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テクモ、PS2「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」発表
Win「BASTARD!! ONLINE」でオンラインゲーム本格参入も

7月20日 開催



MAX NAKAこと中村純司代表取締役社長が冒頭に挨拶
 テクモ株式会社は、20日、都内で「新機軸戦略発表会」を開催した。発表された内容は、プレイステーション 2用育成シミュレーションRPG「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」を年内に発売予定、Windows用オンラインRPG「BASTARD!! ONLINE(バスタード!! オンライン)」を1年以内にベータテスト開始、FOMA900i/901i向けオンラインゲーム「モンスターファームPOPバトルオンライン」を9月から本サービス開始、というもの。

 発表会には、同社社長の中村純司氏をはじめ、多数のゲストが登場した。中村氏は「単なる商品の発表ということではなく、テクモの既存の理念、重要な戦略として、ゲームを内製で作ってきた。そんな中、海外マーケットを含め弊社に対しての信頼をいただいていると自負している。翻って日本のマーケットを見ていると、近年全体が元気がない。最近の日本市場の景気はホールインワン景気だなと。弊社として、新しい取り組みの姿勢、考え方、商品作り、いろんなリレーションの形を模索した結果、テクモとしてもう1つ新しい機軸ということで取り組んでいこうと考えた」と発表会の開催経緯を説明。

 また、「『モンスターファーム』はシリーズとして4作が発表されている。今回は新しい戦略の考え方、切り口をチャレンジングに広げていきたい。新しいシステム、新しい表現の仕方が出てきているのではないか。『モンスターファームPOPバトルオンライン』は、オンラインゲームのフィーチャーを持って、チャレンジしていきたい。最近の携帯端末のスペック向上に即して、いち早く『モンスターファーム』のゲーム性、認知度のなかで生かしてチャレンジしていきたいということ。『BASTARD!! ONLINE』は萩原先生の協力を得ながら、多人数参加型のオンラインゲームをテクモとして本格的に参入する第1弾としたい。新しいフィールド、今までにないフィールドを自ら勇気を持ってやっていってみようということで、その結果日本におけるゲーム業界の活性化に少しでも貢献できればと感じている。3つのタイトルは弊社の新機軸としての戦略をもってチャレンジするに十分な商品だという自負を持っている」と続けた。


■ 今度はサーカス! 井上トロも出演!! PS2「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」

「モンスターファーム5」、「モンスターファームPOP」、そして「BASTARD!! ONLINE」のプロデュースを担当するテクモ常務取締役 安田善巳氏
 PS2「モンスターファーム5 サーカスキャラバン(MF5)」の解説は、常務取締役であり「モンスターファームプロジェクト」のプロデューサーである安田善巳氏から行なわれた。

 「MF5」のオープニングムービーが上映されたあと、壇上に登場した安田氏は「MF5」に関して、「ビジュアルイメージの一新により、ファンタジーとキャラクタを前面に押し出した映像に驚かれた方もいると思う。『MF』については、新機軸にて更なるスケールアップを目指す新プロジェクト『モンスターファームプロジェクト』の本格稼動を本夏開始する」と述べた。

トゥーンシェイドを軸にした映像であるオープニングムービー。キャラクタデザインの方向性が「MF4」までと明らかに違うことがおわかりいただけるだろう

 さらに、「『モンスターファームプロジェクト』は2つのコンセプトに基づいて取り組んでいく。1つは『マーケットメイク』。『MF』シリーズは全世界で350万本以上を売り上げたテクモの人気シリーズではあるが、更なる飛躍を目指し、開発、マーチャンダイジングの両面においてこれまでになかった着眼点と創意工夫を凝らし、自らの手で新しい顧客、市場を創造していく」と新たな「MF」についての展望を語ってくれた。

 また、「2点目は『メジャーコンテンツ』。『MF』は育成シミュレーションゲームとしては一定の評価をいただいているが、今回からキャラクタデザインを一新し、サーカス団が織り成す冒険の魅力を加えることで、『MF』ファンのみならず、RPG、ファンタジーファンに指示されるようなメジャーコンテンツを目指すということ」と続けた。  「MF5」に関しては、「『MF5』は愛から始まる物語。愛が物語を動かし、愛で物語の幕を閉じる。そして、サーカスが育成の鍵を握ると同時に、ユーザーの皆さんをファンタジーの世界へいざなう。また、「旅」を通じて、キャラクタとモンスターたちが幾多の苦難を乗り越えて成長していくことが遊びの根幹となっている」と今までのシリーズとは趣が異なることを明らかにした。

オープニングだけでなく、ロゴやゲーム中のビジュアルイメージも公開されたが、今までとの差別化が行なわれていることは明らかだ

ゲストとして登場したSCEJの五十峯 誠氏
 続いて「MF5」のモンスターに関して紹介が行なわれた。「MF」といえばおなじみの「モッチー」と、サーカスということでピエロ型モンスターの新モンスター「ピロロ」が壇上に登場。さらに、株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの人気キャラ「井上トロ」が登場することも明らかにされた。そこで、「トロ」と「どこでもいっしょ」シリーズプロデューサーであるSCEJの五十峯 誠氏が最初のゲストとして登場。

 安田氏に「『トロ』はどうしても出演していただきたかったキャラ。私自身も『トロ』の大ファン。思い切って出演を依頼した」と話を振られた五十峯氏は、「話をいただいたときに、『どこいつ』とゲーム性の違う『MF』にどうやってリンクさせるのかが気になっていたが、実際にお会いしたときにいただいた企画書が、『大会に優勝してトロフィーをもらおう』といったダジャレばかりだった。『ふざけてるのかな』というぐらい。くやしかったんですがそれがツボにハマっちゃいまして(笑)。この人たちと組むのであればどう転んでも面白くなるだろうと。それから、「どこいつ」もおかげさまで5周年を迎えて今年からいろいろチャレンジしていこうということで、かわいい子には旅をさせろ、ともいいますし、今回は『MF』で旅をして社会勉強をしてほしいな」とコラボレートの経緯を説明。

 どんな形で「MF」に「トロ」が関わるのかに関しては、「スタッフの方と話し合いをして、無理難題をいいながらも鋭意製作中です。『え? トロがこんなことやっちゃっていいの?』というぐらい大活躍します」と「MF5」でのトロの役どころを軽く語ってくれた。

「モッチー」(右)と新モンスター「ピロロ」 SCEJの人気キャラクタ「井上トロ」が「MF5」に登場することが明らかになった

 さらに、「MF」キャラクタのタイアップについても公開された。東京地下鉄株式会社の地下鉄13号線の建設広報活動に「MF」キャラが起用。広報誌「ちかみち13」に「MF」キャラが登場する。

東京地下鉄株式会社 建設部 調査・設計担当部長 西村高明氏はタイアップの理由を「建設部は路線を工事する立場。少なからず沿線の住民の方々にご迷惑をおかけすることもある。少しでもご理解をいただける手だてはないかということで、話し合いを重ねたところ『癒し』ということでコンセプトが合致した。モンスターが愛らしく、バイオレンスといったどぎついイメージがないことにも共感を受けた」と語った

 また、東海汽船の伊豆七島航路で活躍中の「さるびあ丸」(4,965トン)の船体に「MF」キャラクタがペイントされ、「モンスターファーム号」として7月中旬より就航している。

東海汽船株式会社常務取締役の柴田隆至氏(左)。「『MF号』は両サイドに『モッチー』、『スエゾー』、『ピロロ』、『マヤ』をラッピングしている。夕方にお台場や城南島海浜公園からはっきりと姿を見ることができるはず。わが社の航路の顧客層の拡大につながってくれれば」と「MF号」への期待を語ってくれた。また、大人気の東京湾納涼船で活躍中の『浴衣ダンサーズ』も踊りを披露してくれた

4人の「モンスターファームサーカス」も華麗な踊りを披露してくれた
 「MF5」の登場人物としては、主人公・サーカス団の団員である「ジュリオ」、ヒロインには不思議な力を持つ少女「ナユタ」が登場する。2人を見守る「マリューネ」、団長「アルベルト」の4人が公開された。

 最後に、「MF5」のプロモーションキャラクタ「モンスターファームサーカス」も演舞を披露。今後「MF5」のプロモーションで全国を回るという。「MF5」は、パーティバトルシステムを採用し、従来どおり「誕生・育成・対戦バトル」と融合させたものになるというが、「誕生」システムに関する詳細は明らかにされなかった。

ジュリオ ナユタ

(C)TECMO,LTD.2005


■ 「MF5」と連動、リアルタイム対戦が楽しめる「MFPOP バトルオンライン」

ゲストとして登場した株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモの山口善輝氏
 携帯コンテンツである「モンスターファームPOP(MFPOP)バトルオンライン」は、従来の「MFPOP」のサイト内にてサービスを開始するオンラインゲーム。8月中旬に、それまでの「MFPOP」ユーザーを対象にベータテストを開始、9月に本サービスを開始する。利用料金は「MFPOP」の月額525円のみで、「MFPOPバトルオンライン」での追加課金は発生しない。

 「MFPOPバトルオンライン」は、まずFOMA900i/901i向けアプリからサービスを開始し、Vodafone、KDDI向けサービスは現在開発中。ユーザー同士がリアルタイムのバトルマッチングを楽しめるというのが大きな魅力。ユーザーは試合前に戦略AIを設定。試合はAI同士のバトルということになるが、アプリを起動していない相手にバトルを申し込むこともできる。

 また、「MF5」とも連動。「MF5」である一定の条件で獲得できるパスワードを「モンスターファームPOPバトルオンライン」に入力することで、レアモンスターを入手できる。

 ゲストとして登場した株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ プロダクト&サービス本部 コンテンツ&カスタマ部 コンテンツ担当部長 山口善輝氏は「コンテンツはわくわく感が大事。通信を使っていろんな人とバトルするのは楽しいが、なかなかチャレンジしてもらえない。『零』をはじめとしてテクモさんは携帯電話でもチャレンジしている。他のハードとの融合はユーザーにも好評。『MFPOPバトルオンライン』の『MF5』との連動にも期待している」と「MFPOP」への期待を語ってくれた。

(C)TECMO,LTD.2005


■ 1年以内にベータテスト開始「BASTARD!! ONLINE」

原作者の萩原一至氏も応援のメッセージを送った
 発表会第2部ではWindows用(OSはWindowsということ以外は明らかにされていない)MMORPG「BASTARD!! ONLINE」が公開された。冒頭、インゲームでのデモムービーが公開された。

 原作となる「バスタード!! -暗黒の破壊神-」は'88年、集英社の週刊「少年ジャンプ」で連載を開始して以来、現在「ウルトラジャンプ」誌上で連載中のファンタジーアクションコミックとしてあまりにも有名な作品。

 「コミック、アニメ、ゲームをシンジケートした戦略的なオンラインRPGを目指す」と安田常務は第2部の口火を切った。「軍団システム」を採用した「BASTARD!! ONLINE」は、ガラ、ネイといった好きな原作キャラクタの軍団に所属し、原作と同じ時間軸のパラレルストーリーや「四天王」とのコミュニケーションを楽しむことができるという。また、演出を重視した3次元マジックバトルを実装。ベータテストを1年以内に開始することを目標に開発するとした。

 ゲストとして、原作者の萩原一至氏がヨーコ、ネイのコスプレキャンギャルを伴って登場。萩原氏は「今日は、ちょっとした縁があって始まった話から、ゲームを制作することが決定し、僕自身も少し驚いている。ゆだねてお願いすることしかないので、よろしくお願いします」と挨拶。

 オンラインゲーム化については「本当にびっくりという感じ。僕自身オンラインゲームは好きなので少し遊んでいるが、原作モノは面白いアプローチができるかもしれないな、と僕自身楽しみに待っている」と感想を述べた。オンラインゲームの魅力については「仕事の合間にちょっと遊ぶぐらいだが、同時性というものが挙げられる。いろんなことをみんなで進めていける面白さがある。美麗なグラフィックでゲーム内で愛でることのできるキャラクタモデルを作っていただいて、みんなで楽しく遊べるゲームにしてほしい」と要望を述べて締めくくった。

 また、「BASTARD!! ONLINE」はエヌ・ティ・ティ・カードソリューションの「NET CASH」を課金手段に採用。クレジットカードを利用せずともサービスを利用できる。開発は株式会社シャフトが担当する。

 このタイトルに関しては、公式WEBサイト上でアンケートを募集する。ゲームへの要望はこちらで受け付けているので、気になるファンは公式サイトを訪れてみるといいだろう。

ダークシュナイダー ガラ=ハウ カル=ス
ティア=ノート=ヨーコ アーシェス=ネイ
【スクリーンショット】

(C) Kazushi Hagiwara/SHUEISHA
(C)TECMO,LTD./SHAFT

□テクモのホームページ
http://www.tecmo.co.jp/
□プレスリリース
http://www.tecmo.co.jp/company/sc0401.htm
□製品情報「モンスターファーム5 サーカスキャラバン」
http://www.tecmo.co.jp/product/mf5/index.htm
□製品情報「BASTARD!! ONLINE」
http://www.tecmo.co.jp/product/bo/index.htm
□「BASTARD!! ONLINE」公式HP
http://www.bastard-online.jp/
□製品情報「モンスターファームPOP」
http://www.tecmo.co.jp/

(2005年7月20日)

[Reported by 佐伯憲司]



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