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Game Developers Conference 2005現地レポートGDC 2005 Expo会場レポート |
会場:Moscone West Convention Center
GDCでは、世界中の有名クリエイターなどによるカンファレンスセッションと平行して、ゲーム市場に関わっている様々な企業が参加するExpoイベントも開催されている。ただし、E3や東京ゲームショウなどのような、ゲームタイトル自体をアピールする場ではなく、開発ツールや、ゲーム関連の様々なテクノロジーを展示・解説するために設けられている。また、ゲームパブリッシャーによるリクルートコーナーも設けられており、来場者の就職活動を手助けするという一面もある。
今回のExpo会場は昨年までと開催場所が変わったことなどもあり、会場の規模がやや縮小されていたが、例年通り、ゲーム市場に関わっているハードウェア・ソフトウェアメーカーが多数ブースを構えて、精力的に新製品や新テクノロジーのアピールを行なっていた。
■ SCEAブースは北米のPSPローンチタイトルを展示
Sony Computer Entertainment America(SCEA)は、ほぼ毎年GDCのExpoにブースを構え、様々な展示を行なっている。もちろん、プレイステーション 2の試遊機を並べ、新タイトルがプレイできるようになっていたりもするが、それはそのタイトルに盛り込まれている最新テクノロジーの技術デモといった意味合いが強く、プレイステーション 2の開発キットの展示なども合わせ、開発者向けという意味合いが展示内容にも色濃く表れている。
しかし、今年のSCEAのブースは、例年とは大きく趣向が異なっていた。開発キットなどを展示するスペースはブースの隅に追いやられ、ブースのほとんどがPS2やPSPの試遊スペースになっていたのだ。またPSPに関しては、北米での発売日である3月24日を目前に控えていることもあってのことか、多数の試遊機を並べてローンチタイトルを中心にプレイさせていた。しかも、それらはただ単純にゲームをプレイさせていただけなのである。
GDC参加者はゲーム開発に従事している人が中心ということもあり、会場では日本人以外でも日本で発売されているPSPを持ちプレイしている人を何人も見かけるほどだった。もちろん、実際にPSP用のゲームを開発中という人もいるはずで、GDC参加者にしてみれば、SCEAブースで展示されているPSPに対してそれほど興味がないのでは、とも思ったのだが、実際には発売直前ということもあるのか多数の来場者が試遊していた。
今年のGDCのExpoでは、Nintendo of America(以下Nintendo)がブースを構えていたという部分も例年にはない特徴の1つだ。GDCのExpoにはリクルート専用のコーナーが用意されており、そちらにはNintendoが毎年ブースを構えてはいたが、一般の展示スペースにNintendoがブースを構えるのはこれが初ではないだろうか。
そのNintendoブースは、SCEAブースと同様に、ニンテンドーDS(DS)やゲームキューブの試遊機をならべて来場者にプレイさせていた。しかも、開発キットなど開発関連の展示は全くなかった。もちろん、ブースの規模はE3や東京ゲームショウに遠く及ばないが、その内容に関しては大きな違いがないと言ってもいいだろう。DSは北米市場は日本よりも早く販売が始まっており、来場者にとっても新鮮味がないはずなのだが、試遊すればTシャツがもらえるということもあってか、こちらもSCEAブース同様に多数の来場者が試遊機に群がっていた。
また、ブース中央には、過去に全世界で限定で発売されたりキャンペーンのために作られた、オリジナルカラーやデザインのゲームボーイアドバンスSP(GBASP)が展示され、来場者に好きなデザインを投票してもらっていた。ちなみに、投票で上位になったデザインのGBASPを発売するといった趣旨で行なわれていたわけではない。おそらく、今後の製品に対してのリサーチという意味で行なっていたのだろう。
このNintendoブースとSCEAブースは、Expo会場のほぼ中央部分に、横に並ぶ形でスペースが確保されていた。そのため、Expo会場のこの一部だけは、まるでE3や東京ゲームショウそのものといった感じで、通常のGDCのExpoとは全く異なる雰囲気となっていたのは印象的だった。
キーボードやマウス、ゲームコントローラなどを開発しているLogitech(ロジクール)ブースで、北米市場でのPSPのローンチに合わせて発売が予定されている、PSP専用のハードケースが展示されていた。
「PlayGear Pocket」と名付けられたその製品は、透明プラスチックとラバープロテクションで構成されたハードケースだ。PSP収納時は、外部のプラスチックと内部のラバープロテクションによってPSPを外部の衝撃から完璧に保護する。また、電源スイッチやヘッドホン端子部分はケース外周部分が切り取られており、PSP本体をケースに入れた状態でもACアダプタなどの接続が可能となっている。また、LRトリガーボタン部分も切り取られているため、フタを開けた状態でもゲームのプレイが可能となる。ケースのフタ部分は黒のラバーが取り付けられ、サンバイザーとしても活用できる。野外でPSPを利用する場合など、液晶面に光が映り込んで見づらくなるのを防いだり、電車内などで隣の人からのぞき込まれないように、といった使い方が可能だ。
さらにフタは270度ほど開くようになっており、PSP用のスタンドとしても活用できるようになっている。映像タイトルが記録されたUMDディスクを再生させたり、メモリースティックDUOに保存したムービーデータを再生させる場合などに役立つだろう。
ケースの本体は透明プラスチックを使ってはいるが、内側ほぼ全体が黒のラバーで覆われているため、基本的にPSP本体が直接外から見えることはない。しかし、底面部分のラバーの中央が丸く切り取られており、PSP本体のロゴが外からも見えるようになっている。これがいいアクセントになっていて、見た目もかなりいい感じだ。唯一気になったのが、ケースとしては重量が結構あるという部分だが、それだけ分厚いプラスチックとラバーでPSPがしっかりと覆われるため、耐衝撃性に関しては申し分ないと言っていいだろう。
ちなみに、PSP本体を中央に設置してスタンド代わりとしても利用できるポータブルスピーカー「PlayGear Amp」、インナーイヤータイプのヘッドホン「PlayGear Stealth」、ヘッドホン端子を2股に分岐する「PlayGear Share」などの製品も用意されている。そして、PlayGear Pocketも含めた4製品は、PlayGearシリーズとして発売されることになる。
PlayGear Pocketも含めたPlayGearシリーズの発売時期だが、北米市場ではPSPのローンチからやや遅れた4月中の発売が予定されている。日本での発売時期は現時点では未定とされているが、これはPSPのロゴ認証の取得時期が現時点ではっきりしないから、というのが理由だそうで、ロゴ認証が取得できればすぐにでも発売する予定だそうだ。
(2005年3月13日)
[Reported by 平澤寿康]
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