★PS2ゲームレビュー★
思い出をマルチでレビューしてみました
「タイトーメモリーズ 上巻」 |
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- ジャンル:バラエティ
- 発売元:株式会社タイトー
- 価格:5,040円
- プラットフォーム:プレイステーション 2
- 発売日:発売中(7月28日)
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'78年に登場した「スペースインベーダー」から'97年登場の「プチカラット」まで、厳選25本のアーケードゲームのタイトルを1本にまとめたオールドゲームファン垂涎の「タイトーメモリーズ 上巻」が発売となった。
25本ものタイトルを1人のレビュアーで行なうのは無理があると考え、今回に限って、複数のレビュアーで、各個思い入れのあるタイトルに関してレビューを行なう、という方法を試してみることにした。
■収録タイトルは20年の歴史から厳選(?)の25本
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プレイしたいタイトルを選ぶメニュー画面は、年代順またはタイトル順でソートすることができ、さらにはお気に入りをピックアップすればそれらのタイトルのみを表示するということもできる親切設計。暗い色で表示されているものは、特定の条件を満たすまでプレイすることができないタイトルだ |
さて、本作は株式会社タイトーとゲーセンの歴史を彩ってきた、25タイトルのアーケードゲームが1本に詰まったオムニバス形式のソフトである。ソフトの価格は5,040円だから、25タイトルで割れば1タイトルあたり200円という計算となる。両替した100円玉を、塔のごとく積み上げて、やっきになってプレイした、あのゲームたちが、1本200円、である。2005年に見かけたら、懐かしくて思わず100円は投入してしまいそうなゲームたちとも言える。それが1本200円。
ノスタルジックな感情も込みで計算するとコレは確実にお買い得のような気もするが、冷静に考えてみるとゲーセンに登場した当時に100円しかプレイしたことがなく、今再び遊びたいかと言われると首を傾げてしまうタイトルもあるので、現実的なところでは1本あたり400円ぐらいの計算が妥当だろう。いや、それでも十分にお買い得か。この世にはミニゲームが200本ぐらい入って5,000円、ミニゲーム1本あたりの単価がおよそ25円という恐るべきソフトも存在するが、オールドゲームファンにとっては「ノスタルジー代」というものも必要経費であることだし。
さて、そんなお買い得なタイトルたちは以下の通り。
No. |
登場年 |
タイトル名 |
No.
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登場年
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タイトル名
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1
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1978
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スペースインベーダー・カラー
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14
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1990
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嗚呼栄光の甲子園
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2
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1980
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ルナレスキュー
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15
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1990
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マジェスティック トゥエルブ
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3
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1982
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アルペンスキー
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16
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1990
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ルナーク
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4
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1985
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フェアリーランドストーリー
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17
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1991
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プリルラ
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5
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1986
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奇々怪界
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18
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1991
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メタルブラック
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6
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1986
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バブルボブル
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19
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1992
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グリッドシーカー
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7
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1987
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ラスタンサーガ
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20
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1994
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スペースインベーダーDX
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8
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1988
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功里金団(くりきんとん)
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21
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1994
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ダライアス外伝
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9
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1988
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サイバリオン
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22
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1994
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ライトブリンガー
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10
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1988
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地獄めぐり
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23
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1995
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エレベーターアクション リターンズ
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11
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1989
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キャメルトライ
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24
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1996
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クレオパトラフォーチュン
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12
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1989
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ドンドコドン
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25
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1997
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プチカラット
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13
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1989
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フリップル
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それぞれのゲームに関する解説は過去記事や公式HP、初回出荷版に同梱されている小冊子を参考にしてもらえればありがたい。移植の完成度については個々のレビュアーの方々にお任せするとして、基本的には及第点のあげられる作りとなっている。よって当時に流行した「パターン」を駆使して楽しめるタイトルもあれば、「ゲーム開始からショット何発目でUFOを撃墜すれば300点だったかなー」などという疑問の検証だってもちろん可能だ。ゲームオーバーになってもコンティニューが可能という革命的な仕様が装備された'85年以降のタイトルなら、マネーパワーを駆使することなくエンディングまでたどり着くことだってできる、というのは蛇足だが。
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プレイしたいタイトルを選ぶと、ゲーム内容と操作を説明する確認画面となる。操作をすっかり忘れているタイトルや、初めて遊ぶタイトルでもこれで安心。なお、確認画面では使用するボタンをカスタマイズすることも可能。「俺が行ってたゲーセンは左のボタンがジャンプで右のボタンがショットだった!」というニーズにもばっちり対応!? |
■ スペースインベーダー・カラー ■
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UFOの得点の法則性とか全然覚えてないんですが、クレジットを入れても音が鳴らなかったり、ゲームを開始した瞬間にも特にBGMやSEがなかったりといったあたりに新鮮味が。というか「そうそう、こうだったよなあ」っていうノスタルジックな感動が。今さらインベーダーを本気で遊び込む気はこれっぽっちもしませんが、タイトーの、そしてビデオゲームの歴史を語る上で外せないタイトルだけに、その存在意義は大きい。レインボーは確認しませんでしたが、とりあえずナゴヤ撃ちはできました。
最後の1匹を撃ち漏らして占領されたけど。(平田)
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■ ルナレスキュー ■
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小学校4年生ぐらいの頃、地元広島の駄菓子屋でUFOチョコだのチョコバットだのを食べながら2回ぐらいだけプレイした記憶が。150点の狭い足場とか一生乗れないとか思ってたけど、今プレイしてみるとすごく簡単で「俺もゲームうまくなったなあ」と感動することしきり(安すぎる)。
自機とかなり接近した状態で容赦なく弾を撃ってくる敵など、昔のゲームの厳しさを思い出させてくれます。障害物の数と減速に使用する燃料の量のバランスがよく取れていて、今のゲームの感覚で見てもゲームバランスが取れていて素晴らしい。(平田)
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■ アルペンスキー ■
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スキーのスラロームをモチーフにしたゲーム。ミスをしても時間が残っていれば何度でも復活するので、アクションゲームというよりはむしろレースゲームに近い。ボタンを押したまま滑ると徐々に加速し、当時としてはかなりのスピード感が楽しめるのも魅力のひとつであった。
障害物に囲まれた場所に高得点が入るポイントが数多く存在するのは、いかにも古典的なゲームらしいシステムだ。これらのポイントを狙って通過できるパターンを研究しながらプレーすれば、より本作品を楽しむことができるだろう。軽快でノリのいいBGMもお聞き逃しなく!(鴫原)
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■ フェアリーランドストーリー ■
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時代背景を知らない人は「女の子向けゲーム」と感じるかもしれないが、アーケードでリリースされた'85年は「ゲームセンターなんて不良の溜まり場にいっちゃいけません!」と世間一般にいわれて久しかった時代。当然、女の子が「きゃーこれかわいぃ~」なんて言いながらコインを投入する姿はほとんど見られず……コアなゲーマーをガッチリ捕らえて放さない完成度を備えていた本作は、およそ華やかさとは程遠い雰囲気でガシガシプレイされるのが常であった。
自由にジャンプできるのに降りるには床がないところでポトンと落ちなければならないジレンマ、足場として利用できるモンスター、ジャンプ途中にレバー入力で低い段差に昇れるなど、アクションパズルが好きな人にはたまらない仕掛けが随所に用意されていたのが印象的。性急さがなくジックリ遊べる作りが、'80年代黄金期を思い出させてくれる。同社の名作「レインボーアイランド」は、本作なくしては生まれなかったといえよう。(北村)
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■ 奇々怪界 ■
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対ボス戦においてアーケード版に存在したいわゆる「安全地帯」をいくつか試してみたが、すべて問題なく通用した。道中の敵キャラクタの出現パターンやBGMなども特に違和感がなく、移植のクオリティに関してはまったく文句のつけようがない。
ただ惜しむらくは、画面サイズを縮小したために一部のキャラクタの輪郭や表情がやや見にくくなっていることだ。とても個性的なデザインのキャラクタが多数登場するゲームだけに、ちょっと残念に思えた。(鴫原)
ピンボールでおなじみだったマッチ機能(ゲームオーバー後に表示される数字とスコアの下3ケタが合致すると、クレジットが増える)を搭載した珍しいビデオゲームだったわけですが、そこまで忠実に移植しているところが妙におもしろい。過去の移植作では、ここまで再現できていないものも多かったものですから……。(平田)
細かいところですが、コインの投入音いわゆるクレジット音の再現度がグレイトです。「ゴォォーン」という鐘を突いたようなSEなのですが、本物の鐘の音をサンプリングして使ったのでは出せない風情があります。和風の世界への入り口というか「その世界観へ没入するための第一歩」がいかに大事かと改めて知る事ができました。(福田)
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■ バブルボブル ■
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画面構成、BGMそしてアルゴリズムなど、再現度についてはまったく問題がない。アーケード版でさんざん遊んだよ、という人でもまったく違和感なく楽しめるはずだ。
筆者としては、特に本作品をご存じない方には2人同時プレイで遊ぶことをおすすめしたい。2人のコンビネーションを駆使して敵を倒したり、各種アイテムを分け合いながら進めていく楽しさは格別なのだ。全100面クリアの達成を目指しつつ、この夏休みを利用して本作品の面白さをじっくりと堪能していただきたい。 (鴫原)
収録タイトルの中で、おそらくいちばん遊び込んだゲーム。とりあえず、敵の配置やアルゴリズムに関して、違いにはまったく気がつきませんでした。スピードアップする靴は歩けば歩くほど、キャンディは泡を吐いたり割ったりジャンプしたりすると出現します。特定の面になると秘密のドアが出現して、その中に入ると隠しコマンドのヒントが!
当時プレイしたことがない人は、たったこれだけのアドバイスをもとにがんばってみてください。ぶっちゃけ靴とキャンディがあればなんとかなりますから。(平田)
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■ ラスタンサーガ ■
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山野や古城といった背景はもちろん、骸骨剣士、トカゲ男、コウモリなど、ち密なドット絵で表現されたファンタジーテイストたっぷりのグラフィックもさることながら、本作最大の魅力は、敵の出現パターン、ステージ構成、トラップの位置、多彩なアイテムなど、ありとあらゆる要素が計算し尽くされていたこと。
分業化が進んだ現在のゲーム制作と'80年代のそれは、ある意味“完全に別物”であり、ゆえにクリエイター個人のセンスが、ゲーム画面、レバー、ボタンからヒシヒシと伝わってくる作品が大半を占めていた。威力が増すジャンプ攻撃、アイテムの制限時間、起伏に富んだステージ構成、ハイジャンプとロージャンプの使いわけなど、全体の完成度は“芸術”の領域に達しているといっても過言ではない。ゲームクリアに必要とされる要素の大半がファーストステージに詰め込まれているため冗長感は否めないが、作り手側の“意志”を感じながらそれに挑戦していく感覚は、今時のゲームに慣れきった人たちには新鮮に映るかもしれない。(北村)
駄菓子「森田屋」で小学校の友人たちと狂ったように遊んだ「ラスタンサーガ」。難易度の高いアクションをクリアしヒドラ(最終面の方のボス)まで進んだのに、「はい~、もう6時ね」と店の親父にコンセントを抜かれて泣いて帰った痛い思い出がPS2で味わえるとは……。グラフィック、サウンド、シビれる難易度の高さまで忠実に移植していると思います。相変わらず弱いよ、ラスタン! (福田)
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■ 功里金団 ■
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なぜかポケバイに乗って現れる僕らのヒーロー功里金団。カンフー物なのにキャラクタのリーチの短さからドツキ合い感が拭えない、というコミカルさも当時のまま再現。当時は駄菓子屋でプレイしていて、インストカードが無かったんですよ。オーラを張るだけで「兄ちゃんすげー」などと子供から声援が! 今思うと、子供相手に何優越感に浸ってんのと言いたくなりますな。(福田)
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■ サイバリオン ■
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特殊な画面で細かい文字表示にまず惹かれ、分岐するストーリー、トラックボールの採用など、ものめずらしさで始めたタイトル。後半は完全にサウンドのためにプレイしてました。プロローグでのトランペット、当時のタイトーサウンドの象徴ともいえるディストーションの効いたドラム……(意識が飛んでます)。このサウンドのために遊ぶ価値はアリ! サントラ持ってても遊んじゃいますよ。
見た目、ストーリー部分など移植度が高いと感じさせるものはありますが、画面モードと、トラックボールの操作性の再現だけは……しょうがないです。方向キーでプレイするとドラゴンの移動が早すぎてちょっと具合が悪いかも。ゲームの難易度的にも高い作品なんで、調整機能は欲しかったかも。(佐伯)
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■ 地獄めぐり ■
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ビジュアル的にあんまりカッコよくないので、アーケードに登場した当時はまったく無視していましたが、今遊んでみると操作感が軽快でとても楽しいです。「うわー! 遊んどけばよかったー!」という再発見があるのもこういったオールドゲームのオムニバス系ソフトの醍醐味ですね。(平田)
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■ キャメルトライ ■
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画面を回転させることで、ボールを転がすというアイデアが秀逸。スーパーファミコンやX68000に移植されたりしましたが、現状を考えるとPS2へ移植されてありがたい、という感想。転がす系タイトルというよりは、回転機能タイトルなので、微妙な調節が重要だったりする分、やっぱり加速ボタンなり回転調節機構なりが欲しかったなあと。(佐伯)
本来はパドルでプレイするゲームというのが残念ですが、コントローラーでプレイしてもかなり楽しい。L1ボタンとかで画面の回転速度の加減速ができても良かったんじゃないかなあっていう気もしないでもないです。(平田)
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■ ルナーク ■
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設定こそ動物愛護精神に溢れるが、中身は完全にヴァイオレンス。ゲーム開始直後、いきなり奇襲をしかけてくるベレー帽をかぶった工員風の男たちとボディコンギャル。画面に表示されるメッセージ「許せない!!」は、まさに心の叫び。パンチやキックでボコボコにしてもいいが、本作の醍醐味は、なんといっても豊富な武器アイテム。マップ上のあちこちに隠されている(あるいは敵が落とす)拳銃、ライフル、ロケットランチャー、ムチ、バット、手榴弾、ナイフ、刀などを駆使して、非道な密猟者たちを無限地獄に墜とすべし! 彼奴らに慈悲の文字は不要。いじめられている動物を助けると、その動物が密猟者に逆襲するシーンなんかも見られる勧善懲悪な作り(?)は、必ずや日本人の琴線に触れるハズ。
筆者は4人同時プレイが可能なアーケード版で友だちと絶叫しながらプレイしていたが、ひとりでじっくりクリアを目指すのもいいだろう。レーティング対策で残虐表現が削除されたのは憤懣やるかたないといった感じだが、まぁこれは「時代がそうさせた」と涙を飲むしかないだろう。(北村)
無法者度、動物愛護感、ノリのよいサウンドは原作のまま。ただ、ロケットランチャーや手榴弾で敵を吹き飛ばしても、肉片が飛び散らない(敵がパッと消える)のがねえ……。まあご家庭で幼子と二人同時プレイをするというシチュエーションを考えると、この変更は歓迎されるべきことなのかも。(福田)
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■ プリルラ ■
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柏のゲームセンターで2週間という異例の速度で消え去った「プリルラ」。それからサントラを聴きまくったり、FMタウンズ版(タウンズは不所持)を買ったりして想いを募らせましたバイ。「タイトーメモリーズ」版はメルの可愛さはもちろん、ショックのパー(魔法)からレンジマン(魔法)まで再現度は高いです。BGMを聴いているだけで強制タイムスリップ“1991”。編集部で涙出ちゃいました。(福田)
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■ メタルブラック ■
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正直いって、他のゲームの待ち時間に遊んでましたー! しかも音を聞くためだけに遊んでましたー! サウンドは今聞いてもかっこいいし、ストーリーとか演出に懲りまくってるところもなかなかどうして。ボスが倒れたときの処理なんて「ダライアス外伝」に通じるエフェクトでかっこよかったりするわけですが。(佐伯)
なんで最初から遊べないんでしょうねこのタイトル。マニアゲーだからかなあ。メタブラの曲が好きで好きで好きでこのソフトを買った! という人は(そういう人はサウンドトラックを持っていそうな気もするが)、グリッドシーカーをとことん遊んでみるといいかもしれないですね。詳細は過去記事をご参考あれ。(平田)
タイトーゲームを語る上では外せないタイトルらしい、という不純な理由でやり込んだ思い出のあるタイトル。「当時は周囲のタイトー信者の意見に美化されていたのかも……」と思いながら「タイトーメモリーズ」版を遊んでみましたが、やはり名作と呼ぶべき作品であることを再確認。突出して高い演出力、世界観の独自性、そして単体でも聴けるサウンド。これだけでも十分お金を払う価値はあると思いますよ。(福田)
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■ ダライアス外伝 ■
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とにかくですね、「ダライアス」シリーズで最高に好きな作品で、グラフィックもサウンドも大好き。プレーヤーにこれでもかと殺気を充満させた攻撃の数々に見とれて吸い込まれていったコインの数は数知れず……。基本的には、見た目も音も操作性もきちんと移植されていると思います。
ただ、ソフト連射が装備されたセガサターン版がマイフェイバリットの身としては、“シンクロ連射がない”というただ1点において、非常につらいといわざるを得ません。連射付きジョイスティック使ってみてなおさら思います。こんなんでクジラに勝てるかー!! すいませんヘタレで。(佐伯)
グラフィックやBGMなど、演出面ついての移植再現度についてはまったく問題がない。だがPS版「ダライアス外伝」と同様に、一部の場面で処理落ちが発生するのがちょっと気になった。対ボス戦で大量に弾がバラまかれるシーンが特に顕著であるが、通常のステージでも散見されたところが個人的には残念だった。しかし、これはハード的な問題もあると思われるので致し方ないだろう。
また、より気持ちよく遊んでもらうためにショットのオート連射機能を用意してもよかったのではないだろうか。アーケード版では元々存在しない仕様であるが、高速連射があればボスのパーツを破壊するパターンが作りやすくなるなど、さらに楽しさが増すゲームだけにぜひとも導入を検討してほしかったところだ。(鴫原)
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■ ライトブリンガー ■
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100円玉の塔を積み上げてプレイしてた思い出のタイトル。動きがけっこう大味だったり画面がちょっと見づらかったりするのが醍醐味なんですが、小ぎれいになったリメイクバージョンとかもプレイしてみたいかな……なんて欲が出ちゃいました。
ともあれ、100円玉を積むことなくこのゲームを遊べるのは嬉しいです。当時そんだけプレイしてて、今でもやっぱり100円積むぐらいコンティニューすんのかよって言われると、まったくその通りですとしか言えないんですが。アイテムの位置とかもう覚えてないじゃないですか、ほら。(平田)
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■ コマンドを使用すれば最初から全タイトルが遊べる
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特定のタイトルを遊ぶなど条件をクリアしていくことでロックタイトルが解除されていく |
オールドゲームファン垂涎の本作ではあるが、少々残念なことにそんなファンには優しい作品ではない。ゲーム開始時にメニューから選べるタイトルは20本だけで、残りの5本はある条件を満たさないとプレイできないようになっているのだ。
通常、プレイするとアンロックされる条件に関しては、以前のニュース記事をご覧いただきたいが、人によって思い入れがあるタイトルが異なる以上、自分が真っ先に遊びたいタイトルがなぜロックされていなければならないのか、正直疑問が残る。そんな人たちのために、アンロック用コマンドが続けて公開された。
・タイトル画面でカーソルがSTARTに合っている状態でL1→R1→R2→L2→SELECT→STARTボタンを入力し、ゲームセレクト画面に入る
オールドゲームというのは、現在の「なんでもある」ゲームが持つ楽しさに勝てるものではない。よほどゲーム性が気に入れば、唯一無二の名作ということにもなるが、基本的にはオールドゲームファンというのは、楽しかったり美しかったりする過去の思い出に対してお金を払う。場末のゲーセンなんかで懐かしいゲームに出会ったときに、思わず100円なり50円なりを投入してしまうというのは、そういった思い出を喚起するためにお金を払うということだと思うし、おそらくはこのソフトを購入するファンの多くがそういう気持ちだと思う。
コマンドで解除できるとはいえ、そういう気持ちでソフトを買って、目当てのゲームが最初から遊べないというのは、ロマンに欠けていやしないだろうか。大好きだったものと再会する喜びというロマンチックな気持ちに水を差す仕様であるといえる。コマンドがある以上、この仕様を入れた理由がさらによくわからないことになったわけだが……。
■ 縦画面のタイトルが少ない理由? さらなるパワーアップに期待
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「ルナレスキュー」ぐらいだとあまり気にならない「横画面内での縦画面表示」も、「グリッドシーカー」ぐらい画面情報が増えると途端に窮屈な印象。この表示方法が基本となるのは仕方がないが、モニターを縦置きできるプレーヤー用に縦画面表示のオプションが用意されていても……というのはやはり贅沢な注文か? |
筋金入りのゲーマーならすぐにピンと来たと思うが、本作には縦画面でプレイするタイトルがあまり収録されていない。これはもちろん、家庭用テレビを縦置きにするわけにはいかないから、という物理的理由が挙げられる。それでも収録されている「グリッドシーカー」と「奇々怪界」をプレイしてみたところ、これはけっこうきついな、というのが正直な感想。モニターの大きさが20インチ以下では、正直キャラクタがはっきりして視認性が高い「奇々怪界」はまだなんとかなる気がするが、純粋な縦スクロールシューティングである「グリッドシーカー」はかなりきつい。
名作と評価される縦スクロールシューティングを数多く送り出してきたタイトーなのに、そういったタイトルが上巻・下巻を通じて思ったより収録されていないのには、快適にプレイできないのであればいっそのことあきらめてしまおう、という理由があるのかもしれない。
名作タイトルを最新コンシューママシンへ移植、という流れは、古くはマイコン(パソコン)やファミコンの時代から行なわれてきた、当時のゲーマーたちが「ゲーセンで遊べるものを自宅に持ち込む」という興味のひとつの的だった。そんなタイトル群が25本まとめて収録された、という英断に対しては、タイトーに素直に拍手を送りたい。いくつかのタイトルのロック、という仕様さえなければさらに、だ。
また、技術的、物理的に困難であろうタイトルの復活にも、この上巻の売り上げが追い風になれば、と願わずにはいられない。そして、リリースごとに再現度がさらに向上されていること、そして、プレーヤーの視点に立った補助機能の補完などを願って、本稿を締めさせて頂くことにしよう。
(C)TAITO CORP.1978-2005
□タイトーのホームページ
http://www.taito.co.jp/
□「タイトーメモリーズ」のページ
http://www.taito.co.jp/d3/cp/taito_memories/
□関連情報
【6月23日】タイトー、PS2「タイトーメモリーズ 上巻」
全25タイトルの解説本を初回特典として同梱
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050623/taito.htm
【5月13日】タイトー、名作ゲーム25作品が1本に!!
PS2「タイトーメモリーズ 上巻」を7月28日に発売
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050513/tm.htm
(2005年8月5日)
[Reported by 平田 洋/北村孝和/鴫原盛之/福田柵太郎/佐伯憲司]
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