【編集部より】
発売日から日が経ってもまだまだ売れ続けるソフト、売れ続けてほしいソフト……そんなライターの思いを込めたレビューを「発掘レビュー」としてお届けします。掛け値なしでオススメするこのレビュー、買い忘れていた人はぜひチェックしてみてください。
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縦置きスタイルで自分の脳を見つめる生活はいかが?
「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」 |
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- ジャンル:脳活性化ソフト
- 発売元:任天堂
- 価格:2,800円(税込)
- プレイ人数:1~16人
- セーブデータ数:4
- プラットフォーム:ニンテンドーDS
- 発売日:発売中(5月19日)
- DSダウンロードプレイ対応
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タッチパネルを使用した斬新なタイトルが多いニンテンドーDS(以下、DS)の中でも、異彩を放っているのが「東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング」だ。かなり長いタイトル名なので、まずは分割して考えよう。「東北大学」の「未来科学技術共同研究センター」にいる「川島隆太」さんという「教授」が「監修」している「脳を鍛える大人のDSトレーニング」である。本稿では以下、「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」と略していこうと思う。
本作はジャンルを見てみると「脳活性化ソフト」とされている。つまり、ゲーム的ではあるものの、ゲームではないということだ。タイトルにもあるとおり「脳を鍛える」というキーワードが最重要となっている。脳を活性化して鍛える。こんな前代未聞なことがDSで可能なのか? このレビューでは筆者が実際に「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」をプレイして体験した感触を伝えつつ、具体的にどのように脳に作用しているのかをご紹介していこう。
■まずはプレーヤーデータの登録! 4人分が保存できるから1本でも安心
さてさて、「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」に触れていこうというところだが、先に、この「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」でのちょっと風変わりなプレイスタイルから見ていこう。通常のソフトではDS本体を水平に両手で持ち、もしくは机に置いて、2つの画面を上下に見てゲームを遊ぶ。ちなみに下の画面がタッチパネルとなる。だが「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」ではDSを縦に構えることとなる。つまり、本を開いているようなスタイルにして、2画面を左右に見るということだ。ちなみに右利きの人が遊ぶ場合はタッチパネルを右に、左利きの場合はタッチパネルを左に持つことで不自由のないプレイが可能なので安心。
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これが「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」をプレイするときのスタイルだ。電子ブックかなにかのように構える。写真は左が右利きの場合、右が左利きの場合だ |
ポリゴン全開の味のある川島教授に促されて、まずはプレーヤーの設定を行なうこととなる。先ほども登場した右利き、左利きの設定や、実際の年齢、名前を登録して保存する。ちなみにこの保存データ4人分を保存可能なうえに、トレーニングの成果や推移をデータ同士で比べることもできる。ソフトが1本あれば兄弟や家族で楽しめるというわけだ。
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トレーニングをした日に押してもらえるハンコ。ハンコの数に応じて、トレーニングの種類が増えるほかに、複数のトレーニングをした日はハンコが大きくなる |
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トレーニングや脳年齢テストで得られた結果は、このようにグラフで表示することが可能。プレーヤーデータが複数ある場合は比較もできる |
順を追ってプレーヤーデータの登録を進めていくと、次はポリゴン教授から脳についての解説だ。ここでは、テレビをぼーっと眺めているときの脳に流れている血流と、計算をしているときの活発な血流を見せてくれる。表示される画像でも、大きな違いを感じることができる。脳の一部分しか使っていない状態を続けていると、筋肉が使わないでいると衰えるように、脳の使っていない部分も衰えるというのである。
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左の写真で表示されている脳は、考え事をしているときやテレビを見ているとき。右で出ているのが、計算問題や音読をしているときの脳の状態ということだ |
登録があらかた済むといよいよ最初の脳年齢チェックに望むこととなる。トレーニングを行なう前の脳年齢を見てみようというわけだ。脳年齢のチェックでは、3つのテストを行ないその結果によって脳年齢が割り出される。行なわれるテストにはいくつかの種類があり、中には音声認識を使用したものも用意されているため、トレーニング前に声を出せる環境にいるかどうかを確認されるものもある。
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脳年齢チェックでは、ランダムに選ばれた3つのテストを行なって年齢を算出する。気軽に1つのテストで脳年齢を調べることができる「お手軽版」もあるぞ |
■徐々に増えていくトレーニングで脳を鍛える! 自信がついたら脳年齢チェックだ!
「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」では、大きくわけて2つの内容がある。それは「脳年齢のチェック」と「脳のトレーニング」だ。日々のトレーニングによって、脳を鍛えて、定期的に脳年齢のチェックをするというわけである。まずはトレーニングから見ていこう。
【計算20】 |
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液晶側に表示される計算問題の答えをできる限り速くタッチパネルに書くというもの。教授によれば、簡単な計算を速く解いているときは、脳の「前頭前野」が活発になるそうだ |
【計算100】 |
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こちらは「計算20」の100問バージョン。20問のものに比べてより大きな効果が期待できるということだ。確かに単純に5倍の量を行なっているわけで、トレーニング中の負担も大きい。写真ではハンコが増えると出現する「難しい」を選んでいる。難しいには割り算が出題される |
【名作音読】 |
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画面に表示される名作を声に出して読み上げるというもの。実際の本と同様に「めくるボタン」によるページをまたぐ行為が存在しているのがポイントだろう |
ゲームを開始した時点でできるトレーニングはこの3つ。ここからはトレーニングを行なった日に押してもらえるハンコの数や成績に応じて、種類や難易度のバリエーションが増えていくのだ。以下に、増えていくトレーニングの一部を紹介しよう。
【瞬間記憶】 |
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画面の四角内に一瞬表示される数字を覚えて、小さい順にタッチするというもの。最初は数字が現れる四角が4個で余裕があるが、正解するごとに四角が増えていく。一瞬の判断に必要な力と記憶力が刺激されそうだ |
【文字数え】 |
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画面に表示される文章を、ひらがなにすると何文字になるか、というものをタッチパネルに書くというもの。文章自体を眼で追いながらも、字数もカウントせねばならず、思いがけず間違えることもしばしば |
【人数数え】 |
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影絵のような家の中に、人が出たり入ったりするというもので、最終的に家の中にいる人数を書いて答えることになる。人の出入りが同時に行なわれることもあるうえに、出入りした人数が大量のときには何人が移動したのかを確認するだけで混乱してしまうかもしれない |
トレーニングで少しづつ良い成績が収められるようになったら、いよいよ脳年齢チェックだ。プレーヤーデータを登録したときに調べた脳年齢と比べて、トレーニングの成果がどれだけ出ているかをいつでも調べることができるのである。では、脳年齢チェックのテストの一部を紹介しよう。
【数字数え】 |
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画面に表示されるカラフルな数字の中から、指定された数字の数を記入するというテストだ。最初のうちは色で数える数字を指定されるのだが、中盤からは「移動している数字」や「回転している数字」といった一瞬惑わされてしまうものも出題される。 |
【色彩識別】 |
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音声認識を使用して、表示された文字の色を答える「色彩識別」。「あか」と黄色い文字で書かれているなど、思わず文字に釣られて間違えたり、言いよどんでしまったりすることがある |
【順番線引き】 |
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アルファベットとカタカナの50音が散らばっているものを、順番かつ交互に線を引いてつなげるというもの。A、ア、B、イといった具合である。バラバラに散らばっているうえに、交互につなげるという要素が脳をくすぐる |
【単語記憶】 |
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画面に表示される28個の3文字でできた単語を2分間でできるかぎり覚えるというものだ。覚えるための2分間が終わったあとに、3分間でできるかぎり単語を書いて答えることになる。記憶力だけに頼るのではなく、記憶の方法を工夫するのが成績向上のカギだろう |
■実際に筆者も脳をトレーニング! 脳の疲れ具合を実感するという予想とは異なる結果に
ここからは、筆者が実際に「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」で脳を鍛えていった模様を交えつつ見ていこう。発売日に購入して、忙しさの合間を縫うように日数で言うと2、3週分ほどトレーニングを重ねてみた。はっきり言うと、筆者、脳には自信があった。やはりライターという仕事をしている以上、どちらかと言えば、日々頭脳労働をしているわけだし、そんなにまずい結果は出ないだろうと考えていたのだ。ちなみに筆者は現在26才、今年で27才を迎えます。
どきどきしつつ、最初の脳年齢テストを開始、行なわれるテストは画面に表示された色のついた文字の、色を声で答えるという「色彩識別」だ。文章だと分かりにくいかもしれないが、例えば「きいろ」と書かれた赤い文字が出てきた場合、「あか」と答えなければいけないのだ。文字の内容にとらわれていると、ついうっかり「きいろ? 」と答えてしまいそうになる。そして出た、筆者のファースト脳年齢はというと……。
29才であった。これならばまだまだ許容範囲である。とは言え、実際の年齢よりも3才ほど衰えているというのだから、これはやはりトレーニングによって、年齢相応の、むしろ10代に近づけて行きたいものだと考えたものだった。しかし、ここから筆者の予想外な苦悩が始まったのだ……。
トレーニングを少しづつ重ねるのだが、ここでひとつ問題が。自分で言うのは忍びないのだが、6月は非常に多忙であった。仕事が多く重なり、寝ても覚めてもという状況だった。そんな中、「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」でトレーニングをしてみると、やはりというかなんというか、逆の現象が出てきてしまったのだ。
つまり、トレーニングを始めてから日数が経つほどに成績が悪くなっていったのである! ポリゴン顔は教授には、日々「お疲れのようですね…」と言われてしまい、筆者はそのたびに「そうなんですよ、教授」と語りかけるばかりだ。以下は6月のトレーニングの推移を表示したグラフである。
【グラフ】 |
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左から「計算20」、「瞬間記憶」、「文字数え」のグラフだ。6月の前半ははゆるゆると向上しているが、6月23日前後と思われるところはものすごい落下ぶりである。思えばこのあたりは寝る間もないほど多忙だった。このグラフにはその脳の日記が綴られているのだ |
6月の間には、3度ほど脳年齢のチェックをしてみた。だがしかし、トレーニングの推移から想像がつくかもしれないが、脳年齢もずるずると衰えていくのである。最初に計ったときには、気力や集中力が充実していたため、なんとか29才という結果を残せたのだが、2度目のテストでは「34才」、3度目の一番低いところでは、「36才」となってしまった。教授の名誉のためにももう一度書くが、これはひとえに私が疲れていたのである。実際にトレーニングやテスト中もミスを連発してしまい、自分がいかに疲れているのかを実感できるという不思議なツールになってしまったのだ。
先に結果からお見せしてしまったのだが、トレーニング中、このソフトが本当に脳を鍛える効果があるのか。それを実感することができた。筆者に対して最も効果がありそうだと感じたのは、「文字数え」のトレーニング。こちらは表示された漢字交じりの文章が、ひらがなだと全部で何文字なのかをタッチパネルに書くというもの。
これは頭の中では、文章を読みつつ、文字を数えることになる。例えば「この企画も一時は右往左往しました」という文章が表示された場合、筆者の頭の中では、「この…2、企画も…4足して6、一時は…4足して10……。」といった具合になる。読みながら文字数もカウントするという2つの作業を同時に行なう脳の使い方が鍛えられるというわけだ。
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筆者にとって効きそうだなーと感じたトレーニングのひとつ「文字数え」。文章を読み解きつつも、同時に文字数をカウントするという脳の使い方を強いられる |
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こちらも筆者お気に入りのトレーニングのひとつ「名作音読」。声に出して読むことの大事さを認識するとともに、たまに作品自体の続きが読みたくなることも |
もうひとつは「名作音読」というトレーニング。これは表示された文章の名作、例えば「源氏物語」などを、極力声に出して読み上げるというものだ。教授によれば声を出しづらい状況の時には黙読でもよいとのこと。小学生のときの国語の授業で行なった教科書の音読と同じものだ。だが、これがなかなか久しぶりにやってみると手間取るものである。
筆者は仕事がら自分の書いたものをはじめ文章を黙読、ときには音読することが多々あるのだが、それでもひっかかるのは、ページをめくるときだ。眼で追っている範囲は常に読んでいる先の文章を捉えて頭に溜め込んでおかないと、よどみなくスムーズにページの切り替えをクリアすることはできない。
こちらもやはり、声に出してできるかぎり起伏をつけて綺麗に読むという動作と、頭の中に先の文章をためるという2つの行為を同時に行なうことになるのである。
「教授のDSトレーニング」の魅力は脳年齢のテストやトレーニングばかりではない。個人データを選択すると、教授がプレイしている時間に合わせて挨拶してくれるうえに、毎日のプレイの最初だけ行なってくれる特別なトレーニングを行なってくれるのだ。そのトレーニングには「教授から出題されたテーマの絵を描く」というものや、その日に何を食べたか? や、起きて何をしたか? という自分の行動を書き込むといったものがある。ちなみに記載した自分の行動はしっかりと保存されており、後日のプレイの際、教授に何を書いたか覚えてますか? と質問に使われたりもする。
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教授が出題するテーマの絵を描く、というトレーニングの一環を、筆者なりに真面目に取り組んでみた。見本の絵は最後に表示される。頭の中に出題されたテーマの絵を思い浮かべながら描くというのが脳に良いということだ。 |
「教授のDSトレーニング」の楽しさはまだ止まらない。最後に紹介するのはなんと言っても教授本人の魅力である。教授はトレーニングの合間に様々な脳についての知識を教えてくれるのだ。教授の語録はトレーニングを続けていくとメニューの「その他」から閲覧可能になる。さらにタイトル画面で「教授!」と呼んでみたり、「めがねめがね!」と話しかけてみると、ポリゴン顔の教授がリアクションを取ってくれる。芸が細かい。
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全部で23もある教授語録。全部読み終わったときには教授の脳トレーニング知識がバッチリ備わることうけあいだ。 |
「教授!」と呼べば微笑み、「めがねめがね!」と話しかけると往年の名ギャグを見せてくれる。教授は侮れないのだ。 |
■人によってかなりテスト結果に差が出る脳年齢。筆者の友人による一例を紹介
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見事に落差の激しいグラフとなっている。より正確な推移を見たい場合は同じ状況下で脳年齢チェックをするのがよいだろう。 |
さて、ここからは私の友人のデータも見てみよう。筆者同様に発売日に「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」を購入している。年齢も私と同じく今年で27才である。しかし彼は私のたどった推移をさらに上回る壮絶な結果をたたき出していたのである。
発売日から数日が経ったある日、私は彼に「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」をやってみたか聞いてみたのだが、彼はなんと、最初の脳年齢テストで80才という驚愕の数値を出されたというのだ。ちなみにこの記憶は残念ながら「お手軽版」の年齢チェックだったようで、グラフには残っていない。
まぁ、最初の脳年齢チェックは、まだ「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」というタイトルに対して操作などが不慣れな状態であるので、それをも慮したいところ。だが、彼は2度目のテストでも42才という数値に至ってしまったというのである。
その後、彼の脳は、6月の上旬で50才にまで老け込み、6月10日ごろのテストではなぜか24才に若返る。6月の中盤からはまたしても32才になるも、すぐに27才まで回復する。しかし23日には51才という脳年齢の逆アベレージを記録してしまうのだ。
なぜこのように、バラつきがあるのか。本人に聞いてみたところ、まず最大の原因と思われるのが「プレイした時間がバラバラだった」というものだ。朝起きて、さあこれから1日が始まるぞ、という時に測定しものもあれば、一日を終えて就寝する間際に測定したデータもあるようだ。脳年齢のテストは極力いつも同じような状況下やタイミングで行なうほうがよいだろう。
もうひとつの原因として、彼は得意な内容でテストされたときと、不得意なテストが出たときの差が大きい、というものだ。脳年齢のテストには、複数のテスト内容の中からランダムで3つが行なわれる。彼いわく、得意としているものがテストに出てきたときには好結果を得られたようだ。このことから推測すると、彼の脳には若々しい部分と年老いた部分が同居しているように思える。前向きに捉えれば、苦手な種目を積極的にトレーニングすると、彼の脳はどこをみても若々しいものとなるのだろう。ちなみにこの不得意な種目があるというのは、私にも同じことが言えるので、人事ではないのである。
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トレーニング別のものでは、見事に得意なものと不得意なものが分かれている。左から「計算20」、「瞬間記憶」、「人数数え」のグラフだ。トレーニング中に必要となる脳の働きを想像すると、自分が苦手な脳の使い方までも分かってくるかもしれない |
■ライフイズビューティフルの入り口は脳の活性化から歩み出そう
「脳を鍛える」というのは、「体を鍛える」といったものよりも理解が難しい言葉だと思う。少なくとも身近に体感できる気軽な行為ではなかった。体を鍛えるということであれば、それこそ腕立て伏せや腹筋をして筋肉をいじめてあげれば、それに耐えられるように筋肉が増強されていく。脳も基本的には筋肉と同じで、使えば使うほどパワフルかつ機敏に動いてくれるようだ。
「脳」と言えば、私たちが生きていく中で日々働かせている「視覚」、「聴覚」、「触覚」、「味覚」、「嗅覚」といった五感や神経、そして思考を司っているもの。脳を鍛えた結果としてこれらの感覚が研ぎ澄まされると、より感受性の高い日々を送れるのではないだろうか。年を取ると感動することが少なくなるなんていうのだが、これは筆者も実感しているところだ。だが「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」に触れてみると、それはもしかすると脳の衰えによるものかもしれないと思うようになった。年を取ると考える前に、色々な知識や経験から生み出された固定観念で物事を判断してしまいがちになってしまうのかもしれない。「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」で脳を鍛えることによって、「考える」という行為に対しておっくうになることなく、気軽かつ深く取り組めるようになれば、感受性が豊かな生活を維持できそうだ。
「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」は、脳をフル回転させて、計算を解き、文章を読んだり、状況を瞬時に記憶したり、判断したり、といった方法で脳をビシビシと刺激してくれる。そこには、タッチパネルというペンを使った操作方法による「書く」という動作が加わることでより一層、脳を鍛える効果がプラスされているようだ。成績をグラフ化してくれたり、脳年齢という具体的な数字を見せてくれることで飽きることなく向上心も沸く。逆にひどい結果が出てしまうと、危機感すら覚えるかもしれない。
筆者の場合は多忙ゆえか、「今あなたはこれぐらい疲れていますよ」という結果を続々と見せられてしまった。自分の脳の具合を気軽に実感させてくれる、なんていうものを私は他に知らない。いわば未体験ゾーンである。未体験なものは誰しも興味が沸くし、その反面、怖いものかもしれない。20代、30代の人がプレイして「あなたの脳は80代ですよ!」なんていう結果が突きつけられたらと考えると、それは恐ろしい。でも、仮にそこからでも教授は手を貸してくれる。脳を鍛えようと日々切磋琢磨すればきっと若々しい脳を取り戻せるのだろう。私も自分の人生を感受性豊かなものにするため、これからも教授と共に脳を刺激して鍛えていこうと思う。自分の脳を見つめる生活。あなたもひとついかがでしょうか?
(C) 2005 Nintendo
□任天堂のホームページ
http://www.nintendo.co.jp/
□「ニンテンドーDS」のページ
http://touch-ds.jp/
(2005年8月22日)
[Reported by 山村智美]
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