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株式会社スクウェア・エニックスは、4月21日、MMORPG「ファイナルファンタジー XI」(FF XI)のアップデートを実施した。同作のアップデートは2月24日以来、約2カ月ぶりとなる。これらの中から、要点をピックアップしていくつか紹介していこう。 ただし、同社のFF XIサーバーは午前5時30分の再稼働以来、一般プレーヤーからの接続が極めて困難な状況にある。同社の公式発表では「バージョンアップに伴うアクセス集中」としているが、12時間以上に渡って不具合が続くというのは、サーバー稼働率では定評のある同社にとって異例の事態といっていい。先週末から断続的に続いている接続障害との関連性があるかどうかは不明だが、一刻も早い復旧が望まれるところだ。
ちなみに筆者も朝からFF XIへの接続を試みているが、本稿の原稿執筆時点では上記の理由により、ログインはおろかバージョンアップ作業すら未だ行なえていない。そのため通例記事のように、アップデート要素に直接触れた上でのファーストインプレッション的な内容ではなく、同社の公式発表を元にした雑感であることを最初にことわっておきたい。
キャラクタのレベルキャップに関しては、製品稼働時のレベル50から、現在のレベル75まで、段階的に拡張してきてきた。この際に生じた必要経験値量のデコボコをなだらかにしているのだが、トータルで見ると10~20%程度の実質的な軽減となっている点に注目していただきたい。必要経験値量の多さにレベル上げを足踏みしていたプレーヤーにとっては、かなりの朗報といえよう。 キャラクタのレベルアップ速度は、MMORPGとしての製品寿命に結びつくため、本来であればかなり慎重を要する修正作業のはずである。それを今この段階で行なうというところに、深い意図を感じずにはいられない。同社は現在、プレイオンライン退会者を引き戻す「ウェルカムバックキャンペーン」を行なっている点もあり、全体的にゲームバランスを締め付ける修正から、緩和する修正へとシフトしてきている印象を受ける。これは過去に、「Ultima Online」や「EverQuest」といった有名所のMMORPGが通ってきた道であり、FF XIも次のステージへ差し掛かりつつあるのかもしれない。 前回のFF XIアップデートで新登場し好評を博している「ENMクエスト」は、いくつかのバリエーションが追加された。これらは推奨人数が“1・3・6・12・18”と異なっている所に注目。さらに、1人あたりが得られる経験値は減るものの、推奨人数を超える規模での挑戦も可能となった。例えば、挑戦時に想定人数よりも多いメンバーが集まっても、誰かがあぶれるような事態は起こらないというわけだ。元々ENMクエストは、リンクシェル等の身内同士でのプレイに向いているが、今回の修正によりシステムは完全に熟成しきったといえる。経験値稼ぎ等に新たなプレイスタイルをもたらしたこのENMクエストは、現在もっともおすすめできるコンテンツだ。 非の付け所がないENMクエストの一方で、迷走を続けていると感じるのが、倉庫関連システムの修正である。これに関しては、初~中級者用のセット装備品を、「だいじなもの」として梱包してくれるNPCが追加された。例えば“シアー系装備”や“シェード系装備”などが対象となる。しかし幾つかの例外もあり、合成のハイクオリティ品や打ち直し品は梱包できない。また、キャラクタが合成品に入れた“銘”も、梱包時に消え去る。
その他の追加要素を駆け足で紹介してゆくと、プロマシアミッションの拡張、バリスタ専用のエリアが導入、実装以来約半年ぶりとなる“潮干狩り”の仕様変更、上級者向けコンテンツ“デュナミス”の報酬追加、そして各種NMやマジックアイテムの追加等々。いつもながら全方位のプレーヤーに向けた膨大な量といえるだろう。
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□スクウェア・エニックスのホームページ (2005年4月21日) [Reported by 川崎政一郎]
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