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会場:秋葉原クロスフィールドコンベンションホール
「Chronicle3」は2004年12月に行なわれた「Chronicle2」に続く大規模アップデート。Liveゲームデザインチーム、パク ヒョン ギュ氏によると、「『リネージュII』はより大勢の人が一緒に楽しめるように作ったゲームです、今回のアップデートではこの目的に2つ方向性を持たせてみました。『セブンサイン』はまったく新しいシステムで徒競走のようなポイントを競う要素で、日本のユーザーの意見を多く取り入れて実現しました。もう1つの方向性は、クオリティーをアップするため今までのシステムを根底から見直すことです」とのこと。前回のChronicle2ではモンスターレースなどゲームの楽しみ方を広げる方向性だったが、今回はそのコンセプトとは大きく異なるようだ。 詳しくは後述するが、今回のアップデート内容は大別して3つある。ひとつは「セブンサイン」と呼ばれる競争システム。これは城を所有する血盟や同盟のプレーヤーと、それ以外の城を所有しない血盟、および血盟に所属していないプレーヤーが2つの勢力に分かれ、ポイントによって勝敗を競うもの。この結果は攻城戦のバランスに影響するだけではなく、勝った陣営側はさまざまな特典が得られる。これにより、攻城戦などの直接的な対戦方式だけではなく、スポーツのような競争要素が取り入れられるという。 2つめは、PvPの新ルールや、サブクラスシステムといった上級者向けの新要素、3つめはゲームバランスの見直しである。今回のアップデートにより、初心者向けの要素も充実し、より間口を広くしていく。今回紹介する要素では、ゲームを楽しんでいる人数が一番多いであろう中級者に関係するアップデートが少ないように思えるが、パク ヒョン ギュ氏によれば、日本に先んじて3月にアップデートが行なわれた韓国では中級者から好意的な声が大きかったというChronicle3ではゲームバランスに関して大きな見直しが行なわれており、このバランスに関して「プレイしやすくなった」という声が多かったそうだ。 今回の発表会では、このアップデートに合わせた2つのパッケージ版の販売もアナウンスされた。「リネージュ II クロニクル3 ~Rise of Darkness~ビギナーズキット」と「同マスターズキット」という2種類のパッケージで、4月28日に発売される。 媒体はDVD-ROM、「ビギナーズキット」は15日間の無料チケットと、スターティングガイドを同梱。「マスターズキット」は30日間無料チケットの他、髪型などの変更券や音楽集などが同梱され、さらにDVDもカラー印刷された豪華なものとなる。価格はどちらもオープンプライスだが、「ビギナーズキット」は1,500円前後、「マスターズキット」は5,000円前後になりそうだ。 この他、アップデートに合わせて「Yahoo! BB+リネージュII 90daysコラボチケット」といった商品の発売や、公認のネットカフェで“顔・髪型変更サービス”に関する「ビューティアップキャンペーン」なども開催される。
■攻城戦などPvP以外の競争要素をゲームにもたらす「セブンサイン」
「黎明の君主たち」は城を所有する血盟と、その同盟者が所属、「黄昏の革命軍」は城を持っていない血盟と、血盟に所属していないプレーヤーが参加できる。この競争にはレベル20以上の一次転職を行なったキャラクタが参加でき、いままで攻城戦に参加できなかったレベル40未満のキャラクタはどちらの勢力に所属するかは自由選択となる。 セブンサインでは、このアップデートに合わせて導入される16のダンジョンで入手できる「封印石」というアイテムの数と、ダークフェスティバル(闇の祭典)という競技で入手できるポイントを競うこととなる。対象期間は一週間。勝利を収めた勢力に所属していたプレーヤーはその後一週間さまざまな恩恵を得ることとなる。それが終わると競争が再開される。2週間のサイクルで運営されるシステムである。 封印石を得られる16のダンジョンはまだ詳細は明らかになっていないが、細かくレベル分けされており、20を超えたばかりのキャラクタでも挑戦できる場所も用意されるという。このダンジョンで倒した敵の持つ封印石をできるだけ多く収集しなくてはならない。 ダークフェスティバルはパーティー単位で挑戦できるチャレンジゲーム。制限時間18分の間、次々に現れてくるモンスターと戦う。チャレンジ内容はレベルで細かく5つに分けられており、レベル32未満/43未満/54未満/65未満/無制限が用意されている。このレベル別で好成績を残したパーティーが所属する陣営にポイントが割り振られるのである。パーティーの連携が求められる競技である。 勝利した陣営は、さまざまな恩恵を得ることができる。収集した封印石に応じたダンジョンを独占し、狩りを行なうことができる。また、Aグレードの2刀流を制作したり、今回追加されるアイテム「マスク」や特殊なポーションなどを売買するNPCと出会うことができる。 このセブンサインでは、2つの勢力を象徴する新キャラクタが登場する。「黎明の君主たち」側はアナキム、「黄昏の革命軍」はリリス、2人ともいずれ劣らぬ妖艶な女性のキャラクタである。セブンサインで勝利した陣営のプレーヤー達ははこの敵対陣営のボスキャラクタに挑戦できる。とてもきつい戦いであることが予想されるが、ゲームバランス的には1PT-2PTで勝利可能な強さになっており、倒された場合は24時間後再POPするという。彼女たちを倒すと、武器をパワーアップさせることができるアイテム「ソウルストーン」の11、12段階の成長、Aグレード武器のドロップがあるという。ソウルストーンの成長はラストアタックを行なったパーティーにもたらされる。 セブンサインの結果は攻城戦にももたらされる。城を持つ側である「黎明の君主たち」が勝利すれば、その後一週間は城の防御力は大幅に増加され、強力な傭兵の雇用が可能になる。反対に「黄昏の革命軍」が勝利すれば、城の防御力が低下し、守る側は苦戦を強いられる。 プレイの熱意や連携においての連携、同盟などゲーム内での運営のノウハウをつかんだプレーヤー達が、その証として得ている「城」。セブンサインでもこの要素が重要な鍵となる。プレーヤーの全体の数からいえば、城を持っていない側に所属する方が圧倒的に多いはずである。しかし、城を所有する側のプレーヤーは熱意においては勝るであろう。
セブンサインの結果は、攻城戦に如実に現れる。城を所有し続けたい陣営は、今まで以上の覚悟を持ってこの競技に挑戦し、勝利を目指すこととなるだろう。反対に、城を得たいプレーヤー達にとって、大きなチャンスがもたらされたこととなる。競技に挑むことでリーダーシップを発揮し次の所有者になれるかもしれない。この状況と結果はサーバーごとにもまったく異なる様相を見せる。ゲーム世界に新しい活気をもたらしてくれるシステムである。
■ワイバーンや、さらなる高みを目指すサブスキルなど、上級者に特にうれしい追加要素
その最たるものが「ワイバーン」である。「リネージュII」のスタート時からアナウンスされていた、「空を飛ぶことができる騎乗動物」がついに実装されることとなる。今までのアップデートで、プレーヤーは幼生であるハッチリンから、騎乗し地上を駈けることができるストライダーまで育成させることができた。 ワイバーンはこの先に位置する動物だが、乗ることができる条件は「城主」だけである。非常に限られたものだけが、この動物に騎乗し、「空からの視点」という限られた特典を手にすることができる。多くのプレーヤーが空を見上げ、羨望の眼差しを注ぐことになるだろう。 PvPを楽しむプレーヤー向けに追加されるのがCP(Combat Will Point)である。闘志とも訳されるこのポイントはPvPの時のみ消費される数値で、HPのバーの上にオレンジ色で表示される。この値はレベル、クラスごとに異なる。PvPではまずこのCPが消費され、これが0になるとHPが減り始める。いままで以上にキャラクタがタフになるということで、この要素がPvPにどんな新しい楽しさを盛り込んでいくかは、導入後ユーザー間で議論されることとなるだろう。PKに関しても影響してきそうな数値である。 サブクラスシステムは、現在のレベルの上限である75に達したプレーヤーに提示されるさらなる強者への道である。75レベルに到達したプレーヤーは追加されるクエストに挑戦することで、2次転職のクラスを選択することができる。例えばパラディンはサブクラスとしてブレードダンサーを選択できるなどである。サブクラスは40レベルからスタート、これを75にすることができれば、Chronicle4で実装される予定の「英雄」になることができるという。 現在日本ではレベル75になったキャラクタは150人程度。他の国に比べると低い。さらにサブクラスを得るためのクエスト自体が大変な困難を伴うという。最強キャラクタに挑戦する、きわめてきつい道のようだ。 上級者向けに新たにAグレードの武器や防具も追加された。トゲトゲの威圧的な外見をしたソウルセパレーター、凝った装飾が施されたソードオブミラクル、防具もナイトメアアーマーや、マジェスティックアーマーなどが用意されている。これらを得るための競争も激しくなるだろう。
■インターフェイスやゲームバランスなど全体的な見直しと、新規キャラクタへの援助
新規キャラクタはNPCによる補助魔法を受けることもできるようになった。この魔法は効果が60分持続する、狩りには必須の要素となりそうだ。また、装備の交換を差額で行なうことができる。10万アデナ相当の武器を持っていて、20万アデナの武器に買い換える場合は、10万アデナを払えば購入できるのだ。他のゲームと比べて、NPCからの購入で装備を得る要素が強く、さらにその値段が非常に高い本作において、この要素はうれしい。 また、インターフェイスの見直しも行なわれている。大陸全土の地図だけでなく、各街に入れば対応したマップに切り替わるほか、初心者向けのガイドブックアイテムが追加された。他にもいままで10個だったショートカットアイコンが、PCのファンクションキーに合わせて12個に変更されるなど、細かい部分にも手が加えられているという。 前述したように、書き出された要素は上級者向けと初心者向けが多く、レベル20より上の、本作においてレベル上げがきつく、根気が必要になる中級者向けに対する追加要素が少ないように思える。しかし、先行してアップデートが行なわれた韓国では、ゲームのバランスにおいて、評価する声が高かったという。セブンサインに特に顕著ではあるが、今回のアップデートでは実装されてからの評価が特に重要になってきそうである。世界がどのように変わるのか、期待したい。
Lineage II The Chaotic Chronicle is a trademark of NCsoft Corporation. NC Japan K.K. was granted by NCsoft Corporation the right and license to publish,distribute and transmit Lineage II The Chaotic Chronicle in Japan.
□エヌ・シー・ジャパンのホームページ (2005年4月5日) [Reported by 勝田哲也]
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