【Watch記事検索】
最新ニュース
【11月30日】
【11月29日】
【11月28日】
【11月27日】
【11月26日】

Game Developers Conference 2005現地レポート

GDC 2005 Expo会場レポート
SCEAブースとNintendoブース周辺は、E3さながらの盛り上がり

3月7日~11日(現地時間) 開催

会場:Moscone West Convention Center

 GDCでは、世界中の有名クリエイターなどによるカンファレンスセッションと平行して、ゲーム市場に関わっている様々な企業が参加するExpoイベントも開催されている。ただし、E3や東京ゲームショウなどのような、ゲームタイトル自体をアピールする場ではなく、開発ツールや、ゲーム関連の様々なテクノロジーを展示・解説するために設けられている。また、ゲームパブリッシャーによるリクルートコーナーも設けられており、来場者の就職活動を手助けするという一面もある。

 今回のExpo会場は昨年までと開催場所が変わったことなどもあり、会場の規模がやや縮小されていたが、例年通り、ゲーム市場に関わっているハードウェア・ソフトウェアメーカーが多数ブースを構えて、精力的に新製品や新テクノロジーのアピールを行なっていた。


■ SCEAブースは北米のPSPローンチタイトルを展示

 Sony Computer Entertainment America(SCEA)は、ほぼ毎年GDCのExpoにブースを構え、様々な展示を行なっている。もちろん、プレイステーション 2の試遊機を並べ、新タイトルがプレイできるようになっていたりもするが、それはそのタイトルに盛り込まれている最新テクノロジーの技術デモといった意味合いが強く、プレイステーション 2の開発キットの展示なども合わせ、開発者向けという意味合いが展示内容にも色濃く表れている。

 しかし、今年のSCEAのブースは、例年とは大きく趣向が異なっていた。開発キットなどを展示するスペースはブースの隅に追いやられ、ブースのほとんどがPS2やPSPの試遊スペースになっていたのだ。またPSPに関しては、北米での発売日である3月24日を目前に控えていることもあってのことか、多数の試遊機を並べてローンチタイトルを中心にプレイさせていた。しかも、それらはただ単純にゲームをプレイさせていただけなのである。

 GDC参加者はゲーム開発に従事している人が中心ということもあり、会場では日本人以外でも日本で発売されているPSPを持ちプレイしている人を何人も見かけるほどだった。もちろん、実際にPSP用のゲームを開発中という人もいるはずで、GDC参加者にしてみれば、SCEAブースで展示されているPSPに対してそれほど興味がないのでは、とも思ったのだが、実際には発売直前ということもあるのか多数の来場者が試遊していた。

SCEAブース。E3や東京ゲームショウのブースと比較すると1/4以下ほどの小さなスペースだがGDCのExpo会場ではかなり大きな方だ 北米で発売直前のPSPの試遊機を多数設置。ローンチタイトルを中心に自由にプレイできるようになっていた とにかくたくさんの人が詰めかけてPSPのゲームをプレイしていた。その光景は、ここは本当にGDCのExpo会場かと疑ってしまうような感じだった
PS2の最新ゲームも展示されていた。こちらも技術デモという要素はほとんどなく、ただ単純に試遊させていただけだった 開発キットコーナーはブースの隅に追いやられ、係員も退屈そうにしていた


■ 初のNintendo of Americaブースはゲームの試遊コーナーがメイン

 今年のGDCのExpoでは、Nintendo of America(以下Nintendo)がブースを構えていたという部分も例年にはない特徴の1つだ。GDCのExpoにはリクルート専用のコーナーが用意されており、そちらにはNintendoが毎年ブースを構えてはいたが、一般の展示スペースにNintendoがブースを構えるのはこれが初ではないだろうか。

 そのNintendoブースは、SCEAブースと同様に、ニンテンドーDS(DS)やゲームキューブの試遊機をならべて来場者にプレイさせていた。しかも、開発キットなど開発関連の展示は全くなかった。もちろん、ブースの規模はE3や東京ゲームショウに遠く及ばないが、その内容に関しては大きな違いがないと言ってもいいだろう。DSは北米市場は日本よりも早く販売が始まっており、来場者にとっても新鮮味がないはずなのだが、試遊すればTシャツがもらえるということもあってか、こちらもSCEAブース同様に多数の来場者が試遊機に群がっていた。

 また、ブース中央には、過去に全世界で限定で発売されたりキャンペーンのために作られた、オリジナルカラーやデザインのゲームボーイアドバンスSP(GBASP)が展示され、来場者に好きなデザインを投票してもらっていた。ちなみに、投票で上位になったデザインのGBASPを発売するといった趣旨で行なわれていたわけではない。おそらく、今後の製品に対してのリサーチという意味で行なっていたのだろう。

 このNintendoブースとSCEAブースは、Expo会場のほぼ中央部分に、横に並ぶ形でスペースが確保されていた。そのため、Expo会場のこの一部だけは、まるでE3や東京ゲームショウそのものといった感じで、通常のGDCのExpoとは全く異なる雰囲気となっていたのは印象的だった。

こちらはGDCのExpoに初登場となったNintendoブース。こちらもSCEAブース同様に、ゲームキューブやニンテンドーDSの試遊機を多数用意し、ゲームの試遊が中心の展示となっていた リクルートコーナーには、例年通りNintendo of Americaのコーナーがあった。こちらにはほぼ毎年ブースを用意している DSは日本に先駆けて北米市場で先行発売されたが、それでもこの人気。試遊すればTシャツがもらえることも後押ししたか?
「ドンキーコング ジャングルビート」は、アメリカでもかなり人気があるようだ こちらは今年第2四半期に発売が予定されている、ファーストパーソンシューティングアドベンチャー「GEIST(ガイスト)」(仮称)。日本での発売は未定となっている 世界中で限定発売されたりキャンペーン用として作られた、オリジナルデザインのゲームボーイアドバンスSPを展示。好きなデザインを投票してもらっていたが、基本的には今後へのリサーチという意味合いのようだ


■ LogitechブースでPSP用のハードケースが展示

 キーボードやマウス、ゲームコントローラなどを開発しているLogitech(ロジクール)ブースで、北米市場でのPSPのローンチに合わせて発売が予定されている、PSP専用のハードケースが展示されていた。

 「PlayGear Pocket」と名付けられたその製品は、透明プラスチックとラバープロテクションで構成されたハードケースだ。PSP収納時は、外部のプラスチックと内部のラバープロテクションによってPSPを外部の衝撃から完璧に保護する。また、電源スイッチやヘッドホン端子部分はケース外周部分が切り取られており、PSP本体をケースに入れた状態でもACアダプタなどの接続が可能となっている。また、LRトリガーボタン部分も切り取られているため、フタを開けた状態でもゲームのプレイが可能となる。ケースのフタ部分は黒のラバーが取り付けられ、サンバイザーとしても活用できる。野外でPSPを利用する場合など、液晶面に光が映り込んで見づらくなるのを防いだり、電車内などで隣の人からのぞき込まれないように、といった使い方が可能だ。

 さらにフタは270度ほど開くようになっており、PSP用のスタンドとしても活用できるようになっている。映像タイトルが記録されたUMDディスクを再生させたり、メモリースティックDUOに保存したムービーデータを再生させる場合などに役立つだろう。

 ケースの本体は透明プラスチックを使ってはいるが、内側ほぼ全体が黒のラバーで覆われているため、基本的にPSP本体が直接外から見えることはない。しかし、底面部分のラバーの中央が丸く切り取られており、PSP本体のロゴが外からも見えるようになっている。これがいいアクセントになっていて、見た目もかなりいい感じだ。唯一気になったのが、ケースとしては重量が結構あるという部分だが、それだけ分厚いプラスチックとラバーでPSPがしっかりと覆われるため、耐衝撃性に関しては申し分ないと言っていいだろう。

 ちなみに、PSP本体を中央に設置してスタンド代わりとしても利用できるポータブルスピーカー「PlayGear Amp」、インナーイヤータイプのヘッドホン「PlayGear Stealth」、ヘッドホン端子を2股に分岐する「PlayGear Share」などの製品も用意されている。そして、PlayGear Pocketも含めた4製品は、PlayGearシリーズとして発売されることになる。

 PlayGear Pocketも含めたPlayGearシリーズの発売時期だが、北米市場ではPSPのローンチからやや遅れた4月中の発売が予定されている。日本での発売時期は現時点では未定とされているが、これはPSPのロゴ認証の取得時期が現時点ではっきりしないから、というのが理由だそうで、ロゴ認証が取得できればすぐにでも発売する予定だそうだ。

PSP用のハードケース「PlayGear Pocket」。透明プラスチックとラバーでPSPをしっかりと保護する フタを開けた状態。フタはサンバイザーの役割も果たす 底面は中央部分のラバーが丸く切り取られており、PSP本体のロゴが見えるように配慮されている
LRのトリガーボタン部分はケースが切り取られており、ケースに入れたままでも操作可能なように配慮されている ACコネクタや電源ボタン、ヘッドホン端子などの部分もきちんと外からアクセスできるようになっている フタを大きく開くと、PSP用のスタンドとしても活用できる。ムービーを見る場合などに便利だろう
 
こちらはPSP用のポータブルスピーカー「GameGear Amp」。これはまだ試作品のようだが製品版では中央部にPSPを設置してスタンドとしても利用できるようになる スピーカーを折りたたんでコンパクトに持ち運べる。単3電池でも駆動できるので、野外でも使用も可能だ



□Game Developers Conference(英語)のホームページ
http://www.gdconf.com/
□Game Developers Conference(日本語)のホームページ
http://japan.gdconf.com/
□ソニー・コンピュータエンタテインメントのページ
http://www.scei.co.jp/
□任天堂のページ
http://www.nintendo.co.jp/

(2005年3月13日)

[Reported by 平澤寿康]


Q&A、ゲームの攻略などに関する質問はお受けしておりません
また、弊誌に掲載された写真、文章の無許諾での転載、使用に関しましては一切お断わりいたします

ウォッチ編集部内GAME Watch担当game-watch@impress.co.jp

Copyright (c)2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.