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会場:Los Angeles Convention Center
「Warhammer Online」について若干補足しておくと、ホビーメーカーの老舗Games Workshopのドル箱商品「Warhammer」の世界観をベースにしたMMORPGで、昨年、コスト的な都合を理由に開発中止が発表されたタイトルである。今回の契約により、MMO運営のノウハウ、開発力を併せ持つMythicが全面バックアップする形で、2007年のサービスインを目指して再開発されることになる。
Mythicによる大幅な手直しが加えられるということもあって、「Warhammer Online」に関する情報は契約締結のみ、具体的な再開発プランや、ゲームのディテールに関しては、来年のE3で改めて公開ということになるようだ。 ■ 「もし、ローマ帝国が現代まで続いていたら!?」 ユニークな設定が目白押しのMMORPG「Imperator」
同作の最大のウリはシステムよりむしろその特異な世界観にある。「ローマ帝国が滅びずに五大陸を制覇していたら」という欧米人好みの壮大な歴史のIFにチャレンジしており、プレーヤーはアカデミーのトレーニングを修了したてのローマ帝国人として、異星人の侵略する未来の地球を舞台に、さまざまな人生を送っていくことになる。 ローマ帝国の首都であるローマは、世界のあらゆるモノが集結するメガロポリスとなっており、SF的な巨大なターミナルや厳重に警備された軍事施設などがある一方で、ローマ帝国を想起させるコロッセウムも近未来風に改修された形で残っているという、アンバランスな街並みになっている。空には無数の乗り物が移動しており、次なる野望は宇宙という状況下、突如、異星人の侵略を受けるといったシチュエーションになっている。 直接の敵対組織である異星人の設定もユニークで、数千年前に地球を去ったマヤ人ということになっている。今回の試遊台では、キャラメイキングからチュートリアルレベルがプレイできたのだが、リアルタイムで激しい空戦が展開され、周囲の巨大な対空砲が間断なくレーザーを撃ち上げるなか、活動を行なっていくことになる。臨場感抜群の演出である。 こうしたガチガチの設定になっているため、基本的なゲームデザインもシナリオベースで展開され、グループを組んで異星モンスターと戦うというPvEスタイルのMMORPGになっている。PvPシステムについては、大幅なシステムの改修が必要になるため、いまのところ実装は考えていないという。 それだけにプレーヤーの進路には複数の選択肢が与えられている。軍隊やローマCIA、レスキュー隊など、ローマ帝国傘下組織のいずれかに所属し、異なる目的のミッションにチャレンジしていくことになる。これは主人公が設定したClassやProfessionとは関係なく、Mythicでは主人公の行く末を決めるこのミッションを「ライフイベント」と呼んでいる。 バトルシステムは、見た感じまだ未完成の印象が強かったが、コンセプトとしてはグループバトル(パーティープレイ)を前提としたシステムを考えているという。重要なのは、グループ間で役割を分担し、連携で敵を沈めるというシステム。要するにスキルチェインシステムだが、同作の連携システムでユニークなのは、AとBとCを繋げる、あるいは同時に出すという、既存の連携システムから一歩前進し、グループ側のアクションによって、変化するモンスターの動きに対応させてスキルを出すことで、効率よくダメージを与えられるというシステムだ。 わかりやすい例でいえば、プロレスで、敵をロープに投げて、勢いよく戻ってきた敵にラリアットを決め、上体が崩れたところに足払いを決めるといった連携で、これは敵のリアクションが技の正否の前提条件となっている。このシステムはまだ未実装ということで実際に見ることはできなかったが、足下が崩れた敵を攻撃するのに最適なスキルといった、敵の状態によって効果が変化するスキルが多数用意されるという。ちょっとおもしろそうなシステムだ。
ゾーンは、目的別にWar Zone、Engage Zoneなどが用意され、ソロプレイから5人グループそして、5つのグループで構成されたアライアンス集団まで幅広く対応。βテストのスケジュールは2005年末スタートを目指し、2006年夏正式サービス開始を見込む。SF好きには要注目のMMORPGといえそうだ。
■ DAoCに濃厚なストーリーを導入する最新拡張セット「Darkness Rising」
今回の最大の特徴は、過去の拡張セットのようにエリアの拡張は行なわず、メインストーリーとシステムの拡充に力を注いでいるところだろう。 ストーリーについてはあまり詳しい話は聞けなかったが、3カ国に邪悪な陰が舞い降りたことをきっかけに始まる新たなストーリーを進めていくことになる。クエストではなく、ミッションという形になっており、連続性のある内容になるという。 システムの拡張では、マスターレベルの上位になるチャンピオンレベルが実装される。レベル50のプレーヤーがチャンピオンレベルのクエストを受けることができ、これを達成したプレーヤーは、さまざまなリワードを受けることができる。 リワードの中でももっともクリティカルなのが、サブクラスが利用できるようになることで、「ファイナルファンタジー XI」におけるサポートジョブの概念に近い。戦士がヒールを使えたり、キャスターが剣で戦えたりするようになるらしい。「『ファイナルファンタジー XI』を意識してるか?」と聞いたところ、「いや、ロードオブザリングのガンダルフの影響が大きい」ということだ。DAoCはマスターレベルなど、ドラスティックな機能拡張を行なうことで知られるMMORPGだが、今回もバランス面も含め多方面に大きな影響を及ぼしそうだ。 チャンピオンレベルのその他のリワードとしては、チャンピオンレベル専用のアビリティの開放、King's Mageryでリスペックストーンやチャンピオンレベル専用武器などを購入可能、馬のカスタマイズ機能の拡張となっている。 書き忘れたが、「Darkness Rising」は、チャンピオンレベルでなくても馬のカスタマイズが可能になる。カラーの変更やバックパックの拡張などができるということだ。チャンピオンレベルではさらにこの機能が拡張され、フルアーマー状態にしたりすることができるようだ。
下限が30からということで、初心者にはちょっと厳しい拡張セットだが、新要素に飢えている上級者には格好の内容といえる。日本語版でも導入される見込みということなので、大いに期待しよう。
□Mythic Entertainmentのホームページ (2005年5月21日) [Reported by 中村聖司]
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