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★PS2ゲームレビュー★
“老若男女、誰でも楽しめるアクションRPG”として多くのユーザーから支持されてきた「イース」だが、コンシューマとしては久々の新作となるだけに、もしかすると本作が「イース」初体験というユーザーも少なくないかもしれない。そこで、すでにリリースされているPC版をプレイし尽くしている人には今さらかもしれないが、今回はコンシューマ版ではじめて「イース」に触れる人を想定して、まず基本的な事柄からご紹介していこう。
■ 主人公「アドル・クリスティン」の波乱に満ちた冒険を体験 「イース」シリーズといえば、なんといっても“赤毛のアドル”と呼ばれる冒険家「アドル・クリスティン」が主人公。本シリーズは、アドルが残した100冊の冒険記録のなかから主だったものを追体験するというバックグラウンドが存在する。「イース-ナピシュテムの匣-」も例外ではなく、本作はアドルが「カナンの大渦」に飲み込まれるところからスタートする。 「カナンの大渦」は、「イース I」、「イース II」の舞台となったエレシア大陸西方の海域、約1,200kmほど離れたところにある大渦で、その中心にはさまざまな秘宝が眠っていると伝えられている。アドルは仲間のドギや海賊の娘テラたちと大渦に向かう途中、彼らを追うロムン艦隊の襲撃に遭う。海賊船に降り注ぐ砲弾の雨。衝撃で船から落ちそうになるテラ。テラが海に投げ出されそうになったのを寸前で助けたアドルだったが、直後の砲撃による爆風をまともに浴び、彼自身が海に投げ出されてしまったのだった。
海中で意識を失ったアドルは「カナンの大渦」の内側にある「クアテラ島」に漂着。そこで長い耳と尻尾をもつレダ族の姉妹「オルハ」、「イーシャ」に発見される。ふたりの介抱もあり、奇跡的に一命を取り留めたアドル。ここでアドルは、数年に一度くらいの割合で大渦の外から人間が漂着することがあり、レダ族はそうした人々を“エレシア人”と呼んでいること、漂着した人間たちが集落の北東部にある「カナン島」に港町「リモージュ」を作り住んでいるが、生活文化の違いから感情的な対立があることなどを知る。 さらに悪いことに、レダ族の長「オード」は、部族の宝物「ゼーメの神鏡」が盗まれると同時にリモージュとレダをつなぐ橋が誰かの手によって落とされたことを「エレシア人の仕業なのではないか」と疑っていた。オードをはじめ集落に住まう人々の多くにとって、アドルは“招かれざる客”。橋の修復が終わり次第、村から出ていけという。傷が癒えたアドルは、好意的な村人たちの助言に耳を傾けながら、島内の探検を始める。 そんなとき、島の北東にある神殿から悲鳴がきこえてきた。急いで駆けつけたアドルは、島の人々から“はぐれ龍”と呼び恐れる怪物に、今にもイーシャが襲われそうになっているところを発見。間一髪のタイミングではぐれ龍とイーシャのあいだに割り込んだアドルは、駆けつけた族長たちの助力もあり、はぐれ龍を倒すことに成功する。本来、島で採れる特殊な石“エメル”製の武器でないと致命傷を与えられないはぐれ龍を“鋼の剣”で絶命寸前まで弱らせたことで、アドルに対する村人たちの評価は一変する。
そんなアドルにオードは、神殿の先に「カナン島」につながる地下道があることを教えるとともに、ひとつの願いを託す。アドルは、カナン諸島をはじめとする「カナンの大渦」の謎へと、少しずつ迫っていくのであった。
■ プレーヤーを飽きさせない小気味よいアクション
3種類の剣は、倒した敵が時々落とす「エメル」と引き換えに、リモージュの鍛冶屋でパワーアップさせることが可能。剣のレベルが上がるごとに支払うエメル数も増えるため、1点豪華主義でいくか、それとも平均的にパワーアップさせるかは悩みどころ。最終的には3本ともMAXレベルまで引っ張らなければならないため、要は成長過程をどのように楽しむかといった違いにすぎないが、まずは気に入った剣を中心にパワーアップさせていくのが無難だろう。
戦闘アクションは、テンポがよく爽快感バツグン。○ボタンを連打すればコンボ攻撃が気持ちよく決まるので、アクションRPG定番のレベル上げも、「イース-ナピシュテムの匣-」に関しては退屈とは無縁のエキサイティングな“狩り”の時間に早変わり。敵がたくさん出現するフィールドでの戦いは、「上突き」、「下突き」、「ダッシュ斬り」など、多彩なアクションを使いわけると戦闘がよりアクティヴに楽しめる。 「上突き」はジャンプ上昇中、「下突き」はジャンプ下降中にそれぞれ○ボタン。「上突き」は空を飛んでいる敵キャラクタに有効で、「下突き」は攻撃力が高く一部の敵などに非常に有効。「ダッシュ斬り」は、方向キーをチョコンと入力してすぐ離し、ニュートラルになった状態で素早く○ボタンを押す。普通に斬りつけるよりも攻撃力が高く、斬りつけた直後にこれまた素早く×ボタンを押せば「ダッシュジャンプ」が繰り出せる。 「ダッシュ斬り」、「ダッシュジャンプ」はコツを掴むまで少々時間を要するかもしれないが、ゲームの要所で顔を出す重要なテクニックのひとつ。必ずしも必須ではないが、隠しアイテムを取る場合などに必要とされるため、こまめに練習しておくといいだろう。筆者は左アナログスティックのほうが出しやすいように感じられたが、慣れれば方向キーでも余裕で出せるようになるので、このあたりはプレーヤーごとにフィーリングで決めるのが一番といったところか。
剣については、汎用性が高くボタン連打で敵をボコボコにできる「リヴァルト」が筆者一番のお気に入り。ただ、突進のエフェクトが気持ちいい「エリクシル」も捨てがたく、ボタン押しっぱなしで溜め撃ちができる「ブリランテ」も要所で頼りになるため、実際には甲乙つけがたい印象。筆者は“地道にレベルアップする派”につき、ザコキャラと戯れている時間が長いからこのように感じられるのかもしれない。
■ 「イース」ならではの絶妙なバランスとプレイ感覚!
昨今のアクションRPGといえば、やたらと大仰なムービー、グラフィック、エフェクトばかり全面に押し立てて喧伝されるが、、「イース」シリーズは“作風”を尊重するタイプにつき、ボスキャラクタのデザイン、アクションパターンなどにも、それぞれきちんと“らしい味付け”が施されているのがポイント。難易度設定によってはパワープレイでもギリギリなんとかなるが、それでも基本は、シリーズ伝統のヒット&アウェイ。特にボスキャラクタは“押しと引き”のタイミングをわきまえておかないと手酷いダメージを負ってしまうはずだ。 体力が全部回復できる「精霊碑」がマップ上の要所に設置されているため、経験値稼ぎでフラストレーションを溜め込むといったこともない。「ちょっと敵が手強いかな」と思ったら、「精霊碑」の近くでこまめに回復しつつザコキャラを狩り、貯めたお金で防具を買い揃えれば大丈夫。バランス調整がきちんとなされている「イース」シリーズは、必然的にキャラクタレベルの上昇によるパワーアップが肌で感じられる。ひとつのレベルアップでも実感がともなうから、プレイしていて楽しいのは当然といえよう。
パズルゲームのごとき難解な謎解きこそないが、隠しアイテムやクリア後のボスタイムアタックモード、ナイトメアモードなど、やりこみ要素にも抜かりがない点、アクションRPG上級者を自認するプレーヤーにもオススメ。もちろん「イース」初体験という人や、今までアクションRPGに関心がなかった人、あるいは「なんか最近“見てるだけ”って感じのRPGばっかりだなぁ」と倦怠モードに突入している人などは、この機会にぜひともプレイしていただきたい作品だ。
■ 「イース-ナピシュテムの匣-」通常版をプレゼント! コナミ株式会様より、PS2用「イース-ナピシュテムの匣-」の通常版ソフトをご提供いただきましたので、抽選で5名様にプレゼントいたします。ふるってご応募下さい。
応募締切 :3月18日 23:00 まで
※ 応募フォームの送信はSSL対応ブラウザをご利用ください。SSL非対応のブラウザではご応募できません。
(C) 2005 Konami Digital Entertainment
□コナミのホームページ (2005年3月11日) [Reported by 豊臣和孝]
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