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Taipei Game Show 2005現地レポート

Sony Computer Entertainment HongKongブースレポート
初出展のSCEHは他社とはひと味違う姿勢で存在をアピール

会期:2月24日~28日 開催

会場:台湾、世界貿易中心

 今回の「Taipei Game Show 2005(台北国際電玩展)」の最大の話題はなんといっても SCEH(Sony Computer Entertainment HongKong)の初出展だろう。台湾のコンシューマゲーム市場においてリーダー的存在であるSCEHはこの台湾での最大規模のゲームショウ「Taipei Game Showに関しては今まで参加をしてこなかったのである。なぜ今回出展に踏み切ったのか、そして今回どんな出展をしてくれるのか? SCEHブースは台湾ユーザーをはじめ多くのメディアがもっとも注目する場所となった。

初日のSCEHブースはステージイベントは最小限で、スタッフは試遊台でプレイするユーザーのサポートを積極的に行なっていた
謝長廷首相にPSPの説明を行なうSCEH董事長、安田哲彦氏(写真中央)
UMDを手にする安田氏はPSPの斬新さをアピール
PSPコーナーではコンパニオンがゲームの楽しみ方を丁寧に説明
太鼓の達人シリーズの試遊台は女性や子供にも大人気だった
 初日となる26日。SCEHを訪れた筆者の前には意外な光景が広がっていた。中央のステージ上には大きなモニターがあるが、それは最新ゲームの紹介画面を映し出すのみ。右手には多くの試遊台が設置され、多くのユーザーが最新ゲームを熱心にプレイしている。通路側ではコンパニオンがGT4のロゴの張られた車のそばでポーズを取り、カメラを持った来場者たちの要求にこたえ笑顔を向けている。プレイ待ちのユーザーの行列こそないものの、その光景は「東京ゲームショウ」を思わせる「PS2というハードとゲームを紹介するイベント」であった。

 すぐ隣のSOFTWORLDが、武術の達人やセクシーな金髪女性がひっきりなしにステージに上り、歌や踊りのパフォーマンスを繰り返すという「Taipei Game Show」の筆者のイメージそのままの出展を行なっているだけにその違いがはっきりしていた。グッズや紙袋を両手に抱えたユーザーがブース中央でぼんやりと周りを見回していたりと、来場者も最初は驚いていたようだ。

 午前中、コンパニオンたちが会場に整列、SCEHスタッフもその列に加わって並び、訪れる予定の謝長廷首相を待った。周りのブースは依然としてお祭り騒ぎ。そのコントラストは少しユニークなものがあった 。
 首相は多くの台湾メディアを引き連れて登場。台湾メディアたちはコンパニオンの行列を容赦なく押しやり、迎え入れたSCEH董事長の安田哲彦氏が首相にPSPを手渡す光景へフラッシュを浴びせかける。きちんと整列して待っていた日本式の「行儀の良さ」が台湾のパワーの前に調子を崩されてしまったという光景が見られた。

 SCEHブースは13:30からの「開会式」から本格的なスタートとなった。壇上にあがった安田氏は最初に「Taipei Game Showに出展できたのはみなさんの応援のおかげです。本当に感謝しています」と挨拶。この後台湾での展開の経緯や、2004年12月31日の時点で全世界でPS2が8,139万台、ソフトの出荷数が7億7,500万枚であることを報告した。

 その次に安田氏が取り上げたのは「海賊版問題」モニターには大きく×がつけられたソフトのパッケージ。「海賊版は開発者に資金が還元されず、業界自体に悪影響を及ぼします」。この説明の後に、台湾でPS2の販売台数が55万台に達したことを発表。この海賊版問題に関する安田氏の見解は、後に掲載する氏のインタビューでより詳しくお伝えしたい。

 PS2の現状の説明の後は、いよいよPSPを台湾ユーザーの前に公開。安田氏は満面の笑顔とともに、PSPの高性能、ネットワークなどの拡張性、UMDの機能の説明などを行なった。そしてPSPの台湾での発売が2005年春であること、価格などの詳細は3月中旬に改めて発表することを伝えた。

 この開会式が終わると同時に、PSPコーナーがオープン。たくさんのユーザーが入り口につめかけ、一時は混乱も起きた。ここではSCEHスタッフが見事に連携し、ユーザーを誘導するルートをブースそばに瞬時に設定。ほどなくどのユーザーも順調にプレイを楽しむことができた。

 PSPコーナーは円形のフィールドの壁際に8台の試遊台を設置、さらにブース中央には10人以上のPSPを持ったコンパニオンがユーザーを迎え入れる。コンパニオンたちはPSPという初めてのゲーム機の基本的な使い方から、ゲームの進め方まで丁寧に説明をしてくれる。ユーザーはまず、ヘッドフォンをつけてから両手に持ったPSPでコンパニオンのガイドに従いながらゲームを楽しんでいた。

 今回出展されたPSPタイトルは「みんなのGOLF ポータブル」、「リッジレーサーズ」、「真・三國無双」、「ピポサルアカデミ~ア」、「Mobile Train Simulator + 電車でGO! 東京急行編」、「ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド ライバルズ」、「ナムコミュージアム」。すべて日本語版だ。ユーザーの反応は人それぞれで、コンパニオンの説明にちょっと照れながら笑顔を向ける人や、説明を聞かずに一心不乱にプレイする人、カップルで楽しむ人……中にはゲームよりもPSPそのものに興味を持ち、各スイッチやUMDの取り出し方を細かく質問するユーザーもいた。

 筆者が感心させられたのは、ユーザーの誘導のうまさだ。厳密に入り口で入場者を制限し、手が空いたコンパニオンの姿を見かけたスタッフはすぐに入り口のスタッフに声をかけ、入場者を入れる。台湾ユーザーにとってはちょっと窮屈なシステムだったかもしれないが、スタッフの息のあった連携により、誰もがたっぷりとゲームを楽しんでいたようだった。

 今回のイベントではSCEJからもスタッフが参加している。東京ゲームショウなど来場者をきちんと管理してゲームを体験させるノウハウが存分に活かされている印象を受けた。

 PS2で出展されていたタイトルの中で4つの試遊台を使って比較的大きな規模で出展されていたのはセガの「獣王記」とナムコの「デス バイ ディグリーズ 鉄拳: ニーナ ウイリアムズ」の2本。このふたつは中国語版が出展された。特に「デス バイ~」の主人公ニーナのセクシーな姿に、ユーザーが釘付けになっていた。他に中国語版のタイトルでは、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「我が竜を見よ」、EA「ロード・オブ・ザ・リング 中つ国第三紀」があった。

 来場者が非常に楽しそうにプレイしていたのは「太鼓の達人 ゴー!ゴー!五代目」と「 太鼓の達人 TAIKO DRUM MASTERS」。このふたつは女性や子供にも人気が高かった。「鉄拳5」も試遊台には常に人が集まっていて、台湾でのナムコの人気の高さを伺わせた。

 ユーザーの注目を集めたといえば、バンダイのタイトルも負けてはいない。「ドラゴンボールZ3」、「聖闘士星矢 -聖域十二宮編ー」、「ONE PIECE グラバト!RUSH 」、「機動戦士ガンダム ガンダムvs.Zガンダム」といったタイトルは、プレイを希望する人たちだけではなく、画面を眺める人も多く、試遊台の周りはとても込み合っていた。

 他にも、「メタルスラッグ5」、「NBAライブ2005」、「NBAストリートV3」、「ツキヨニサラバ」、「GLADIATOR ROAD TO FREEDOM」、「デビル メイ クライ 3」、「真・三國無双4」といった最新のタイトルが出展されていた。また、映像出展のみのタイトルとしては 「ワイルドアームズ ザ フォースデトネイター」、「機動戦士ガンダム 一年戦争」があった。

 「Taipei Game Show」はゲームタイトルの出展とともに、「即売会」の性格を持つのが特徴だ。SCEHブースでも物販コーナーが設けられ、多くのユーザーが商品を買い求めていた。26日だけでも日本円にして500万円に近づくほどの売り上げがあったとのことだ。

 この即売会で一番売れた「グランツーリスモ4」は会場でも特別コーナーを設けて展示。特にドライビングシートに設置された特別の試遊台は多くのギャラリーも集めていた。この試遊台は、28日に行なわれるゲーム大会の決勝戦の場になる。優勝者はブースに展示されている240万ものフォードの新車をゲットすることができるという。

大きく×をつけられた海賊版ソフト。海賊版流通はソフト開発の妨げになることを説明 PSPコーナーオープンとともに詰めかけるユーザー。オープン直後はちょっとした混乱も ゲームよりもPSPの構造に興味を持つユーザー。UMDという新しいメディアにも関心が集まった
バンダイのゲームはギャラリーも多かった。キャラクタの人気は台湾でも非常に高い 「グランツーリスモ4」のコクピット型試遊台も人気を博した ブースに展示されていた車はなんとゲーム大会の賞品である

□Taipei Game Show 2005のページ
http://tgs.tca.org.tw/
□Sony Computer Entertainment HongKongのホームページ
http://www.sceh.com.tw/
□関連情報
【2月25日】Taipei Game Show 2005が台湾にて開催
初出展のSCEHがPSPを公開、今年のコンソールゲームがシェアを拡大
http://game.watch.impress.co.jp/docs/20050225/tgs_01.htm

(2005年2月25日)

[Reported by 勝田哲也]


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