発売元 Eidos
欧米で5月に発売が予定されているPyro Studiosの新作リアルタイムストラテジー「Imperial Glory」のPlayable Demo。Pyro Studiosといえば、「Commandos」シリーズを皮切りに、常にクオリティの高い新機軸のRTSを生み出すスペインのデベロッパーとして知られているが、今回も出来がいい。残念ながら日本では、RTS市場そのものがシュリンク傾向にあるとして、日本語版の発売予定は見送ったようだが、英語必須のゲームデザインでもない。RTSファンはぜひ一度試してみてほしい。
「Imperial Glory」は、19世紀のヨーロッパにおけるナポレオンの全欧制覇の軌跡を描いたリアルタイムストラテジー。余談だが、2005年に発売を予定しているメジャーなヒストリカルRTSは、「Age of Empires III」といい、「Cossacks 2」といい、今回の「Imperial Glory」といい、すべて19世紀がテーマになっていて、第二次世界大戦に並ぶトレンドとなっている。RTSファンは、否応なく19世紀のナポレオン戦争に詳しくなりそうである。
「Imperial Glory」は、カテゴリーとしては「Total War」タイプの大規模RTSを採用しており、バードビューといっていいような高々度の視点から、数十名で構成された部隊を1ユニットとして、全軍を指揮し、遙か彼方に展開する敵軍の一方的な殲滅を目指して、戦略を練っていく。部隊はあらかじめ配置、展開されており、生産の必要はなく、手持ちの戦力だけで、敵勢力を撃破するという単純明快なゲームデザインである。
この19世紀という時代は、騎兵が決戦兵器として投入された最後の時代にあたり、その一方でテクノロジーの進化により、弓兵は鉄砲兵に、投石部隊は砲兵部隊へとそれぞれ進化を遂げている。言い換えると、騎兵が火砲の群れにチャレンジする最初で最後の時代というわけで、ここに無限のドラマ性がある。もともとこの時代は、戦史ファンの間ではすこぶる人気が高く、戦史ファンが求めるドラマに、ゲームテクノロジーが追いついたといってもいいかもしれない。
さて、Demoでは、ヨーロッパの田園地帯と砂漠地帯の2ステージで、1対1の戦いが体験できる。簡単なようで意外と難しく、数的優位や兵科の相性はあまり当てにならない。もっとも重要なのは、あらゆる事態を想定した事前準備であり、そのほかにも指揮のタイミングであったり、接触時の瞬間的な数的優位といったことも重要で、スポーツ系のRTSに比べて、指揮をしている感覚が濃厚に味わえるのが特徴である。
3Dグラフィックスは、ズームインにも十分耐えられるほどのクオリティを備えており、アニメーションも自然かつきびきびした動きで、指揮していて心地よい。マルチプレイができないのが残念だが、ぜひ試してみてほしいDemoである。
(C) Pyro Studios SL, 2005. Published by Eidos 2005. Imperial Glory is a trademark of Pyro Studios SL. Eidos and the Eidos logo are trademarks of the Eidos Group of companies. All Rights Reserved.
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