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CESA、「CESA DEVELOPERS CONFERENCE 2005」を開催
“次世代”を見据えた意欲的なセッションが目白押し

8月29日~31日開催

会場:明治学院大学 白金キャンパス

 社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、東京ゲームショウ前の恒例イベントである「CESA DEVELOPERS CONFERENCE(CEDEC) 2005」を、明治学院大学白金キャンパスにおいて開催した。参加料金は、3日間通しのレギュラーパスが5万円、1日有効のデイリーパスが2万円。同カンファレンスは31日まで開催される。

セッションは複数の校舎で開催された。部屋によって微妙に構造が異なる
校舎と校舎の間は芝生の植えられたオープンスペースになっていて、つかの間の学生気分が味わえる
初日満席セッションのひとつ「2007年に最大化するゲーム市場」。講師はエンターブレイン代表取締役社長の浜村弘一氏
 CEDECは、ゲーム開発における最新情報の共有とデベロッパー同士の交流を目的に年に一度開催されているゲーム開発者向けのカンファレンス。今年で7回目を迎えるCEDEC 2005では、“過去最大”の冠を維持する95セッションを開催。同時開催セッションは最大9セッションにもおよび、名実ともに世界最大規模のゲームカンファレンスGame Developers Conferenceに次ぐ、大規模なカンファレンスになりつつある。

 今年のテーマは「次代のゲームを思考する」。このテーマ通り、今年の各セッションの内容は、いわゆる次世代機や次世代テクノロジーにターゲットを絞ったものが目立った。昨年に比べると、オンラインゲーム関連のセッションがかなり減っているが、これは今年2月にCESAが後援するオンラインゲーム専門のゲームカンファレンス「Asia Online Game Conference(AOGC)」が開催されたことに加え、実際に聴講して実感したのは、オンラインへの接続は前提となっているケースが多く、ゲームのオンライン化が普遍的な存在になったことを強く実感した。

 初日の8月29日は、1,000人弱の業界関係者が集い、熱心にセッションに耳を傾ける姿が見られた。初日のセッションは、協賛セッションであるNVIDIAによる1日通しのセッション「開発の鉄人」を筆頭に、IGDA日本支部によるシリアスゲーム研究報告、携帯コンテンツ、サウンド開発、シェーダーワークショップなどのセッションが集中した。

 2日目は、スクウェア・エニックス田中弘道プロデューサーらによる「FINAL FANTASY XI MMORPGの開発と運営」、コーエー執行役員松原健二氏による「大航海時代Onlineにおける3Dクライアント開発 -PCスペックへの挑戦-」、セガ ムシキングチーム代表植村比呂志による「ムシキングにおけるアーケードとコンシューマのアナログ的連動」など、より実践的なセッションの開催が予定されている。

 3日目は、最終日にふさわしく「ATI社 Imageon 2300による次世代携帯用ゲームの実現」(ATIテクノロジーズジャパンClaude Benoit氏)、「次世代ゲーム機と3Dグラフィックスに関する今後の課題」(エレクトロニック・アーツ 橋本和幸氏)、「次世代プラットフォームXbox 360 におけるゲーム開発環境 ~XNAの今日、明日、そして明後日~」(マイクロソフト松田白朗氏)といった具合に、次世代技術に関するセッションが目立つ。

 時期的にもちょうどいいタイミングだったようで、例年より魅力的なセッションが多いように見受けられる。明日からより具体的にセッションの模様をお伝えしていくつもりだ。

ゲーム開発者にとってはすっかりおなじみであるNVIDIAの「開発の鉄人」。300名の席が常時埋まり、立ち見も出る人気ぶりだった

初日もっともユニークなセッションとなったコミュニティエンジン中嶋謙互氏の「ワールドシンセサイザー構想」。基本コンセプトとしてはWill Wrightの「SPORE」に近いが、P2P環境でそれをやろうとしているところがなんといってもユニーク。自身「構想段階」というだけあって、中嶋氏の最終目標が、果たしてワールド(仮想世界)をシンセサイズ(合成)するためのミドルウェア止まりなのか、ゲームとしてビジネス化するつもりなのか、まだまだ見えない部分も多い

個人的に大変興味深かったのは無料セッション「中国ゲーム市場の現状」。中国第2位のゲームパブリッシャーThe9と、中国上海を中心にゲーム開発に従事している東星の両社が中国ゲーム市場の現状を語った。The9は中国最大手Shandaを猛追するメーカーだけに、自社のパブリッシャーとしての有能さをアピールする側面が強かった。中国や日本のゲーム開発のアウトソースを専門にするゲームデベロッパーである東星の千種茂総経理(右)は、中国の開発者不足や個人情報保守など、中国の多くの課題点を挙げた

「2007年に最大化するゲーム市場 ~次世代ゲーム機の登場と今後のトレンドについて~」。浜村社長は、過去のコンシューマ市場の経緯から、PS3のソフトの価格を7,800円~8,800円程度と予測。この程度の値上げでは、開発費の高騰はカバーできないため、韓国のRMT市場等を例に挙げ、新たなビジネススキームの創出が必要であることを強調

CEDECでは通常のセッションのほか、ラウンドテーブルや全員参加型のワークショップなども開催されている。セッションの最後には質疑応答が行なわれ、時間いっぱいまで多くの手が上がる。熱心な開発者が多いことを実感する

□コンピュータエンタテインメント協会(CESA)のホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「CEDEC 2005」のページ
http://cedec.cesa.or.jp/
□「CEDEC 2005 Developers Night」のページ
http://cedec.cesa.or.jp/headline/0801.html
□関連情報
【8月1日】CESA、「CEDEC 2005」の受講者も参加できる懇親会
「CEDEC 2005 Developers Night」を実施
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050801/cedec.htm
【6月30日】CESA、「CEDEC2005」を8月29日より開幕
過去最大の昨年をさらに上回る規模での開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050630/cedec.htm

(2005年8月29日)

[Reported by 中村聖司]



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