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東京ゲームショウの1日が終了した後、テクモ株式会社は幕張メッセに程近いホテルに国内外のメディアを集め、「DEAD OR ALIVE4」の特別試遊会を開催した。これはTGSにプレイアブル出展できない代わりに、メディアを通じて本作の内容を一般ユーザーにもフィードバックしたいという意向で開催された。取り急ぎ、内容の変化や確認できたキャラクタの変更点とゲームの魅力についてレポートしていきたい。ただし現時点では開発途中のバージョンのため、製品版では変更される場合も十分にありうるので、それを考慮したうえで読んでいただきたい。
最初のオフラインプレイで遊べたモードは1対1で対戦する「VSモード」のみ。システムでの変更点はダウン直後の状態に当たり判定があり、受け身を取らないと攻め(守り)のターンが終わらなくなっていることや地面に叩きつける技からバウンドさせてコンボにつなぐ要素が追加されている。このようにあらゆる場面での攻撃要素が追加され、戦いのリズムが間断なく続いていくことが大きな特徴といえる。 忍者系のキャラクタは壁際で特定の行動を取ると壁を移動し、プロレスラーであるラ・マリポーサはリングのステージでロープを渡れる。もちろん、それらの特殊動作から攻撃が派生する仕組みだ。このようによりキャラクタの個性が強調されているのも見逃せないポイント。安易な浮かせ技が減り、的確にカウンターヒットやクリティカルからの浮かせ技を使わないと空中コンボが入らなくなったため、偶発的に大ダメージを受けるのではなく、技術を使いこなすものが強くなる、という方向性でデザインされているようだ。 また通常のホールドではなく、複雑なコマンドを使用する特殊ホールドを使うことによって相手をクリティカル状態にできるキャラクタが数人確認できた。これによって相手の攻めを返し、そのままコンボのチャンスを作り出せるようになるため、よりテクニカルな攻防が期待できるだろう。的確な読みとコマンド入力で逆転への布石を作れるのは大きい。逆にそれを読んで、攻撃のディレイや特定のキャラが持っている連続技からの攻撃溜めで攻めのリズムに変化をつける、といった読みあいが発生し、バトルを熱くしてくれそうだ。 ステージごとのギミックも進化している。自動車が走っている市街地のステージでは、走ってきた車はプレーヤーをよけようとするが、そこに敵を押し込むと跳ね飛ばしていく。そこを拾ってコンボにつなげる“ひき逃げコンボ(仮)”も可能だった。ただし攻め側も車の側面に接触してしまうとよろけてしまうので、間合いをつかんで使いこなすのがおもしろそうだ。また日本庭園風のステージでは、腰ぐらいの高さの柵を挟んで相手と対峙したときに、柵を乗り越えながら攻撃する特殊動作も確認できた。マップとキャラごとの組み合わせで、どのようなアクションを出せるかを研究するのも楽しみの1つになるだろう。
ちなみに選択できたキャラは「かすみ」、「あやね」、「ジャン・リー」、「クリスティ」、「リュウ・ハヤブサ」、「ザック」、「ヒトミ」、「レイファン」に加えて、本作から参戦する新キャラクタの「エリオット」、「ラ・マリポーサ」の計10名。ここからは現時点で確認できた新旧キャラクタの特徴に関してレポートしていこう。 ■かすみ 大きな変更点はないが、連携のバリエーションがかなり増えたうえに溜め攻撃や叩きつけ攻撃が増えているため攻めの緩急がより強くなった。いつもどおり平均以上の安定した強さを発揮しそうな手ごたえであった。 ■あやね しゃがみながら横回転する特殊移動の性能が格段にアップ。このモーションから派生する技と混ぜ込み、特殊移動でかく乱する戦術が軸になりそう。もちろん打撃スピードの速さや背面を取ってからの攻めなど強い連係も健在。 ■ジャン・リー いくつか技の増減があり、溜めを利かせてから打つ打撃技が強化されている。ヒットした相手を天井に叩きつけるといった荒技も確認できた。また相手のガードを崩す技も多くなっているのでゆさぶりをかけやすくなっている。 ■レイファン 本作では相手の打撃を特殊ホールドで崩してからの打撃が威力を発揮しそうだ。また背後を向いてからの連係攻撃や連続技からの溜め攻撃も使えるようになり、自分から打撃で前に出る戦術もかなり強力。全体的に底上げされた感がある。 ■リュウ・ハヤブサ まず逆立ちがなくなったことは書かねばならない。その代わりというのもなんだが、特殊構えから追加入力することで中空から出現し、打撃や投げを出すというトリッキーな技が追加されている。忍者らしいキャラに変化したか? ■ヒトミ 打撃を決めた後の残心など、細かいモーションで空手らしさがアップ。全体的に攻撃のダメージ量もアップしているうえに特殊ホールドでクリティカルを誘発できるので、チャンスを握ったときの爆発力に期待が持てそうだ。 ■クリスティ コンビネーションのバリエーションが増えて使い勝手があがり、なおかつ手数も圧倒的に増えたため、息つく暇を与えず攻め込めるキャラになった。相手をダウンさせない投げ技でも組み合わせて自分の攻めを持続するのがカギか? ■ザック 挑発モーションやお笑い的な動きも増えているが、トリッキーなダッキングからの側面移動など回避からの反撃が強くなっている点も見逃せない。全体的に打撃の発生が速くなったためスキの少ない攻めを展開できるのも魅力的だ。 ■エリオット ゲン・フーの動きを思わせる技を装備しつつも、特定の打撃をつなげていく打撃ルーチンを持つ独自性の高いキャラクタ。相手に止められない限り打撃を出していけるので、ダメージの高い強制2択を迫れるようになるかも? ■ラ・マリポーサ ルチャ・リブレ(メキシコ系の飛び技が多いプロレス)をベースに技をセッティングしてあり、豊富な投げと飛び技が魅力的、カポエラを彷彿とする蹴り技もリーチが長いため有効だ。連係と投げの使い分けが重要になるだろう。
現時点ではロビーのデザインが10パターン、アバターの種類は数十種類に及ぶというから驚きだ。そのさまはまさにオンラインに用意されたゲームサロンのようで、選抜で参加した国内外のプレーヤーたちは思い思いにキーボードで会話を楽しんでいた。ちなみに入力された文字はすべてアバターからのフキダシとして表示され、サイズも大小2種類から選択できるので会話のメリハリをつけることもできる。 ロビーは16人までが現状接続できるようになっているとの事だが、板垣氏は「これは技術的限界を追及しているだけで、製品仕様はここまで接続できるようにするかは未定」とのこと。今回は機材の都合で実際の対戦はほとんど見られなかったが、ロビーにあるTVで、対戦が行なわれている様子が残りのメンバーにも見え、対戦を見ながらの会話はどうなるのか、楽しみな要素だ。 このように盛りだくさんの内容でおこなわれた試遊会は2時間強で終了。プレイした感想の総括としては、前作で持っていた不満点や物足りなさをすべて払拭することを目標にゲームがデザインされている、ということに尽きるだろう。
より進化した状態でXbo Liveに対応させる、というTeam NINJAの意気込みがひしひしと感じられた。現時点の完成度でこれほどのものが出るとは思っていなかったので、サプライズが大きかったこともあるだろう。この作品が完成したとき、すべてのユーザーが納得できるDOAが現れると確信できるに足りる手ごたえだったことを締めくくりの言葉として、今回の体験レポートを終了したい。
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□テクモのホームページ (2005年9月17日) [Reported by 迫水紀文]
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