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会場:ソニー・コンピュータエンタテインメント本社
「親と子の著作権教室」は今回で13回目を迎え、平成12年にはハドソンでも行なわれている。今回はSCEJのプレイステーション 2用ソフト「サルゲッチュ3」の制作陣を招き、ゲームの制作にスポットを当てた講義となった。ゲームのできるまで……とはいえ、プログラムやデバッグなど子供にとっては若干難しい話も含まれているが、なかにはきちんとノートする学習意欲の旺盛な子供もいた。 「ゲームのできるまで」を説明した太田直仁氏が「『サルゲッチュ』知ってる?」と問いかけると、ほぼ全ての子供が「はーい」とばかりに一斉に手を挙げた。教室にピポサル君が登場すると歓声が上がり、一気に元気に。そういった移り気な子供達に教えるのは難しいところだが、太田氏は“ソフト”、“ハード”といった基礎用語の解説から入り、順に企画の作成、グラフィックスやプログラムなどゲームの制作について説明していった。プログラムの解説では「ゲーム1本では、数十万行のプログラムになる」と具体的に説明すると、子供達はさすがに「えぇ~!!」と驚いた様子。 最後に太田氏は「ゲームは夢のカタマリ!! 僕らも作っていて楽しいし、自信を持って届けている。でも楽しいからと言ってゲームばかりではダメ。ゲームばかりをやってもらうことが僕たちの望みではない」とバランスよく生活を送ることが大切と訴えかけた。 しかし、子供達に一番アピールしたのはやはり具体的な部分で、最後にプレイして見せた開発中の検証用「サルゲッチュ3」だろう。プレイしながらツールを呼び出しその場でピポサルを大きくしたり逆に小さくしてみせたり、ザコキャラをたくさん登場させたりしてみせた。これには子供達は大喜び。 このあと、数名のグループに分かれて、プロデューサー、デザイナー、プログラマの各担当への質問時間へと突入。プログラム担当の土蔵氏と高橋氏はノートパソコンにプログラムを組み、その場でパラメータを変えることでピポサルをたくさん登場させたりして見せた。ここで子供達がいきなり「ピポサルを逆さまにできる?」とリクエスト。「逆さま~?」と戸惑いながらも、「こういった風プロデューサーやプランナーからだされる要望にプログラマは頑張って応えていくんです」とその場でプログラムをいじり、見事逆さまに表示してみせ、子供からは羨望のまなざしが向けられていた。 今回の講義では親も一緒に出席しているが、子供のクリエイターへの質問時間の間に、父兄を対象とした別メニューが実施された。こちらではレーティングについての取り組みが説明され、ACCS側から「PSPにはパレンタルロックがすでに搭載され、これからの次世代機にも搭載される。任天堂さんのにも付いてくると聞いている。まずはこのレーティングについて知ってもらい、子供とゲームとのつきあい方をうまくコントロールしてほしい」とCEROのレーティングについて説明。
現状、レーティングがされているのを父兄側で知っているのは半数にも満たなかったが、「12歳以下のレーティングの細かいところを教えてほしい」といったつっこんだ質問をする父兄もいるなど、関心度は高そうだった。 後半は、ACCSによる著作権学習が行なわれた。ピポサルが登場して自分の絵を披露。そこにACCSの大きな小学生 (?) 三橋信司くんが絵をもって登場。しかしその絵には「ピポサル」と書かれている名前を消して「みつはし」と書かれている。ピポサルはそれを見て「これは僕が描いた絵!! 眉毛や角が描き足されているし……」と猛烈抗議。 この寸劇から子供達に向けて「ピポサル君の作品を、三橋クンが勝手に書き換えた! いいの!?」と問いかけ、著作権とは何か、何をしてはいけないのか、といった説明を子供達にわかりやすく説明。さらに「著作権は上手な作品じゃないともらえない?」といった小さな子供なら迷うかもしれない事例も質問形式で子供に問いかけ、子供への理解度を深める抗議を展開していった。何度も「作った人の気持ちを考えてみよう」と問いかけ、人の立場にたって考えるところから著作権の学習をスタートさせていた。
ゲームの制作から著作権まで、子供達にとっては学校とは違った興味深い学習となったことだろう。また、父兄にとっても、レーティングなど子供とゲームの接し方のひとつの指標を知ることができるきっかけになったのではないだろうか。 (C) Sony Computer Entertainment Inc.
□ACCSのホームページ (2005年8月23日) [Reported by 船津稔]
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