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「PlayStation Meeting 2005」レポート
久夛良木氏、PS3は「高いぞとは言っておく」

7月21日 開催



SCEJのプレジデント竹野史哉氏
レベルファイブ代表取締役日野晃博氏は「ゲーム業界のRPG大作として、『ドラクエ』や『FF』に匹敵する作品にしたい」と熱意を顕わにした
 「PlayStation Meeting 2005」の全体の流れは「PS2、PSPの現状と今後の展開」、そして注目度の高い「プレイステーション 3」に関する発表という構成だった。

 ミーティングはSCEJのプレジデント、竹野史哉氏によるプレゼンからスタート。2005年7月20日の時点でPS2の世界生産出荷累計が9,126万台に達したことが報告された。特に今年5月に投入された薄型のプレイステーション 2のセラミック・ホワイト(SCPH-70000CW)が好調であったことを指摘。10代前後や30代以上といった年齢層の購入者が増加したことを明らかにした。

 ここでソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI) エグゼブティブ・バイス・プレジデントの佐伯雅司氏が登場。話題はPS2のソフトウェアに移り、ソフトの世界生産出荷累計が8億6300万枚に上ったことを発表した。ここで夏商戦、年末商戦にリリースされる予定のPS2タイトルのデモ映像が公開された。

 ここで流されたデモ映像は1タイトル20秒程度であったが、その中で一際長く力を入れて紹介されたタイトルが存在した。株式会社レベルファイブが12月に発売を予定しているRPG「ローグ・ギャラクシー」である。映像美もさることながら、声優に上戸彩さん(ヒロイン・キサラ役)や玉木宏氏(主人公・ジェスター・ローグ役)を起用するなどの意外性が来場者の注目を集めていた。

 日野氏によれば、制作期間は2年半。「これはスタッフの数的にも時間的にも、レベルファイブとしては過去最大規模の作品」とのこと。「『ドラクエ』や『ファイナルファンタジー』なみのスケールで、世の中のRPGに、この『ローグ・ギャラクシー』で対抗したい」と意気込みを語っていた。

【ローグ・ギャラクシー】
(c)Sony Computer Entertainment Inc.


 佐伯氏は現在の状況を「プレイステーション2は最大の収穫期」と位置づけ、プレイステーション2の展開に従来以上に力を入れていくとしてプレゼンを締めくくった。

【会場で上映されたPS2タイトル一覧】

●スクウェア・エニックス「ダージュ オブ ケルベロス -ファイナルファンタジーVII-」

発売日未定

●スクウェア・エニックス「キングダム ハーツII」

2005年発売予定

●バンダイ「機動戦士ガンダムSEED DESTINY~GENERATION of C.E.~」

8月25日発売予定

●スクウェア・エニックス「コード・エイジ コマンダーズ ~継ぐ者 継がれる者~」

10月13日発売予定

●スクウェア・エニックス「グランディアIII 」

8月4日発売予定

●SCE「SIREN2」

2005年発売予定

●カプコン「新 鬼武者 ドーン オブ ドリームス」

発売日未定

●コーエー「真・三國無双4 猛将伝」

9月15日発売予定

●ナムコ「テイルズ オブ レジェンディア」

8月25日発売予定

●アトラス「デビルサマナー 葛葉ライドウ(仮題)」

発売日未定

●バンダイ「ドラゴンボールZ スパーキング!」

10月6日発売予定

●バンダイ「NARUTO-ナルト-うずまき忍伝」

8月18日発売予定

●カプコン「バイオハザード4」

発売日未定

●セガ「ファンタシースターユニバース」

今冬発売予定

●セガ「プロ野球チームをつくろう!3」

7月28日発売予定

●コナミ「メタルギア ソリッド 3 サブシスタンス」

発売日未定

●コナミ「ワールドサッカー ウイニングイレブン9」

8月4日発売予定

●ハドソン「桃太郎電鉄15 五大ボンビー登場! の巻」

今冬発売予定

●SCE「ラチェット&クランク4th(仮題)」

発売日未定

●SCE「ワンダと巨像」

10月27日発売予定




■ PSP、システムソフトウェアバージョン2.00のアップデートを予定

SCEJエグゼブティブ・バイス・プレジデントの佐伯雅司氏
PSPの新色セラミック・ホワイト「PSP-1000 KCW」
PSPのスタンドも発売?「ポータブルリゾート(仮)」
 PSPのプレゼンでは佐伯氏が本体の販売台数について触れた。7月20日の段階で世界生産出荷累計が507万台に到達したことを明らかにした。さらにソフトウェアの世界生産出荷累計が1,120万枚に上ると発表した。

 さらにPSPの最新OS「システムソフトウェアバージョン2.00」のアップデートが7月27日から提供開始されるとアナウンスされた。このバージョンの特徴はインターネットブラウザが搭載されていること。FLASHには非対応だが、HTML4.01に対応し、世界のインターネットに即時接続される。

 インターネットブラウザを活用したネットサービスの例として、ポータブルTVというコンテンツが実際に紹介された。ポータブルTVのサイトから希望のムービーをPSPのメモリースティックにダウンロード。韓国ドラマの映像をダウンロードし、PSPで鑑賞する様子が会場のスクリーンに映し出された。佐伯氏は「PSPをモバイル動画のスタンダードに位置づけたい」とコメントした。

 また、フォト機能ではAdhoc通信で画像の送受信が可能になったこと、ミュージック機能では対応ファイルが追加されたことなどを発表。PSPの新色セラミック・ホワイト「PSP-1000 KCW」(バリューパック)が、9月15日に26,040円で発売されることがアナウンスされた。

 会場では今後発売されるソフトウェアラインアップが映像で公開された。その中で実際にクリエーターがゲーム内容を解説するという形式で、5本のタイトルが紹介された。

【福福の島】
プレーヤーの生年月日や血液型を入力。ゲーム内の占い、心理テストの結果でプレイ内容が変化するという一風変わったゲームだ。10月発売予定。開発の有限会社ムームー代表森川幸人氏は「PSPの特性を活かし、日常生活と現実世界をリンクさせるゲーム内容にしました。1年間は新しい発見があるでしょう」とコメント
(c) Sony Computer Entertainment Inc.


【ナムコ「ポータブルリゾート(仮)」】 【カプコン「モンスターハンターポータブル」】
生活に潤いを与えるエンタテイメントツール。美しい南の島で自由に過ごすというゲーム内容。発売日価格未定。専用スタンドを用いて、ベッドサイドのオブジェクトとして設置することもできる。布団の家はどうするのか? ナムコ開発戦略室の遠山氏は「どこでも持ち運べるPSPならではの内容、ウクレレも弾けます」とコメントした ベースはPS2「モンスターハンター2」だが、様々な追加仕様を盛り込んだ。アイルーキッチンという新モードも搭載。PS2「モンスターハンター2」との連動で、PS2とPSP間を飛竜や商人が移動するという仕掛けもある
【スクウェア・エニックス「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」
「クライシス コア -ファイナルファンタジーVII-」】
【「ウイニングイレブン9 ユビキタスエヴォリューション」】
同社の橋本真司氏がプレゼンした。「~アドベントチルドレン」はUMDとDVDを同時発売するビデオ作品であり、内容は「ファイナルファンタジーVII」を題材にした。全編3Dグラフィックスによる映像作品。9月14日発売予定。「クライシス コア~」は「FFVII」を題材としたコンピレーション作品。ジャンルはアクションRPGで、会場ではアニメーションによるデモが公開された。2006年発売予定 携帯機でもPS2版に遜色ないアクションが展開される。9月15日発売予定。ウイニングイレブンプロダクション総括プロデューサの高塚氏は「サッカーファンをつなぐソフトにしたい」とコメント


 竹野氏は2005年度末までにPSPタイトルが150タイトル予定されているとコメント。ここでも「収穫期」という言葉を用い、この年末年始をPSPの収穫期としてさまざまな攻勢をかけて盛り上げていくと発表した。また、販売店へ向けて、具体的なゲーム売り場のレイアウト(BESTコーナーの設置など)も提示した。

【会場で上映されたPSPタイトル一覧】

●SCE「【Hg】ハイドリウム」

8月4日発売

●ユークス「エキサイティングプロレスPSP(仮)」

発売日未定

●テクモ「KARAKURI(仮)」

発売日未定

●バンダイ「機動戦士ガンダム ギレンの野望 ジオンの系譜」

8月11日発売

●バンダイ「ガンダムバトルタクティクス」

9月22日発売

●アクアプラス「こみっくパーティー PORTABLE」

2005年夏発売予定

●コナミ「実況パワフルプロ野球ポータブル(仮)」

発売日未定

●スパイク「忍道~焔」

発売日未定

●バンプレスト「スーパーロボット大戦MX(仮)」

発売日未定

●ナムコ「太鼓の達人 ぽ~たぶる」

8月4日発売

●SCE「TALKMAN」

発売日未定

●SCE「BLEACH ~ヒート・ザ・ソウル2~」

9月1日発売

●アトラス「悪魔召喚師デビルサマナー(仮)」

発売日未定

●コナミ「METAL GEAR ACID2」

発売日未定

●カプコン「ロックマンDASH 鋼の冒険心」

8月4日発売

●SCE「バイトヘル2000」 今冬 発売予定

●セガ「東北大学未来科学技術共同研究センター川島隆太教授監修 脳力トレーナー ポータブル」

発売日未定

●大都技研「大都技研公式パチスロシミュレーター 吉宗 ポータブル」 発売日未定



■ 久夛良木氏、PS3開発ツールの詳細、展開スケジュールなどを発表

SCEJ社長兼グループCEOの久夛良木健氏
SCEJ最高技術責任者(CTO)の茶谷公之氏
 「PlayStation Meeting 2005」の締めくくりは、やはりというかPS3関連の情報がアナウンスされた。最初に壇上に立ったSCEJの社長兼グループCEOの久夛良木健氏は「値段は今は言えませんが、高いぞとは言っておく」などとエッジの効いた発言をしつつ、PS3の開発機材などについて述べた。

 まず、現在、開発機材の製造がまだ十分間に合っていないことに関して、氏はお詫びの言葉を述べるとともに、現段階では相当大きい機材は、いずれはラックマウント可能なスリムなケースに納まるサイズまでシュリンクされ、ソフトメーカーに提供されることを公言した。

 さらにE3会場でも公開された「GT4」や「KillZone」の映像がスクリーンに流れた。久夛良木氏は「一体どうやってこのクオリティのソフトを作れるのか、コストはどうなるのか、SCEはどのようなサポートをするのかがソフト開発サイドは疑問視しているでしょう」と発言、そしてその答えはSCEJ最高技術責任者(CTO)の茶谷公之氏から発表された。

 茶谷氏はSCEがゲームソフトウェア開発者用物理エンジン開発会社Havokおよび新興の半導体メーカーAGEIAと戦略的提携を結んだとアナウンスした。これによりHavokの所有する世界最先端の物理エンジン、AGEIA社の物理演算ライブラリをPS3向けソフトウェア開発キットの一部に採用することを可能とした。提携時期は2005年秋を予定。

 さらに、SCEIが英国のプログラミングツール開発会社SNシステムズの買収に向け基本合意したことを明らかにした。SNシステムズが所有する技術がPS3向け開発ツールに提供される。

 米エピック・ゲームズとの戦略的ライセンス契約締結も発表。エピック・ゲームズのティム氏がフレームワークツール「Unreal Engine 3」のシェーダーテクノロジーを実演した。これももちろんPS3向けソフトウェア開発キットとして使用可能となる。

 上記の技術提携や買収により、各種開発ツールやミドルウェアの充実が確実な物となった。現在のPS3の開発におけるライブラリは2,000巻程度とされているが、ツール開発関係の企業168社が参加することにより20,000巻以上のライブラリが予定されるという。ゲームメーカーがコンテンツ開発に注力できる環境が構築されたといえるだろう。

エピック・ゲームスのリードレベルデザイナージム・ブラウン氏も登場
バンダイ常務取締役ビデオゲームカンパニープレジデントの鵜之澤 伸氏
コーエー取締役会長の襟川恵子氏
会場に展示されていたPS3のモック
 ここで、バンダイ常務取締役ビデオゲームカンパニープレジデントの鵜之澤 伸氏が登場。プレイステーション3開発ツールで制作した「機動戦士ガンダム」のリアルタイムデモが公開された。このデモはバンダイにコンテンツを供給している株式会社べックがPS3開発ライブラリを使わず、自社製ライブラリで制作したもの。実際にザクを操作して、射撃でジムを破壊するなどの実演を行なった。

 鵜之澤氏は「この映像では、まだCellが8個内蔵する信号処理プロセッサ『SPE』の1つしか使用しておらず、残り7つのSPEは使っていない。PS3の底知れぬパワーを感じた」と語っていた。

 もう1つのデモ映像はコーエーの作品。もちろんリアルタイムレンダリング映像なのだが、開発ツールは制作時間の都合上コーエーの自社ツールを用いたという。武将と思われる人物(関羽?)が演舞をし、弾を地面に落とさないようにしながら敵を倒す。プレゼンの残り時間に押されながらも人物の顔や地面をアップにして、光の表現や肌や衣服の質感の美しさを見せ付けた。

 コーエー取締役会長の襟川恵子氏は「これだけの映像に素晴らしいゲームシステムを乗せたゲームソフトを作れるかどうか、それが私たちのチャレンジとなる」とコメント。

 PS3のプレゼンは茶谷氏の「開発メーカーの皆様に物理演算およびシェーダーを使い次世代機ならではのコンピュータエンタテインメントを創り出していただくため、SCEは様々な取り組みを試みます」とコメントのあと、最新の実機映像デモ、SCEA「LAIR」、WEBZEN「エンドレスサーガ」、SCE「GENJI」、フロム・ソフトウェア「Project FORCE」、カプコン「バイオハザード5」の映像を公開してプレゼンを終了した。

 壇上にはふたたび久夛良木氏が登場し、今後のPS3のローンチスケジュールを発表した。9月16~18日の「東京ゲームショウ2005」では、「次世代機のエンタテインメントをなるべく多くのユーザーの皆様に体験してもらいたい」とした。言葉の意味をそのままに解釈すれば、TGS2005でプレイアブルのタイトルが出展されるという意味合いに受け取れる。2006年2月頃に「プレイステーションカンファレンス」というPS3発売直前のスペシャルイベントを開催。2006年春と発表されているPS3のローンチに向けての展開が具体的になった格好だ。

 最後に久夛良木氏は「コンピュータエンタテインメントという業界はもっとも早いスピードで進化している。この10年間で、PSはユーザーが日常的に楽しめるエンタテインメントとして育ってきた。今後ともPSを世界規模のエンタテインメントとして育てるということを、皆様とともにやらせていただきたい」とコメント。「PlayStation Meeting 2005」は無事に閉会した。

(c) 2005 Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.

□SCEJのホームページ
http://www.scei.co.jp/
□プレイステーションのホームページ
http://www.playstation.jp/
□プレスリリース「プレイステーション 3」(PS3)2006年春発売予定
http://www.playstation.jp/news/2005/pr_050517_ps3.html
□プレスリリース「新カラーPSP登場」
http://www.playstation.jp/news/2005/pr_050721_pspkcw.html
□プレスリリース「新カラーPSP登場」[PDF]
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050721e.pdf
□プレスリリース「SNシステムズ社の買収に向け基本合意」[PDF]
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050721a.pdf
□プレスリリース「AGEIA社と戦略的ライセンス契約締結」[PDF]
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050721b.pdf
□プレスリリース「エピック・ゲームズ社と戦略的ライセンス契約締結」[PDF]
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050721c.pdf
□プレスリリース「Havokと戦略的ライセンス契約締結」[PDF]
http://www.scei.co.jp/corporate/release/pdf/050721d.pdf

(2005年7月21日)

[Reported by 福田柵太郎]



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