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“珠玉のクエスト群を楽しみ尽くせ!”編 |
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・ジャンル:MMORPG
・開発/発売元:Blizzard Entertainment
・価格:8,800円程度(輸入版のみ)
・利用料金:14.99 USD(1カ月)
・対応OS:Windows 98/Me/2000/XP Mac System OS X 10.3.5
・運営状況:正式サービス稼動中
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「World of Warcraft」とは、かのBlizzard EntertainmentがリリースしたMMORPGであり、米国だけでなく、欧州、アジアで同時に空前の大ヒットを記録するという、ケタ外れの人気タイトルである。前回のレビューでは「なぜ今、WoWなのか?」というキーワードから、ゲーム全体の印象について解説したが、その膨大な魅力については当然語りつくせなかった。
そこで、今回からスタートする短期集中連載では、「クエスト」、「アイテム」、「バトル」のテーマで3回に分けてレビューすることにした。筆者も今回のレビューのために、まったくのイチからプレイしたド素人である。右往左往した体験談も含めて、これからWoWをやってみようかなと思っている人の参考になればと思う。
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あっという間にプレーヤーを引き込む、WoWクエストの魅力 |
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世界中至る所にクエストをくれるNPCが配置されている。クエストを追いかけていくだけで十二分に楽しめるのがWoW最大の魅了。 |
WoW世界に散りばめられた膨大なクエスト群。WoWにおけるクエストの魅力は、プレーヤーをグイグイと引っ張っていくゲームバランスにある。適正レベルのクエストに導かれるようにして、キャラクタは成長し、アイテムが手に入り、新しいフィールドは開拓され、次第に仲間が見つかる。プレイしてみるとよくわかるが、Bilzzardの鮮やかなお手並みはさすがの一言に尽きる。
WoWをやってみたいけど……と躊躇している日本人プレーヤーの多くは、「英語でのゲーム進行」に不安を抱えているはずだ。しかし、まずはこの驚くほどわかりやすいクエストシステムを試して欲しい。簡単な英単語の意味さえわかれば、クエストのプレイは可能だ。夢中になってクエストをやっているうちに、WoWの世界にハマっていくこと請け合いである。
初めてWoWの世界にキャラクタを作ったら、まず自分の周りを眺めてみよう。頭の上に黄色い「!」マークのついたNPCが見つかるだろう。この黄色い「!」マークのついたNPCに右クリックで話しかければ、クエストがスタートする。クエストウィンドウが開いて、英語でクエストの内容の説明が出てくる。
ここで「英語だ!」とビビってはいけない。クエストの内容は、そこらを徘徊している動物を10匹倒して来い、とか、洞窟の奥にいるボスからお宝を取り返してきて欲しい、といったモノがほとんどだ。幾多のRPGをプレイしてきた読者の皆さんなら、この「お約束」の展開は「想定内」だろう。
実は、こうしたお約束のストーリーの中で、プレーヤーが選んだ種族のWoWにおける設定や歴史、WoW全体の世界観が、うまい具合に織り込まれていく。例えば、ノームがドワーフの街に居候して暮らしているのも、「Warcraft」の歴史に詳しいファンからすると、思わずニヤリとする展開だろう。プレイに慣れてきた頃には、ちょっとひねりを利かせたストーリーのクエストや、いくつものクエストが連鎖する長編クエストに挑戦する機会も訪れるだろう。
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クエストを進めるうちに、完成された小さな物語が無数に存在することに気がつくだろう |
クエストに導かれるようにして港から船出する。こうして世界が広がっていく |
灰色の「!」が出ているNPCは、まだレベルが足りなくてクエストがもらえない状態。少し修行してからまた訪れよう |
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ドワーフ、ノームのキャラクタで始めると、まずこの狼退治が最初のクエストになるだろう |
初期クエストをこなしていれば、自然とWoWの操作を覚えていくことになる |
ふらりと入った洞窟の中にNPCを発見。意外な場所にクエストは隠れている |
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初期クエストが終わった頃には立派な「WoW中毒者」の出来上がり |
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必死で集めたクエストアイテムをNPCに渡す瞬間。この充実感、達成感がたまらない |
生まれたてのキャラクタが最初にトライするのが、「初期クエスト群」となる。ゲームシステム上は、どこまでが「初期クエスト」であるという明確な概念はないが、レベル1のキャラクタが生まれるスターティングタウンでのクエストがそれに当たる。これらの「初期クエスト」をこなしていくことよって、キャラクタの操作方法、基本的な戦闘方法、装備の揃え方などを、自然に覚えていくだろう。
例えば、ドワーフやノームでプレイを始めると、最初は狼を退治して肉を10個集めて来い、というクエストから始める。まだ地形が頭に入っていないプレーヤーは、おぼつかない足取りで狼を見つけ、最初から持っている粗末な武器で狼に殴りかかることだろう。そして、肉が集まる頃には攻撃方法をマスターする。
首尾よくクエストの目標を達成したら、忘れずに達成報告をしよう。報告をすれば、褒美のアイテムやお金、それに経験値が手に入る。報告を待っているNPCの上には黄色い「?」が出ているのですぐにわかるはずだ。
どこに目的のNPCがいるのかわからなくなってしまったときは、ミニマップに注意しながらそれらしい場所で走り回ってみると見つかるだろう。スターティングタウンはそれほど広くないので、しばらく走り回っているうちに地形とNPCの位置は、すぐに覚えてしまうだろう。
クエストの報酬は難易度に見合ったアイテム、お金、経験値だ。徐々に難易度は上がっていくが、それまでのクエストでゲットした装備や、経験値を得ることでレベルアップしたキャラクタの力、そしてなにより操作に習熟してきたプレーヤーの力で、クリアできるようになる。初めてのプレーヤーは、慣れるまでじっくりとキャラクタを育てて欲しい。
レベル6くらいになると、スターティングタウンでのクエストはほぼすべてクリアできるようになる。クエストとMOBからのドロップ品で、装備もだんだん充実してくる。そのころには、隣の町への配達クエストなどが受けられるようになっていることだろう。いよいよ広大なWoWの世界へ、冒険の始まりというわけだ。
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黄色い「?」はクエスト完了を知らせるわかりやすいアイコン表現だ |
ガードにお弁当を届ける「お使い系クエスト」。完了すると次のクエストへ連鎖する |
画面右上のミニマップに注目。「?」のキャラクタ位置がミニマップ上に表示されている |
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クエストログをいかに使いこなすかが、WoWのクエストをサクサクとクリアするコツだ。 |
WoWでは、同時に20個までクエストを受けることができる。新しい街に足を踏み入れると、クエストをくれるNPCがわんさかと並んでいるものだから、筆者などはついついうれしくなって次から次へと引き受けてしまう。実際、同じキャンプで得られるアイテムが目的の場合は、2つ、3つのクエストをまとめて受けてチャレンジしたほうが、効率がいい場面もある。
しかし、遂行中のクエストが10個あたりを超えてくると、どうしても記憶しきれなくなる。引き受けたはいいが、まったく手付かずのクエストならまだしも、達成済みなのに報告するのを忘れてるクエストまで出てくる始末だ。特に「配達系」と呼ばれる、クエストをくれるNPCと、報告するNPCが遠く離れている場合は、忘れてしまいがちである。
そんな混乱状態になる前に、自分のクエストの進捗状況をわかりやすく表示してくれる「クエストログ」を最大限に活用したい。「L」キーを押せばクエストログ画面はいつでも開くので、こまめにチェックすべきだ。クエストログを読めば、どのNPCから受けたクエストで、どんな目的があって、誰に報告すればいいか、もらえる報酬までが、バッチリわかる。自分が今、どこのエリアのクエストをいくつ受けているかも一目瞭然。
最大20個の制限ギリギリになってしまった場合は、不必要なクエストを「Abandon Quest(クエスト放棄)」で削除することもできる。もし途中で「Abandon Quest」してしまっても、クエストをくれたNPCのところに戻って再度受ければ、最初からやり直すこともできる。ちょっと難易度の高すぎるクエストを受けてしまったら、一旦「Abandon Quest(クエスト放棄)」して、レベルを上げてから再挑戦するといいだろう。
中には、Aというアイテムを5個、Bというアイテムを15個、Cというアイテムを20個集めて来い、という「収集系」クエストがある。こういうクエストの場合、どのアイテムをいくつ集めたのか、あといくつ集めればいいのか、人間の頭では覚えきれない。そういう時のためにクエストログの「Track Quest」という機能が用意されている。
クエストログ画面のクエスト名の部分を、SHIFTキーを押しながら左クリックすると、画面の右側に収集物(もしくはMOBの討伐数)リストが表示される。これで収集系の進捗状況は一目で把握できる。「Track Quest」リストを確認していれば、必要なクエストアイテムの数は揃っていたのに気が付かずに時間を無駄にする、なんてことはない。
ひとまずこれくらいのクエストログの使い方を覚えておけば、操作に困ることはないだろう。いずれにしてもプレーヤーの視点に立った、実に遊びやすいインターフェイスである。最近では、他のMMORPGも同じような機能を実装し始めているが、使いやすさ、遊びやすさにかけては、WoWに数段のアドバンテージがあるように思う。
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クエストを選んでシフトを押しながら左クリックで、「Track Quest」が表示される |
複数の収集系クエストをこなす場合、この「Track Quest」は必要不可欠といっていい |
灰色の「?」は、まだクエストの目的が達成されてない報告待ち状態のNPC。クエストログで状態を整理しよう |
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ソロでじっくり、グループでド派手に! 自在な楽しみ方 |
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ソロプレイだと、EliteなMOBは一体倒すのも一苦労。現地で狩りをしているグループに声をかけて混ぜてもらうのもいいだろう |
また、WoWのクエストのユニークなところは、クエストを受ける時点でだいたいの難易度がわかるところだ。クエストログ上のクエスト名の色をチェックすれば、大まかな難易度を知ることができるようになっている。灰色<緑色<黄色<オレンジ色<赤色、の順で難しくなる。同時にクエストを受けられる数は限られているので、現状でクリアできそうにない場合は、潔くあきらめるのも手だ。
クエストログ画面のクエスト名の部分に「Elite」と表示されているものもある。これは「Elite」といわれる種類の「ソロではちょっと手強いMOB」が絡むクエストのことだ。こういうクエストは仲間を見つけてパーティを組めば、楽しみがさらに広がるだろう。ソロプレーヤー同士が現場で即席パーティを結成することは、WoWではありふれた光景だ。
パーティを組んでのクエストを楽しむなら、「クエストの共有」という機能を覚えておいたほうがいい。共有したいクエストを選択して、クエストログの「Share Quest」ボタンを押すだけ。そのパーティメンバーが近くにいて、まだクエストを受けていなければ、これだけの操作でクエストの共有は完了だ。わざわざ街に戻って受け直す必要はない。
WoWのクエストが素晴らしいのは、ソロでも存分に楽しめるところだ。十分にレベルを上げてからソロでクエストに挑むのも楽しい。パーティを組んでクエストに挑戦した方が、効率はいい。しかし、パーティのメンツが揃うまで狩りに出かけられず、グズグズしてるうちにプレイ時間がなくなってしまうという、悲しい現実はMMORPGにはある。
しかし、WoWでは、メンツが少ないなら少ないなりに、時間がないならないで、サクっと遊べるクエストが数多く用意されている。もちろんその逆で、大人数が集まってレイドを組まないと攻略できないダンジョンやMOBもある。世界観の奥深さだけでなく、遊び方の懐が深いのだ。クエストの数だけ遊び方がある、といってもいい。
この極上のクエスト群は、紛れもなくWoWの「メインディッシュ」だ。それぞれのプレーヤーが、それぞれのペース、それぞれの楽しみ方で挑戦できる、この磨きぬかれた遊びやすさを持つクエスト群を、ぜひ数多くのプレーヤーに味わってもらいたい。
さて、WoW短期集中連載、次回は「アイテム」をキーワードにしてWoWの魅力を語ってみることにする。レアアイテムや生産スキル、それにオークションシステムについて解説する予定だ。
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グループで挑めばMOBだらけの洞窟もあっさりクリア。これでまた1つ、クエスト達成だ |
緑色の「!」は飛行移動の新しい場所を追加してくれるNPC。以後、ここには空路で移動可能 |
グリフォンに跨って旅を続けながら、まったりとソロできるクエストを探し歩くのも、また楽しい |
(C)2005 Blizzard Entertainment. All rights reserved.
【World of Warcraft(カッコはMac版の必要スペック)】
- CPU:Pentium III 800MHz以上(G4 G5 933MHz以上)
- メモリ:256MB以上(512MB以上)
- HDD:4GB以上(4GB以上)
- ビデオカード:32MB以上(32MB以上)
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□「World of Warcraft」の公式ページ(英文)
http://www.worldofwarcraft.com/
□関連情報
【5月16日】PCゲームレビュー「World of Warcraft」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050516/wow.htm
(2005年7月1日)
[Reported by 下野 宏]
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