PSP「Twelve~戦国封神伝~」
サウンド&声優・後藤沙緒里さんインタビュー |
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- 【PSP「Twelve~戦国封神伝~」】
- 価格:5,229円
- プラットフォーム:PSP
- 発売日:8月25日 発売
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(C) 2005 KONAMI |
コナミ株式会社より8月25日に発売されるPSP用シミュレーションRPG「Twelve~戦国封神伝~」。ヒロインの1人、マサヒメを演じた後藤沙緒里さんと、サウンドプロデュース担当の佐藤直之氏のお2人に、主に「Twelve」のサウンドに関するお話を伺う機会を得ることができたので、この機会にお届けしよう。
■ 控え目な中に強さを秘めたキャラクタ、マサヒメとの出会い
【後藤沙緒里】 |
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【profile】
'87年1月8日生まれ
出身:神奈川県
身長:152cm
趣味:神社めぐり
特技:柔軟体操
ギャラクシーエンジェル役の烏丸ちとせ役でブレイクし、2005年3月発売のPS2「Y's~ナピシュテムの匣~」イーシャ役、アニメ「こいこい7」での飛鳥ヤヨイ役などを演じる。アニメ、ゲーム、ラジオ、ドラマCDと様々なコンテンツで活躍中。「Twelve~戦国封神伝~」ではヒロインの1人であるマサヒメを演じているほか、オープニングテーマ「君のカケラ」、エンディングテーマ「dejavu」を歌う
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――最初に、マサヒメのお話をもらったときのことをお伺いしたいのですが?
後藤さん: 「ロールプレイングゲームのお仕事だよ」って聞いたときに、今まで攻撃の台詞とかをやったことがなくて、すごくやってみたいという気持ちがあったので、嬉しいなと思いました。あと、主題歌を歌うことになったのは、衝撃が強かったです。
――後藤さんは、普段、ゲームはプレイされたりするんですか?
後藤さん: RPGは途中で道がわからなくなっちゃうので、続けられないんです。だいたいお兄ちゃんが遊んでる横で見て楽しんでます。
――マサヒメの収録時のエピソードを教えてください。
後藤さん: お話が結構難しくて、漢字も声に出すと難しいものが多かったし、収録は疲れました。マサヒメは、最初、ちょっと控え目でおどおどしたような感じなんですけど、「優しい女の子だな」と思ってシナリオを読み進んでいくと、後の方になるにつれて芯の強さが出てきて、「実は強い女の子なんだなぁ」ということがわかってきたんです。その強弱のバランスみたいなものが、自分の中でなかなか定まらなくて、最初のうちはどうしようかと、いろいろ考えながら録ってました。
――マサヒメというキャラの役どころはどうでしたか?
後藤さん: マサヒメの背景には、家柄の関係とか本当にすごくいろいろなものがあったりするので、そういったことも考えながら演じてみたら、精神力を使うというか、頭を使った子でしたね。最初はティエンさんにしかなつかないのですが、物語が進んでいくと、他の仲間ともうち解けてきてマサヒメのいろんな一面が見えてくるんです。そういうところで、マサヒメ自身の変化が自分でも楽しめたので、良かったなって思います。
――ゲームのボイス収録は、基本的に1人でブースに入られることが多いとうかがったのですが、そうすると、掛け合いの間をとるのが難しかったりするのでしょうか?
後藤さん: 今回も1人でブースに入って収録したので、(掛け合いの)相手がどうくるか、いろいろ想像しながら収録しました。ティエンさんとの掛け合いを、ほんのちょっとだけ見せてもらったんですけど、ちゃんとできてたかなと思います。そうやって完成したものを聞くと、また嬉しい気持ちになりますね。
――収録時間はどれくらいかかりましたか?
後藤さん: だいたい3時間くらいです。
――声をあてるという行為自体は、アニメやCDと変わりないのかもしれませんが、ゲームの仕事はどうですか?
後藤さん: アニメだと絵が出るので、どう演技するかが決まってくるんですけど、ゲームはただ台本に台詞が書いてあって、キャラクタがどういう表情をするのかよくわからないんです。そこを考えながら演じるんですけど、それがかえって集中できるので、私は好きだったりしますね。「ここで声の調子を変えて」とか、自分なりに微妙な変化を付けられるのでためになります。
――声優さんに最初に情報として与えられるのは、キャラクタのプロフィール程度で、演技はその場で作っていく感じだったんですね。
後藤さん: マサヒメの性格の設定があって、こういう性格だからどこまで怒るのかとか、どこまで落ち込むのかとか。“あまり怒りすぎてもマサヒメじゃなくなっちゃうな”とか考えたりしながらやってました。だから今回のお仕事は、わりと自由にやらせてもらえたなと思います。
――マサヒメというキャラクタ、個人的にお気に入り度は?
後藤さん: 和風なんだけど洋風というのが服装にも表現されてて、すごく「この子可愛い!」っていうのがあったんです。でもキャラクタの設定を見てると、「あれ、こんな子なんだ」という意外な部分もあったり。やっぱり、好きな子ですね。
――もし、もう一度マサヒメをやって下さいという話になったら、どうでしょう?
後藤さん: また演じてみたいですね。録った時と今の自分がまた違うので、今演じるともうちょっと違う表現ができると思うので、マサヒメがまたちょっと変わってくるんじゃないかと思います。もっとマサヒメのキャラクタ性を広げていきたいです。
■ 苦手ながらに取り組んだ主題歌のレコーディング
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(C) 2005 KONAMI |
――今回の主題歌の仕事は、今までの歌の仕事と何か違いはありましたか?
後藤さん: 歌って、本当に苦手なんですね。だからどの曲を歌うのにも、すごく緊張してプレッシャーを感じるし、そういう意味では今回も特に変わらずいつも通り緊張してました(笑)。
――主題歌のレコーディングはスムーズでしたか?
後藤さん: 主題歌は、アルバムの曲を収録する中でも一番最初に録ったんですね。「最初だから軽い気持ちで、始めは練習しようか」って言われて、何回か練習してるうちにレコーディングが終わっていて、「はい終わり」っていう軽い感じでした。
――詩について考えたりする暇は、あまり無かったんでしょうか?
後藤さん: 収録の前にちゃんとキー合わせがあって、1週間くらい練習できる期間があったんです。本当に緊張していたので、もうその1週間は暇があれば聞いて、すごく練習しました。曲は和風チックでゲームに合った曲だなぁと思いながら歌いました。
――プレッシャーだった主題歌を、歌う前と歌った後で心境に変化はありましたか?
後藤さん: 録った後は楽になりました。後で歌が届いたんですが、でも「もうちょっとミックスを直すかも」って言われていて、何度か違ったバージョンのものが送られてきたんです。それを聞くたび、どんどんゲームの世界観に合ってどんどん良くなっていくので、私自身がすごく感動しました。「そこまでして頂いて」って、すごい嬉しかったですね。PSPで実際にゲームのオープニングを見たときは、「綺麗だな」と思いました。
――「Twelve~戦国封神伝~」というゲームに対して、主題歌とマサヒメ役を含めての感想は?
後藤さん: 主題歌は正直「私でいいのか?」っていうのが本当に強かったんです。でもキャラクタを演じるということに関しては、そんなにプレッシャーは無くて。主人公さんが居て、その相手役というところに居たと思うので楽しかったかな。
――アルバムに関してはプロモーションビデオを収録されていますが、撮影はいつ頃ですか?
後藤さん: 5月中旬くらいに蓼科で録ったんですけど、ものすごく寒かったです。ノースリーブで、もう寒くってガタガタ震えちゃって「これでできるのかなぁ」と思ってたんですけど、カメラが回ったら意外とできたもので「自分すごい!」とか思いました(笑)。そういう意味では、新しい自分が発見できてすごく楽しみながら録れました。でき上がったのを見ると映像が綺麗で……でも恥ずかしかったです。
――先ほど歌は緊張したという話でしたが、プロモビデオはどうでしたか?
後藤さん: 撮って下さる方たちが結構マイペースで、「のんびりやろうじゃん」みたいな感じだったので、私もそんなに気を負わずにちょっと口ずさんだりしながらリラックスして録れました。
――今後、歌の仕事も緊張しないでやれそうですか?
後藤さん: 歌は今まで「ずっと苦手」と思っていて、できれば避けたい道だったんですね。でも「Twelve~戦国封神伝~」の主題歌とか、アルバムの曲を収録するにあたって「あんまり上手に歌う必要とかないんだ」とやっと思えて。そう思えてからはすごい楽しみながら歌えているので、またそういう機会があったら、もっと違う自分が見せられるんじゃないかなと思います。
■ 和物と洋物が融合する「戦国ファンタジー」の楽曲
【佐藤直之】 |
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サウンドプロデュース担当。「Twelve」では、音声や楽曲、効果音などの管理全般を行なう |
――ではサウンドプロデュース担当の佐藤さんに、楽曲のコンセプトからお聞きしたいと思います。
佐藤氏: 最初に「戦国ファンタジー」というゲームコンセプトを提示されたんですが、「戦国」で「ファンタジー」というのが結構難しいんです。和物でありながら洋物が出てくるので、和でありながら洋の色を出した上で、ある程度ユーザーを感情移入させる演出をしていかなきゃいけない。特殊な仕掛けは避け、ストーリーに沿ったオーソドックスな演出を心掛けました。
ストーリーそのものは非常にシンプルでわかりやすいので、曲も1曲1曲がキャッチーで聞き取りやすく耳に残るものに、という方向で制作を進めました。和と洋の融合という点で、いろいろと依頼するのが大変でしたね。
――和洋折衷のブレンド具合は、スタッフによって感じ方が違うんじゃないですか?
佐藤氏: 最初何回かやり取りをして、あとはお願いした作曲家さんにお任せしました。和にも洋にも偏らせないために、例えば日本古来の楽器はなるべくさりげなく使う、メロディーでそれとなく和を感じさせる、楽器はオーケストラ中心で、といったところを詰めていきました。曲は基本的に1人の作曲さんに全て書いていただいたので、統一感が持てたと思います。
――キャッチーな曲というと、ジャンルはどんなものが多いんでしょうか。
佐藤氏:う~ん、難しいですね。一言で言うと、「ゲームミュージック」に括られるのかな。ただ、楽器の編成は本格的で非常にオーケストレーションを意識したり、和の楽器を曲の中にさりげなくフィーチャーしていくとか、そういう部分に気を使いつつ、あくまで「キャッチー」にこだわりました。
――フルボイスということで、声優さんの音声データは相当入ってるんですよね?
佐藤氏: そうですね。だいたい10秒~30秒程度のボイスデータが8,000個くらい入ってます。
――音声データに関して、特に工夫された点はありますか?
佐藤氏: 特に大きな工夫はしていませんが、やはり容量は厳しかったです。この手のゲームでは声が演出のために果たす役割が非常に大きいので、音質を下げて容量を確保するという処理をする際の管理と決断は結構大変でした。
今回は、ストリーミングを実装して曲に容量をあまり割かない分、音声と効果音を大量に積み込むようにしていますが、中でも声は相当重要なので、ほぼ最優先にしています。効果音が鳴ってなくてもあまり気にならないと思うんですけど、声が欠けてたりとか鳴ってなかったりするとものすごく気になるんじゃないかなと。
――PSPでは低音があまり出ないと以前伺いましたが、その辺りのご苦労は?
佐藤氏: 音声に関してはむしろ高音ばかり出てしまったりするので、高音がシャリシャリしないように気をつけました。また、下手をすると鳴らしているのに聞こえないケースも起こり得たので、それだけは絶対に起こらないように処理したものをゲームに乗せています。結構大変でした。
――主題歌が入るというのは、最初から決まっていたんですか?
佐藤氏: 主題歌を入れる案は、ちょうど声優さんを探し始めた頃からありました。今回の主題歌に合う声優さんを探していたときに、後藤さんが歌っていらっしゃった別の曲を聞いて、この透明感とテンポ感が、このタイトルに合うと確信しました。
そこで、後藤さんの声をもとに、何人かの作家さんにコンペという形で作品をお願いしたんです。その中の1曲が、満場一致で素晴らしいということになって、その作家さんにお願いすることになって、レコーディングからミックスまで全部その方のスタジオでやっていただいたんです。結果的に非常に満足しています。
――佐藤さん達が気に入ったアーティストさんが、実は歌が苦手ということで困ったりは?(笑)
佐藤氏: そうですね、不安がなかったといえばうそになりますね(笑)。ただ、結果としてこういった形でいい作品が残せたので、お願いして非常に良かったと思ってます。音声に関しても、イメージ通りいいものが録れたと思っています。
――最後に、後藤さんにはファンの方に向けて、佐藤さんには「Twelve~戦国封神伝~」を待っている方にメッセージをお願いします。
後藤さん: お話もすごく濃い感じで、出演の方も濃い感じで楽しめると思います。PSPでどこにでも持ち歩けるので楽しんでください。是非遊んだ感想を聞かせてほしいです。
佐藤氏: 総合的な演出面で、キャラクタの台詞や曲なりに非常にストレートなメッセージ性を含んでいるので、素直に感動してもらえると思います。全てプレイしてもらえば、きっと何か得るものがあると思うので、是非最後までプレイして頂ければと思います。
【後藤沙緒里 ファーストアルバム「f」】 |
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2005年8月24日発売
3,000円(税込)
GFCA-7
・フルカラー24ページブックレット
・初回限定仕様/スリーブケース
・初回封入特典/生写真
「Twelve~戦国封神伝~」のオープニングテーマ「君のカケラ」、エンディングテーマ「dejavu」を収録。
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□コナミのホームページ
http://www.konami.co.jp/
□「Twelve ~戦国封神伝~」のページ
http://www.konami.jp/gs/game/twelve/
□関連情報
【7月12日】コナミ、戦国時代とファンタジーの融合
PSP「Twelve ~戦国封神伝~」を8月25日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050712/twe.htm
(2005年8月10日)
[Reported by 河本茉澄 photo by 佐伯憲司]
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