲーム中の通信ナレーションが移動や戦闘シーンに流れているという感じ。画面が二分化されるなど演出面にも変更があり、一度クリアした人でも楽しめそうだ。

(C) 1987 2005 KONAMI


【MGA2 ON PSP】

 このイベントではPSPソフト「METAL GEAR AC!D 2(以下、MGA2)」についてのトークショウが行なわれた。「MGA2」は、カードで移動や戦闘を行うルールが斬新だったPSP「METAL GEAR AC!D」の続編。ステージゲストは「MGA2」制作者から野尻ディレクターと岡村プロデューサーが登場した。

 始めにゲーム本編のオープニングムービーがスクリーンで放映された。このムービーの制作には、多くのCM映像を手がけているデザイン集団「POWER GRAPHIXX」が参加。独自のシェーダーやコミックテイストのエフェクトを駆使した「MGA2」のビジュアルを、一層際立たせるスピーディーで尖った演出のOPムービーに仕上がっていた。

 ボスの大幅増加、直感的な操作体系への改良、アドホック通信を利用した「LINK BATTLE」モードの搭載、単体では役に立たないが他のカードとの攻撃の連鎖が狙えるようになる「リンケージカード」など追加要素が多々発表されたステージイベントだが、目玉はなんといっても付属の立体映像鑑賞システム「SOLID EYE とびだシッド」だろう。

 双眼鏡の形状の「SOLID EYE とびだシッド」をPSPに装着(ソリッド・オンというらしい)することで、画面の一部が飛び出す「真の3D映像」が楽しめるようになる。仕組みはゲーム画面を二分割し、それぞれに同じ画面を表示するというオーバーテクノロジー。実際に覗いて見ると、背景の一部やスネーク、兵士が触れそうなほど浮き上がってみえていた。

このようにPSP本体にソリッド・オンして覗き込む 隙間から画面を見ると、二分割の画面がよく分かる 「SOLID EYE とびだシッド」は組み立て式でゲームに同梱されるという


 ステージではグラビアアイドルの石井めぐるさんが登場。ゲーム本編の中のとあるポイントで石井めぐるさんが登場し、「SOLID EYE とびだシッド」を装着することで「飛び出す石井めぐるさん」が拝謁できるというタイアップ企画がある。

 また、石井めぐるさんはカードとしても登場。岡村プロデューサーから「カード効果をここで決めましょう」と話しを振られためぐるさんは「スネークの体力を大回復する」と即決。ゲーム中で採用されることが決定した。

コナミブースではPSPのゲームシェアリング機能で体験版配信を受ける事が可能。PSPを持って参加しよう
 イベントのラストでは価格と発売日が公開された。価格は「SOLID EYE とびだシッド」同梱で4,980円、発売は12月8日となっている。また11月には廉価版PSP「METAL GEAR AC!D 」が2,100円で発売予定。一作目未体験のプレーヤーはぜひ購入してほしい。

 野尻ディレクターは「この「MGA2」で私たち制作チームの一年の技術の進歩を見て欲しい」と述べ、イベントは無事終了した。

【「METAL GEAR AC!D 2」スクリーンショット】


(C) 1987 2005 KONAMI


 「METAL GEAR」シリーズの歴史を振り返るイベント「MG Sage ON TGS」では興味深い事項が二つ語られた。一つは「METAL GEAR」シリーズ作品の区分。これは小島監督が「(東京ゲームショウの)三日前に考えた」という区分法で、ビッグボス三部作は「METAL GEAR SOLID3 SNAKE EATER(SUBSISTENCE)」、「METAL GEAR」、「METAL GEAR2 SOLID SNAKE」が相当する。そして、ソリッド三部作には「METAL GEAR SOLID(THE TWIN SNAKES)」、「METAL GEAR SOLID2 SONS OF LIBERTY」、「METAL GEAR SOLID4」が分類される。

TGS恒例のエンターブレイン代表取締役浜村氏を交えてのまったりトークショウ 各作品のカテゴライズと時間軸が整理されたことで、ファンも作品のつながりを理解しやすくなった


小島監督の入社当時の写真も公開。興味のある方はメタルギアコーナーの正午のステージイベントへ足を運ぼう
 そしてもう一つの興味深い話は、小島監督が「僕と(アートディレクターの)新川洋司君は『MGS4』で最後ですよ」と宣言したこと。「ゲームデザイナーとして新しい物を創りたい!」と語った小島氏。「MGS4」が大ヒットすれば続編を作らざるを得ないとは思うのだが……今後の小島プロダクションの動向に注目したい。

□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□コナミ「東京ゲームショウ特設サイト」
http://www.konami.jp/tgs2005/
□「小島プロダクション」公式サイト
http://www.konami.jp/gs/kojima_pro/japanese/
□「東京ゲームショウ2005」のページ
http://tgs.cesa.or.jp/

(2005年9月17日)

[Reported by 福田柵太郎]


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