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【Xbox 360】
Xbox 360は、“Always Connected”、“Always Personalized”、“Always Hi-Definition”をコンセプトとして、デジタル エンターテインメントの世界でトップを目指すという、同社にとっては意欲的な商品。壇上に立ったXbox事業本部長の丸山嘉浩氏は「3年間全社をあげて開発してきた」とし、「ゲーム機に留まらないゲームプラットフォーム」と自信たっぷりに説明した。 デザインは現行Xboxとガラリと変わっており、これまでブラックで統一され、平置きにしか対応していなかったが、白を基本としたデザインで、縦置きにも対応する。というか、発表会場においても縦置きでしか展示されなかったのが印象的。デザインについては米国と日本チームによるコラボレーションで、たとえば電源スイッチを入れるとグリーンに点灯するなどのアイディアは日本チームのアイディアだという。 以前、Xboxの天版にデザイナーや漫画家が描いたカバーをかぶせるキャンペーンが行なわれたことがあるが、Xbox 360ではこれを一歩進めた形で、カスタマイズが可能になるという。詳しいことは不明だが、フロントパネルのデザインを変更することができるようだ。携帯電話のカスタムジャケットのようにすべて取り替えることになるのか、透き通ったフロントパネルの下に、何か挟むことになるのかも明らかにされていない。 細かいスペックについては下記別表を参照して欲しいが、IBMと共同開発したPower PCベースの1テラフロップス以上の3コア マルチプロセッサを搭載。GPUはすでに明らかになっているとおりATIと共同開発したカスタムGPUとなる。メインメモリは512MB。20GBのハードディスクも搭載となる。ハイビジョンへの出力仕様を備えており、D4を通してプログレッシブ対応DVD-Video再生が可能。Windows Media Center Extenderが標準搭載されており、録画データの視聴等も可能となる。インターフェイスとしては、USB2.0端子を3つ搭載。 ADSLや光ファイバーに接続していれば、Xbox 360の電源を入れた瞬間からブロードバンドに接続され (Always Connected) 、Xbox Liveのサービスなどを利用できる。Xbox Liveのサービスについては、「マーケットプレイス」などのヒントがちらっと登場したが、詳しい内容についてはE3で発表されるという。ただ、現行のXbox Liveのサービスにプラスαとなるサービスで、無料のサービスも追加されるという。このほか、通信関連では64人対戦がサポートされ、現在は別売りとなっているビデオチャットも標準装備になるという。
コントローラは4台までワイヤレス仕様で、メモリユニットスロットは2つ用意される。メモリユニットのスロットは現行Xboxではコントローラに指すことになっているが、Xbox 360では本体に接続することになっている。これはワイヤレスコントローラであるため、電池を入れなければならず、重たくなるため、本体にセットするように変更したのではないかと推測される。 丸山氏は「ゲーム開発者や市場関係者とお互いに利益が出ることを模索してきた。ゲーム プラットフォームはCPU、GPUの性能だけではなく、ハードのポテンシャルを引き出すソフトウェアとサービスがなければならない」と他のゲームプラットフォームを牽制。開発者に対しても、「Xboxの開発ノウハウを活かせるため、ゲーム制作への参入へのハードルを下げた」といった従来からの主張を繰り返しアピールした。そして早くも発売日について言及。2005年年末に発売すると発表した。これは日本市場におけるものだが、欧米など主要マーケットにおいても同様に2005年末発売になるだろうという。 最後に丸山氏は「日本市場で成功しなければ“Xbox 360”は成功と言えない!」と力強く言い切った。そのために日本市場への投資を継続していくと宣言。ソフトウェアについては、同時発売のタイトル名はもちろんのこと、本数も未定。ただし、フロム・ソフトウェアはファンタジーRPG「【eM】-eNCHANT arM-」をハードの発売と同時に発売すると発表している。 丸山氏は「欧米のスタジオでは最新のゲームが開発されており、これらのソフトを日本語化していく」と発言。MTVの番組内では英Rareが制作中のFPS「Perfect Dark ZERO」のプレイ風景も公開されていた。ちなみに、すでに日本のゲームメーカーから参入の意思表示をしているメーカーが見られるため、どのタイミングで発売されるか注目されるところだ。 今回の発表は、第1段階とも言えるもので、来週米国で開催されるE3でさらにつっこんだ発表が行なわれると思われる。というのも、質疑応答時も同社にとって答えられない点が多く、たとえば、互換性についても「現状では正式に発表していない。今の時点では決まっていない。今後、しかるべき時に発表する」と歯切れの悪い答えに終始した。
ハードウェア的なスペックは大まかなところが発表となったが、重要な要素となるサービス、ソフトウェアそして細かいスペックが明らかになっていない。これらはE3をはじめとした各種イベントで継続的に発表されていくものと思われるので、今後も注目していきたい。
□Xboxのホームページ http://www.xbox.com/ja-jp/ □「Xbox 360」のページ http://www.xbox360.com/ □ニュースリリース http://www.xbox.com/ja-JP/press/release/20050513-1.htm □関連情報 【3月10日】「HD時代の到来」J.Allard氏が次世代ゲームのビジョンを語る http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050310/gdc_xb.htm 【3月14日】Xboxキーマンインタビュー J.Allard氏に、次世代Xboxの勝算や今後のゲーム業界の展望について聞く http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050314/gdc_xb.htm (2005年5月13日) [Reported by 船津稔]
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